引越し作業は、引越し前も、引越し当日も、引越し後にも、やるべきことがたくさんあります。忙し過ぎて何を済ませ、何をまだ済ませていないのかよくわからなくなってしまうこともしばしば…。そんなときは、やるべきことをチェックリストにまとめ、確認しながら作業をすすめてみるのがおすすめです。
今回は、引越しでやるべきことをチェックリストに徹底的にまとめていきます。引越しを控えている方はぜひ参考にしてみてくださいね。
引越し前日までにやるべきチェックリスト13つ
まずはじめに、引越しの日を迎えるまでにやっておきたいこと13つについて細かくみていきましょう。梱包作業で忙しいと思いますが、今後の引越しの作業をスムーズにするためにも、しっかりとチェックしながらやるべきことをこなしていきましょう。
■1.転校届(学校に通っているお子さんがいる場合)
学校に通っているお子さんがいる場合、引越しが決まったら、まず一番にするべきなのが学校の転校手続き。もし引越し先の住所がまだ確定していなくても、転校する旨を学校へ知らせます。なぜ急ぐ必要があるのかと言うと、新学期のクラスの構成などに関係し、学校側に迷惑をかけてしまう可能性があるためです。
小学校、中学校を転校するときには、転校前の学校から「在学証明書」「教科書給付証明書」を発行してもらう必要があります。これらの書類は引越し後、新しい学校に転入する際に必要になりますので大切に保管して。
高校を転校するときは、義務教育ではありませんので、転校前の高校から「在籍証明書」や「単位習得証明書」、「転学照会書」などを発行してもらい、転入試験を受ける必要があります。転入方法については学校によって異なりますのであらかじめしっかり調べておきましょう。
■2.賃貸契約の解約手続き
引越しが決まったら、管理会社(もしくは大家さん)に速やかに解約の意思と退去日を伝えましょう。一般的には退去日の1カ月前までに解約の旨を伝えればOKなことが多いですが、賃貸契約によっては3カ月~半年前までに伝える必要があるケースもあります。
また、月の途中で途中解約をする場合、解約日までの家賃が日割り計算となる場合もあれば、1カ月分の家賃を丸々支払わなければならないこともあります。賃貸契約解約の手続きは賃貸借契約書をしっかり確認しながら計画的に。引越しはなにかとお金がかかりますので、少しでも無駄のないように進めていきましょう。
■3.駐車場の解約手続き
引越しに伴う解約は、住居の賃貸契約の解約だけではありません。駐車場を借りている場合は、駐車場の解約も必要になります。特に物件に付属している駐車場を借りている場合はついうっかり忘れてしまいがちなので注意しましょう。
駐車場の解約をするには、駐車場を管理している不動産会社や管理会社に連絡を入れます。ほとんどの場合が退去日の1カ月前までの届け出が必要。駐車場は一般的に月極契約となっていることが多いため、月の途中で解約した場合でも日割り精算されないことがあります。退去日が決まったら速やかに解約の連絡をいれましょう。
駐車場の賃貸契約を事前に確認し、解約の通知の時期を調べ、少しでも無駄なく手続きを。敷金を支払っている場合は敷金の返還が行われますので、解約手続きの際あわせて確認してみましょう。
■4.粗大ゴミの処分
引越しをするとほとんど必ず出ると言っても過言ではない「粗大ゴミ」。粗大ゴミはいつでも回収してもらえるものではなく、自治体に回収の予約をする必要があります。
引越し日が近づいてから処分に取り掛かろうとすると回収依頼が間に合わず、最悪の場合新居にいらないものを持ち運ばなければならないことに。不用品回収業者に即日回収をお願いすることもできますが、繁忙期などでうまくスケジュールが合わないこともあり、希望通りに対応してもらえるとは限りません。
粗大ゴミの処分は早ければ早いほど良いですが、引越し予定日の1カ月、遅くとも2週間前までには済ませておくと安心です。
