忙しくてバタバタしてしまいがちな引越し。特に一番慌ただしい引越し当日は、次から次へと押し寄せてくる「やるべきこと」を処理していくうちに、大切なことをやり忘れてしまうことも。引越し当日にやるべきことは、やり忘れを防ぐためにきちんと整理しておくのが正解です。
引越し当日までにやっておきたいことや、引越し後にやりたいことについてもまとめていきますので、引越しを控えている人はぜひ参考にしてみてくださいね!
当日までにやっておきたい6つのこと
だんだん迫ってくる引越し日。当日慌ててしまわないよう、引越し当日までに済ませておきたいことについて整理していきましょう。
■1.市(区)役所での手続き
引越しのときに必要な市(区)役所での手続きは、面倒だからと後回しにせず、早めに済ませておくと安心です。
引越しで必要な市(区)役所の手続きは、主に「転出届けの手続き」「印鑑登録の抹消手続き」「国民健康保険の喪失手続き」などがあげられます。もしもお子さんがいらっしゃる場合は、「児童手当の受給事由消滅届の手続き」が必要となります。児童手当は引越し先の市(区)役所で再登録が必要でしょうから、前年度の課税証明書や所得証明書を発行してもらうのを忘れずに。
これらの手続きを行う際に必要な持ち物は、本人確認書類と印鑑です。二度手間となってしまわないよう、きちんと準備した上で市(区)役所へ出向くようにしましょう。
■2.旧居のご近所さんへの挨拶回り
旧居のご近所さんへの挨拶回りは、ともすればうっかり忘れてしまいがちですが、これまでお世話になった感謝の気持ちを込めて欠かさずに行いましょう。引越し作業は騒音などでご近所さんに迷惑をかけることもしばしばありますので、なおさら必要と言えます。
旧居のご近所さんへの挨拶回りは、引越しの2日前か前日までに済ませておくのが一般的です。その際に500円~1,000円程度の粗品を準備しておくことを忘れずに。
■3.冷蔵庫・洗濯機の水抜き、石油ストーブの灯油の抜き取り
3-1.冷蔵庫の水抜き・霜取り
冷蔵庫の内部に水が残ったまま運搬作業をしてしまうと、水漏れや故障の原因となります。引越しの前日までには完全に水抜きをしておきましょう。
冷蔵庫は製氷機の氷や蒸発皿の水を捨てることで水抜きを行います。そして冷蔵庫の電源を切り、ドアを開放し、冷蔵庫内の霜を溶かしていきます。このとき水浸しになるのを避けるために、庫内にタオルを敷いておくと安心です。
3-2.洗濯機の水抜き
洗濯機も冷蔵庫と同様、完全に水抜きをしておくことで、運搬作業中の水漏れや故障を防ぐことができます。忘れずに水抜きをしておくようにしましょう。
洗濯機の水抜きは、まず水道栓を閉じた状態でスタートボタンを押し、しばらくしてから給水ホースをはずすことで給水ホース内の水抜きを行ないます。その後脱水ボタンを押して脱水を行い、洗濯槽の水分をタオルなどで取り除き、排水ホースを抜いてホース内に残った水の水抜きを行います。
3-3.石油ストーブの灯油を抜き取り
石油ストーブに灯油が入っている場合、運搬をしてもらうことができません。灯油は引火する恐れがありますし、トラック内で灯油が液漏れをして他の荷物を汚してしまったり、壊してしまったりする可能性があるためです。自分の荷物だけならまだしも、引越し業者のトラックなどを汚損してしまい、損害賠償を請求されてしまう可能性もあります。
石油ストーブは引越し当日までに空焚きしておき、灯油を必ず抜き取っておくようにしましょう。
■4.電気・ガス・水道など使用停止手続き
電気、ガス、水道の使用停止の連絡は、引越し日の1週間前を目安として電話、もしくはインターネットで行います。ガスや水道の使用停止は、基本的に立会いと同時に最後の使用料金の精算が必要となります。立会いができない場合は請求書、もしくは口座振替にて精算することになります。
旧居での使用停止の連絡と同時に、新居での使用開始の手続きも済ませておくと、後々慌てずに済みます。そのほかインターネット回線や固定電話などの各種使用停止手続きも忘れずに。
■5.手荷物の整理
引越しの当日に手荷物として持ち運んでおくと便利なものは、貴重品、携帯電話、新居の間取り図などがあげられます。引越しの日は人の往来が激しいため、特に貴重品は肌身離さず持ち歩くようにしましょう。
携帯電話は家族や業者の方との連絡ツールとして使用するのはもちろんですが、スマートフォンであれば新居周辺のマップを開くことができますので、引越しの日は大活躍してくれます。
■6.現金の準備
引越しの当日は、多くの場合バタバタしていますので、慌てて銀行に行く手間を省くために必要な現金を前日までに準備しておきましょう。引越しの当日はあまり多くの現金を持ち歩きたくないかもしれませんが、引越し費用や電気、水道などの公共料金を現金精算する場合に必要となりますので、大まかな金額を計算しておき、少し余分に持っておくと安心です。
引越し当日のやるべきリスト
いよいよ引越し当日です。やるべきことをリスト化し、やり忘れのないように整理しておきましょう!
