春の終わりから秋にかけて、ムカデが発生しやすくなります。ムカデは基本的に冬は地面に潜っていますが、例えば室内などの『気温が15度以上の場所』であれば冬でも出て来る事があります。また、ムカデは母と子でまとまって移動することがあり、1匹いると、他に何匹もいると言われているので一匹殺しただけでは安心できません。
ムカデはゴキブリを食べてくれる益虫である一方で毒を持っており、扱いには注意が必要です。今回は『ムカデに噛まれた時にはどうしたら良いか』、『ムカデに噛まれた時に有効な市販薬はどれか』について調べてみました。
1 ムカデに噛まれたらどうなる?
ムカデの攻撃は『刺す』ではなく、大きなアゴでの『噛みつき』です。噛まれると針が刺さったような痛みや、ヤケドをしてしばらく経った時のような痛みに襲われます。そして、みるみるうちに噛まれた場所が赤く大きく腫れてしまいます。
ムカデに噛まれた痛みは大人でも我慢できないような痛さです。子どもやお年寄りなど身体が小い方、体調が万全でない方が噛まれると症状は更に悪化します。またアナフィラキシーショックを起こし、急激なアレルギー反応が全身を襲う事もあります。
ムカデの毒は『人間の血液やタンパク質を破壊する効果』があり、意識障害や呼吸困難になる可能性もあり非常に危険です。
■アナフィラキシーショックとは?
アナフィラキシーショックは短時間で全身にアレルギー反応がでます。反応は全身の皮膚や粘膜、呼吸器、循環器など、複数箇所に同時に現れ、その結果『血圧が急激に下がってしまう』『意識を失う』などの危険な状態も引き起こします。
アナフィラキシーショックの【症状】
症状は『ショックの原因(例えばムカデに噛まれたなど)』から数分から数時間の間で現れます。症状の内容は『全身の皮膚にじんましんが現れる』『あらゆる箇所が痒くなったり赤くなる』『くちびる、舌、口の中、まぶたが腫れる』などです。これらの症状が現れたらアナフィラキシーショックの可能性が高いです。
またその他にも疑う必要がある症状として『息切れする』『急に咳が始める』『息をする時に笛のようにヒューヒュー音がする』『急な腹痛や嘔吐』『急な血圧低下』『立っていられない』『倒れる』『意思と関係なく失禁してしまった』これら症状もアナフィラキシーショックの可能性があります。
アナフィラキシーショックが【出るまでの時間】
アナフィラキシーの症状が出るまでの時間は『薬物による反応』が最も早く、次に早いのが『ムカデなどの虫の毒』によるもの、最も遅く現れるのが『食べ物を消化吸収した反応』によるものです。体格による差があるためあくまで参考ですが、英国立統計局の調査によるとそれらの実際の平均時間は『薬物で5分』『スズメバチで15分』『食べ物で30分』との事です。
アナフィラキシーの【治療方法】
皮膚や粘膜の場合は、抗ヒスタミン薬で治療することが多く見られます。症状が重い人の場合は、傾向副腎皮質ホルモンステロイド剤を飲むこともあります。ムカデに噛まれておかしいなと思ったら、素人判断はせずに、すぐに医者に行って見てもらうようにしましょう。
2 ムカデに噛まれた時の応急処置
ムカデに噛まれた時は、幹部を『すぐにあたためる』ことが大切です。シャワーや水道から43度以上お湯を流し続け、そのまま20分以上幹部を温めましょう。途中アルカリ性の石鹸で毒を洗い流すとより効果的です。
【やってはいけない事】
また43度以下の水やぬるま湯は逆効果ですので気をつけましょう。
【オススメでない方法】
映画などで『口で毒を吸出し、吐き出す』という処置を行う事がありますが、知識無しに真似するのは少々危険です。吸い出した本人に毒が回らぬよう、すばやく水やアルコールを含み吐き出すなど、知識とコツが必要です。『他に処置する方法が無く、なおかつ子供や老人、体調の悪い方などが噛まれてしまった場合などの最終手段』と思ってください。
■腫れや痛みに対する処置
3 ムカデに噛まれた時に効く薬は?
