スーツは自宅でも洗濯できるの? スーツをおうち洗いしている人もたくさんいる!
スーツの汚れが気になったときはクリーニングに出すのが原則です。しかし、クリーニングは時間もお金もかかるため、自分で洗えたらうれしいですよね。
スーツのお手入れにクリーニングが推奨されているのは、自宅で洗濯すると以下のようなトラブルが起きやすいことが理由です。
【スーツのおうち洗いで起きやすいトラブル】
・縮み、シワ、型崩れ
・色落ち
・風合いが損なわれる
しかし、そうしたデメリットを理解した上で自宅でスーツの洗濯に挑戦している方もたくさんいます。
スーツの種類によっても洗濯の難易度は変わる ■自宅で洗えるスーツの種類
スーツを自分で洗濯する難易度はスーツの種類によっても変わってきます。手持ちのスーツのタイプも考慮しながらおうち洗いに挑戦するかどうか慎重に判断しましょう。
安心して洗濯に挑戦できるスーツ ウォッシャブルスーツ
近年は家庭で洗濯できることをウリにした洗えるスーツも販売されています。洗濯による縮みやシワ、型崩れに強いつくりになっているため安心してお家洗いに挑戦できるでしょう。
注意点を守れば洗濯できるスーツ 注意点を守れば洗濯できるスーツ
ウォッシャブルスーツでなくても洗濯表示に水洗いOKのマークがあれば注意点を守って自宅でお洗濯することもできます。
ただし、プロに頼んだときのような仕上がりにするのは難しく、手間もかかるため気になる方はクリーニングに頼ったほうがいいでしょう。
原則クリーニングだけど自宅で洗濯している人も 水洗い不可のマークがあるスーツ
水洗い不可のマークがあるスーツでも、自宅で洗濯してクリーニング代の節約につなげている方もいます。ただし、自分で洗うのが難しいタイプになるため失敗しても気にならない着古したスーツなどで練習してみるといいかもしれませんね。
また、シルクやカシミヤなどのデリケートな素材のスーツは縮んだりシワになったりして着られなくなってしまうことが多いため、プロにお願いするほうが無難です。
スーツを洗濯するまえにチェック! スーツの洗濯|事前に確認する2つのポイント
スーツを洗濯するまえにチェックするポイント1 ■色落ちしないか
色落ちしやすいスーツは家庭での洗濯に適しません。洗濯をはじめるまえにまずはスーツの色落ちをチェックしましょう。
【色落ちチェックの方法】
①生地の裏側など目立たない部分に洗剤の原液を少しつけて5分ほど置く。
②洗剤をつけた部分にティッシュをあてて色落ち具合を確認する。
ティッシュに色が移っている場合、そのスーツは色落ちしやすいということ。自分で洗濯するのはあきらめてクリーニングに出すことをおすすめします。
スーツを洗濯するまえにチェックするポイント2 ■ほつれ・破れがないか
スーツにほつれや破れがあるまま洗濯すると、ダメージが広がって着られなくなってしまう場合があります。脇の下や裏地、ポケットの縫い目やボタンまわりなど細かい部分も入念にチェックしましょう。
もしほつれや破れが見つかった場合は、きちんと補修をしてから洗濯に取りかかるようにしてください。
クリーニング店では衣類の補修をしてくれるところもあるので、今回はホームクリーニングをあきらめてプロにクリーニングと補修をセットで依頼するのもひとつの手段です。
スーツを洗濯する準備をしよう スーツを自宅で洗濯するときに用意するもの
スーツの洗濯で用意するもの1 ■おしゃれ着洗い用の中性洗剤
スーツを洗濯する際は、ドライマークがついている衣類でも洗えるおしゃれ着用の中性洗剤を使用しましょう。
スーツの洗濯におすすめの洗剤1 花王『エマール』
花王
エマール
おしゃれ着用洗剤の定番人気商品。型崩れを防ぐ「カタチコントロール洗浄技術」が特徴で、ヨレやシワを防いでくれます。価格が手ごろで手に入れやすいのもうれしいですね。
スーツの洗濯におすすめの洗剤2 ブランドケア『ドライマーク用洗濯洗剤 ウールシャンプー』
ブランドケア
ドライマーク用洗濯洗剤 ウールシャンプー
