非常用持ち出し袋とも呼ばれる「防災リュック」。地震や台風、集中豪雨など災害時には避難が必要になるケースがありますが、避難生活で必要なものをまとめた防災リュックを用意しておくとすばやく避難できます。
しかし、防災リュックの用意で悩むのが中身。リュックに何でもかんでも詰め込むと持ち出すのがたいへんになってしまいますし、女性や子ども、シニア、ペットがいる場合など必要なものも人によって異なります。
そこで今回は、防災リュックの中身について特集!
- 最低限必要な必需品
- あると便利なもの
- 女性・子ども・シニア・ペットがいる場合の追加アイテム
上記にわけてリストで見ていきます。
また、具体的な用意のコツや防災リュックの中身で優先度が低い「いらないものリスト」も見ていくので、非常時に本当に役に立つあなたに合った防災リュックを用意できますよ。ぜひ参考にしてください。
防災リュックの中身【必需品】リスト
防災リュックの準備で重要になるのが優先順位。バッグの容量には限りがあります。
最初に以下の必需品を用意してから、女性や子供・シニアなどそれぞれにとって必要なものを加えていくようにしましょう。
- 飲料水(500mlペットボトル2~3本)
- 非常食(2~3食分)
- 貴重品(現金、免許証・保険証のコピーなど)
- 常用している薬(3日分とお薬手帳のコピー)
- 救急用品(絆創膏、消毒液、常備薬など)
- マスク(建物崩壊による粉じんや感染症対策)
- 懐中電灯(電池はつねに新しくしておく)
- 携帯ラジオ(手動充電式が便利)
- モバイルバッテリー
- レインコート
- 災害用ホイッスル
- 携帯トイレ
- 一回分の着替え
- エマージェンシーシート
- タオル
- ウエットティッシュ
- 使っていないメガネ、コンタクトレンズ
- 予備の乾電池
「必需品が意外に多いなぁ」「エマージェンシーシート※って何?どこで買えるの?」と思う方もいるでしょう。未曾有の大災害にも対応できる防災リュックにするためには必需品も多くなります。
(※エマージェンシーシート:アルミニウムを蒸着させたポリエステルフィルムで作られる。防災時やアウトドアで体に巻きつけ毛布の代わりに使用する。)
■専用の防災リュックがおすすめな理由
スマホの充電機能がつくような多機能なダイナモラジオは単体で5,000円前後、モバイルバッテリーは性能にもよりますが単体で3,000円〜5,000円程度します。
そこに救急用品や食糧・懐中電灯など必需品をプラスしていくと、中身だけ自分で用意しようと思っても簡単に10,000円は超えることに。
販売されている専用の防災リュックの多くは防災士が監修した緊急避難時の必需品が全てセットされており、さらに災害を想定して以下のように作られています。
- テントと同じターポリン生地を使っているものもあり、中身が濡れない加工。
- 厳しい耐久性のテストで簡単に壊れないかチェック済み。
- 避難時にリュックがずり落ちないよう、チェストベルトやショルダーベルトで調整できる。
高性能なリュックと防災士監修の必需品がセット。自宅にあるリュックに見よう見まねで防災用品を詰め込むより、専用の防災リュックを買った方がお得ですよね。
おすすめ防災リュックはコレ!防災士監修で楽天1位!
