【醤油の染み抜き】シミの特性を知ろう 醤油のシミは水溶性
落としにくいイメージのある醤油のシミですが、シミの特性を知ることで、有効な方法で染み抜きをすることができます。
シミは、「水溶性」「不溶性」「油溶性」などの、それぞれの特性をもった種類にわけられますが、醤油のシミは「水溶性」のシミです。水に溶けやすい性質があるので、早く対処すれば比較的容易にシミを落とすことができます。
水溶性の醤油のシミの落とし方を、種類別にチェックいきましょう。
醤油の染み抜きの方法1 【基本の染み抜き方法】弱アルカリ性洗剤で落とす
醤油のシミは、早めの対処をすれば、洗剤と水で落とすことができます。ただし、洗剤といってもなんでもOKなわけではありません。
注意したいのが洗剤の種類。醤油の染み抜きには、「弱アルカリ性」の洗濯洗剤を使用しましょう。
基本的な醤油の染み抜き方法 ■弱アルカリ性洗剤を使った醤油の染み抜き手順
①シミのついた箇所を濡らさずに、直接シミに弱アルカリ性洗剤を垂らす。
②洗剤がシミに浸透したら、水またはぬるま湯でもみ洗いをする。
③水またはぬるま湯でしっかりと洗い流す。
この時点で完全に落ちていればそのまま脱水・乾燥の工程に移って問題ありません。まだうっすらとシミが残っているという場合は、このまま洗濯機に入れていつも通りに洗濯しましょう。
醤油の染み抜きにぴったりな弱アルカリ性洗剤とは? ■弱アルカリ性の洗濯洗剤の商品をチェック
醤油の染み抜きにおすすめの洗濯用弱アルカリ性洗剤 花王 アタック3X(スリーエックス)
花王 アタック3X(スリーエックス)本体
弱アルカリ性洗剤の「アタック3X(スリーエックス)」。洗浄力だけでなく、抗菌力・消臭力にもすぐれた3X洗浄処方の洗剤です。リフレッシュクリアのさわやかな香りで、すっきりと仕上がります。
醤油の染み抜きの方法2 【時間が経過してしまったら】食器用洗剤で落とす
醤油のシミにあとから気がついたり、すぐに対処ができずに時間が経過してしまった場合は、食器用洗剤での染み抜きがおすすめです。繊維の奥まで色素が入ってしまった場合でも、食器用洗剤でゆるませて、シミを落とすことができます。
時間が経過してしまった場合の醤油の染み抜き方法 ■食器用洗剤を使った醤油の染み抜き手順
①シミがの下にタオルを当てる。
②シミに直接食器用洗剤をかけ、指の腹で軽くなじませる。
③指または歯ブラシなどを使い、タオルに汚れを移すようにしてシミを叩く。
④ぬるま湯ですすぎ洗濯機でいつも通り洗濯する。
基本的には、食器用洗剤でシミをゆるませてからいつものように洗濯するだけでOK。③の工程の際には、シミの広がりを防ぐために、中心部ではなくシミの外側から叩くのがポイントです。
醤油の染み抜きに使いたい食器用洗剤 ■食器用洗剤の商品をチェック
食器用洗剤には中性・弱酸性・アルカリ性がありますが、衣類に使用する場合は、アルカリ性以外のものを選ぶがおすすめです。
アルカリ性はなかでも洗浄力が高く、頑固な油汚れを落とす特性がありますが、衣類がダメージを受けたり、色落ち・変色の恐れもあるので避けるようにしましょう。
醤油の染み抜きにおすすめの食器用洗剤 花王 キュキュット
花王 キュキュット オレンジの香り 本体 240ml
「キュキュット」は、中性の台所用合成洗剤。独自のハイブリッド・ウォッシュ処方で汚れを分解し、すっきりと洗浄してくれます。衣類に使用する際にも使いやすい、手肌へのやさしさも考えられている製品です。
醤油の染み抜きの方法3 【どうしても落ちない頑固なシミに】漂白剤を使う
洗濯用洗剤でも食器用洗剤でも落ちないような頑固なシミには、漂白剤を使って落とすのがおすすめ。
漂白剤には酸素系・塩素系などの種類がありますが、醤油の染み抜きには「酸素系漂白剤」を使用しましょう。塩素系漂白剤は漂白力が強く、色落ちなどの原因にもなるので誤って使用しないように注意が必要です。
頑固な醤油の染み抜き方法 ■酸素系漂白剤を使った醤油の染み抜き手順
①酸素系漂白剤を、綿棒などでシミ部分につける。
