ピーマンは畑でもプランターでも育てやすい野菜です。5月に植えれば、7~10月の間に長期収穫できます。
本記事では、ピーマンを育てる時に注意するべき害虫について解説しています。
【葉・茎につく害虫】
・アブラムシ類
・コナジラミ類
・カメムシ類
・アザミウマ類
・ヨトウムシ類
・ダニ類
【果実につく害虫】
・タバコガ類
【根につく害虫】
・コガネムシ類
・センチュウ類
ピーマンの葉・茎につく害虫の対処法と予防策
ピーマンの葉っぱの裏や茎、新芽には虫がつきやすいです。定期的にチェックしましょう。
葉・茎をチェック ■アブラムシ類
ピーマンの葉・茎につく代表的な害虫はアブラムシ。
葉っぱが黄色くなったり、奇形になったりすることで気づけます。スス病のリスクがあるだけではなく、ウィルスを持っているので、モザイク病などにつながるケースもあります。早めに対処しましょう。
アブラムシの駆除方法は、割りばしの先にテープなどを巻いて巻き取る方法があります。この時、粘着力が強いとピーマンを痛めてしまうので注意しましょう。数が多い時は、薬剤を使います。
予防するためには防虫ネットの購入やシルバーマルチを張ることがおすすめです。
葉の裏・芽の先をチェック ■コナジラミ類
コナジラミ類はピーマンの葉の裏側や芽の先に寄生する寄生虫。寄生された葉を手で払うと白いホコリのようなものが飛び散るのが特徴です。
ピーマンの汁を吸うので、被害が広がると成長が止まってしまいます。排泄物によりすす病やウィルス媒介による病気のリスクがあるので、殺虫剤で駆除しましょう。
予防するためには防虫ネットの購入やシルバーマルチを張ることがおすすめです。黄色い色に集まってくるので、黄色い粘着板を設置するのも効果的ですよ。
新芽・茎をチェック ■カメムシ類
カメムシ類はピーマンの新芽や茎から汁を吸ってしまいます。駆除が遅れると株全体がしおれ、実にも被害が及びます。
駆除する時は悪臭が出るので、カメムシの体をティッシュで覆って逃がしたり、ガムテープで捕獲しましょう。殺虫剤を使えばより安全です。
予防方法は周囲の雑草を抜いたり、防虫ネットを張ること。防虫ネットは目合いが1mm以下のものを選ぶのがポイントですよ。
葉っぱをチェック ■アザミウマ類
アザミウマ類は葉に集団で寄生します。葉にカスリ状の小さな斑点がつき、色がぬけることで気けます。被害が広がった葉は変形してしおれてしまいます。子房に被害が出ると、ケロイド上の傷もついてしまう他、ウィルスが媒介して黄化えそ病が発生することもあるので、殺虫剤で早急に対処しましょう。
雑草や枯れたつぼみを取り除き、防虫ネットを利用して予防できます。土の中に蛹がいることもあるので、ピーマンの連作は避けましょう。
葉の裏側をチェック ■ヨトウムシ類
ヨトウムシ類は葉っぱの裏につく害虫です。葉の表皮は残して食べるので、白く透けたように見えるのが特徴です。発見が遅れると葉に穴が開いてしまいます。殺虫剤で駆除しましょう。葉の裏に卵を見つけた場合は、葉ごと処分します。
予防のコツはピーマンを植える前に土をよく耕すこと。この時芋虫やサナギ類を発見したら処分するのがポイントです。葉にコーヒーを吹きかけたり、出がらしを土に混ぜるのも効果的。成虫の飛来を防ぐためには、防虫ネットがおすすめです。
葉・芽をチェック ■ダニ類
ハダニ類は葉の裏に、ホコリダニは若い芽や葉っぱに寄生して汁を吸います。発見が遅れると葉っぱが委縮したり、巻いた状態に変形してしまうのが特徴です。被害が拡大すると葉が落ちて、芯止まりが発生してしまいます。殺虫剤で駆除しましょう。
予防方法としては散水で湿度を保ったり、防除シートを敷くこと。水で加湿しすぎると蒸れて病気の原因になることもあるので、水をまくタイミングには注意しましょう。
ピーマンの果実につく害虫の対処法と予防策
ここではピーマンの実を狙ってつく害虫がいます。葉や茎につく害虫は、実にもつくので、同様に注意していきましょう。
実に穴を開けて腐らせる害虫 ■タバコガ類
実に穴を開けて侵入している虫がいたらタバコガ類です。穴部分から腐ってしまうので、その実は食べられなくなってしまいます。実を食い破った後のタバコガ類は実の下手付近や蕾、葉の裏に一個ずつ卵を産むので、穴の開いた実ごと駆除しましょう。
予防には防虫ネットが効果的。他の害虫にも効果があるので目の細かいものを選びましょう。
ピーマンの根につく害虫の対処法と予防策
ピーマンの根っこにも害虫がつくことがあります。葉や茎に被害があり、肝心の虫が見つからない場合は土の中に潜んでいる可能性が高いです。
株が急にしおれたらコガネムシ類かも ■コガネムシ類
コガネムシ類に根っこを食べられてしまうと、ピーマンの苗が育たない時があります。株が急にしおれてきたら、コガネムシかもしれません。土の中に幼虫が大量にいると、他の植物も被害に出るので、根元を掘り起こして駆除しましょう。
コガネムシが好むのは、腐葉土の多い柔らかな土質。ピーマンの周辺にコガネムシの成虫が好むクリ・ブドウの木があると卵を産み付けられることもあります。
予防策としては、ピーマンの苗をマルチシートで被うのがおすすめです。
葉・茎が黄色くしおれたらセンチュウ類かも ■センチュウ類
葉や茎がしおれて黄色がかっていたら、センチュウ類が原因の可能性があります。ここで根を確認してコブ状になっていたら、センチュウ類が犯人です。寄生するのが根部分なので、被害が出る前に気づくのは至難の業。栽培前にしっかりと予防・土の準備をすることが大切です。
予防策としては、ピーマンの種・苗を植える前に消毒すること。連作を避けたり、畑・プランターの土を入れ替えることも効果的。透明なビニール袋で土を包み、太陽熱で20~30日消毒することでも対策できます。