特殊清掃と言っても実はその作業内容は多岐にわたります。一般的に広く知られている孤独死現場の後処理だけでなく他にも多くの場合に活躍してくれるのが特殊清掃業者です。
この記事ではそんな特殊清掃業者の仕事内容を詳しく紹介します。この記事を参考に特殊清掃業者のサービス内容を正しく把握しましょう。
特殊清掃の清掃内容一覧
■遺体運び出し後の処理
放置された遺体などから出る体液や血液は通常の清掃ではきれいにできません。そのため、孤独死現場の遺体を運び出した後の処理は特殊清掃業者に任せるのが一般的です。
特に床や壁に染み付いた体液は清掃するために特殊な薬剤などを使用します。感染症などの可能性も考慮して、対策を十分にする必要があります。
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■悪臭除去作業
遺体が長らく放置された部屋は死臭が充満しています。そのため専門知識を持った特殊清掃員に依頼して、悪臭除去をしなくはいけません。
ゴミ屋敷化してしまった家も生ごみの腐敗などで悪臭がこびりついてしまいます。そのような場合も特殊清掃業者による専門的な悪臭除去作業が必要になります。
専用の消臭剤や清掃方法を使用して異臭の原因を取り除き、空間をまるごと清潔にしてくれるでしょう。
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■ゴミ屋敷片付け後の清掃
ゴミ屋敷の片付けから後処理まですべて請け負う特殊清掃業者もいますが、基本的にはゴミ屋敷片付けを行った後の清掃をしてくれます。
ゴミ屋敷になってしまった家は床や壁の腐敗などがあり、通常の清掃ではきれいにできない場合があります。水回りなどはカビが生えやすく特殊な技術が必要です。
■害虫駆除
害虫が大量に発生してしまっている場合、特殊清掃業者に依頼してきれいにしてもらいましょう。専門業者は何の害虫が発生しているか、その原因は何かなどその正しい対処方法を熟知していおるので、適切に対応してくれます。
必要に応じて化学薬品を使用したり、駆除後の対策まで対応してくれる場合がほとんどです。害虫問題で困ったら特殊清掃業者に連絡しましょう。
■火災現場清掃
火災現場にも種類があり大きな火災の場合はリフォームや立て直しが必要になりますが、小さい火災の場合は特殊清掃できれいにすることができます。
焼けてしまった壁や床についたススを片付けたり、火災によって染み付いた焼き焦げ臭は特殊清掃業者のスキルで取り除くことが可能です。
■動物の排泄物などの処理
ペットネグレクトが行われた現場などではペットの糞尿が散乱していたり、場合によってはペットの遺体が放置されているケースもあります。そんなときは特殊清掃業者に安全に対応してもらいましょう。
亡くなったペットが放置されている場合はその遺体も適切に処理する必要があります。特殊清掃の専門業者はそういった普通では難しい清掃も請け負ってくれる場合があります。
特殊清掃に役立つ資格一覧
■特殊清掃技能検定
特殊清掃技能検定は、特殊な清掃作業に必要な技能や知識を証明できる資格です。清掃技能の向上と安全な作業の実施が求められます。
この検定は遺体放置現場での遺体の取り扱いや感染症対策など専門的な知識を身につけていることを証明するもの。持っている作業員がいる場合は、特殊な現場での高い品質の清掃が可能です。
■衛生管理者資格
衛生管理者資格は、清潔で健康的な環境を維持するために必要な知識を持っていることを認定する資格です。具体的に、衛生基準、感染症対策、清掃技術、公衆衛生などに関する技能を習得していることを証明しています。
取得には感染症対策や衛生管理に焦点を当てたうえで知識を求められます。この資格を保持している清掃員がいる特殊清掃の場面では、衛生面に配慮しながら正しく作業を進められていきます。
■産業廃棄物処理主任者資格
産業廃棄物処理主任者資格は、産業廃棄物の取り扱いに携わる際に必要な資格です。一般家庭での特殊清掃では必要ないですが、事業を行っている人の場合はこの資格を持っている業者に依頼が必要な場合があります。
この資格の取得には廃棄物の分別や処理方法、法令や規制に関する知識が必要です。法律に準じた作業が必要となる現場の場合は、この資格を持っている業者かどうか、担当する作業員は資格保持者かどうかを確認しましょう。
■清掃技能士資格
清掃技能士資格は一般的な清掃技術に関する資格で、清潔で安全な環境を保つための基本的な知識と技能を持っていることの証になります。
掃除の基本技術や清掃薬品の取り扱い、安全対策に関する知識が含まれるため特殊清掃の現場で役に立ちます。高い知識とスキルを担保してくれる資格なので問い合わせ時に保有者がいるかの確認をしてみましょう。
■虫駆除士資格
虫駆除士資格は、害虫駆除に従事する際に必要な知識と技能を持っていることの証明になります。そのため害虫駆除作業を依頼する場合、作業員の中にこの資格保有者がいると安心です。
どのような場面で特殊清掃を依頼すべき?
基本的に特殊清掃業者に依頼すべきかどうかの判断は、頑張れば自分でできるかそうでないかという点で考えましょう。頑張れば自分でできる場合というのは、十分な人員と時間、機材などがあれば自分たちで清掃できる感じるような場面のことを指します。
つまり特殊な知識やスキルがなくても完了できると思えるような場合は自分たちで清掃するか、通常の清掃サービス業者に依頼しましょう。特殊清掃業者に依頼する場面というのは、どう頑張っても自分たちでは無理だと感じるときです。
特殊な知識経験があり、必要なスキルを持っていないと安全に清掃できないような場面では、ためらわず特殊清掃の専門業者に依頼しましょう。
特殊清掃を依頼することのメリット
■安全安心を確保できる
特殊清掃が必要な現場で知識や経験がないのに自分で清掃をすると危険が待ち構えています。感染症や健康被害だけでなく、場合によっては法律を破ってしまう危険性もあるので要注意です。
健康面の安全に加えて法律を遵守するという意味でも、専門知識を持った特殊清掃業者に依頼するメリットは大きいといえます。
■精神面でのサポート
遺体の処理や腐敗した建物を綺麗にする作業は決して楽なものではありません。視覚的に不快に感じたり、悪臭を感じると嫌な気持ちになったりもします。
専門業者に任せることでそのような辛い思いをしなくてすむのはメリットの一つです。
■素早く効率的な清掃
特殊清掃業者はそのような現場を清掃するプロ集団です。そのため特別な機材などを使ってもっとも効率的な方法で特殊清掃を完了してくれます。
時間を節約できるというのもメリットの一つのため、必要に応じて専門業者への相談をしましょう。
特殊清掃の仕事内容に関してよくある質問
■特殊清掃とは何ですか?
特殊清掃は通常の清掃業務では対処できない特殊な状況や環境での清掃作業のことをいいます。例えば遺体清掃や感染症対策清掃、火災現場清掃などが挙げられます。
■特殊清掃の作業者はどのような訓練を受けていますか?
特殊清掃業者は適切な資格や訓練を受けており、各種特殊清掃に対応するための技能や知識を保有しています。