一緒に暮らしていた犬や猫の腐敗臭は、間違った方法で取り除こうとしても効果がないことがあります。
この記事ではペットの死後残った腐敗臭を取り除くのに最適な方法から、ペットの死後自分でできる最低な取り扱い方まで詳しく紹介します。この記事を最後まで読んで正しい方法でペットの遺体を取り扱いましょう。
ペットの死後処理は特殊清掃業者に任せよう
犬や猫などの動物が亡くなってから3~5日で腐敗臭が出始めると言われていますね。ペットの死骸が腐敗すると、細菌やバクテリア、ガス、アンモニアなどの臭気が発生します。
これらの臭気は非常に強烈で、気分を悪くしたり吐き気を催したりすることがあります。またペットの腐敗臭は他の害虫を呼び寄せてしまうこともあるので注意が必要です。
ペットの腐敗臭が発生した場合はすぐに取り除かなくてはいけません。自分で臭いを取り除くのが困難な場合は特殊清掃業者に依頼することをおすすめします。
特殊清掃業者はペットの腐敗臭などの強烈な臭いの除去が専門です。愛犬の腐敗臭で気分が悪くなってしまう前にぜひ専門業者に相談しましょう。
■特殊清掃業者とは
特殊清掃業者とは孤独死や事故、事件などの現場で発生した汚染物や遺品を清掃する業者です。一般的な清掃業者では対応できないような、特殊な清掃技術や知識が必要とされる現場で活躍しています。
特殊清掃の対象となる現場は、以下のような場合です。
- 孤独死の現場
- 事故死の現場
- 事件の現場
- 放置された家屋
- ゴミ屋敷
- ペットの遺体
■特殊清掃業者の作業工程
ペットの特殊清掃はペットの死により発生した汚れや臭いを除去する作業です。ペットの「遺体処理」、「消毒作業」、「清掃作業」、「消臭作業」の4つの工程から構成されます。
特殊清掃業者はまず現場の下見をおこないペットの遺体や腐敗臭の状況を確認し、その上で作業内容や費用を説明します。
【遺体処理】
ペットの遺体は特殊清掃業者が責任を持って処理してくれるでしょう。遺体の処理方法はペットの種類や遺体の状態によって異なりますが、一般的には火葬や土葬などが行われます。
【消毒作業】
ペットの遺体から出る細菌やウイルスを殺菌するために消毒作業を行います。消毒には次亜塩素酸ナトリウムやホルマリンなどの薬剤が使用されることが一般的です。
【清掃作業】
ペットの遺体や腐敗臭で汚れた箇所を清掃します。清掃には高圧洗浄機や専用の洗剤が使用され、徹底的に汚れを除去してくれるでしょう。
【消臭作業】
ペットの遺体から出る腐敗臭を消すために消臭作業をおこないます。消臭には活性炭やオゾン発生装置などの専門機械を使用しておこないます。
■犬の腐敗臭を除去するためにかかる費用
犬の腐敗臭を除去するためにかかる費用は犬のサイズ、腐敗の程度、除去方法などによって異なります。一般的には小型犬の場合は数万円、大型犬の場合は十数万円程度かかることが多いでしょう。
また腐敗が進んでいる場合は除去に時間と手間がかかるため、費用がさらにかかる可能性があります。犬の腐敗臭を除去するためにはできるだけ早く除去することが重要です。
腐敗が進むにつれて臭いが強くなり除去が難しくなったり、腐敗臭は健康に悪影響を及ぼす可能性もあります。
自分で犬の腐敗臭を取り除くデメリット
■腐敗臭を完全に取り除くことができない
腐敗臭は素人が自分で取り除くのは大変困難です。ペットの体内に含まれる脂肪やタンパク質が分解されると、悪臭を放つ物質が発生します。
この物質は空気中に漂うだけでなく壁や床、家具などに染み込んでしまうため完全に取り除くのが難しいでしょう。ペットが腐敗している場所の温度が高いほど、悪臭が強くなることも自分で匂いを取り除けない理由の一つです。
■精神的に苦痛になる
ペットの腐敗臭はとても強烈で不快な臭いであることが一般的です。この強烈な臭いに長時間さらされると精神的な苦痛を感じる可能性があります。
また臭いが原因で頭痛や吐き気などの症状が出ることもあるので注意が必要です。すでに体調が悪い人が腐敗臭を取り除く作業をすると、体調を悪化させる可能性もあるでしょう。
■病原菌に感染する危険
ペットの腐敗臭の原因となる病原菌には、サルモネラ菌やカンピロバクター菌などがあります。これらの菌は人体に感染すると食中毒や腸炎などの症状を引き起こす可能性があるでしょう。