■1.退去の準備
1-1.旧居の掃除
旧居を出て行くときは、マナーとしてお世話になったお部屋をある程度きれいに掃除してから明け渡しましょう。落とすことができる汚れをきちんと落としておくことで、敷金の返金額を増やすことができるかもしれません。
だからと言って、引越し作業中に掃除を始めてしまっては、作業の邪魔になってしまいます。掃除機や雑巾、洗剤などは最後までトラックに積まないでおき、引越し作業が終わってから一気に掃除をしましょう。
1-2.電気のブレーカーを落とす
お部屋を退去するとき、電気のブレーカーを必ず落としておく必要があります。電気のブレーカーを落としておくことで、無人の状態のお部屋で漏電やショートなどの電気トラブルが発生してしまう危険を防ぐことができます。
また、電気会社へ解約の手続きを済ませていない場合は、ブレーカーを落としておかないと電気料金が余計に発生してしまったり、次の住人の方に余計な料金が請求されてしまったりする可能性がありますので注意しましょう。
■2.新居へ引越し荷物を運び込む準備
2-1.新居の鍵を受け取る
新居の鍵は契約日以降に渡してもらうことができます。もっと早く鍵を渡してもらいたくても、契約日以前に無保険の状態で火災が発生してしまう危険に備えて、鍵を渡してくれない場合がほとんどでしょう。中には立会いのもと荷物の運び込みだけokとしてくれるケースもありますので、鍵の引き渡し以前に室内に入りたい場合は大家さんに相談してみましょう。
日割りで発生する家賃の関係で「契約日=引越し日」の場合も多いでしょうから、引越し当日に鍵を引き渡してもらう場合は、大家さんが鍵を何時に用意できるのか、引き渡しはどのような方法で行うのかについて前もって確認しておく必要があります。
2-2.新居の掃除&チェック
荷物が新居に運び込まれる前に、お部屋の掃除をしておきます。特に大きな家具を置く予定の場所は念入りに。1度家具を置いてしまうと、なかなか動かしてまで掃除をする機会がありません。
また、新居が賃貸物件の場合は、最初に室内に傷や汚れがないかどうかをチェックし、気になる傷や汚れを見つけたら写真を撮り、管理会社へ報告を。後々トラブルに発展するのを防ぐことができますよ。
■3.新居へ荷物の搬入
さて、引越し業者が新居に到着したら、いよいよ荷物が搬入されます。引越し業者の方に細やかな指示を出し、荷物を配置してもらいましょう。足りない荷物がないかどうかのチェックも忘れずに。荷物に番号を振るなどしてわかりやすい状態しておくとチェックしやすいでしょう。
■4.ガスの開栓の立会い
最近ではオール電化の家もありますが、新居でガスを利用する場合、ガスの開栓作業をする必要があります。ガスの開栓は立会いが必要となりますので、あらかじめガス会社の方と打ち合わせをしておき、約束の時間に立会えるように時間の調整をしておきましょう。
■5.新居のご近所さんへの挨拶回り
新居のご近所さんへの挨拶回りは、500円~1,000円程度の粗品を持参して引越しの前日か当日、遅くとも一週間以内には済ませましょう。できれば引越し作業が始まる前までに済ませておくのが理想的です。
5-1.集合住宅の場合
新居が集合住宅の場合、挨拶回りをしておくべきお部屋は、両隣と上下階のお部屋です。両隣と下の階のお部屋へは、「これから生活を始めますので多少の物音などをご容赦ください」という意味を込めて、上の階のお部屋へは、「これから生活を始めますので、物音などの配慮をお願いします」という意味を込めて挨拶をします。つまり、上の階のお部屋へは、こちらから迷惑をかけることはありませんので、挨拶を省略する人も多いようです。
5-2.戸建ての場合
新居が戸建ての場合は、挨拶回りは「向こう三軒両隣」に行うのが一般的です。新居の裏にも家がある場合は、裏の三軒にも挨拶おくと良いでしょう。挨拶回りのときに自治会の活動状況について確認し、必要であれば自治会長さんにも挨拶をしておきましょう。
■6.荷解き
荷物が壊れてしまっていないか確認するために、荷解きはできる限り早く行いましょう。ただし、荷解きは計画せず闇雲に行ってしまうと、お部屋が余計に散らかってしまい、非効率です。
まず布団、お風呂用具、キッチン用具などのすぐに使用するものから、順序立てて計画的に荷解きを行いましょう。荷解きが面倒なダンボールの開封を後回しにしてしまうと、どんどん億劫になってしまいます。荷解きが面倒と感じるダンボールも、後回しせず1つ1つ計画的に開封していくことがスムーズに荷解きをすすめるコツです。
引越し当日の注意点
■1.携帯電話の充電を満タンに!
