洗濯物はただ吊るしておけばいいのでしょうか。洗濯物を乾かすにはいくつか知っておいていただきたいことがあります。ちょっとした違いで洗濯物の乾き方が変わりますし、あの嫌な臭いを予防することもできます。
洗濯物の正しい干し方といっても特にむつかしいことはありません。いつもの干し方にちょっとだけ注意を払っていただければできてしまいます。特に部屋干しの場合はその差が大きくなってしまうといわれています。
ここでは正しい干し方だけでなく、間違った干し方もご紹介しています。そしてちょっと便利なグッズも併せてご紹介していますから、あなたの環境にぴったりな干し方を知っていただくことができるでしょう。
洗濯物の正しい干し方

洗濯物を干すときに気をつけたいことが3つあります。
・風
・湿度
・温度
この3つは洗濯物を乾かすためにとても大切なものといわれています。例えば、真夏の良く晴れて風がある日に洗濯物を干すと良く乾きます。一方、冬の寒い日で雨が降っているときなどは洗濯物が乾きにくくなります。ここでは極端な例をご紹介しましたが、「天気もいいのに洗濯物の乾きが悪いな」と思われるときは、風が吹いていない、湿度が高い、温度が低いといったことがあります。
洗濯物はこのように3つの条件を揃えてあげると早く乾きます。そして、干し方にも注意を払ってあげるとさらに洗濯物は乾きやすくなります。洗濯物の正しい干し方には以下の2つがあるといわれています。
・洗濯物の間隔をあける
・洗濯物を並べる順序
部屋干しの場合は、この2つに加えて3つのポイントがあります。
・部屋の中央に干す
・できるだけ高いところに干す
・風の流れを作る
洗濯物を外干しするときは2つの注意点、部屋干しの時はさらに3つのポイントに注意すると、洗濯物が乾きやすくなります。そして、気になる生乾きの嫌な臭いも予防することができるといわれています。
では、具体的に正しい干し方をご紹介していきます。
■洗濯物の間隔をあける
洗濯物がたくさんあるとき、どうしても洗濯物の間隔が狭くなります。2度や3度に分けて干す時間の余裕があればいいのですが、時間が無いときはどうしても一度に干してしまいたいと考えてしまいます。そうすると洗濯物の間隔が狭くなってしまいます。
洗濯物の間隔が狭くなると、洗濯物が乾きにくくなるというデメリットがあります。これは、洗濯物に風が通りにくくなるということが原因です。洗濯物を一度に乾かしたいと考えて洗濯物の間隔を狭くして干すことは、かえって洗濯物が乾きにくくなる原因になります。乾くまでに時間がかかると、あの生乾きの嫌な臭いの原因にもなります。
洗濯物を干すときは風を通すために間隔をあけて干すということが大切になります。
■洗濯物を並べる順序
洗濯物を干すとき、洗濯物を並べる順序があると聞いても「何、それ」と思われたのではないでしょうか。ライオン株式会社が部屋干しの洗濯物を早く乾かすにはどのような干し方がいいのかという実験を行いました。
この実験では、洗濯物を「アーチ型」「V字型」「長短型」の3つに分けて干し、どの干し方が一番乾くのが早いかということを測定しました。結論から申しますと、「アーチ型」が最も早く乾きという結果が出ました。
アーチ型とは、バスタオル名の長いものを端に干し、中央に行くに従い長さの短いものを干すという干し方です。端に長いものがあると風が当たりにくく、中央のものは乾きにくいのではと思われます。
V字型であれば、外側に長さの短い洗濯物を干し、中央にバスタオルなど長さのある洗濯物を干します。長短型は、長芋の短いものを交互に干します。一番乾きやすいのは風が洗濯物に均一に当たるV字型のように感じられます。
一見乾きにくそうな干し方のアーチ型が早く乾いたのは、洗濯物から出る水蒸気が下降気流を作り出したからとされています。水蒸気は上に逃げるものと思いがちですが、洗濯物をアーチ型に干すと下降気流が生まれ、洗濯物が早く乾くということになるようです。
■部屋の中央に干す
