本記事では、百日紅(サルスベリ)の剪定方法のポイントと、形よく育てるためのコツを解説しています。
【時期ごとの剪定方法の違い】
・夏の剪定のコツ
・冬の剪定のコツ
【剪定の注意点】
・コブの対処法
・自然樹形のための剪定方法
・盆栽の注意点とコツ
【サルスベリのお手入れのポイント】
・植える場所のポイント
・水やり・肥料のポイント
・害虫・病気対策のポイント
サルスベリは大きく育つ樹木ですので、業者に依頼するのもおすすめ。その際の注意点と業者を見極めるポイントも紹介しているので、ぜひご覧ください。
サルスベリの剪定のコツとは?1 サルスベリの剪定の基本ポイント
サルスベリは夏と冬に剪定をするのがおすすめ。年に2回の剪定を行うこの方法は「二度切り」と呼ばれています。
この時、何度も同じ場所を剪定してしまうと「コブ」ができてしまうので、注意してください。
【剪定が必要な不要枝】
・逆さ枝:樹木の内側へ伸びる枝
・ひこばえ:株の根本から伸びる細かい枝
・立ち枝:枝から縦方向に伸びる枝
・徒長枝:勢いよく伸びすぎている枝。長く太い。
・胴吹き枝:幹の根本から伸びる枝。
剪定の前に自分の目指す樹形の線をイメージして、そこからはみ出した枝を切っていくと成功しやすいです。
盆栽ならば剪定・手入れが簡単ですが、庭木は脚立に上る必要がある難しい作業になります。
特に、脚立から身を乗り出すと転落リスクがありますので、業者に依頼するのが安心です。
業者に依頼するポイントはこちらの「サルスベリの剪定を業者に依頼するポイント」で解説していますよ。
サルスベリの剪定のコツとは?2 サルスベリの剪定におすすめの道具
庭木や盆栽の剪定には、専用のハサミが必要。木材を切るタイプではなく、庭木を世話するためのハサミを通販やホームセンターで購入してください。
【剪定バサミ】
直径2㎝程度の枝までなら切ることができます。夏に細い枝を切る時に使います。
【剪定ノコギリ】
剪定バサミでは切れない太い枝を切るために必要です。冬の剪定で活躍します。
【高枝切りバサミ】
高い位置の枝のために必要です。脚立と組み合わせて使いましょう。
剪定はケガをしやすいので、軍手をして行いましょう。枝をいれるためのゴミ袋も用意しておくことが大切です。
サルスベリの剪定時期と目的1 夏の剪定のコツ
夏の剪定の目的は、花房を切ってって新しい枝を出させること。30~40日後には、枝先に再び花が咲きます。
おすすめの時期は8月上旬。花が咲く時期と意識すれば覚えやすいですね。
夏にそのままでいると、一つ一つの花に栄養がいかず、小さな花しか咲かなくなってしまうので剪定が必要なのです。
夏に剪定する枝は「一年枝」という4~5月に伸びた枝です。一年枝の花房下の2~3節目を狙って切ると、キレイで大きな花が咲きます。
その他、枯れている枝やからんでしまった枝が不要枝なので、どんどん切りましょう。この間引きによって風通しがよくなり、害虫対策になります。
サルスベリの剪定時期と目的2 冬の剪定のコツ
冬の剪定の目的は、樹形を整えたり小さくしたりすることです。
樹木のサイズを小さくしたい時は、切り戻し剪定が必要。枝を短く切り落とすことで、好きなサイズに整えられます。
不要枝を木の下側から切り取っていき、最終的に主幹・太幹だけ残しましょう。
おすすめの時期は12~3月。紅葉を楽しみたいのなら、葉っぱが落ち切ってからでOKです。冬は落葉期・休眠期なので、サルスベリに負担を与えずに剪定ができるのです。
切り戻し剪定の後には、枝の切り口に癒合剤を塗るのが大切。菌の侵入を防ぎ、傷の回復が早くなります。
サルスベリの剪定のコツとは?3 サルスベリのコブの剪定・対処法
剪定で同じ場所を切るとコブができてしまう特徴があるサルスベリ。
