服にポリエステルが入っていると、綿100%の服よりも、洗濯がしやすいし早く乾きますよね。
ポリエステルは、シャツ、スーツ、スカート、フリースなど、夏冬通してさまざまな洋服に使用されています。
扱いやすい化学繊維のポリエステルですが、ポリエステル100%の服は、ちょっと扱いにコツが必要です。
ポリエステルは、洗濯しやすい素材ではありますが、実は「汚れ」や「ニオイ」をとても吸収しやすい繊維なのです。
そのため、汚れのひどい洗濯物と一緒に洗ってしまうと、ポリエステルのほうが汚れてしまうので注意が必要です。
今回はポリエステル100%でできた服の洗濯方法について、調べてみました。
ポリエステルとはどんな生地?
綿や麻、絹は自然の植物や生き物から作られたものですが、ポリエステルはどれも人工的な化学繊維でできています。
ポリエステルの元は石油から作られていて、樹脂に生成したポリエステルを繊維として加工したものが服になります。
また、ポリエステルを加工してボタンを作ったり、船を作る時の材料として使われたり、ペットボトルとして加工されたりもしています。
繊維としてのポリエステルは、アメリカのデュポンという会社が開発して、昔はダクロンやデークロンと呼んでいました。
デュポン社を買い取ったインビスタ社は、現在でもダクロンと呼んでいます。
インビスタ社は、吸水性が高いダクロンや保湿性が高いダクロンなど、現在もポリエステルの開発を進めています。
ナイロンやアクリル、ビニロン、レーヨンなどさまざまな人工合成繊維(化学繊維)がありますが、世界中のあらゆる合成繊維の中の8割以上がポリエステルでできており、他の人工合成繊維よりも使用されることが非常に高い生地でもあります。
■ポリエステルと綿の違い
ポリエステルと綿はよく比べられますが、綿よりもポリエステルはシワになりにくく、値段が安いのが特長です。
しかし、綿のほうが汗を良く吸いますし、手触りもサラッとしています。
洗濯しやすさで言うと、綿は洗濯すると縮みますが、ポリエステルは縮むことは無いので楽に洗濯ができます。
また、冬場には静電気がおきてしまうのがポリエステルのデメリットでしょう。
■洗濯方法を調べるために洗濯表示をチェックする
洋服がポリエステル何%なのかは、服のタグに描かれている洗濯表示を見てみましょう。
洗濯表示は2016年12月に新しい表示に変わったので、見慣れない表示が服についている場合もあります。
洗濯表示は、新しいものも古いものも、マークを見ただけでは何を示すのかが理解できないものが多いので、調べる必要があります。
・ライオンの洗濯表示用ページ
http://acron.lion.co.jp/washtag/
ライオンのおしゃれ着洗い用洗剤アクロンの特設ページです。
新しい表示と、古い表示がイラストとともに説明されているので、とてもわかりやすいです。
・花王の洗濯表示用ページ
https://mykaji.kao.com/washing_guide/32319/?_ga=2.183386982.1148189831.1504682390-1018301089.1503726187
それぞれの記号について、イラスト記号と説明だけでなく、なぜこの記号になったのか詳しい説明も書かれています。
・洗濯表示アプリ
https://play.google.com/store/apps/details?id=exciton.jp.laundrysymbol&hl=ja
Android用の洗濯表示検索アプリです。
新洗濯表示も、旧洗濯表示も両方調べることができます。
・これ洗える?
