紅葉の剪定はいつも業者に頼んでいたけど、自分でやってみたいなあと思っている人も多くいるのではないでしょうか。カエデ科の植物の剪定はそこまで難しくなく、誰でも挑戦できますよ。
こちらの記事ではもみじの剪定のベストシーズンから、そのシーズンごとの正しい剪定方法まで詳しく解説します。もみじに集まりやすい害虫対策も紹介していますのでぜひ参考にしてくださいね。
もみじは正しい時期に剪定しよう もみじの剪定に一番適した時期って?
秋から冬にかけて ■11月〜2月
秋から冬にかけてのもみじは葉がほとんど落ちてしまっている状態のため、剪定しなくてはいけない葉が見やすくなっています。この時期が剪定をするベストシーズンとなります。
効率的に作業を進められる上に、もみじの木自体が休眠に入っているため剪定による負担が少ないのもポイントです。この時期に思い切った剪定をしてサイズを抑えたり樹形を整えたりしましょう。
3月にはもみじが休眠期間から抜けてしまいます。また葉芽が付く時期でもあり、剪定が遅くなると生長が遅れる可能性もあるのでなるべく早くに済ませるようにしましょう。
春から夏にかけて ■5月~7月上旬
春から夏にかけてのもみじは、栄養補給する時期に入る前段階の状態です。この時期に剪定する場合は風通しを良くしてあげることを目的に、余分な枝をすくように剪定しましょう。
大がかりな剪定をしてしまうと、もみじの木自体が弱まってしまうので注意が必要です。全体が日光に当たるような剪定を心がけると良いでしょう。この時期のもみじは太い枝から細かな枝がたくさん出ており、剪定するときにはなるべく手を使うことがおすすめです。
夏に近づいたころの剪定は軽めに留めましょう。この時期は減った分の葉っぱを取り戻すために不要な枝まで生やしてしまい、枝が暴れます。それによって樹形が崩れてその後の剪定が難しくなる場合があるので注意が必要です。
もみじの剪定をする前に必ずチェック もみじの剪定をしてはいけない時期は?
もみじは7月下旬以降の夏にもっとも生長速度が速くなり、夏の間は枝を伸ばして多くの葉をつけていく期間でもあります。
この時期にもみじの剪定をしてしまうと、地面から吸収して枝先まで蓄えている水や栄養がすべて外に出てしまいます。つまりもみじの成長を妨げることに繋がるので注意が必要です。
夏場に栄養を蓄えられなかったもみじは、厳しい冬を乗り越えられなくなってしまう可能性があるので真夏の剪定は控えましょう。
もみじ剪定のコツを紹介! もみじの剪定方法とは?
まずは必要な道具を準備しよう ■もみじの剪定に必要な道具
もみじの剪定時には以下の道具を用意しましょう。
・軍手
・剪定ばさみ
・脚立
・癒合剤
・竹ぼうき
・ごみ袋
もみじは剪定ばさみを使わなくても剪定が可能です。繊細な植物のため、剪定ばさみを使うと傷付けてしまうことがあります。太い枝を剪定する場合にのみ剪定ばさみを使い、同時に癒合剤も塗って保護しましょう。
背の高いもみじの場合は脚立を使用しますが、庭の状態によっては不安定になってしまうので注意が必要です。剪定後に落ちた枝葉は竹ぼうきなどで掃いて処理しましょうね。
もみじ剪定のコツその1 ■【夏】もみじの剪定方法
5月~7月上旬ごろにもみじを剪定する場合、重なり合っている小さな枝を整理してすべての枝が日光に当たることを目的とします。風が通れる程度の隙間を作るイメージで剪定しましょう。
太い枝から生えている小さな枝を手で取り除くように剪定すると良いですよ。樹幹から突き出して真上にまっすぐ伸びている枝は徒長枝と呼び、他の枝と重なって日光を遮断する原因になるので徒長枝を根元から切り落としましょう。
剪定のコツとしてはもみじを横からだけでなく下から見上げてみると、どれくらい葉が密集しているか分かります。もみじを平面でなく立体としてみることが、適度な剪定をするポイントです。
もみじ剪定のコツその2 ■【冬】もみじの剪定方法
11月〜2月ごろにもみじを剪定する場合、大きさを調節することを目的とします。家にあるもみじの大きさ調節は、ほかの庭木とのバランスなどもあり重要です。
もみじの葉が散り始めたら、もみじが休眠期間に入った合図になります。休眠期間を過ぎてから剪定をすると、土や肥料から吸い取った栄養が枝の切り口を伝って流れ出てしまうので注意が必要です。
休眠期間中の剪定のコツとしては、切り戻し剪定で理想の形からはみ出している枝を大胆に切りましょう。葉を付けたときに重なってしまいそうな枝を剪定ばさみで切り落として大丈夫です。
盆栽もみじの剪定方法のコツを紹介 ■盆栽もみじの剪定方法は?
