日が暮れるとどこからかやって来て、公園や水辺などを集団で飛んでいるコウモリを都心でも見かけるようになりました。
夜にスズメが飛んでいるのかな?と思ったらコウモリだったということも増えました。近年は、都会にコウモリが増えたこともあり、駆除方法はどうしたら良いのか困っている家庭も多く見受けられます。
民家を巣にするコウモリは、羽を閉じると頭から後ろ足の先まで5センチ程度のサイズしかありません。
そのため、シャッターと壁のわずかなスキマ、雨どいと屋根のスキマ、天井裏など、少しでも開いている部分があれば入り込んで巣を作ってしまうのです。
コウモリが家に巣をつくったり休憩場として来るようになると、フンの害が目立つようになります。コウモリのフンはニオイもしますし、どのようなウイルスがあるかもわかりません。
夜行性なので、夜中に天井裏で音がするのも気持ち悪いものです。ここでは、人間が住んでいる場所や、その近所に巣を作る「アブラコウモリ」の駆除方法について調べてみました。
コウモリの生態
■コウモリは何種類いる?
コウモリは地球全体では約980種存在しています。何と全ての哺乳類を合わせた種類の中で、4分の1を占めるるほどです。
寒冷地や高い山などに生息する種類のコウモリもいて、北極や南極をのぞいて世界のあらゆる場所に存在しています。
日本には約35種のコウモリがいます。国内には約100種類の哺乳類がいますが、その中の3分の1をコウモリが占めているのです。また、まだ確認されていない新種のコウモリもいる可能性があります。
数多く種類が存在するコウモリの中でも、我々人間が住んでいる場所に巣を作るのは「アブラコウモリ」という種類のみです。またの名を「イエコウモリ」とも言われています。
■アブラコウモリ(イエコウモリ)の大きさは?
アブラコウモリ
アブラコウモリの体は約5センチ程度で、体重は5グラムから10グラムなのでサイズ的にとても小さい動物です。天井裏や、雨戸の戸袋、高速道路など大きな建造物のスキマなどに巣を作ります。
1.5センチから2センチ程度のスキマさえあれば中に入り込んでしまうので、少し古くなった倉庫などは格好の住み家となってしまいます。
コウモリの特長は、哺乳類なのに翼を持っていることと、人間が聞こえない超音波で鳴うことです。30ヘルツから100ヘルツの超音波で、暗くても昆虫などがいる場所を察知してつかまえます。
■コウモリはどんな生活をしてる?
コウモリは夜行性なので、昼に寝て夜に活動します。夕方になると集団で外にでて、蚊やユスリカなど昆虫をつかまえて食べます。
飛んでいる昆虫をつかまえて食べることが多く、川の水面近くや田んぼ、駐車場、街灯がある場所などに飛んでいる姿が見られます。
毎年夏になると2匹から3匹ほど出産して、子どもは生まれてから1ヶ月で巣立ちをします。秋にカップルが誕生して、1歳になると出産できるようになります。
寿命はオスは1年から3年、メスは5年程度です。
コウモリの駆除方法8つ
コウモリの駆除に最適な時期は、4月から6月にかけてと、9月から10月にかけてです。11月から3月は、コウモリは冬眠しているため、冬眠している居場所がわからなければ駆除には向いていない時期です。
■1 家屋に侵入しているならコウモリ駆除業者一択
天井裏や壁の中など、家屋に侵入してコウモリが住み着いている場合自分での駆除は諦めましょう。
コウモリに限らず野生動物は住処への執着が非常に強いため、市販の燻煙剤などで追い出せたように見えてもすぐに戻ってくる可能性が高いでしょう。
またコウモリは病原菌を持っており、糞はもちろんコウモリの体が触れた空間に防護服なしで向かうのは非常に危険です。
プロによる侵入経路の特定・徹底した除菌と糞の掃除・再侵入防止の対策、全てをセットで行う必要があります。
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■2 燻煙剤(くんえんざい)でコウモリを駆除
住み着いてはいないけど天井裏が心配という場合、バルサンやアースレッドのような燻煙剤を焚いて侵入を予防しましょう。
バルサンや、アースレッドは残念ながら昆虫にしか効果がないので、コウモリには使用できませんが、ネズミ用の燻煙剤であればコウモリにも効果があります。
燻煙式ねずみ忌避剤 アース製薬「ネズミ一発退場」
ネズミ一発退場くん煙タイプ
1缶に薬品が10グラム入っており、タタミ8畳に1つ使用します。中には、ハッカ油や天然ハーブ、そして煙になる成分が入っています。
殺鼠剤ではないので、殺すのではなく驚かせて家から出て行かせるというものです。
使い方は簡単で、屋根裏の平らな場所に置いて、中に入っている薬剤を缶に入れるだけです。1分から2分すると煙が出始めるので、2時間程度は部屋をしめきって煙が屋根裏にこもるようにしましょう。
煙を吸い込んで気分が悪くなったり、アレルギー反応が出た場合は、病院に行くようにしてください。
■3 蚊取り線香でコウモリを駆除
夕方に庭やベランダでコウモリが飛んでいるのを見かける場合は、蚊取り線香が効果的です。天井裏のコウモリを燻煙材で追い出すのと同じように、コウモリは煙を嫌うので蚊取り線香も有効なのです。
