ドクダミは抜いても抜いても次々生えてきて、頭を抱えている方が非常に多い植物です。
毎年、梅雨の時期になるとドクダミが生えてくるので憂鬱になりますよね。
雨上がりに庭を見ると、ブワッと一斉にドクダミが生えてきたのを見て、ウンザリすることも。
ドクダミは繁殖力が旺盛なので、多少引っこ抜いた位では、すぐに復活してしまいます。
他の家庭では、どのようにドクダミを駆除しているのでしょう?
ニオイが臭いので、雑草としては嫌われてしまうドクダミですが、ドクダミ茶はデトックス茶として注目されています。
ドクダミ茶は美肌効果もあり、高血圧や心臓病の予防にも効果がある漢方薬として昔から生薬として使われてきました。
憎いドクダミですが、庭に生えているドクダミで漢方薬を作って、家族が健康になれたら良いですよね。
そんなドクダミを、スッキリと除草して駆除できる方法を調べてみました。
最後に簡単に作れるドクダミ茶の作り方も書いてありますよ。
ドクダミの特徴
※ 写真はイメージです
ドクダミは、その昔は毒をおさえてくれるという意味で「毒だめ」とも呼ばれていました。
ベトナムや中国では料理として使われています。
日本でも天ぷらにして食べることもあります。
生だとニオイがキツイので加熱して食べますが、それよりもなじみがあるのが漢方薬としてのドクダミです。
花が咲いている時期のドクダミを乾燥させてお茶にすると、高血圧や動脈硬化の予防になるため古くから飲まれてきました。
ドクダミは、北海道から沖縄まで日本全国どこにでも生えている植物です。
日光に当たらなくても増殖するため、建物の日陰や大きな木の下などにも生えています。
梅雨明けから晩夏にかけて白い花(実際は花ではなく総苞(ソウホウ)という部分)を咲かせますが、この時が一番雑草として嫌われるシーズンでもあります。
ドクダミは種ができても不稔性で、種から新しい芽は育ちません。
地下茎を伸ばして増えるので、ドクダミに侵食してほしくない庭の部分があれば、長めの板で囲いをしておきましょう。
八重咲きのドクダミや、葉の色がさまざまな色に変化する五色ドクダミ、葉に斑が入ったドクダミなど、品種もさまざまです。
病気にもやられにくく、ドクダミを食べる虫もほとんどいません。
増やすにに肥料も必要ないほど、生命力のある植物です。
ドクダミは、ほぼ一年中繁殖しているので駆除する時期を選びません。
ジャマだと思った時に、すぐ駆除してください。
開花期は育っている場所によりますが、梅雨が近くなった時分から夏の終わりまでです。
ドクダミの駆除対策方法5選
※ 写真はイメージです
■1 根から抜いてドクダミを駆除
確実にドクダミを駆除したければ、根から抜くのが一番です。
ドクダミは種で増えるのではなく、地下茎という根の部分を伸ばして次々と増えていくので、根を無くさない限りは完全に駆除できないのです。
ドクダミが2、3センチの高さしかない小さいうちに発見できれば、根から丸ごと取ることができます。
しかし、ある程度成長してしまうと根も20メートル近くになり、深くまで掘らないと全部を取り出すことができません。
20メートルも土を掘るなんて難しいと思ったら、ドクダミの葉が出てきたのを少しでも見つけたら直ぐに摘み取ることです。
ドクダミは一年中、地下茎を使って増殖するので、他の植物のように何月が繁殖時期とは決まっていません。
やっかいですが、年中ずっと新芽を探さないといけないのです。
ドクダミは根の部分が少しでも残っていると、すぐに復活して生えてくる性質があります。
このように、ドクダミを摘み取る作業は一年中行う必要がありますので、農薬を使用しない場合は覚悟が必要になります。
■2 除草剤でドクダミを駆除
ドクダミの駆除で一番メジャーなのが、除草剤を使用する方法です。
ドクダミの根が20メートルもあるなんて聞いたら、気が遠くなってしまいます。
シャベルで土を掘ってドクダミを駆除することは難しくても、除草剤を使えば根まで丸ごと退治できるのです。
一昔前の除草剤と言えば、一度使うと周辺の植物まで全て駄目になってしまうイメージがあります。
しかし今の除草剤は、薬品をかけた植物にしか効き目はありませんので、残したい植物と除草したい植物を分けて駆除することが可能です。
また、最近の除草剤は環境にも配慮しています。
除草剤と言えば、日産化学の「ラウンドアップ」がよく知られていますが、「ラウンドアップ」シリーズは、土に除草剤が落ちると微生物によって水や炭酸ガスに分解されるようになっています。
