エアコンの処分には、大きく分けて6つの方法があります。
新しいエアコンを購入しているか、買ってどれくらい経つのか……等、状況によって最適な方法は異なってきます。
自分たちの状況やエアコンの状態によって一番良い方法を選べるよう、まずはエアコンを処分する方法について知っておきましょう。
①新しいエアコンを買う時に、家電量販店に回収処分してもらう
【リサイクル回収料金】+【収集運搬料金】 |
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収集運搬料金が割引になる場合も
新しいエアコンを買ったので、古いエアコンが不要になった……という時は、エアコンを買った家電販売店に回収を依頼しましょう。この方法は経験した方も多いかもしれませんね。
古いエアコンの取り外しから搬出、リサイクル券の購入まで家電販売店が請け負ってくれるケースがほとんどです。新しいエアコンの購入時に、リサイクルの有無を確認されます。
新しいエアコンの取り付けと同時に作業が完了することが多いので、自分でやることはほとんどありません。比較的、負担が少なく安全な方法と言えるでしょう。
■家電量販店に回収してもらう場合の費用
新しいエアコンを購入して引き換えに古いエアコンの回収を依頼するのであれば、リサイクル料+α程度で処分できる場合がほとんどです。
ただし、新しいエアコンの設置と別の日に回収を依頼したり、エアコンの処分のみを依頼した場合は別料金が発生することが多いようです。
エアコンを購入する際には、古いエアコンをどう処分するかを最初に考えておく必要があります。
■リサイクル料金一覧表
■収集運搬料金の例
店舗名 | 収集運搬料金 |
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ヨドバシカメラ | 540円(税込) |
エディオン | 1080円(税込) |
ヤマダ電機 | 1080円(税込) |
ケーズデンキ | 1000円以上 |
ビックカメラ | 1620円(税込) |
②古いエアコンを買った店に回収処分してもらう
【リサイクル回収料金】+【収集運搬料金】 |
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引っ越し等でエアコンを処分していきたいが、新しいエアコンは引っ越し先で購入したい……という時には、そのエアコンを購入した家電販売店に連絡しましょう。
家電販売店には、自分の店で売った家電をリサイクル法に基づいて回収する義務があります。
新しいエアコンを購入する場合と回収料金が異なる場合もあります。回収のみのときは、購入とセットになる場合よりも高めな回収料金が設定されていることも多いようです。
しかし、古いエアコンの取り外しや搬出の心配が要らないので、これも安全性が高い方法と言えるでしょう。
■リサイクル料金一覧表
■収集運搬料金の例
店舗名 | 収集運搬料金 |
---|---|
ヨドバシカメラ | 540円(税込) |
エディオン | 1080円(税込) |
ヤマダ電機 | 1080円(税込) |
ケーズデンキ | 1000円以上 |
ビックカメラ | 1620円(税込) |
③エアコンをリサイクルショップに売って処分する
うまくいけば無料。買い取ってもらえる場合も。 |
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まだ買って日の浅いエアコンであれば、リサイクルショップに売るという手段があります。
一定条件を満たしてきちんと動くエアコンなら、買い取ってもらえることが多いようです。発売後5年以内であれば、買い取ってもらえる確率はぐんと上がります。
この場合は廃棄するわけではないので、リサイクル料は必要ありません。
エアコンが処分できたうえにお金が受け取れるので、条件さえ合えばお得な方法ですね。
ただし、古いエアコンは買い取り拒否される場合があることと、エアコンの取り外しは自分でする必要があることに気を付けましょう。(業者によっては、買い取り価格と差し引きで取り外しを請け負うところもあります)
④ネットオークションやフリマでエアコンを売って処分する
手間はかかるが「収入」になる |