集合住宅の場合、殺虫剤ではないので蚊取り線香をつけていても近隣とのトラブルにはならないので使いやすいですよね。
■4 スプレーでコウモリを駆除
イカリ消毒 スーパーコウモリジェット
スーパーコウモリジェット 420ml [IKARI(イカリ) コウモリ忌避剤]
「イカリ消毒 スーパーコウモリジェット」は、コウモリ用に作られた市販のスプレーで、天然ハッカ油でできています。
コウモリは音だけでなく、ニオイにも敏感なので、コウモリの苦手なスーッとする香りで撃退するスプレーです。スプレーすると、家の中がしばらくハッカの香りがするので気をつけましょう。
とても強力な噴射力があり、1缶で40秒から45秒連続使用できます。屋根裏や倉庫など、コウモリがまとまっている場所にスプレーするだけで、集団で出て行きます。
天然のハッカ油で作られているので、子どもやペットにも安心です。
■5 忌避(きひ)剤でコウモリを駆除
イカリ消毒 モグラ・コウモリ忌避 モグラクリン
モグラクリン 300g [IKARI(イカリ) 害獣忌避剤]
害虫や害獣などを来ないようにする薬品を、忌避剤と言います。イカリ消毒のモグラクリンは、錠剤にコウモリの嫌いな樟脳のニオイを染み込ませており、天井裏などに置くことでコウモリが来ないようにさせる商品です。
使い方は置くだけで、天井裏であれば1平方メートルあたり8錠から10錠撒きます。1回置くと、1ヶ月間効き目があります。
■6 コウモリの侵入経路をふさぐ
カラスよけ用ネット
カラス対策・ゴミネット
コウモリを煙やスプレーで追い出した後は、侵入経路をふさいでおかないと再び来てしまいます。コウモリが来て止まりやすい場所に、ネットを取り付けて止まらないようにしましょう。
一般的なベランダに設置する鳩よけネットは目が粗いので、コウモリが入ってきてしまいます。
Amazonで販売されているBetterLifeのネットは、網の目が4ミリから5ミリなので、コウモリが入って来られないサイズになっています。
スキマ用パテ
コウモリが嫌いなカプサイシン入りパテ【チューレスねずばんパテ】
コウモリはトウガラシのニオイも苦手です。そのため、コウモリが入って来そうなスキマを、トウガラシの粉入りパテで埋めておくと効果的です。
トウガラシの成分が入っていますが、色はアカではなくグレーなので、壁や天井のスキマを埋めても目立ちません。
■7 超音波撃退器でコウモリを駆除
害虫駆除機 超音波虫除け器は360度、省エネ多機能 コウモリ、蚊、ネズミ、アリ、クモ、ゴキブリに有効です
人間には聞こえない、高い周波数を出す機械を置くことで、音に敏感なコウモリを駆除するというものです。
22kHzから55kHzの音によって、コウモリやネズミといった哺乳類だけでなく、ゴキブリやアリなどの昆虫も寄り付かなくさせます。
24時間つけっぱなしでも、電気代は一ヶ月100円もかかりません。コンセントに差し込むだけなので、難しい設定などもなしです。
殺虫剤のような薬品を使用しないので、赤ちゃんやペットへの影響が心配なご家庭にオススメです。
■8 コウモリのフンは掃除をしておく
動物は、仲間のフンがあると、その場所が安全な場所であると認識します。そのため、コウモリのフンを掃除しないでおくと、その場所は安全だとコウモリに認識されてしまって巣が作られてしまいます。
コウモリのフンは5ミリから1センチ程度あり、色は黒くてニオイも独特です。掃除する時には直接手に触れたりしないよう、手袋やマスク、目にはゴーグルをするようにしてください。フン掃除をした後は、消毒もしておくようにしましょう。
コウモリは小さいため、場合によっては手でつかむことも可能です。しかし、野生動物はどのようなウイルスを持っているかわかりません。コウモリは狂犬病に似たウイルスを持っているとの研究もあります。
また、コウモリのフンにはヒストプラズマ症というカビのような菌が入ってることがあり、子どもやお年寄り、身体が弱っている状態の人は熱が出たり筋肉痛になったりする可能性もあります。
ゴーグル、マスク、手袋セット
コウモリをプロに駆除してもらう相場
コウモリの駆除を専門の業者にたのんだ場合、被害の範囲にもよりますが、1万5000円から5万円かかります。
■コウモリ駆除の内容6ステップ
内容としては、まず家の中にいるコウモリを追い出します。全て追い出した後は、コウモリの巣があった場所のフンを取り除いたり消毒したりします。
追い出して、巣やフンを取り除ける場所は取り除いて清掃するだけでもかなり効果はありますが、本格的に侵入経路をふさいだり、ワナを仕掛けるとなるとオプション料金がかかります。
また、コウモリは夜行性のため、駆除するには早朝や深夜にコウモリの侵入経路を確認する必要があります。
家の外から見て、コウモリのフンが目立つ場所があれば、その近辺にコウモリの出入り口があると推測できます。
しかし、家の外から見ても侵入経路がわからない場合は、家から出ていくコウモリを観察したり、夜明けになって戻ってくるコウモリを観察する必要があります。