②綿棒または歯ブラシでシミをポンポン叩く。
③シミが落ちたらぬるま湯でしっかりすすぐ。
④洗濯機でいつも通り洗濯する。
①の工程で、粉末タイプや、薄める必要のある液体タイプを使用する場合は、パッケージの記載通りに水で薄めましょう。
また、漂白剤を使ってもなかなかシミが落ちそうにない場合は、ドライヤーで熱を加えるという裏技も。漂白剤は、熱を加えることでさらに漂白効果が高まります。10〜15cmほど離して、温風を10秒ほど当ててみましょう。
頑固な醤油の染み抜きに使いたい漂白剤 ■酸素系漂白剤の商品をチェック
醤油の染み抜きにおすすめの漂白剤 花王 ワイドハイターEXパワー
花王 ワイドハイターEXパワー
色落ちが心配な衣類にも使いやすい酸素系漂白剤。染み抜きの手段としてだけでなく、ふだんの洗濯で落ちしきれない汚れや匂いを取り除きたいときにも便利なアイテムです。つけ置きをすることで除菌効果も発揮します。
醤油の染み抜きの方法4 【調味料で代用】お酢を使う
醤油の染み抜きに適した洗剤や漂白剤がないという場合でも大丈夫。ほとんどの家庭にある「お酢」を使って、醤油のシミを落とすことができます。
キッチンやシンクまわりの汚れ落としなどにも活用されるお酢ですが、お酢には酢酸という強い酸性の成分が含まれているのがポイント。弱酸性の醤油に対して酸が強いため、化学反応により醤油の色素を分解し、シミを落とすことができます。
家庭にある調味料で代用した醤油の染み抜き方法 ■お酢を使った醤油の染み抜き手順
①お酢を2倍の水またはぬるま湯で薄める。
②タオルに薄めたお酢を含ませシミをポンポンと叩く。
③中性洗剤で水洗いする。
④そのまま乾かすorいつも通り洗濯機で洗う。
お酢は強力な酸性のため、染み抜きをしたまま放置すると、衣類を痛める原因にも。染み抜きをした部分が変色してしまう恐れもあるので、③の工程を忘れないように注意しましょう。
醤油の染み抜きの方法5 【掃除用品で代用】重曹・セスキを使う
高い洗浄力を発揮しながらも、環境にもやさしい自然派洗剤として注目されている「重曹」や「セスキ」。これらを酸素系漂白剤と混ぜることによって、醤油の染み抜きをすることができます。
100円ショップなどでもかんたんに取り揃えることができ、洗濯以外にも掃除用剤としてさまざまなシーンで活用できるので、自宅に揃えておくと便利ですよ。
マルチな掃除用品で代用した醤油の染み抜き方法 ■「重曹」「セスキ」を使った醤油の染み抜き手順
①シミの下にタオルを敷いておく。
②衣類用酸素系漂白剤と重曹(またはセスキ)を3対1の比率で混ぜる。
③台所用食器用洗剤を3滴ほど加え、混ぜる。
④液体を歯ブラシにつけ、シミの上からポンポンと叩く。
⑤シミが抜けてきたら水でよくすすぎ洗いをする。
⑥洗濯機でいつも通り洗濯する。
この染み抜き方法は、醤油以外にもケチャップやミートソースなどの食べこぼしのシミや、汗による黄ばみなど、さまざまな染み抜きに活用できます。
醤油の染み抜きの方法6 【野菜で代用】自宅にある大根で染み抜き
クリーニング業者への指導も行う、高知県に本山を構えるシミ抜き流派「不入流(いらずりゅう)」をご存知でしょうか?「不入流」の染み抜きの達人が紹介する醤油のシミの落とし方は、「大根」を使うという目からウロコの技法です。
「大根でシミが本当に落ちるの?」と疑問に思う方も多いかもしれませんが、その理由は大根に含まれる「酵素」にあります。酵素はでんぷんやタンパク質を分解する働きがあるため、それにより醤油のシミを落としてくれるのです。
野菜に含まれる自然の成分を活用しているため、衣類や布地を傷めることなく染み抜きができるのもポイント。デリケートな素材にシミをつけてしまった場合にも、おすすめの染み抜き方法です。
家にある野菜で代用した醤油の染み抜き方法 ■大根を使った醤油の染み抜き手順
①大根を持ちやすいサイズにカットする。
②大根に石鹸をつける。
③シミ部分を約3分ほどこする。
④いつも通り洗濯機で洗濯する。
醤油の染み抜きの方法7 丸洗いできないものにシミがついたら?