『ムヒ』や『オイラックス』などの『抗ヒスタミン剤やステロイド剤が入っている薬』がムカデに噛まれた時によく効きます。ムカデがいる可能性のある場所に行く際は用意しておきましょう。
■ムヒS
おなじみの赤と白のチューブに入ったクリームタイプの薬品です。昔からある「ムヒS」は、虫刺されだけでなくアセモ、ジンマシンなどにも効能がるロングセラー薬です。
かゆみの原因となる物質<ヒスタミン>を鎮静させる「ジフェンヒドラミン」という成分が入ってるので、ムカデに刺された時に有効です。100グラム中、1グラムの「ジフェンヒドラミン」が入っています。
■液体ムヒS2a
嵐の相葉雅紀さんのCMでおなじみの液体ムヒS2aは、有効成分の中に「デキサメタゾン酢酸エステル」が入っています。これは、炎症をおさえるステロイド成分で、液体ムヒS2aの中には100ml中25mg含まれています。この成分は、腫れたり赤くなったりするのをおさえる働きがあります。
子どもでも持ちやすい50ml容器なので、薬液で手が汚れることなくサッと塗ることができます。用法には、一日数回塗るよう記されています。
■ムヒアルファSⅡ
チューブに入ったクリームタイプのムヒです。こちらも有効成分の中に「デキサメタゾン酢酸エステル」が入っています。含有量は、100グラム中25mgなので液体ムヒSと同じ量が入っている計算になります。液体で塗るのが良いのか、クリームタイプが良いのか、使いやすさと患部の状態でどちらにするか選ぶと良いでしょう。
ムヒアルファSⅡは、特長にイエ蚊やヤブ蚊、ダニに刺された時に使用するよう書かれているので、虫刺され用のムヒとして研究されたムヒと言えるでしょう。チューブ1本につき15グラム入っています。
■液体ムヒアルファEX
液体ムヒアルファEXは、有効成分の中に「ジフェンヒドラミン塩酸塩」が100mL中1.0g入っています。これは、かゆみの原因となるヒスタミンという物質が働かないようにするものです。かゆくなる元をブロックしてくれるというわけです。
液体ムヒアルファEXは、特長に蚊の他に、ダニやノミ、毛虫、ムカデ、クラゲに刺された時に使用するよう書かれています。液体ムヒS2aやムヒアルファSⅡには、ステロイド成分である「デキサメタゾン酢酸エステル」のことが書かれていますが、ムカデのことは残念ながら記されていません。わざわざ液体ムヒアルファEXにムカデのことが特長として書かれているので、効果も期待できますね。
1本につき35ml入っており、値段は液体ムヒS2aよりも高くなりますが、高い抗炎症効果がある「プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル(PVA)」も入っており一度使ってみる価値はあると言えるでしょう。
■ムヒアルファEX
チューブに入ったクリームタイプの薬品です。ムヒアルファEXも液体ムヒアルファEXと同様に有効成分の中に、かゆみの元をおさえてくれる「ジフェンヒドラミン塩酸塩」が100g中1.0g入っています。液体が良いかクリームタイプが良いかで、選ぶと良いでしょう。
ムヒアルファEXも蚊の他に、ダニやノミ、毛虫、ムカデ、クラゲに刺された時に使用するよう特長として書かれています。虫さされの他に、湿疹やアセモ、ジンマシンなどにも効能があります。
■「ポケムヒS」
小さな容器に入った液体ムヒです。この、子供用に持ち運べるよう小さな入れ物に入った「ポケムヒS」の中にも、「ジフェンヒドラミン塩酸塩」というヒスタミンに有効な成分が入っています。100mL中2g入ってるので、「ジフェンヒドラミン塩酸塩」の含有量だけに着目すると、「液体ムヒS2a」と同じ有効成分量になります。外出した時、ムカデにかまれたらサッと塗れますね。
■ムヒ・ベビーb
コンパクトな15g入りのチューブに入ったクリームタイプのムヒになります。子ども用に開発された「ムヒ・ベビーb」も、「ジフェンヒドラミン」が100mL中1g入っています。「ムヒ・ベビーb」はデリケートな子どもの肌用に作られているので、敏感肌の方にも染みないように開発された薬品です。
■液体ムヒベビー
40mlのボトルに入った液体タイプのムヒです。100g中2gの「ジフェンヒドラミン塩酸塩」が入っているので、かゆみの原因となるヒスタミンをおさえることができます。子どもが苦手なメントール成分やアルコール成分の、スーッとする物質を配合していないので、刺激が少ない薬品です。
■オイラックスA
チューブに入ったクリーム状の薬品です。ムカデに噛まれた時に効果のある「ヒドロコルチゾン酢酸エステル」というステロイド剤が100g中0.25g入っています。
