油染みの落とし方の前に そのシミは油染み?シミの種類を確認する方法
※「油っこい食べ物を服にこぼしてしまった!」という方はこの部分は読み飛ばし、記事後半の応急処置方法へどうぞ。
シミ抜き作業に取りかかる前に服についているシミが油染みか確認しましょう。なぜならシミには大きく3種類あり、それぞれ性質が異なるので落とし方もちがうから。
【シミの3つの種類】
・水溶性のシミ:水に溶ける。しょうゆ、コーヒー、ワインなど
・油溶性のシミ:油に溶ける。口紅、バター、チョコレートなど
・不溶性のシミ:水にも油にも溶けない。泥、サビなど。
食べこぼしのシミは水溶性もしくは油溶性であることが多く、この2種類のシミを見分ける方法は「シミに水滴をたらす」だけです。
●水溶性シミ:シミがぼやけて薄くにじむ。
●油溶性のシミ:水滴をたらしても変化しない。
服についたシミが油溶性だと確認できたらさっそく油染みの落とし方を実践してみましょう。
要チェック!油染みの落とし方のポイントや準備物
それぞれの落とし方の前にどの方法でも共通する3つのポイントや色落ちテストの方法、準備しておく物を確認しておきましょう。
※注意1※シルク、レーヨン、キュプラなどのデリケート素材は自宅でシミ抜きや洗濯をするとほぼ確実にダメージにつながります。「水洗い不可」マークの服も同様。これらの素材はできるだけ早くクリーニングに出すようにしましょう。
上記が「水洗い不可」のマーク。洗濯表示にこのマークがあるときはプロにまかせましょう。
※注意2※それぞれの服で使用できる洗剤は異なります。必ず洗濯表示を確認してからシミ抜き作業を行ってください。
■油染みの落とし方|共通のポイント
①裏うつりを防ぐためシミの下に必ずタオルを入れる。
②シミの広がりを防ぐため洗剤やペーストを塗るときはシミの外側から内側へ。
③シミ抜き作業後は洗剤を残さないよう、衣類に合った方法で洗濯する。
■油染みの落とし方|色落ちテスト
注意※色落ちを防ぐために必ず行ってください。
①白い布やティッシュに水と洗濯用洗剤を1:1で混ぜた洗浄液を含ませる
②仮に色が抜けても気にならない場所を軽くたたく
③色がつかなければOK(うっすらとでも色がつくと色落ちの可能性大。自宅でのシミ抜きはさけましょう)
■油染みの落とし方|準備物
●汚れてもいいタオルかキッチンペーパー
●歯ブラシ、綿棒(歯ブラシのかたさは生地のデリケートさによって使い分けると良いでしょう。)
●小皿(歯ブラシに洗剤をつけたりペーストを作ったりするときに使用。)
油染みの落とし方5通り
準備ができたらいざ染み抜き作業へ!下の方法へいくにつれて洗浄力が高くなっています。
油染みの落とし方5通り ■1.クレンジングオイルを使ってシミ抜き
【準備】
クレンジングオイル、台所用中性洗剤
①歯ブラシか綿棒にクレンジングオイルをつけ、油シミをほぐすようにやさしく塗る。
②シミが浮いてきたら台所洗剤+水でクレンジングオイルをすすぐ。
クレンジングオイルは水だけですすぐと油分が残ることがあります。油分が取れるまで台所洗剤ですすぎましょう。
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いつも使っているクレンジングオイルが高価なものだとシミ抜きに使うのは気が引けますよね。カウブランドのクレンジングオイルはお手頃価格で人気。着色料や香料無添加の低刺激処方でメイク落としとしてもおすすめです。
油染みの落とし方5通り ■2.重曹を使ってシミ抜き
【準備】
重曹、食器用洗剤、大さじ
①大さじ1の重曹に少しずつ水を加え、服につくくらいの固さでペーストを作る。
②①の重曹ペーストを油染みにやさしく塗り込む。
③重曹ペーストの上から食器用洗剤を数滴たらしてもみ込み30分ほど放置。
④しっかりと水ですすぐ。
弱アルカリ性の重曹は油染みのような酸性汚れを中和させてくれます。軽い汚れならば重曹ペーストを塗り込むだけでも効果がありますよ。
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シミ抜き作業だけでなく普段のお掃除や消臭など様々な使い道のある重曹。お家に1つは常備しておきたいアイテムです。
油染みの落とし方5通り ■3.セスキ炭酸ソーダを使ってシミ抜き
【準備】
セスキ炭酸ソーダ、石けんか洗濯洗剤、小さじ、ゴム手袋
①水300mlにセスキ炭酸ソーダ小さじ1を入れセスキ水を作る。
②セスキ水にタオルをひたして絞っておく。
③②のタオルでシミをたたく。
④石けんか洗濯洗剤でシミ部分を洗う。
セスキ炭酸ソーダは重曹の仲間で弱アルカリ性の洗浄剤。しかし汚れ落としの効果は重曹の10倍と言われています。100均やドラッグストアでお手軽に購入できますよ。
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重曹よりも水に溶けやすいという特徴があるセスキ。スプレーを作っておけば気軽に毎日のお掃除に取り入れられる便利なアイテムです。
油染みの落とし方5通り ■4.液体の酸素系漂白剤を使ってシミ抜き
【準備】
酸素系漂白剤(液体タイプ)、ドライヤー、ゴム手袋
※酸素系漂白剤は色落ちしにくいと言われますが、念のため下記の色落ちテストをしてシミ抜きしてください。
【色落ちテスト】
①服の色落ちしても気にならない部分に綿棒で酸素系漂白剤をぬる。
②漂白剤を塗った部分をドライヤーで加熱する。
③水ですすぐ。
基本的にはこの時点で色落ちがなければOK。しかし素材や染色状況によっては後で脱色が発生する可能性もあります。十分注意してシミ抜きするようにしてください。
①酸素系漂白剤をシミにぬる。
②酸素系漂白剤がシミの中までしみ込むようにやさしくもみほぐす。
③ドライヤーでシミ部分のみを加熱。熱くなりすぎないよう注意を!