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知り合いやネットオークション等で、古いエアコンを使ってくれる人を探す方法もあります。
「古くても、ちゃんと動いて安価なら使いたい」と思う人は意外と多いものです。
この場合も廃棄ではないので、リサイクル券の購入は必要ありません。
販路を見つけて、自分でエアコンを取り外して梱包・発送までこなす必要がありますが、オークションでの取引に慣れている人や電気の知識がある人にはおすすめの方法です。
■ネットオークションやフリマでエアコンを売る場合の費用
不要なエアコンを処分できて、かつお金も得られるのが売却するという方法です。
ネットオークションやリサイクルショップで売却することで、使ってくれる人のもとへ送り出すことが出来ます。
取り外しや梱包をどうするかという問題はありますが、リサイクルショップによっては取り外し料金と買い取り価格を相殺してくれるところもあります。
買って日の浅いエアコンであれば、売却するというのも選択肢のひとつです。
⑤エアコンを自分で自治体の指定回収場所まで持っていく
【リサイクル回収料金】だけ |
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新しいエアコンを購入する予定もないし、エアコンを買った家電販売店も遠方で引き取りを頼めない……というときに、いちばん低コストなのは自分で処分する方法です。
自分で取り外して、指定の回収場所まで持っていくことになります。必要な費用はリサイクル券と回収場所までの交通費程度です。
ただし、すべてのステップを自分でこなす必要があるので、いちばん労力が必要な方法とも言えるでしょう。また、必要な工具や交通手段が確保できないと出費もそれなりのものになるので、事前によく検討する必要があります。
引っ越し先の庭に古いエアコンが放置されていた……などというケースであれば、取り外し作業が必要ないので、自力で回収場所まで持っていくのがおすすめです。
■エアコンを自分で自治体の指定回収場所まで持っていき処分する場合
自分で取り外せるスキルと必要な工具があれば、一番安く済ませることができる方法です。
リサイクル料と運搬にかかるガソリン代程度で処分することができます。
逆に、必要なものが揃っていないのであれば、回収業者に依頼する場合の出費と自分で処分する手間と出費をよく比較して考える必要があるでしょう。
エアコンを自力で取り外して処分するときに必要なもの
自分でエアコンを処分する時には、用意しなくてはいけないものがいくつかあります。
・工具一式(六角レンチ・モンキースパナ・プラスドライバー・ニッパー等)
・滑り止め付きの軍手
・エアコンキャップと配管用パテ
・エアコンを運搬する手段
・払い込み済みの家電リサイクル券
・養生テープやマット
必要な道具を自分で用意するのは難しい、または、使い方が見当もつかない、という場合は自分で処分することは諦めたほうが無難です。また、道具をいちから揃える出費と回収業者に依頼する出費をよく比較してから決めることをおすすめします。
難しいと思ったら、決して無理はしないようにしましょう。
家電リサイクル券払込票を記入して、リサイクル料を払う
郵便局にある家電リサイクル券払込票に必要事項を記入して、所定金額を払い込みましょう。
払い込んだ時にもらえる「振替払込受付証明書」(日付印が押印されたもの)を家電リサイクル券に貼り付ければOKです。
処分のときに必ず必要になる大事なものなので、絶対になくさないように気を付けてくださいね。
家電リサイクル券を貼り付ける
払い込んだ家電リサイクル券を所定の位置に貼ります。
室外機と本体に分かれているセパレート型のエアコンであれば「本体の右側面上部」と「室外機の右側面上部の取っ手の下」、窓に取り付けるタイプのウインド型であれば「右側面上部」に家電リサイクル券を貼り付けます。
エアコンを取り外す
用意しておいた工具を使ってエアコンを取り外します。
エアコンからは思わぬ排水が流れ出すことがあります。事前に壁や床をきちんと養生しておくことをおすすめします。
また、室外機や本体は高い位置に設置されていることも多いので、くれぐれもケガには注意しましょう。エアコンの取り外し方は、以下のリンクを参考にしてみてくださいね。