ここからは室内干しのポイントについてご紹介します。室内干しをするときは窓際に干すことが多いでしょう。窓際に干すことで洗濯物に部屋を占領されることもありませんから、とても良い方法のように思われます。
ただ、窓際は冬場に結露がおきるなど湿度の高いところになります。また、風の通りが悪いところでもあります。先にご紹介したライオン株式会社の実験で、部屋の中の空気の流れについても実験が行われていました。
その結果、部屋の隅よりも部屋の中央のほうが空気の流れが多いということが分かっています。洗濯物を乾かすときには風が大切な条件になりますから、洗濯物を部屋干しするときはちょっと邪魔でも部屋の中央に干すほうがいいでしょう。
■できるだけ高いところに干す
湿気は低いところに集まるといわれています。先にご紹介した実験結果でも洗濯物から出る水蒸気が下降気流を作っていました。ですから、洗濯物を部屋干しするときはできるだけ高いところに干すほうがいいといわれています。
さらに、洗濯物の下に湿気をとる効果の高い新聞紙をクシャクシャにしておいておくと、洗濯物を早く乾かす効果を期待できるといわれています。
■風の流れを作る
部屋干しは外干しに比べて風が無く、洗濯物の間の空気の流れが悪くなります。ですから、空気の流れを作ってあげることが大切になります。空気の流れを作る方法としては2つあります。
・扇風機を使う
・除湿器を使う
この2つが有効とされています。ただ注意したいことが1つあります。それは設置場所です。扇風機の場合は洗濯物の横、除湿器の場合は洗濯物の下が高い効果を期待できるといわれています。
扇風機の場合は、横から風を当てることで洗濯物の間の空気の流れを作ります。一方の除湿器は洗濯物の下に置くことで、洗濯物から下降してくる水蒸気を除湿しやすくなるのではないでしょうか。
このように洗濯物の干し方には正しい干し方があります。いつもの干し方にちょっと手を加えるだけでできますから、一度試されてはいかがでしょうか。
部屋干し便利グッズ3選

ここでは部屋干しに便利なグッズをご紹介します。
■突っ張り棒
部屋干しをするのでしたら、たくさん干せる突っ張り棒が便利でしょう。構造のしっかりしたものを選べば、一度にたくさんの洗濯物を干すことができますし、干す場所を選ぶこともできます。また、洗濯物が乾きやすいとされている高い位置に干すこともできます。
ただ、突っ張り棒のデメリットとしては、1人での設置が難しいということ。そして部屋の中央に設置しにくいということでしょう。このようなデメリットはありますが、突っ張り棒は、部屋の大きさに合わせてサイズを調整できる、風の流れを作れば、高いところに干せるという洗濯物を早く乾かすメリットがあります。
部屋干しを考えているのでしたら、突っ張り棒は便利なグッズといえるでしょう。
■浴室用物干しざお
部屋干しを考えるとき、お風呂場に干すという方法があります。お風呂場は湿気が多いから洗濯物を干すには不向きではないかと思われますが、換気扇などを利用すれば、風の流れを作ることもでき、洗濯物を干すのによい場所といわれています。
浴室用物干しざおの特徴は、伸縮ができるということでしょう。お風呂場の大きさに合わせて物干しを伸ばしたりするだけで簡単に設置することができます。また、ステンレス製など錆に強いものを購入すれば、取り外す面倒も少なくなります。
さらにお風呂場でしたら、リビングなどと違い物干しが気にならないというメリットもあります。また、突っ張り棒に比べ安価な物が多いということもメリットになるでしょう。
ただ、浴室に洗濯物を干すとき、換気扇を使って空気の流れを作ることが大切といわれていますが、換気扇は電気代が扇風機などに比べてかかります。ここがデメリットといえるでしょう。
もし、お風呂場のドアの前に扇風機を置くスペースがあるのでしたら、換気扇を使わずに扇風機を使って風の流れを作るということができます。扇風機の風量は弱でも十分といわれていますから、扇風機を使えば電気代も少なくできます。
部屋干しを考えているけれども、できるだけコストも安く抑えたいという場合、浴室用物干しざおは便利なグッズといえるでしょう。