https://itunes.apple.com/jp/app/%E3%81%93%E3%82%8C%E6%B4%97%E3%81%88%E3%82%8B/id858102421?mt=8
ライオンが出しているiPhone用の洗濯表示検索アプリです。
1 ポリエステルの洗濯で使うのは弱アルカリ洗剤
ポリエステルは一度汚れたり、汗のニオイがついてしまうと、他の生地よりも落ちにくい素材です。
一度吸ってしまった汚れやニオイを、なかなか吐き出せない生地なので、繊維の奥までスッキリ洗ってくれる洗剤を選びたいですよね。
ポリエステルのシャツの汚れやニオイが取れないと思ったら、弱アルカリ性の洗剤で浸け置き洗いがオススメです。
皮脂汚れや汗のニオイを、ポリエステルの中に蓄積しないようにケアしてください。
■ライオンの洗剤で弱アルカリ性のもの
ポリエステルの服は繊維の中に汚れが蓄積されやすいので、弱アルカリ性の洗剤で洗うのが基本です。
弱アルカリ洗剤は洗う力が強いので、黒ずみがちなポリエステルをキレイに洗ってくれるのです。
例えば、ライオンだと弱アルカリ性衣料用洗剤は次のとおりです。
・トップ プラチナクリア
・消臭ブルーダイヤ
・部屋干しトップ 除菌EX
・無リントップ
・液体部屋干しトップ
同じライオンでも、下記の洗剤は中性なので基本的にはポリエステル向きではありません。
ビーズやフリルなどの装飾がついたポリエステル衣料の場合は、洗濯表示で中性洗剤が指定されている場合もあります。
・アクロン
・トップ HYGIA
・トップ スーパーNANOX
・トップ クリアリキッド
・香りつづくトップ Aroma Plusアロマ プラス
・香りつづくトップ
■花王の洗剤で弱アルカリ性のもの
花王の洗濯用洗剤も、弱アルカリ性のものと、中性、酸性のものがあります。
注意書きをよく読んで使い分けてくださいね。
花王の弱アルカリ性洗剤は下記のとおりです。
・ウルトラアタックNeo(ネオ)
・アタック高浸透バイオジェル
・アタック抗菌EXスーパークリアジェル
・アタック 消臭ストロングジェル
・アタック 高活性バイオEX
・アタック 高浸透リセットパワー
・アタック 消臭ストロング
・ニュービーズ
・フレグランスニュービーズ
・アタックシュッと泡スプレー
・アタック 消臭ストロング
花王の衣類用洗剤でも、
・エマール
・フレグランスニュービーズ Neo(ネオ)
・フレグランスニュービーズジェル
は中性となっており、装飾品がついているような特殊なポリエステルの場合に使用します。
また、花王の衣類用洗剤の中で、生乾き臭がしなくなると評判の洗剤「アタック Neo(ネオ)抗菌EX Wパワー」は酸性のため、ポリエステルの洗濯には向いていませんので注意してください。
2 「ぬるま湯」で手洗いが基本
ポリエステルは、30度以下のぬるま湯で洗いましょう。
ポリエステルは水には強いので、大抵洗濯することができます。
しかし、水洗い禁止のマークがついているものもあるので、そのような服の場合はクリーニングに出しましょう。
繊細な装飾がついている服の場合、ポリエステルでも水洗い禁止と書かれていることがあります。
水やお湯につけてしまうと、接着剤がはがれてしまって服が壊れてしまうので、必ず洗濯表示を見るようにしてください。
ぬるま湯に洗剤を入れて洗濯液を作ったら、つけおきます。
あまり汚れが気にならないようであれば、15分程度つけおけば良いでしょう。
しつこい汚れの場合は、30分から2時間ほど洗剤につけておきます。
汚れが取れたら、押し洗いをして全体の汚れを落とします。
その後、水が濁らなくなるまですすぎ洗いをすれば完了です。
特に粉石鹸の場合は、洗剤が服に残りがちです。
服に洗剤がついたまま乾燥させて着てしまうと、肌が荒れてしまう場合があります。
洗剤を水でよく落として、軽く絞って干しましょう。
■初めて洗うポリエステルは色落ちチェックを
購入してから初めて洗うポリエステルの場合は、色落ちしないか目立たない場所でテストしてみましょう。
内側のスソの部分など、目につかない場所に水を数滴たらします。
そして、上から白い布やガーゼなどで軽く叩いてみましょう。
布やガーゼに色がついたら、ポリエステルの服の色が他の洗濯物に色移りしないよう、一枚だけ手洗いしてください。
二回目の洗濯でもまだ色落ちする場合がありますので、テストしてから他の洗濯物と一緒に洗うようにしましょう。
■汚れやニオイがひどい部分は前処理が必要
食べ物をこぼしてしまったり、泥ハネや血液がついてシミになったという場合は、汚れを先に取ってから洗濯しましょう。
汚れを水で洗い流して、それでも落ちないようであれば、弱アルカリ洗剤で浸け置き洗いしたり、液体洗剤を直塗りしたりします。
また、シミでなくてもエリの部分や、袖口、ポケットの入口といった、よく手垢や汚れがつく場所は、全体を洗う前に前処理をしておきましょう。