コブを取り除きたい時には、冬の剪定でコブの下の右側を切り落とします。
切った後には癒合剤を塗って傷と菌の侵入を防ぎましょう。
【コブ仕立て】
あえてコブを作ることで、他の場所から余分な枝を生えてくるのを防げぐ切り方です。
細い枝を切り落として太い枝だけを残すと、枝先にコブ状に密生して大きな花が咲くようになります。
サルスベリの剪定のコツとは?4 サルスベリの自然樹形のための剪定方法
自然樹形とは、剪定を行わずにそのまま育てる方法です。
とはいえ、上下・左右に育ちすぎて樹高が高くなるので、剪定は必要。年に1度、11~3月の間の剪定がおすすめになります。
葉っぱが落ちて新芽ができるまえでの季節に、枝を短く切り戻して間引きしましょう。
枯れている枝・交差した枝を選ぶと自然な形に整いますよ。
サルスベリの剪定のコツとは?5 サルスベリの盆栽のための剪定方法
サルスベリの盆栽や鉢植えも、大きくいびつに育つのを防ぐために剪定が必要です。
夏ならば軽く枝・葉っぱを整えるだけにするのがポイント。太い枝は冬の切り戻し剪定で落としましょう。
基本的には、庭木と同じく枯れた部分やからんだ部分を切り落としていくことになります。
もし自然樹形を楽しみたいなら、花を咲かせずに小枝を増やしていく育て方もおすすめです。
サルスベリの剪定を業者に頼むには? サルスベリの剪定を業者に依頼するポイント
サルスベリの剪定は難しいので、業者に頼むのもおすすめ。費用の樹高の高さで決まることが多いです。
【サルスベリの剪定費用相場】
0m~3m未満:約3,000円
3m~5m未満:約7,000円
5m~7m未満:約15,000円
こちらは木のサイズによる費用の相場なので、ここに人件費・ゴミ処理代が追加されていきます。
業者を選ぶ時には、無料で見積もりをだしてくれる業者を選びましょう。その中から日時・費用が適切な業者を選べばOK。
口コミを参考にするのも大切です。
サルスベリの育て方とは? サルスベリのお手入れのポイント
サルスベリは年に2回の剪定の他は栽培しやすい植物です。ここでは、植え方や水やり、害虫・病気対策について解説していきます。
サルスベリのお手入れのポイント1 ■植える場所のポイント
サルスベリを植える場所は、日当たりが良い場所がおすすめ。水はけが良いとベストです。
庭に植える数週間前前に、腐葉土を混ぜて化学肥料を加えておきましょう。他の場所よりも土を高く盛るようにして植えると、さらに水はけがアップします。
盆栽や鉢植えならば、玉土(小~中粒)を6~7割、腐葉土3~4割まぜるのがおすすめです。
サルスベリのお手入れのポイント2 ■水やり・肥料のポイント
サルスベリは肥料は年に2回肥料が必要。どちらも株元周辺に有機肥料や緩効性肥料を埋めていきます。
1度目は、新芽や花芽のために1~2月頃に肥料を与えます。
2度目は、花が開花した後の9月頃。開花の疲労回復や健康維持のために肥料が必要です。
サルスベリのお手入れのポイント3 ■害虫・病気対策のポイント
サルスベリは害虫や病気に強いですが、うどんこ病やサルスベリフクロカイガラムシの被害に遭うことがあります。
【うどんこ病】
葉っぱの表面に白いカビが生えて光合成ができなくなる病気です。
重曹スプレーをうどんこ病部分にふきかけると対策できます。
雑草に寄生することもあるので、サルスベリ周辺は定期的に草を刈っておきましょう。
【サルスベリフクロカイガラムシ】
幹や枝に寄生する体長約3mmの小さい白いムシです。
ホームセンターなどで殺虫剤を購入し、ふりかけましょう。
剪定・肥料をかかさずにやり、こちらの病気や虫の対策をしておけば、サルスベリは育てやすい植物。
花が咲く期間も長いので、お庭に一つ、植えてみると華やかですよ。