また、同じくムカデに噛まれた時に有効な抗ヒスタミン剤である「ジフェンヒドラミン塩酸塩」も100g中1g入っています。
そして、ステロイド剤と同じ働きをする「グリチルリチン酸」も入っています。「グリチルリチン酸」はステロイドほど抗炎症作用はありませんが、ステロイド剤のような強い副作用はなく弱めだといわれている薬品です。
「オイラックスA」は、虫刺されの他に、湿疹やカブレにも効果があります。
■オイラックスPZリペア軟膏
チューブに入った軟膏タイプの鎮痒消炎薬です。「プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル」というステロイド剤のジェネリック医薬品が100g中0.15g使用されてます。
また、ステロイド剤と同じ働きをする「グリチルリチン酸」も100g中0.5g入っています。この両者の働きによって、ムカデに噛まれた皮膚の炎症をおさえてくれる軟膏になっています。
■オイラックスPZリペアクリーム
チューブに入ったクリームタイプの鎮痒消炎薬です。有効成分は「オイラックスPZリペア軟膏」と全く同じで、100g中の含有量も全く同じです。
白いクリーム状になったのが「オイラックスPZリペアクリーム」で、少し黄色がかった軟膏状のものが「オイラックスPZリペア軟膏」になります。クリームと軟膏の違いは、水分が多めに含まれていて、べたつきにくいのがクリームです。軟膏はクリームよりもべたつくものの、汗や水には強く、流れにくくなっています。
イメージとしては、しっかりと塗れるのが軟膏で、べたつかずサラッと塗れるのがクリームです。
使い心地でどちらにするか選ぶと良いでしょう。
■オイラックスソフト
チューブに入ったクリーム状の薬品です。「ムヒアルファEX」や「液体ムヒアルファEX」と同じように、かゆみの元<ヒスタミン>をおさえてくれる「ジフェンヒドラミン塩酸塩」が100g中1g入っています。
また、「オイラックスソフト」はステロイド剤ではありませんが、ステロイド剤と同じ働きをする「グリチルリチン酸」も入っているので、ムカデに噛まれた時の効果が期待できます。塗った後に、少しほてるような熱くなるような感じがしますが、熱を上げることによってムカデの毒が回るのをおさえていると考えられます。
4 ムカデに噛まれた時してはいけないこと
【冷やしてはいけない】
熱い湯を当て続ける事は解毒効果がありますが、逆に冷やしてしまうと毒がよりまわってしまいかすので絶対に避けましょう
【当てるお湯を43度以下に下げてはいけない】
お湯をあてていてもいつの間にか温度が下がってしまうこともあります。そういう場合もかえって毒が早く全身にまわってしまう危険性がありますので、注意してください。
5 ムカデに噛まれた時は必ず病院へ
ムカデに噛まれると前述のアナフィラキシーショックが出やすくなります。症状が出たのが体の一部であっても毒は全身に回っている可能性があります。ムカデに噛まれた時は、その日のうちになるべく早く皮膚科の病院に行くようにしましょう。
虫に刺された時の症状や、植物にカブレた時の症状は、内科よりも皮膚科の病院のほうが詳しいことが多いです。どこの病院に行くか迷ったら皮膚科に行くと良いでしょう。
6 ムカデの種類と生態
日本に生息しているムカデで噛む種類のものは下記の4種と言われています。
タイワンオオムカデ:体長20〜25センチと大きく頭が赤い
トビズムカデ :体長10〜15センチ
アオズムカデ :体長9センチ 黒緑色をしている
アカズムカデ :体長5〜6センチ 頭と足が赤い
個体差や種別もありますが、ムカデは3年ほどで成虫になり、寿命は平均6年程度です。
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まとめ
ムカデに噛まれた時の応急処置に使える市販薬で代表的なものは、ムヒやオイラックスで、それぞれ色々な種類があることがわかりました。一度ムカデが出た家は、念のために使いやすい薬品を持っておくと良いでしょう。いつムカデが出るかわからないので、家族全員に周知して、すぐ取れる場所に置いておきましょう。
ムカデは、ほんのわずなな隙間でも入ってきます。玄関や窓といった人間の出入り口の他に、床下や台所の隙間や、換気扇からも侵入してきます。また、家の外に雑草が生い茂っていたり、枯れ葉を山積みしていたりすると、ムカデの巣になってしまうので、こまめに庭の掃除をするようにしてください。