事故物件扱いになる不動産を売却する場合、通常の物件と比べて少しだけ難易度が上がります。そのためどのような場合に事故物件扱いになるのかをしっかりと把握していることが大切です。
この記事ではどのような物件が事故物件扱いになるのとその売却時の注意点を詳しく紹介します。この記事を参考に正しい方法で事故物件を売却しましょう。
孤独死があったら事故物件になる場合
■死亡後の状態や発見の遅れ
孤独死が発生してから発見までの時間が長く、死亡後の物件の状態が劣化している場合は事故物件として扱われるのが一般的です。明確な期間は決まっておらず、一般的に人がその物件に住みたくないと感じるほど長い期間放置されている場合は事故物件になります。
孤独死から発見までが数日から一週間程度であれば、基本的に事故物件扱いにはなりません。
■犯罪が絡む場合
もし孤独死が自然死でなく犯罪に結びついている場合、物件は事故物件とされることがあります。事件に巻き込まれて亡くなった場合がそれに該当します。
例えば近隣で発生した火災に巻き込まれた場合や、自殺も事故物件認定されるのが一般的です。
■精神的な理由からくる孤独死
特定の病気や精神疾患により孤立しやすい状態であった場合や、それが原因での孤独死も物件が事故物件と見なされる可能性があります。
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孤独死があった物件も売却は可能
孤独死があった物件でも基本的に売却自体は可能です。しかし事故物件と認定されてしまった場合は通常よりも価格が下がってしまうことがあるので注意しましょう。
■不動産会社の仲介で売却
事故物件を売却するときは、不動産会社の仲介で売却するのが一般的です。仲介で売り出すと一般の人々が興味を持てば成約につながります。
しかし告知義務があるので事故物件であることを記載しなくてはいけません。そのため事故物件であることを理由に買い手が見つかりにくいこともあるでしょう。
基本的に購入希望者が現れるまで長期戦になることもあるので、時間に余裕があり待てるという人におすすめの方法です。
■不動産会社からの買取り
不動産業者に買い取ってもらう方法は時間があまりない人におすすめです。事故物件であっても積極的に買取りを行っている不動産業者であれば問題なく買取りしてもらえます。
公に購入者を募る不動産仲介での売却に対して、こちらの方法は近隣住民などにも知られずに売却を進められます。しかし都合の良い形で売却ができる反面、売却価格は一般的な価格の7割程度になってしまうでしょう。
孤独死から売却までの手順
■死亡確認と法的手続き
孤独死が発生した場合、まずは速やかに警察や医療機関に通報します。これにより死亡が確認され、必要な法的手続きが開始されます。
腐敗状況などによっては数ヶ月かかる場合もあるでしょう。孤独死を発見した場合は不用意に室内に入らないよう注意が必要です。
死亡確認が完了したら死亡証明書を入手します。この死亡証明書は不動産取引の際に必要な文書のため、無くさず保管しましょう。
地域の条例などに基づいて、死亡に関する法的手続きを行います。遺品整理や遺産相続も併せて進めましょう。
■室内の清掃と整備
孤独死が発生した物件は室内の特殊清掃が必要なケースが多くあります。専門の清掃業者を雇って孤独死現場を丁寧に清掃し、死亡に関連する臭いや痕跡を徹底的に取り除きます。
それと併せて物件の修繕やメンテナンスが必要な場合は、これらの作業も進めます。物件を売りに出す前にできるだけ良い状態にしておくのが重要です。
■不動産エージェントの利用
不動産エージェントは孤独死のあった物件の売却において、いなくてはならない存在です。物件の評価やマーケットに関してのスペシャリストであり、適切な価格での売却をサポートします。
エージェントは広告やプロモーションなど多くの有効な宣伝方法を持っており、効率的に物件の買い手を探してくれます。
■価格の設定と交渉
不動産エージェントと話し合いを行い、孤独死の事実を踏まえつつ物件の適正な価格を設定します。これは市場価値や地域の需要と供給に基づいて決めるのが一般的です。
購入希望者からのオファーや交渉があれば、価格や条件についての合意が得られるまでエージェントを通じて交渉を進めます。自分でも市場価格や条件についてなどは下調べすることをおすすめします。
■売買契約の締結
適切な条件で購入者が見つかれば、不動産エージェントによって売買契約書が作成されます。取引条件や売買に関する詳細情報が必ず記載されている必要があります。
売り手と買い手、双方の合意が得られれば契約は正式に締結されます。引き続き残っている法的手続きや引き渡しの段階に進みます。
孤独死のあった物件を売却する際に注意すること
■適正な価格設定をする
適切な価格設定をすることで、孤独死のあった物件でも売却を成功させることができます。そのためには地域の不動産価格を調べて市場価格を正しく把握することも重要です。
不動産エージェントのアドバイスに耳を傾けることは必要ですが、自分自身でも知識がないと全て言われたままになってしまいます。後から聞いて実は損をしていたなどということが起こらないようにしっかりと下調べを行いましょう。
■買い手の心理を考慮する
孤独死のあった物件は普通の物件よりも注意しなくてはいけない点があります。それは買い手の心情です。
誰かが亡くなった部屋に住むということは誰にでも受け入れやすいことではありません。そのため買い手がどう感じるかという点についてしっかりと理解をした上で交渉などを進めましょう。
孤独死の事実は可能な限り伝えて信頼関係を築き上げることが大切です。信頼関係を築くことができればその後の話し合いも滞りなく進んでいくでしょう。
■信頼できる不動産エージェントを見つける
事故物件を売却するのは簡単なことではありません。そのようなことを成し遂げるためには信頼できる不動産エージェントを見つけることが重要です。
例えば不動産屋に物件を買取してもらう場合、信頼できる不動産エージェントであれば価格や条件なども任せることができます。そのため不動産エージェントを選ぶ段階でも複数のエージェントと話をして自分が信頼できると思える人を探しましょう。
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長期間放置された孤独死の現場や事故死などがあった部屋を売却する際は必ず特殊清掃をしなくてはいけません。腐敗した遺体からは感染症の原因になる病原菌などが発生している可能性があります。
また腐敗した遺体や体液などで汚れた床や壁は通常の清掃ではなかなかきれいにすることができません。特殊清掃もしくはリフォームが必要です。
孤独死があった部屋は悪臭が残っている場合も多く、そのような場合はオゾン洗浄などで空間を丸ごと洗浄する特殊な技術が必要です。特殊清掃の専門家に任せて売却までに必ず部屋をきれいにしましょう。
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孤独死があった不動産の売却に関してよくある質問
■孤独死があった不動産の価格は通常の物件と比べて変動しますか?
孤独死があった物件は通常の物件に比べて最大12%ほど価格が下がることがあります。築年数が少なければ少ないほどその影響も大きいとされています。
■物件の清掃や整備が完了するまでにどれくらいの時間がかかりますか?
特殊清掃が必要かどうかでも変わりますが、一般的には数日から最大2週間程度で完了します。