さまざまな醤油の染み抜き方法をご紹介しましたが、醤油のシミがつくのは衣類だけとは限りません。布製のソファやカーペットなど、洗濯機で丸洗いできないものに、うっかり醤油をこぼしてしまったというケースもありますよね。
そのような場合も、すぐに対処をすることができれば、自分で染み抜きをすることができますよ。
丸洗いできない場合の醤油の染み抜き方法 ■ソファやカーペットなどの醤油の染み抜き手順
①ティッシュやキッチンペーパーでこぼした醤油を吸水する。
②200mlほどのぬるま湯に中性の食器用洗剤を10滴ほど入れ、洗剤液をつくる。
③洗浄液をタオルにつけ、シミの上からポンポンと叩く。
④水で濡らし固く絞ったきれいなタオルで拭き取る。
⑤さいごに乾拭きをする。
小さな範囲のシミであれば上記の方法で染み抜きができます。ただし、醤油を大量にこぼし大きなシミになってしまった場合や、時間が経過し落とすのが難しい場合には、プロのクリーニング業者への依頼を検討してみましょう。
醤油の染み抜きの方法8 外出先での応急処置は?
外食先などでうっかり醤油をこぼしてしまい、着ている衣類にシミをつけてしまうということも多いはず。
そんなときは、すぐに着替えて洗うことができないからといって放置するのではなく、適切な応急処置を行うことで、シミの定着を防ぐことができます。
外出先で醤油のシミをつけてしまったら? ■醤油のシミに効く応急処置の方法
①こぼしたばかりの場合は、すぐにティッシュなどで吸水する。
②乾いたティッシュをシミの裏側にあてる。
③シミ部分に少量の水を含ませる。
④ハンカチを水で濡らし、シミをつまむようにして拭き取る。
ハンカチを持参していない場合はティッシュや紙ナプキンなどで代用できます。
応急処置はいたってシンプル。この対処をするかしないかで、自宅に帰ってからの染み抜きの難易度が変わってくるので、覚えておくと便利ですよ。
醤油の染み抜きで気をつけたいポイントは? 醤油の染み抜きの3つのポイント
醤油の染み抜きのポイント1 ■早めの対処が大切
醤油の染み抜きは、いかに早く対処をすることができるかのスピード勝負です。醤油は色素が濃いので、時間が経つと繊維の奥まで沈着し、落とすのが難しくなってしまいます。
すぐに洗濯ができない場合でも、早めの応急処置を心がけるようにしましょう。
醤油の染み抜きのポイント2 ■シミをこすらない
醤油のシミは、「こすらない」ということが大切なポイント。醤油のシミをこすってしまうと、かえって繊維の奥に染み込ませてしまったり、シミを広げてしまう原因となるため注意しましょう。
醤油の染み抜きのポイント3 ■洗濯表示の確認を
自宅で醤油の染み抜きをする前に必ず確認すべきことは、洗濯表示を確認すること。水洗いが可能なものは自分で染み抜きをすることができますが、ドライクリーニングの表示があるものは、クリーニング店に依頼しましょう。
シルクやレーヨンなどのデリケートな素材を自分で染み抜きしてしまうと、変色や色落ち、生地が痛む原因にも。焦って染み抜きをする前に、まずは洗濯表示を確認するようにしましょう。