猫屋敷の消臭・清掃の必要性
猫屋敷に住んでいると、糞尿や毛による感染症・アレルギーが発症してしまい、危険です。
猫にとっても糞尿がこびりついた状態は不衛生で、感染症リスクが高くなります。十分に世話をされなかったことにより、ノミ・ダニが原因の皮膚病にかかるリスクもあります。こうなると抵抗力の弱い猫から亡くなってしまうので、一刻も早く対処しましょう。
また、悪臭は家の中にとどまらず、近隣に広がります。苦情を言われるだけではなく警察へ通報されるケースもあるので、深刻なご近所トラブルに発展する前の対処が必要です。
猫屋敷を消臭するための特殊清掃の流れ
猫屋敷の悪臭は、特殊清掃業者に依頼して消臭しましょう。通常の清掃ではダメな理由は、猫の尿に含まれるフェリニンという成分。これを除去するためには、専用の薬剤・機材が必要です。通常の清掃業者では扱えない薬剤なので、特殊清掃業者が必要になります。
■不用品・ゴミの処分
猫屋敷の悪臭を消臭するためには、家中にこびりついた糞尿を落とす必要があります。そのためには、床・壁が見える状態でなければなりません。
まずは不用品やゴミを回収・処分していきます。消臭作業後に使えそうな家具・家財があるのであれば、この時点で別の場所に保管することになります。
■猫の遺体の回収・供養
猫屋敷の多くは、ゴミ屋敷でもあります。大量のゴミがある現場の中では、猫の遺体が見つかってしまうケースもあるのが現状です。この時、特殊清掃業者であれば埋葬・供養などを請け負ってくれます。
■フン・尿の清掃・消臭・除菌
猫屋敷の中からある程度の家財・家具・ゴミが撤去できたらフン・尿の清掃に移ります。
まだ使える家財や階段の手すりなどについてしまった糞尿は、専用薬剤で拭き取って除菌・消臭。特に猫の尿にはコウキシンという成分があり、悪臭の原因です。この独特のフェロモン臭を分解するためには、高温スチーマーなどによる部分的な消臭作業を繰り返していきます。
猫屋敷の事例があったり、フェロモン臭に対応できる業者であることを確認してから依頼をしましょう。
踏まれたり、放置されたりして固まってしまったフンはスコップ・鋤で掘り返していきます。それでも落とせない場合は、スチールウールや金属ブラシで粉末状することで除去して、袋詰めにして撤去します。
窓のサッシやフローリングの溝など、猫の行動パターンに合わせて清掃していくことになるので、猫屋敷の事例が多い業者であればあるほど安心です。
■解体・コーティング・リフォーム
糞尿を除去しても落としきれない臭いや、汚れそのものを落としきれない時には、解体・リフォームが必要です。
特に壁紙は臭気を吸い込みやすく、スクレーバーやカッターではがされるケースが多いです。床には尿がしみこみやすく、床下まで確認することになります。
解体の他には、特殊コーティングを施して臭いを閉じ込めるケースもあります。解体に比べてリフォーム代を節約できることがメリットです。
■空間全体の消臭・除菌
床や壁への部分的な消臭作業が終わったら、お部屋の空間全体の消臭・除菌に入ります。
オゾン脱臭機など、特殊清掃業者にしか扱えない強力な消臭・除菌の機材で前述のフェロモン臭以外の臭いを徹底的に除去します。
最後に、臭いが消えたことを臭気測定計で確認して終了です。
猫屋敷を消臭するための特殊清掃の相場
猫屋敷の消臭・清掃は、特殊清掃の中でも高額な部類に入ります。
フェロモン臭の分解や特殊コーティング作業が高額ですし、解体範囲が広くなる傾向があるためです。
お部屋の料金・お住いの地域で料金大きく変わるため、無料見積もりに対応している業者を探し、相見積もりをとって相場を把握していきましょう。
猫屋敷を消臭するための特殊清掃業者の選び方
猫屋敷の消臭・清掃のための業者を選ぶ際には、相見積もりをとって相場を把握する方法がおすすめ。
見積もりを出す際のやり取りの中で、信用できる業者かどうかを確認していくこともできます。見積もりの際にチェックすべきポイントは、下記の通りです。
まず、見積もりの際に作業内容・料金体系が曖昧な業者は、後で作業を追加して高額料金を請求してくるリスクがあるので除外しましょう。安すぎる業者も同様に、悪質業者である可能性が高いです。
次に、資格を確認していきます。特殊清掃を開業するために必要な資格はありませんが、解体には「解体工事業登録」が、ゴミの処理には「一般廃棄物収集運搬許可証」が必要です。
さらに、猫屋敷でれば「脱臭マイスター」という消臭・除菌に関する一般法人の資格を持っているとより安心できます。
最後に、資格や事例を確認していく時に注意したいのは、特殊清掃業者には得意分野があるということ。多頭飼い崩壊・猫屋敷に対応したことのある業者を選びましょう。特に猫の尿特有のフェロモン臭にはオゾン脱臭機だけでは対応できないので、過去の事例について確認が必要です。
自分でできる猫のための消臭の消臭方法
猫屋敷になってしまうと自分だけでは対処できませんが、猫のお世話が適切であるのに臭いでお困りの場合は、自分でもできることがあります。ここでは、その方法について紹介していきます。
■消臭効果のあるトイレを選ぶ
消臭効果がしっかりとした猫砂を選び、こまめに交換することで尿の臭いを抑えることができます。
カバー付きのトイレも臭い対策には有効ですが、トイレ内に臭いがこもるので、猫にとっては辛い環境になることに注意。他のトイレより一層こまめに猫砂を取り換えてあげましょう。
■消臭対策グッズを活用する
猫と暮らすための消臭グッズは数多くあります。消臭剤・吸水シートを組み合わせ、臭いがしみつきにくいお部屋を目指しましょう。
猫との暮らしの消臭のポイントやお部屋作りのコツについてはこちらの記事でも解説しています。
猫屋敷の消臭についてよくある質問
■猫屋敷の清掃は特殊清掃以外に頼めないの？
猫の糞尿の被害が床・壁に及んでいない状態であれば通常の清掃業者でも構いませんが、床や壁にしみこんだ悪臭は特殊清掃業者でないと落とせません。猫屋敷を解体・撤去する予定があるのであれば清掃作業は不要です。
■屋敷の消臭は住人しかできないの？
近隣の人々や大家が猫の糞尿やゴミの悪臭で困っていても、その家を清掃・消臭する権利は住人にしかありません。第三者が猫屋敷を清掃するためには、大家が内容証明郵便を送ったり、行政に相談したりして賃貸契約を終わらせる必要があります。
■猫屋敷の清掃・消臭の費用は誰負担？
退去する際に猫屋敷の清掃・消臭をするのであれば、住人側の負担になります。住人が亡くなった場は、原則住人の財産になり、足りない部分は相続人の負担になります。ただし、住人が亡くなった場合の費用負担は話し合いの後、大家側も負担することが多いです。