ウールやカシミアなどの獣毛繊維用の洗濯洗剤です。防縮剤、色止め剤が多めに配合されていて、シワになりにくく型崩れしにくいのがポイント。一般的なおしゃれ着洗剤では洗えないキュプラ裏地のスーツも洗濯できます。
スーツの洗濯で用意するもの2 ■洗濯ネット
スーツを洗濯機で洗う場合は、スーツが傷むのを防ぐため洗濯ネットを使用しましょう。
スーツの上下をそれぞれ入れるため洗濯ネットは2枚必要です。2〜3つ折りで入れられる大きめサイズを用意する必要がありますが、ゆとりがありすぎるとたたんだスーツが洗濯中に型崩れしてしまうためジャストサイズを選びましょう。
スーツの洗濯で用意するもの3 ■スーツ用ハンガー
洗濯後のスーツを干すハンガーは、肩に厚みのあるスーツ用ハンガーを用意するのがおすすめ。型崩れによる失敗を防ぎやすくなります。
スーツの洗濯のおすすめのハンガー シンコハンガー『ウォッシャブルスーツ用ハンガー』
シンコハンガー
ウォッシャブルスーツ用ハンガー
ウォッシャブルスーツ用のハンガーです。スーツの形状に合った立体的なフォルムで型崩れしにくいだけでなく、肩部がメッシュデザインになっていて乾きが早いのが魅力。陰干しでもすっきり乾いてくれますよ。
スーツの洗濯で用意するもの4 ■スチームアイロン&あて布
洗濯後にきれいに仕上げるにはアイロンが欠かせません。アイロンを直接あてると熱でテカリが出てしまうため、あて布も合わせて用意しましょう。
いざスーツの洗濯に挑戦! 自宅でスーツを洗濯する手順&ポイント
ここからは実際にスーツを洗濯する手順とポイントを見ていきます。ポケットに何も入っていないことをチェックしてから洗濯に取りかかりましょう。
スーツの洗濯手順その1 ■洗濯
デリケートなスーツを自分で洗濯する際は、生地を傷めないようやさしくていねいに洗うことが大切です。
スーツの洗濯手順【洗濯編】その1 スーツを洗濯機で洗う場合の手順
①スーツをたたんで洗濯ネットに入れる。(ジャケットはボタンを開けて2つ折り、パンツはプリーツを整えて2~3つ折り)
②手洗いコースやドライコースなど弱水流のコースを選び、おしゃれ着用洗剤を使って洗濯する。
③スーツのシワや型崩れを防ぐため、1分程度の短めの時間に設定して脱水する。
スーツの洗濯手順【洗濯編】その2 スーツを手洗いで洗濯する場合の手順
①スーツを2~3つ折りにきれいにたたむ。
②たらい(または浴槽)に水をため、おしゃれ着用洗剤を溶かす。
③スーツを入れやさしく押し洗いをする。(数回くり返す)
④10~15分ほどつけおきをする。
⑤押し洗いの要領で泡が立たなくなるまでやさしくすすぐ。
⑥脱水する。(洗濯機で1分ほど脱水orタオルドライ)
スーツの洗濯手順【洗濯編】その3 スーツを洗濯する際のポイント
・万が一色落ちしてしまった場合に色に差が出ないようスーツは上下いっしょに洗う。
・目立つシミ・汚れがある箇所には洗剤の原液を少量なじませてから洗うときれいになりやすい。
・お湯で洗うとスーツが変色してしまうおそれがあるため、なるべく30℃以下の水温で洗う。
・洗剤がムラにならないよう先に洗剤を溶かしてからスーツを入れる。
スーツの洗濯手順その2 ■干す
スーツを自分で洗濯するとシワになったり型崩れしたりしやすいのが難点。洗濯後の干し方も重要になります。
スーツの洗濯手順【干す編】その1 ジャケットの干し方
①肩部分の幅が広いスーツ用ハンガーにかける。
②縫い目を軽く引っ張ったり全体を軽く叩いたりして縮みやシワを防ぎかたちを整える。
スーツの洗濯手順【干す編】その2 パンツの干し方
①全体を軽く叩いてシワを伸ばす。
②ファスナーやフックを開けた状態でピンチハンガーなどに筒状に吊るして干す。
スーツの洗濯手順【干す編】その3 スーツを干す際のポイント
・洗濯が終わったらすぐに干す。
・直射日光を避け風通しの良い日陰に干す。
・乾燥機は使用NG。
・乾きにくい場所(ジャケットの肩やズボンのすそなど)にはタオルを巻くのもおすすめ。
スーツの洗濯手順その3 ■アイロンがけ