盆栽や鉢植えでもみじを育てる場合、大きさを整えるのが目的なので基本的には秋から冬にかけての時期にのみ剪定を行います。やり方は通常のもみじと同じように葉が付いたときに重なりそうな枝を切り落とします。
まずは徒長枝を切り落とし、その後に正しくない方向に伸びた枝を切りましょう。三叉以上に分かれている枝は両端の二つを残して切り落とし、二又に揃えると良いですよ。
また盆栽の場合は大きさが整っていたら、葉をカットする葉刈りのみをするというのもおすすめです。盆栽もみじにダメージをあまり与えずに手入れができるので、必要に応じて葉刈りしていきましょう。
もみじの剪定をする前にしっかりと確認しよう もみじの剪定をする際の注意点
もみじの剪定をする際の注意点その1 ■枝の傷口を放置しない
もみじの剪定で枝を切った場合放置すると傷口から雨水や細菌が入ってしまうことがあります。これらが原因でもみじが弱ってしまったり、場合によっては枯れてしまうこともあるので気を付けましょうね。
植物は細菌に対する免疫細胞などを持ち合わせていないので、一度細菌が入ってしまうと部分的に枯らして細菌を取り除くしか方法がありません。それを防ぐために癒合剤を使用してもみじが病気になるのを防ぐ必要がありますね。
枝の傷口からはせっかく吸い上げた栄養を垂れ流してしまう場合もあるので、放置せずに必ず対処しましょう。
もみじの剪定をする際の注意点その2 ■なるべく手で剪定する
もみじにはイロハモミジやヤマモミジなどいくつも種類がありますが、すべてカエデ科カエデ属の植物です。すべてのもみじは共通して繊細で傷みやすいので、剪定をする場合には可能な限り手で行いましょう。
カエデ科の植物は自然樹形を楽しむものですので、太い枝を切る必要はありません。しかし庭環境などによってやむを得ず剪定ばさみを使うときは慎重に剪定しましょう。
もみじの剪定をする際の注意点その3 ■手に負えない場合は業者に委託する
住んでいる環境の問題などで、自分で剪定ができない場合はプロの業者に依頼することも一つの方法です。無理をして自分で剪定をした場合、失敗する可能性があることも考慮しなくてはいけません。
以下のような場合には、プロの業者に相談してみると良いでしょう。
・剪定に必要な道具などを準備できない
・剪定作業をする際に安全性を十分確保できない
・剪定時期を逃してしまった
プロの業者に剪定を依頼した場合の目安として、3メートル未満の樹高だと3,000円程度で5メートルを超える樹高だと15,000円程度の料金がかかります。業者によって費用は変わりますので、まずは相談してみると良いでしょう。
もし無料で見積もりを出してくれる業者であれば、まずは見積もりを出してもらってから検討するという方法をおすすめします。
もみじの手入れ方法は? 害虫からもみじを守る方法
もみじに集まってくる害虫について知ろう ■もみじによって来る害虫は?
剪定がおろそかになっていて、もみじの枝葉が密集している場合には害虫が集まりやすくなります。枝葉の密集は風通しを悪くするため、害虫が好む湿気の多い環境になりやすく注意が必要です。
アブラムシやカイガラムシはもみじの樹木に集まる害虫の代表ですね。樹液を好んで吸い取りもみじの生長を妨げます。これらの害虫に大量の樹液を吸われてしまったもみじは枯れやすくなりますので気を付けましょう。
またテッポウムシももみじの樹木を好んでやってきます。テッポウムシはもみじの樹木に穴を開けて侵入し、内部から幹を食い荒らします。そのため樹勢が衰え枯れてしまう場合があります。害虫予防グッズを適切に使ってしっかりと対処しましょう。
■おすすめの害虫対策グッズ3選
おすすめの害虫対策グッズその1 ベニカXファインスプレー
もみじだけでなく幅広い植物に使える汎用性の高い殺虫殺菌剤です。もみじに集まってくるアブラムシにも効果があります。また一度散布してから1ヶ月は効果が続くためコスパも良いですね。
害虫の駆除、予防と同時に病気も防除する効果も期待できます。スプレータイプなので葉の裏側など通常は散布しにくい場所にもカンタンに吹きかけられますよ。害虫対策に迷ったらまずはこちらのベニカXファインスプレーを用意しましょう。
おすすめの害虫対策グッズその2 カイガラムシエアゾール
カイガラムシエアゾールはその名の通りカイガラムシに特に効果があります。こちらのエアゾールを散布後、成分が枝の内部まで浸透することで殺虫効果が1ヶ月程度持続するでしょう。
ジェット噴射で高いところまで薬剤が届くので、散布の度に脚立を使って登る必要もありません。冬期の越冬成虫にも高い効果が期待できるので、カイガラムシの発生で困っている人には特におすすめの害虫対策グッズです。
おすすめの害虫対策グッズその3 BotaNice
土にまくだけで害虫駆除ができる大変使いやすい園芸用殺虫剤ですね。もみじの木の根元にまくだけで薬剤を吸い上げて、見つけにくいアブラムシなどにも高い効果があります。
薬剤を散布しないので、近隣の家の窓近くに植えられている植物でも安心して使えますよね。薬剤特有の臭いもないため、ベランダや室内でも使いやすくおすすめです。