防災セット ラピタ プレミアム 1人用
防災用品のトップメーカーと防災士が共同開発した人気の防災セット。防災安全協会推奨品です。中身がポーチに入った状態で整理されて届くので、仮に明日大地震が起きてもすぐにリュックを手に取り避難できます。
防災セットおすすめ16選【保管場所別】見せ置きできるおしゃれなものも多数 | タスクル
https://taskle.jp/media/articles/1466防災セット選びでは、想定している保管場所に合う商品かどうかも重要。本記事では、防災セットのおすすめ商品を保管場所別にご紹介します。
「ある程度自分で中身を詰めたい」「自分だけ防災セットを持っていると知られたくない」こんな様々なニーズを満たす防災セット16選を紹介した記事。あなたにピッタリの1つが見つかります。
防災リュックの中身|必需品用意のコツ9個
それでもやっぱり自分で防災リュックを作りたいという方向けに、防災リュックの必需品用意のコツ9個をお伝えします。
大手通販サイトでも購入できるアイテムばかりですが、命を守る防災グッズなので信頼のおける公式サイトのリンクを貼っています。
防災リュックの中身用意のコツ|飲料水 ■①500mlペットボトル2~3本の保存水を用意
災害への備えとして、水は一人一日3Lを目安に最低3日分の備蓄が必要と言われていますが、背負って逃げる防災リュックにあまり詰め込みすぎると避難が遅れる原因になります。
避難時に持ち出す防災リュックに入れておきたい飲料水は500mlペットボトル2~3本です。2Lなど大きなペットボトルはコップなしでは飲みにくいためおすすめしません。
また、通常のミネラルウォーターよりも賞味期限が長い保存水にしておけば、こまめに期限をチェックして交換する手間を軽減できます。
防災リュックの中身としておすすめの飲料水 7年保存可能!ミネラルも豊富な保存水
【7年保存水 養老の天然水】YOROWATER 500ml 1本
モンドセレクション金賞受賞
日本食品分析センターによって7年以上成分が変化しないことを検査済みの保存水。こまめに買い替える必要がなく、災害時用として防災リュックに備えておくのにぴったりな飲料水です。
ミネラルの含有量が豊富なのも特徴。食事が限られる避難生活でミネラル不足が気になる方にもおすすめですよ。
防災リュックの中身用意のコツ|食品 ■②そのまま食べられる非常食2~3食分を目安に
5年保存 カンパン【ブルボン】単品
食料品も家庭での備蓄は最低3日分が推奨されていますが、非常持ち出し用の防災リュックに入れるのは2~3食分でいいでしょう。
カップ麺などは調理に水やお湯を沸かすための電気・火が必要になることから自宅避難を想定した備蓄と言えます。防災リュックの中身に入れる非常食は、水や火を使わずにそのまま食べられる缶詰パンやビスケットなどがおすすめです。
防災リュックの中身用意のコツ|貴重品 ■③現金は必須!千円札と小銭で用意しよう
災害時は停電でクレジットカードなどキャッシュレス決済が使えなくなる可能性があります。かならず現金を用意しておきましょう。
災害時でも自動販売機が使えることがありますが、一万円札や五千円札が使えないところが多いため現金は千円札と小銭で用意しておくといいですね。
また、ふだんから使う健康保険証や運転免許証などの本人確認書類はコピーを防災リュックの中に入れておくといいですよ。
防災リュックの中身用意のコツ|携帯ラジオ ■④災害時の情報収集にはスマホより携帯ラジオを
災害で電力供給がストップしてしまった際の情報収集手段として重要になるのがラジオ。スマホでも情報収集はできますが、安否確認や連絡手段としても使えるためスマホの充電はできる限り残しておいたほうがいいでしょう。
電池式の携帯ラジオだといざ使おうとしたときに電池切れで使えないという可能性もあるため、手回しで充電できるタイプが便利です。ライトやモバイルバッテリーなど付属機能が充実したものを選ぶのもいいですね。
防災リュックの中身としておすすめの携帯ラジオ ソーラー発電にも対応!スマホ充電もできて便利
蓄電OK!多機能ダイナモラジオライト
手回しやソーラー発電にも対応した携帯ラジオ。ライト機能を装備しているだけでなく、スマホの充電ができるなど多機能で防災リュックにひとつ入れておくと重宝するでしょう。
防災リュックの中身用意のコツ|レインコート ■⑤雨具は傘ではなく両手があくレインコートを
ぱぱっとレインコート ポンチョタイプ
災害時は着替えが不足するため、雨の中の避難や作業に備えて雨具の用意も必須です。防災リュックの中に入れる雨具は両手があくレインコートにしましょう。