また、除草剤をかけた部分の土が悪くなってしまうこともないので、安心して使うことができます。
「ラウンドアップ・マックスロードAL」の使い方
ラウンドアップマックスロードAL
1,890円 (2018/05/28時点)
中に除草剤を溶かした液体が入っており、薄めずそのままドクダミにシャワーするだけです。 畑など広い敷地には、薄めて使うタイプも販売されています。
「ラウンドアップ・マックスロード」を、ドクダミの葉にかけます。
葉から除草剤がジワジワと浸透して、根まで薬液が回ります。
そのため、地面に除草剤を撒く必要はありません。
葉の全体に除草剤がかからなくても、根まで有効成分が行くので撒く時に神経質にならなくても大丈夫です。
除草剤を撒いた効果は、早くて翌日から、遅くても一週間後ほどで出てきます。
ドクダミの葉や花が枯れて茶色になってきたら、除草剤が効いている証拠です。
なかなか枯れないと思って、あわてて再度撒かなくても、21日後には完全に根まで枯れる状態になりますのでしばらく観察をつづけましょう。
そして、撒いた部分のドクダミが根の部分まで枯れて、茶色くなるまで待ちましょう。
「ラウンドアップシリーズ」は、ドクダミだけでなく、秋の花粉症として知られているセイタカアワダチソウやススキにも効果があります。
除草剤の選び方と準備
初めて除草剤を使う時は、使い方や効果に不安がありますよね。
除草剤には
・自然に溶ける顆粒タイプ
・速攻性のある液体タイプ
の2種類があります。
これから生えてくるドクダミには「粒タイプ」、すでに生えてしまったドクダミには「液体タイプ」を使いましょう。
あちこちに生えてしまったドクダミを、一気に駆除したい時には「液体タイプ」を選んでください。
除草剤は草を殺す位の薬品ですので、安全性に気をつけられてはいますが念のために手袋、マスク、長袖の作業着で作業してください。
ホームセンターに行くと、比較的安価な値段でマスクとゴーグルセットも販売されています。
除草剤が眼や口、鼻に入ってしまわないように注意してください。
■3 熱湯でドクダミを駆除
やはり農薬は避けたいという場合は、「熱湯」でドクダミを駆除しましょう。
ヤカンに水を入れてお湯を沸かし、そのままドクダミがある場所に行ってかけるだけです。
熱湯ですので、持ち運びには十分気をつけてください。
熱湯をかけて数日すると、ドクダミが枯れて茶色になります。
そして、枯れたドクダミをなるべく根ごと引き抜く要領で抜いてしまいましょう。
この方法は、地上よりも上に出ているドクダミは熱で死にますが、土に埋まっている根の部分にまでは効果が及びません。
そのため、熱湯をかけても10日位たつと、すぐに新芽が出てきてしまいます。
ドクダミは摘む時に臭いニオイが出るので、熱湯駆除は後からドクダミ茶にしたい場合に有効な方法です。
■4 重曹でドクダミを駆除
重曹でドクダミを駆除する場合には、一手間かける必要があります。
重曹を水に溶かして撒くだけでは、ドクダミは生命力が強いので駆除できません。
しかし、少しドクダミに傷をつけることによって、その部分から重曹が入り込むので駆除することができます。
1リットルの水に重曹を150グラムほど溶かします。
重曹は、なかなか水に溶けないので、お湯で溶かしたものを冷まして使用すると良いでしょう。
プロの場合は、重曹を溶かした水を高圧洗浄機で散布します。
勢い良く水を出すことで、ドクダミを傷つけて重曹を中に染み込ませるのです。
一般家庭の場合、高圧洗浄機に代わるものは無いので、鎌などを使ってドクダミを傷つけてから重曹水を散布しましょう。
重曹水を散布して3日後位から枯れはじめ、10日後には8割から9割を駆除することができます。
重曹 5kg
■5 塩水でドクダミを駆除
海の精 あらしお 500g
海の近くの畑は塩にやられてしまって、なかなか農産物が育ちません。
台風で波が陸地まで押し寄せたり、津波で農地であった場所まで海水が侵食してしまうと、しばらくは塩の影響で植物ができなくなってしまうのです。
この塩害という現象に習って、庭に塩水を撒いてドクダミを駆除しましょう。
注意しなくてはいけないのが、塩水を撒くとドクダミだけでなく他の植物もダメになってしまうということです。
普通の状態で、庭の土に塩が混ざることはありません。
土の中の塩分濃度が上がることで、ドクダミは根から水を吸う力が低下します。