乾かしたスーツのシワが気になっても、アイロンがけできれいに伸ばすことができます。アイロンがけはスーツが完全に乾き切る一歩手前に行うのがポイントです。
アイロンがけを行う際は洗濯表示のチェックも重要。しっかり確認して素材に適した温度で行いましょう。
スーツの洗濯手順【アイロンがけ編】その1 スーツのアイロンのかけ方
①裏返して裏地から先にシワを伸ばす。
②表地にアイロンをかける。この際パンツのセンターラインなどはしっかり折り目がつくようにアイロンをあてる。
③ジャケットの肩やそで、パンツやスカートのウエスト部分など立体的な部分には、なかに丸めたタオルを入れてその上からアイロンをかける。
④アイロンがけが終わったらハンガーにかけて熱を冷ます。
スーツの洗濯手順【干す編】その2 スーツのアイロンがけのポイント
・やや湿った状態でアイロンをかけるとシワを伸ばしやすい。
・テカリを防ぐためにかならずあて布を使用する。
もしもスーツの洗濯に失敗してしまったら? スーツの洗濯に失敗したときの対処方法
デリケートなスーツを家庭で洗濯する場合は、失敗などのトラブルも想定した上で行わなければなりません。もし失敗してしまった場合の対処方法も知っておきましょう。
スーツの洗濯に失敗したときの対処法1 ■シワやヨレが気になる場合
洗濯でできてしまったスーツのシワはスチームで少量ずつ水分を加えながらアイロンがけすることで改善できます。また、お風呂に入ったあとの湿気が残る浴室内にハンガーにかけて吊るすのも有効。スーツの自重でシワが伸びやすくなります。
ただし、あまりにもシワやヨレがひどく自分で対処できない場合はクリーニング店に相談するのがおすすめです。
スーツの洗濯に失敗したときの対処法2 ■縮んでしまった場合
ウールなどのスーツが洗濯で縮んでしまった場合、多少の縮みであれば手で引っ張るなどで伸ばせますが家庭での対処には限界があります。自分で無理に直そうとすると状況が悪化してしまうこともあるためプロに任せたほうが賢明です。
しかし、縮み直しはすべてのクリーニング店で頼めるわけではありません。特殊クリーニングとうたっているような衣類の修繕を扱うお店を探してみましょう。
また、完全にフェルト化して目詰まりしてしまったものなどは専門店でも元に戻せない場合もあります。
スーツの洗濯に失敗したときの対処法3 ■色落ちしてしまった場合
スーツの洗濯によって色落ちして風合いが変わってしまった場合、クリーニング店や専門店にお願いすれば染め直しなどで修復できる場合もあります。一度プロに相談してみるといいでしょう。
ただし、それなりに料金がかかってくる場合も多く、新調した方が安くすむケースも。こうしたトラブルにならないようしっかりと色落ちチェックをしてから洗濯することが大切です。
スーツの洗濯に失敗したときの対処法4 ■テカリが出てしまった場合
スーツのテカリは生地の繊維がつぶれて表面が平らになったことで引き起こされます。軽度なテカリであればブラッシングだけで改善する場合も。また、水分を含むと繊維がふっくらするためアイロンのスチームをあてることも有効です。
それでも修復できない場合は繊維膨張作用があるアンモニア水を使を試してみましょう。
【アンモニア水を使ったテカリ対処の方法】
①100mlの水に小さじ1.5杯ほどのアンモニア水を混ぜ霧吹きに入れる。
②テカリが気になる部分に吹きかける。
③アイロンのスチームでニオイを飛ばす。
④ブラッシングして陰干ししたら完了。
状態によっては自宅での改善が難しい場合もあるため、直らない場合はクリーニング店に相談しましょう。
スーツの洗濯は失敗の可能性も踏まえて慎重に判断を ■クリーニングと使い分けながら上手に洗濯しよう
スーツはデリケートな衣類です。自宅で洗濯すればお金の節約になるなどのメリットもありますが、失敗の可能性があることも忘れてはいけません。大切なスーツのお手入れはクリーニング屋さんに頼むなど上手に使い分けることも大切です。
自宅での洗濯にトライする際は、ご紹介したコツを参考にしながらまずは着古したスーツで練習するなど慎重に行ってみてくださいね!