指定の処分場まで運搬する
エアコンは粗大ごみとして捨てることはできません。
最初に確認しておいた、地方自治体指定の処分場所まで運搬します。処分の仕方は自治体によって異なります。
処分場は、大型車両が行き交ってとても危険です。着いたら、係員の指示に従って行動しましょう。
⑥エアコンを不用品回収業者に処分してもらう
うまくいけば無料。買い取ってもらえる場合も。 |
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自分で処分するのはちょっと無理……という時は、家電の回収業者に依頼しましょう。
料金はかかりますが、取り外しから搬出まで全て請け負ってくれます。
自力で撤去できない場合は、この方法に頼ることになる人は多いでしょう。忙しい人にもぴったりの方法です。家電リサイクル券の購入や部屋の養生等も手配してくれることがほとんどなので、自分でやることはほとんどありません。
業者を選び間違えるとトラブルの種になりますので、事前の調査が不可欠です。
■不用品回収業者にエアコンの処分を依頼する場合の費用
出費としては一番高くなりますが、手間は一番かからないのが回収業者に依頼する方法です。
この方法であれば、業者の手配さえすれば指定日時にエアコンを取り外して回収してくれます。リサイクル券の購入も代行してくれますので、忙しい人にはぴったりですね。
しかし、先にもご紹介したように、業者選びはくれぐれも慎重に行いましょう。
最初に「総額がいくらか」をきちんと確認するようにしたいですね。
■業者選びは慎重に
エアコンの取り外しから搬出まで請け負ってくれる回収業者はとても心強いものですが、業者選びには慎重になる必要があります。
無料回収と謳っておきながら、あとで法外な料金を請求したり、適切な方法で処分をしない業者も少なからず存在するからです。自分が知らず知らずのうちに不法投棄の片棒を担いでいた……なんてことにならないよう、「一般廃棄物収集運搬業の許可」もしくは市町村の委託を受けているかを事前に確認するようにしましょう。
エアコンを処分するときに気をつけるルール
エアコンを処分するには、一定のルールが定められています。
ここでは、エアコンを処分する時に気を付けたいルールについてお話ししたいと思います。
■エアコンはリサイクル法で処分方法が決められている
エアコンやテレビ、冷蔵庫等は部品や材料をリサイクルするために処分方法が決められています。
ゴミ置き場等に捨てることはできませんし、分解して小型ゴミとして出すこともできません。
必ずリサイクル券を貼って、所定の方法で処分しなくてはいけません。窓に取り付けるタイプの小型のエアコンも家電リサイクル法の対象になります。
これを破ると不法投棄とみなされますので、注意が必要です。
■業務用エアコンは家電リサイクルの対象外
家電リサイクル法はその名の通り「家電」のみを対象としています。天井に埋め込むような業務用のエアコンは家電リサイクル法の対象外です。
処分を検討しているエアコンが、どちらに該当するのかわからない場合は、型番等を控えたうえで製造元(メーカー)に確認してみる必要があります。
また、埋め込み型のエアコンは、建物の配線と複雑に関連していることがあります。基本的には自分で取り外すことはできないと思っておくほうが良いでしょう。
■一番の難関はエアコンの取り外し
自力でエアコンを処分するときに、一番の難関になるのが設置してあるエアコンの取り外しです。
配管を外す際にフロンガス(冷媒ガス)の回収(ポンプダウン)が適切にできないと、環境破壊の原因になるだけでなく、大怪我のもとにもなります。
ここに不安があるのであれば、自分で取り外すのはやめておいたほうが無難です。
どうしても自分で外さなくてはいけないのであれば、手順をよく調べて臨みましょう。
取り外す前には、必ずコンセントを抜くのを忘れないようにしてくださいね。
また、何らかの事情(破損等)で冷媒ガスの回収ができそうにないエアコンは、専門業者に依頼してください。
まとめ
エアコンは、快適な生活になくてはならない家電のひとつです。
決められたルールを守って、きちんとリサイクルしていくようにしたいですね。