■5.転出届の手続き
引越し予定日の14日前になったら、転出届の手続きを行いましょう。転出届は、引越し前の住所の市区町村役場の窓口で行います。自治体によっては平日役所まで足を運べなくても、土曜や日曜に提出を受け付けている場合もあります。平日出向くのが難しい場合は事前に確認してみましょう。また、転出届は郵送による手続きも可能です。
転出届の手続きとあわせて国民健康保険証の抹消手続きや印鑑登録廃止の手続き、乳幼児医療証、高齢者医療受給者証、介護保険被保険者証の返却手続きなども済ませておくと、何度も役所へ足を運ぶ必要がありません。各手続きで必要なものをきちんと揃え、忘れ物のないように注意しましょう。引越しはやるべきことが盛りだくさんですので、なるべく役所での手続きは一度で済ませられるようにしておきたいものです。
■6.郵便物の転送
利用しているサービス会社やお店、知人などに住所が変更する旨を連絡するにしても、限界がありますよね。郵便局では、引越しの情報を郵便局に知らせておくことで、1年間にわたり引越し前の住所宛てに届いたものを引越し後の住所に無料で届けてもらうことができる「転送サービス」を用意しています。
手続き方法は、郵便局へ出向いて手続きをする方法と、インターネット上の「e転居」というサービスを利用する方法があります。届け出を提出したらすぐに翌日から転送されるわけではなく、手続き完了までに3~7営業日かかります。土日、祝日を含めると2週間近くかかることもありますので、引越し前の2週間前までには手続きを完了させておくのが理想的。サービス期間は1年間、無料で延長も可能です。
■7.固定電話やインターネット回線の移転・解約手続き
引越し先でもすぐに利用できるよう、インターネット回線の移転・解約手続きも忘れずに行いましょう。特に仕事などで利用する方は早めの連絡を。引越し繁忙期(3月~4月)には開通工事が1カ月先になってしまうなんてこともよくあることです。
インターネットの移転・解約の手続き方法は、会社やサービスにより異なります。解約には違約金が発生することもあるでしょう。まずは現在利用しているサービスを引越し先で継続して利用できるかどうか確認し、移転すべきか解約すべきかについてよく検討してみてくださいね。
■8.金融機関などの住所変更
引越しによる住所変更に伴い、クレジットカードや保険会社、銀行口座など、金融機関への住所変更の手続きを行いましょう。お金が関わってくる契約ですので、トラブルを避けるためにも早めに手続きをしておいた方が安心です。
クレジットカードや保険会社への住所変更は、契約をしている会社へ連絡をいれることで住所変更手続きの書類を郵送してもらうことができます。銀行口座の住所変更は、通帳と届け印、身分証明証を持参し、窓口で行うことができます。窓口へ直接出向くのが困難な場合は、郵送での手続きも可能ですよ。
■9.定期的に利用している宅配サービスの住所変更手続き
牛乳や新聞、雑誌、ウォーターサーバーなど、定期的に配達をしてくれるサービスを利用している場合は、配達店・販売店に引越しの旨を伝えましょう。
これらの手続きが遅れてしまうと、お金を支払い続けているのに商品が届かない、なんていうことになりかねません。さらに、引越しをしたあとも旧居に商品が届いてしまい、配達員の方や新しい住人の方を困らせてしまうこともあるでしょう。
また、サプリメントや日用雑貨などを宅配業者が届けてくれる定期購入サービスを利用している場合も、購入元へ住所変更の連絡を。宅配業者側が転居転送サービスを用意している場合もありますので、確認してみると良いでしょう。ちなみにゆうパックは郵便局へ転出届けを提出すれば、自動的に旧居宛てのものでも新居へ届くようになっています。
■10.電気・ガス・水道利用停止手続き