引越し当日は家族や業者とのやりとり、さらにスマートフォンであれば新居周辺のマップを表示するなど、携帯電話が大活躍します。携帯電話の充電はあらかじめ満タンにしておきましょう。
ただし、携帯電話の充電器は、旧居に忘れやすいもののひとつ。充電を終えたら手荷物と一緒に持ち運ぶなどして、旧居に忘れてしまわないように注意してくださいね。
■2.入れ忘れがないかチェック
最後のダンボールを閉じる前に、当日まで使用していた生活用品などが全て入っているか最終チェックをします。後から見つかってしまうと自分で運ばなければいけなくなりますので、しっかりと確認しておきましょう。
つい見落としてしまいがちなベランダの最終チェックも忘れずに。ベランダ用のスリッパや、一時的に避けておいた荷物などが置きっぱなしかもしれませんよ。
■3、作業の妨げにならないように注意
掃除や荷解きなどせっせと進めてしまいたい気持ちはわかりますが、引越しの日に一番優先されるべきなのは、引越し業者の方の作業です。特に搬出や搬入作業は家具や荷物が通るための十分なスペースが必要ですので、引越し作業の導線を防いでしまわないよう、十分に気をつけて行動しましょう。
■4.ガムテープやカッターを出しておく
引越し作業を進めていると、意外と必要になってくるのがガムテープとカッター。引越し作業を進めているうちに、しまい忘れた荷物が出てくるのはよくあることです。ガムテープとカッターを出しておくことで、しまい忘れた荷物を見つけたらさっと適切なダンボールに片付けることができます。
また、カッターは新居で荷解きをする際にもすぐに必要となりますので、どこにしまったかわからなくなってしまうのを防ぐためにも、引越し当日は手荷物として運ぶようにしておくと安心ですよ。
引越し後にやりたいこと
無事に引越し作業が完了したら、次は引越し後にやるべきことがあります。忘れないようにチェックしておきましょう。
■1.市(区)役所での手続き
1-1.必要な手続き
引っ越し後に市(区)役所でやっておきたい手続きは、「転入届(転居届)の手続き」「印鑑登録の手続き」「国民健康保険の加入手続き」「国民年金の登録手続き」などがあげられます。引越し前の転出届の手続きで発行してもらった「転出証明書」、本人確認書類、印鑑を持参し、遅くとも引っ越し後14日以内に手続きを済ませておきましょう。
2-2.子どもがいる場合
子どもがいる場合は児童手当の手続きや母子手帳の登録変更も同時に済ませておくと良いでしょう。児童手当の手続きには前年度の課税証明書、もしくは所得証明書が必要となりますので忘れずに持参しましょう。
■2.学校の転校手続き
公立の小中学校に転入する場合は、在学していた学校が発行してくれる「在学証明書」「教科書給与証明書」、引越し先の市(区)役所で発行してもらえる「入学通知書」を転校先の学校へ提出します。公立高校へ転校する場合は義務教育ではありませんので、編入試験を受け、合格することで転入が認められます。
私立小中学校、高校へ転入する場合は各学校によって編入方法や手続き方法が異なりますので、引越し先の教育委員会や転入を希望している学校の窓口へ問い合わせましょう。
■3.運転免許証の住所変更
引越しをして住所が変わると、さまざまな手続きで新しい住所が記載された本人確認書類が必要となりますので、運転免許証の住所変更を速やかに行っておくことをおすすめします。運転免許証の住所変更は警察署で手続きをすることができます。持ち物は印鑑と住民票ですが、都道府県によっては申請用写真が1枚必要となる場合がありますので事前に確認しておくと安心です。
■4.自動車やバイクの住所登録変更
自動車やバイクを所有している場合は、それらの住所登録の変更手続きも必要となります。手続きに必要なもの(印鑑、自動車の場合は車検証、車庫証明、住民票など)を準備し、然るべき機関(陸運局、軽自動車検査協会など)で変更手続きを行いましょう。
■5.電気、水道の利用開始手続き(済ませていない場合)
立ち会いが必要なため一般的には引越し日より前に申し込み手続きが完了しているガスと違って、電気・水道は申し込み手続きを行う前に利用することができます。引越し日までに利用開始手続きを済ませていない場合は、備え付けの使用開始申込書に必要事項を記入し、忘れずに申し込み手続きを行いましょう。
■6.インターネットや固定電話の開通
その他、インターネットや固定電話の開通手続きなど、適宜必要な手続きを早めに済ませておくようにしましょう。これらの手続きは引越し前に済ませておくこともできますので、早めに済ませておくことで引越し後の作業が格段に楽になりますよ。
まとめ
引越しはやるべきことが多くありますので、大切なことをやり忘れてしまうことになりかねません。引越しをするにあたってやるべきことをきちんとノートなどに整理して記しておくことで、慌てずに引越しを終えることができ、気持ち良く新生活をスタートさせることができるでしょう。