■コウモリ駆除の流れ
①被害状況を聞きとる
最初に業者が来て、どのような被害があるのか聞き取り調査をします。業者が来る前に、家族で被害状況をまとめておくとスムースに作業ができます。
「シャッターがある壁から出ていくのを見た」「夜中にリビングの上でゴソゴソ音がする」など、気がついた点はメモしておきましょう。
②コウモリを追い出す
プロ用の燻煙剤で、コウモリを外に出します。プロ用の燻煙剤は、油になっている薬剤を、気化して煙にするのので、量も多く市販の燻煙材の何倍もの威力があります。
また、コウモリが集まっている場所に強い光を当てて驚かせたり、人間の耳には聞こえない超音波を発する機械を設置してコウモリを追い出す場合もあります。
③コウモリの出入り口を探す
家の住民からの聞き取りを元に、家の中のどこが出入り口になっているかを点検します。換気扇の通風口や、壁から出ているクーラーのダクト、瓦と野地板の間、天井裏、雨どいなどを重点的にチェックします。
④コウモリの巣の場所を見つける
コウモリが出入りする場所がわかったら、巣の場所を突き止めます。巣にはフンがたまっているので、天井の色が変わっていたり、壁の上のほうからシミができていたりします。
コウモリは天井などにぶら下がりながらフンをするので、フンがある場所の上が巣だったり出入り口近辺だったりします。
⑤コウモリ用のワナを仕掛ける
コウモリの数が多い場合は、保健所や市役所に捕獲申請を行います。半月から1ヶ月ほど経つとワナをしかける許可がおりるので、業者がコウモリ用のワナを設置します。
業者が定期的にワナにかかってないか見回りに来るか、設置したら業者に知らせるかして、コウモリを捕獲します。
⑥コウモリの出入り口をふさいでしまう
コウモリを捕獲した後は、出入り口を塞ぎます。例えば、換気扇の通気口や、天井裏の空気穴など、完全に閉じてしまうことができない場所の場合は、シャッター式のものを細かい網状のカバーに交換します。
また、雨戸の戸袋にコウモリが巣を作っていた場合は、雨戸の使用を中止してコウモリが出入りできないように金網などでスキマを閉じてしまいます。
外壁と屋根の間など、パテなどで埋めにくい部分は、細いレールのようなものでスキマをうめます。
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コウモリは殺してはいけない?
「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」、略して鳥獣保護法によって、コウモリだけでなく鳩やハクビシン、カラスなど、野生の鳥や哺乳類は勝手につかまえたり殺したりしてはいけないことになっています。
人の家に巣を作るコウモリが野生なのかと怒りたくなってしまいますが、残念ながら個人レベルではワナをしかけたり、撃ち殺したり、毒薬で殺したりすることはできません。
都道府県知事に許可された人だけが狩猟免許を与えられて、ワナをしかけたり捕獲したりすることができます。
そのため、一般家庭でのコウモリの駆除は、近寄らせないようにすることと、追い出すことが中心になります。
音波と光で動物撃退 ソーラーパネル動物撃退
コウモリは保健所や役所で駆除してくれる?
コウモリやヘビなどは、各自治体の保健所で駆除するケースは少ないようです。イノシシやシカが鳥獣被害防止計画の中に盛り込まれている地域でも、コウモリまでは入っていません。
コウモリの駆除を保健所に連絡すると、駆除業者を紹介してくれる自治体もあります。市町村が紹介してくれる業者であれば、法外な料金を請求する恐れもありませんので安心してコウモリ駆除を依頼できます。
まとめ
コウモリは蚊などの害虫を食べてくれるので、益獣として昔から歓迎されていました。中国では漢字のコウモリ「蝙蝠」の字が福に通じるということで、おめでたい動物つぃて親しまれてきました。
長崎カステラの福砂屋の包み紙にもコウモリの図柄が取り入れられているように、日本でもコウモリは身近な動物で、家に巣を作ったり、家に飛んできたりすると縁起がいいものとされてきました。
江戸時代以降、西洋のドラキュラや怪奇小説のイメージで、コウモリにあまり良くないイメージがついてしまいましたが、かつては歓迎される生き物だったのです。
しかし、実際にコウモリが家に住み着いてしまうと、フン害によってニオイだけでなく健康状態にも影響を及ぼします。
コウモリのフンには、最近や血を吸うダニなどが集まってくるので、ペットや人間がダニの被害にあうこともあります。
天井裏などでゴソゴソと音がしていたら、コウモリによる被害を疑ったほうが言いかもしれません。
ネズミやハクビシンと違い、天井裏を歩き回ることはないので、足音はしませんが物音がします。
ドラッグストアやホームセンターで購入する駆除剤ではコウモリが出ていかなかったら、思い切ってプロに駆除を頼むのも一つの方法です。
特にコウモリは個人でつかまえたり殺したりすることは禁止されているので、難しい場合は専門家にアドバイスだけでもしてもらいましょう。