防災用のレインコートは足元までガードできるセパレートタイプがおすすめ。大雨での避難が想定される地域に住んでいる場合は防水性能もチェックして選ぶといいですね。
防災リュックの中身用意のコツ|防災用ホイッスル ■⑥防災用ホイッスルをすぐ使えるところに用意
蓄光ホイッスル【100db大音量タイプ】
避難の途中で身動きが取れなくなってしまった場合など、助けを呼ぶときに役立つのが防災用ホイッスル。大声で叫び続けなくても鋭い音で救援者に居場所を知らせることができ、体力の消耗を防ぐことができます。
いざというときにすぐに使えるよう、防災リュックに取りつけておくといいですよ。
防災リュックの中身用意のコツ|着替え ■⑦最低1回分の着替えを!圧縮するとかさばらない
避難時にぬれることなどを想定し、防災リュックには最低1回分の着替えは入れておきたいところ。下着や靴下なども忘れずに準備しましょう。衣類はかさばるため、圧縮袋を使ってコンパクトにして詰めるのがおすすめですよ。
防災リュックの中身用意のコツ|タオル ■⑧タオルは汎用性大!薄手のものを圧縮がおすすめ
タオルは活用の幅が広い優秀な防災グッズ。ぬれたものを拭くだけでなく、畳んで座布団代わりにする、ケガの手当に使う、防寒に役立てるといった使い方もできます。
かさばらない薄手のものを選んで一人一枚は防災リュックに入れておくといいでしょう。タオルも衣類と一緒に圧縮してコンパクトにするとさらに持ち運びやすくなりますよ。
防災リュックの中身用意のコツ|ウエットティッシュ ■⑨ウエットティッシュは身体や食器も拭けて大活躍
災害で水が十分手に入らないときに重宝するのがウエットティッシュ。手を拭くだけでなく、身体を拭いたり食器のよごれを拭きとったりと水が足りないときの衛生管理に役立つので防災リュックにはぜひ入れておきたいアイテムです。
身体を拭く場合は、大判シートだとさらに便利。防災グッズとして長期保存できるタイプのウエットティッシュも販売されています。
防災リュックにおすすめのウエットティッシュ 「いざという時にカピカピ」では意味がない
hitohira(ひとひら) 非常用保存ウェットタオル
防災リュックに備えておくなら専用のものを選びましょう。市販のウェットティッシュは未開封でも長期保管していると中の水分が抜けていくのです。製造日から6年間保存可能、いざ使うときにカピカピという事態も防げます。
防災リュックの中身リスト|あると便利なもの 余裕があれば入れておきたい追加アイテムリスト
防災リュックの中身には、以下のようなものもあると便利。リュックに必須アイテムを詰めたうえで余裕があれば追加しておくといいでしょう。
軍手
携帯スリッパ
エアーマット、寝袋
ラップ、紙皿、紙コップ
耳栓、アイマスク
使い捨てカイロ
水のいらないシャンプー
歯みがきシート
防災リュックの中身リスト|女性の場合 女性の場合の追加アイテムリスト
- 生理用品(1周期分)
- おりものシート
- 中身が見えないゴミ袋
- スキンケアグッズ
まだ生理用品が必要な年齢の女性の場合、防災リュックには生理用品も不可欠です。その際、使用済みのナプキンを入れる中身の見えないゴミ袋も忘れずに入れておきましょう。
下着を替えられない状況では、おりものシートが便利です。おりものシートを替えるだけでも不快感をかなり軽減できます。
そのほか、余裕があればオールインワンの化粧水やワセリンなどのスキンケアグッズも入れておくといいですね。
防災リュックの中身リスト|子どもの場合 子どもがいる場合の追加アイテムリスト
- ミルク(スティック、キューブタイプ)
- 哺乳瓶
- 離乳食
- 紙おむつ
- 防臭袋(使用済みおむつを入れる)
- おしりふき
- 抱っこひも
- おもちゃ
- お菓子
乳幼児がいる場合だけでなく、小学生くらいの子どもがいる家庭でも子ども用の備えは重要です。気を紛らわせることができるよう、防災リュックにはぬりえや折り紙、トランプなどのちょっとしたおもちゃとお菓子も入れておくといいですね。
防災リュックの中身リスト|高齢者の場合 シニアの場合の追加アイテムリスト
- メガネ(老眼鏡など)
- 大人用紙パンツ
- 入れ歯洗浄剤
- 杖
- 補聴器
高齢者の場合、荷物が増えすぎると他の人に代わりに持ってもらうなど周囲に負担をかけてしまいます。防災リュックには自分の力で持ち運べる最低限のものを入れるようにしましょう。
荷物を持ち運ぶ負担を軽減できるよう、緊急時以外は転がして運べるキャスター付きのリュックにしておくのもいいですね。
防災リュックの中身リスト|ペットがいる場合 ペットがいる場合の追加アイテム
- フード、水(小分けで最低5日分)
- お皿、器
- 薬、療法食
- リード、ハーネス
- トイレ用品