前処理は、汚れが気になる部分に弱アルカリ洗剤をつけて、スポンジで軽くこすっておくのです。
ブラシでこすると強すぎるので、キッチンで使用するタイプのスポンジで良いでしょう。
そして、水で軽く洗い流したら、全体を普通に洗濯してください。
また、液体洗剤を襟の裏側など気になる部分に垂らして染み込ませ、その後は流さずに普通に洗濯する方法もあります。
3 洗濯機はネットに入れてドライコースで
■ポリエステルは毛玉防止にネットに入れる
扱いが楽なので、ネットに入れずに洗いがちなポリエステルですが、実は洗濯中に小さなポロポロとした毛玉ができてしまうことが多いんです。
元々ポリエステルは、こすれると毛玉ができやすい生地なので、長持ちさせるためにも洗濯ネットに入れて洗うことをオススメします。
洗濯ネットを選ぶ時には、あまり大きすぎるネットだと、ネットとポリエステルがこすれて小さな毛玉ができてしまいます。
洗濯ネットは服を入れた後に余ってしまわない大きさの、ちょうど良いサイズのものに入れましょう。
■ポリエステル100%の生地はドライコースで洗う
せっかく毛玉防止にネットに入れたのに、普通のコースで洗ってしまっては毛玉防止になりません。
優しく洗うために、洗濯機で一番丁寧に洗ってくれるコースを選びましょう。
「ドライ」「手洗い」「ていねい」などと書かれたコースであればOKです。
4 ポリエステルは静電気防止に柔軟剤を
ポリエステルは静電気がおきやすい生地です。
静電気が起きると、スカートやシャツが自分の身体にまとわりついてしまって、気持ち悪いですよね。
出かける前に静電気防止スプレーをかけるのも面倒ですし、ニオイが気になります。
ポリエステルを洗う時には、柔軟剤を使うと良いですよ。
5 ポリエステルの脱水は短時間で
ポリエステルは丈夫な生地なので、シワはつきにくいです。
そのため扱いはとても簡単なのですが、逆に一度シワがついてしまうと非常に取りにくい生地でもあります。
ポリエステルは吸水性はあまり無い生地ですので、脱水は短時間で完了します。
あまり脱水をかけすぎて、シワを作ってしまわないようにしてください。
6 ポリエステルはシワを伸ばして干す
脱水が終わったら、形を整えながら干しましょう。
ポリエステルのシャツの場合、ハンガーにかけて干すのが一般的です。
しかし、肩の部分にハンガーの跡がついてしまうのが気になったら、平干しするようにしてください。
全体的にシワを伸ばしながら干しましょう。
ポリエステルの服を日向長い時間置いておくと、色があせてしまったり、白い部分が黄ばんでしまったりする場合があります。
干す時には風通しの良い日かげが一番オススメです。
もし、部屋干しする場合には、扇風機を当てるとすぐに乾きますよ。
ポリエステルは生地が水をほとんど吸わないので、すぐに乾いてくれるので梅雨時や台風シーズンも生乾きの心配が無くて安心ですね。
■ポリエステルには乾燥機やドライヤーは使わない
ポリエステルは高温に大変弱いので、乾燥機には入れないでください。
化学繊維の中でもポリエステルは熱には強いほうではありますが、乾燥機にいれると縮んでしまうのです。
また、旅行先でポリエステルを洗濯した場合には、熱いドライヤーの熱をかけすぎないようにしましょう。
熱に弱いポリエステルは、ドライヤーの熱風でも縮んでしまうからです。
ポリエステルが縮んでしまうと、もう元には戻せませんので気をつけましょう。
ポリエステルを早く乾燥させたい時は、タオルで挟んで水分を取り、風を当てればすぐ乾きますよ。
■ポリエステルにアイロンをかける時は当て布をする
ポリエステルは高熱に弱い素材なので、アイロンがけには注意が必要です。
アイロンを直接ポリエステル生地に当てるのではなく、日本手ぬぐいなど薄い生地の綿の布であて布をすることでテカリをおさえることができます。
温度は低温でかけてください。
ポリエステルは綿よりも弱い温度でアイロンがけしますので、まとめて色々な服をアイロンがけする時には注意してください。
まとめ
今回はポリエステルの洗濯方法について調べました。
ポリエステルは他の生地よりも毛玉ができやすく、一度汚れてしまうとなかなかニオイや汚れが落ちない生地ということがわかりました。
汚れが蓄積しないよう、洗浄力の強い弱アルカリ洗剤で洗うようにします。
中性や酸性の洗剤は、ポリエステルの洗濯には適さないので気をつけてください。
ポリエステルは熱に弱い生地なので、乾燥機やドライヤーの熱風には耐えられないこともわかりました。
吸水性がほとんど無い生地なので、風通しの良い日かげに置いておけば短時間で乾燥します。
また、ポリエステルは静電気がおきやすい生地なので、柔軟剤を使うと着易くなります。
冬場に服がパチパチしたり、まとわりつくことが無いよう、柔軟剤を使用して快適に着こなしてください。