また、塩が撒かれた土は硬くなってしまうので、植物が根腐れをおこしやすくなります。
塩水を撒くのは、これから先に何も生やしたくない場所には向いています・
しかし、ドクダミは生やしたくないけれども、他の植物は育てたいという場所には向いていません。
一度、土にしみ込んだ塩分は、なかなか抜けません。
土ごと、ごっそり入れ替える必要があります。
そのため塩水を撒く方法は、よく考えて場所を選んで撒くようにしてください。
どくだみ茶の作り方
※ 写真はイメージです
ドクダミは生えているものを摘むと臭いニオイがしますが、ドクダミ茶にするとニオイはしなくなります。
ドクダミ茶を年中飲んでいる方の中には、農薬を使用しない自家製のドクダミ茶を作りたいと、わざわざ育てている方もいるのです。
ドクダミ茶を作るには、梅雨から夏にかけての開花期のものを摘みましょう。
花が咲く時期のドクダミは、ニオイが一番臭くなるピークですが、一番体に効く成分が出る時期でもあるのです。
■根元からドクダミを摘む
ドクダミは強い植物なので、多少根が残っていればいくらでも再生します。
根元のほうから、どんどん摘み取ってしまいましょう。
まだドクダミ茶作りに慣れていなかったら、両手で持てる程度の量を摘めば十分です。
生のときはたくさんあるように見えますが、乾燥すると三分の一以下のボリュームになってしまいます。
多すぎるかなと思う位でちょうどいいでしょう。
花が咲いていても、そのまま乾燥させてお茶として飲むことができます。
摘み取るときに他の草木が混じってしまったら、洗うときに選別すれば良いので、摘み取るときには一気に刈り取ってしまいましょう。
ドクダミを採集する場所は、なるべく綺麗な場所を選んでください。
車がよく通る場所は、排気ガスがかかるだけでなく、体に悪い成分もドクダミの中にしみこんでいます。
空気の良い、農薬がかかっていない場所のドクダミを選ぶようにしてください。
■一週間ほど乾燥させる
ドクダミを綺麗に水で洗って土を落とし、ドクダミ以外の植物と選別が終わったら、次は乾燥です。
3本くらいで1束になるように、根元をヒモか輪ゴムで結びます。
いくつかドクダミの束ができたら、風通しの良い日陰にぶら下げて乾燥させます。
天気の良い日であれば3日程度でパリパリに乾燥しますが、雨が降ると一週間経ってもパリパリになりません。
乾燥するタイミングが遅いとカビてしまいますので、湿気が多い日は扇風機で風を当てるなど工夫してください。
手でつかんだ時に、パリパリと音がして、葉が割れる位まで乾燥させましょう。
乾燥させる時に、キッチンペーパーの上に置いたり、ザルの上に置いたりしがちですが、乾燥時間が遅くなるのでおススメできません。
軒下やベランダにぶら下げておくのが一番早く乾燥しますよ。
■フライパンで炒る
十分に乾燥したら、ドクダミ全体を2センチから3センチ程度にハサミで切っていきます。
そして、水分を飛ばすためにフライパンに入れて、弱火で炒ります。
フライパンが熱くなりすぎると黒くこげてしまうので、火をつけたり止めたりしながら全体を乾燥させていきましょう。
これでできあがりです。
水500mlの中に、乾燥させたドクダミの葉を10グラム程度入れて火をつけます。
沸騰した後も、煮詰めるためにしばらくトロ火にかけておきましょう。
水が三分の二から半分程度になったらできあがりです。
好みによって、そこまで煎じないほうが好きな場合は、火にかける時間も短めにしてサッパリとした味わいで楽しんでください。
まとめ
今回は、ドクダミの駆除方法について調べてみました。
一時的にドクダミを除草するのであれば、お湯をかけたり重曹水をかけたりする方法でドクダミを駆除できます。
しかしドクダミは種ではなく地下茎が伸びて増えるので、根の部分を駆除しないと何度でも再生します。
成長したドクダミの根は20メートルにもなるので、根こそぎ駆除するのであれば除草剤が最適であることがわかりました。
また、ドクダミが生えた場所に将来何も植えないのであれば、塩水を撒いて駆除することもできます。
塩水を一度撒くと、土の中の塩分濃度は時間が過ぎてもなかなか抜けませんので、よく考えてから塩水を散布してください。
嫌われ者のドクダミですが、ドクダミ茶にするとデトックス効果があります。
カリウムが豊富なので利尿作用があり、むくみを防いでくれます。
また、便秘やニキビ改善、高血圧や糖尿病予防にも効果があるので、駆除するだけでなく利用する方向で発想転換するのも一つの方法ですね。