そのためペットの遺体に触れた場合は、必ず手を洗う必要があります。またペットの遺体を処理する際には、ゴム手袋やマスクなどの保護具を着用すると良いでしょう。
ペットが亡くなってから発生するサイン
■ペットの死後に遺体から匂いが出ている
ペットが亡くなった後、体から臭いが出ることがあります。これは腐敗が始まっていることが原因で、できるだけ早くペット葬儀業者に連絡をして火葬または埋葬をする必要がありますね。
ペットの遺体を自宅で安置する場合はペットシーツなどを敷いて、体液が漏れ出ないようにしましょう。またペットの遺体を冷暗所に入れておくことで遺体が腐敗するのを遅らせることも可能です。
■犬の遺体から体液が出ている
ペットが亡くなった後、体液が漏れ出ることがありますがそれは死後硬直が原因です。死後硬直とは死後に筋肉が硬直する現象で、おおよそ死後24時間から72時間程度で起こります。
死後硬直が起こると筋肉が固まって内臓を圧迫し、それによって体液が漏れ出ることがあるでしょう。
■犬のお腹が膨らんでいる
ペットが亡くなった後、腸内ガスが溜まっていくことでお腹が膨らんでしまう現象が起こる場合があるでしょう。腸内ガスは、死後腸内細菌が分解する際に発生します。
腸内ガスが溜まるとどんどんお腹が膨らんでいくので注意が必要です。腸内ガスは自然に排出されないことがあり、腸内ガスが排出されないとペットの遺体を安置するのが難しくなります。
また腸内ガスが溜まると腐敗が進むため、ペットの遺体が傷んでしまうことがあるでしょう。
ペットの死後処理を自分でする方法
■口や肛門などの穴を塞ぐ
ペットの死後に硬直が始まると口や肛門から体液が流れでることは上述した通りです。それによってペットの身体やシーツなどを汚してしまわないようにタオルやガーゼで口や肛門を塞ぎましょう。
ペットの遺体から体液が出てきてしまうと汚れてしまうだけでなく、臭いも出てきてしまいます。大切なペットから悪臭が出ているのは悲しいので、体液を放置しないようにしましょう。
■ペットの遺体を清潔に保つ
ペットの遺体を清潔に保つためには遺体の腐敗を少しでも遅らせることが重要です。基本的に遺体を冷やすことがもっとも有効な方法になります。
保冷剤やドライアイスを使ってペットの腐敗を遅らせましょう。また身体を拭いたり無駄な毛を落としたりして清潔な身体を保つことも大切ですね。
■遺体の体勢を整える
ペットが亡くなった後、遺体の体勢を整えることはペットの死を受け入れるプロセスの一部です。遺体を整えることでペットを見送る準備をすることができます。
大切な家族である犬や猫が亡くなったあと、一番リラックスしている体勢にしてあげたいと思うのは当然ですよね。普段使っていたペット用のベッドなどに寝かせてあげることが愛犬を亡くした家族にとっても一番良い方法です。
ペットが亡くなったあと遺体を保存して置ける期間
ペットが亡くなったあと、遺体を保存して置ける期間はペットの種類や大きさ、保存方法によって異なります。一般的に犬や猫などの小動物の場合は、冷暗所で3〜5日程度が限界です。
ペットの遺体を長期間保存したい場合はペット葬儀社に相談することをおすすめします。ペット葬儀社で遺体を冷凍保存したり、火葬したりするなどのサービスを提供しているでしょう。
夏場にペットが亡くなったら要注意
夏場にペットが亡くなった場合は特に注意が必要です。夏場は湿気が多く気温も高いため遺体の腐敗が通常よりも早く進みます。
外見に変化がなくても体内で病原菌が繁殖したり、悪臭が出てきたりするでしょう。保存時の温度を下げることを最優先に考えると良いですね。
犬の死後の腐敗臭に関してよくある質問
■犬の死後の腐敗臭が原因で健康被害を受ける可能性は?
犬の腐敗臭が原因で健康被害を受ける可能性は多くありません。しかし刺激的な悪臭に長時間さらされると、頭が痛くなったり気分が悪くなったりなどの影響は受ける可能性があります。
■犬の死後の腐敗臭が原因で近所トラブルになる可能性は?
猫や小型犬などの痛いから出る腐敗臭でも、長らく放置することで近隣住民が気づくことはあるでしょう。特に賃貸住宅では近隣住民との距離が近いので、注意が必要です。