- ビニール袋、マナーポーチ
- ペットの写真(迷子になった時用)
災害時、ペットフードは人間の食べ物よりも手に入りづらくなります。最低5日分は防災リュックに入れておくといいでしょう。
ペットの防災を分かりやすく解説!災害時に役立つおすすめアイテムも紹介 | タスクル
https://taskle.jp/media/articles/1451/ペットの防災準備をしたいけどどうすればよいか分からないという人も多くいるでしょう。こちらではペットの防災準備について詳しく紹介します。
防災リュックの中身を考える前に 防災リュック用意の基礎知識
防災リュックは家族分まとめていい? ■防災リュックは家族の人数分用意する
防災リュックは一人につきひとつずつ用意するのが基本です。家族全員分をまとめて用意すると逃げ遅れる原因になるので注意しましょう。実際の災害時には避難を優先し、自分のリュックだけを背負いその場にいない人の分は置いていきます。
成人男性用、成人女性用、子ども用、シニア用など性別や年齢などを踏まえたうえでそれぞれの人に合う中身、重さのリュックを家族の人数分準備しておきましょう
防災リュックの中身どこまで必要? ■防災リュックには緊急性の高い防災グッズだけを
防災グッズは、自宅から避難するときに急いで持っていくものと、避難所に行かず自宅で在宅避難をするときに必要になるものをわけて考える必要があります。
長期間の避難生活などであとから必要になる備蓄は防災リュックに詰める必要はありません。
防災リュックの中身を揃えるのが大変なときは? ■必要なものが一式揃った「防災セット」も便利
防災リュックを一から自分で用意するのが大変という方は、必要なものが一式そろった状態で売られている「防災セット」を選ぶのもいいでしょう。必要なものだけ買い足せば、効率よく自分に合った防災リュックを用意できます。
防災リュックの中身でいらないものは? 防災リュックに入れなくてもいいもの4選
なんでもかんでも入れられるわけではない防災リュック。できれば本当に必要なものだけを厳選して入れたいですよね。ここからは、一見必要そうでも防災リュックになくても困らないものについて見ていきます。
防災リュックの中身でいらないもの①毛布 ■毛布は不要!エマージェンシーシートで備えを
防災リュックの中身に詰めるべきアイテムとして毛布やブランケットが記載されていることが多いですが、一般的な毛布・ブランケットだとかさばって避難の妨げになります。
防寒対策には毛布ではなく、薄手の保温素材で作られたエマージェンシーシートを準備しましょう。
防災リュックの中身でいらないもの②ロープ ■ロープを使った避難は素人には危険
防災リュックの中身としてロープが推奨されることもありますが、高所から降りるためや瓦礫をどかすために必要とされる道具で、素人がそのような用途で使うのは難しいでしょう。
ロープはそこそこ重さもあるため、ものを縛るなどの用途で使うならビニールひもやガムテープなど別のものを入れたほうが無難です。
防災リュックの中身でいらないもの③ティッシュペーパー ■ティッシュペーパーよりもトイレットペーパーを
ティッシュペーパーはさまざまな用途で役立つアイテムですが、防災リュックに入れるならトイレットペーパーがベター。水に溶けるため排泄の際にも使えたり、ロール状で長さ調整がしやすかったりとさらに便利です。
トイレットペーパーを防災リュックに入れる際は、芯を抜いて潰すのがおすすめ。コンパクトに持ち運ぶことができますよ。
防災リュックの中身でいらないもの④ろうそく・マッチ ■ろうそくやマッチは火事のおそれがあり危険
ろうそくやマッチは停電時に一見役立ちそうですが、転倒して火事につながる危険性があります。とくに大きな地震災害では余震が続くこともあるため、火の取り扱いには要注意。停電対策にはランタンを用意しておくほうがいいでしょう。
防災リュックの置き場所や点検について 防災リュックを用意したあとの注意点
防災リュックの置き場所はどこが正解? ■防災リュックは持ち出しやすいところに保管する
せっかく防災リュックを用意しても、いざというときにすぐに手に取れるところに置いておかなければ意味がありません。
避難経路になることが多い玄関や廊下、過ごす時間が長いリビングなどサッと持ち出せるところに保管しましょう。
防災リュックの中身は定期的な見直しが重要 ■防災リュックの中身は最低年一回は点検を
防災リュックは定期的な点検も重要です。食べ物や飲料水の賞味期限が切れていたり、子どもが成長して中身の見直しが必要だったりします。
9月1日の防災の日や一年の終わりの大掃除のときなど、最低でも年に1回は防災リュックの中身を点検するようにしましょう。