④シミ部分を水でしっかりとすすぐ。
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油染みの落とし方5通り ■5.過炭酸ナトリウムを使ってシミ抜き
【準備】
過炭酸ナトリウム(「過炭酸ナトリウム100%」と成分表示のある粉末状のもの)、重曹、大さじ、ゴム手袋
①過炭酸ナトリウムと重曹を1:1の割合で混ぜる。
②水を少しずつ加えながらやわらかめのペーストを作る。
③シミにペーストをつけ、指で手早くなじませる。
④そのまま1~2時間おき、水でよくすすぐ。
粉末酸素系漂白剤の主成分である過炭酸ナトリウムは、水がつくと泡とともに発生する活性酸素が漂白作用を持ちます。重曹やセスキ炭酸ソーダよりも強いアルカリ性で、シミ落としの効果も期待できます。
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毎日のお掃除に使うには洗浄力が強すぎる過炭酸ナトリウムですが、がんこ汚れ用に1つ持っておくと安心です。密閉して保管すると危険なので注意書きをよく読むようにしてください。
油染みの落とし方 食べこぼした!慌てず応急処置
何より気を付けたい「シミを広げない」ポイントと応急処置方法をまとめました。外出先ではあえて最低限の応急処置にとどめるのがおすすめ。帰宅後洗濯機に入れる前にきちんとシミ抜きを行いましょう。
【シミを広げないポイント】
●シミの外側から内側に向けて押さえていく。
●絶対にこすらない。
●生地に水分を残さない。
【応急処置に使う物】
●おしぼり(紙ナプキンやティッシュ、ハンカチを濡らしたものでも代用可)
●乾いたティッシュかハンカチ
【応急処置のやり方】
①おしぼりで食べこぼしをつまみ取る。
②シミの下に乾いたティッシュかハンカチを当て、おしぼりのキレイな部分で上から押さえるように移しとる。
③最後に乾いたティッシュやハンカチでしっかりと水分をとる。
※デリケートな素材はむやみに処置をするより、食べこぼしを取りのぞくだけの方が良いこともあります。必ず洗濯表示など確認してから行ってください。
油染みの落とし方番外編 ジュースやコーヒーの飲みこぼし
食べこぼしだけではなく、ジュースやコーヒーなどの飲み物が服についてしまうこともよくありますよね。
水溶性のシミも放っておくと繊維にしみ込み落ちにくくなるため、早めのシミ抜きが大切です。油染みの落とし方と同じように洗濯表示のチェックと色落ちテストをしてからシミ抜き作業をしてください。
油染みの落とし方番外編 ■水溶性シミの落とし方
【準備】
タオル、台所用洗剤
①シミの下にタオルを入れ、水で軽く湿らせる。
②台所用洗剤の原液をシミ部分に直接つける。
③洗剤がシミの中にしみ込むようやさしくもみほぐす。
④水ですすぎ服に合った方法で洗濯する。
水に溶けやすい水溶性のシミは脂溶性のシミとちがい簡単に落ちることが多いです。とはいえ何より大切なのは早めの処置。外出先でシミがついた場合は、帰宅後すぐにシミ抜き作業を行いましょう。
自宅で落としきれずクリーニングに出す場合は「いつ・何がついたシミか?」「どのような方法でシミ抜きをしたか?」をクリーニング屋さんへ伝えると良いでしょう。適切な処置をしてもらえ、結果としてシミ抜きが成功しやすくなります。
大切な洋服に食べこぼしや飲みこぼしをしてしまうと本当にショックですよね。しかし正しい方法でシミ抜き作業をすれば、油染みも自宅で落とすことが可能です。
自分の手できれいにした洋服には今まで以上に愛着が沸くもの。ぜひ本記事で紹介した方法でシミ抜きに挑戦して、シミのないお気に入りのお洋服を取り戻しましょう。