引越しに伴い住んでいた家を出るとき、電気、ガス、水道といったライフラインの利用停止手続きを行う必要があります。引越しの1週間前までを目安に行い、遅くても2~3日前には連絡をいれましょう。
① 電気の利用停止
電気の利用停止手続きは、電話、もしくはウェブ上から利用停止の手続き行います。利用停止の手続きを行う際は、電気料金の領収書や検針票を手元に準備しておくとスムーズです。立会いは不要ですが、引越し当日に精算を希望する場合、事前に連絡をして予約をしておくことで、引越し当日に係員の方が来て精算してくれます。
② ガスの利用停止
ガスの利用停止手続きも、電話、もしくはウェブ上で利用停止の手続きを行います。お客様番号のわかるもの(検針票や領収書)を手元に準備しておきましょう。ガスの閉栓は立会いが必要なケースもありますので、その場合はスケジュールの調整も忘れずに。
③ 水道の利用停止手続き
水道の利用停止手続きは、現在住んでいる市区町村役場の水道課や水道局などへ電話、もしくはウェブ上で行います。利用停止の手続きにはお客様番号が必要ですので、検針票や領収書を準備してから行いましょう。立会いは基本的には必要ですが、口座振替や請求書での清算を希望する場合は立ち会い不要です。
■11.新居のガスの開栓連絡
電話や水道と違って、ガスの利用開始には立会いが必要です。ガス会社が混雑している場合も考えられますので、不動産屋さんや管理会社に新居で利用するガス会社の連絡先を確認し、引越し当日にガスを開栓できるよう、引越し日の1週間前には立会いの予約をいれておきましょう。
■12.冷蔵庫・洗濯機の水抜き
運搬する荷物に冷蔵庫や洗濯機がある場合は、水抜き作業を忘れずに。水抜き作業を怠ってしまうと本体の故障につながる上、運搬の途中に水漏れをしてしまい、ほかの荷物を水浸しにしてしまう恐れがあります。
① 冷蔵庫の水抜き
冷蔵庫の水抜きは、霜取り作業を完了させ(洗濯機に自動霜取り機能が付いている場合は不要)、前日の夜までにコンセントを抜いておきましょう。そして翌朝、蒸発皿(水受けトレイ、もしくは水抜きタンク)に溜まっている水を捨てればOKです。製氷機の水を捨てるのも忘れないように注意しましょう。
② 洗濯機の水抜き
洗濯機を水抜きをするには、まず給水ホースの水抜きからスタートです。洗濯機用の蛇口を閉めてから1分ほど洗濯機を回し、給水ホースの水抜きをしていきます。次に、給水ホースを取り外し、洗濯機の電源を入れ、脱水のみを行い、洗濯機と排水ホースの水抜きを行います。最後に排水ホースを取り外し、完了です。 洗濯機の水抜き方法は洗濯機の種類によって異なる場合がありますので、取扱説明書をよく確認しましょう。
■13.パソコンのデータのバックアップ
パソコンは運搬中の振動や衝撃、雨によって壊れてしまったり、データの一部が破損してしまったりすることがあります。大切なデータを守るためにも、引越し前にはデータのバックアップを必ず行うようにしておきましょう。
引越し業者は、明らかに壊してしまったものに関しては保障してくれますが、パソコンの中にあるデータに関しては保障することができません。大切なデータを守るのは、あなた自身です。
引越し当日忘れずに旧宅でやるチェックリスト4つ
次に、引越し当日に旧宅で行っておくべきことについてまとめていきます。「立つ鳥跡を濁さず」ということわざにもある通り、旧居を見苦しくないようきれいに整え、やり残しのないようにしっかり対応していきましょう。
■1.ガスの閉栓立会い
ガスの閉栓に立会いが必要であった場合、引越しの当日にガス会社から係員の方が来ますので指示に従いましょう。立会いが必要なケースは、オートロック式のマンションの場合や、警報器の取り外し作業を希望する場合、料金の精算を希望する場合などです。料金の精算を希望している場合は、あらかじめ現金を準備しておくのを忘れずに。
■2.電気・水道料金の清算
電気・水道料金は、引越し当日の精算を希望した場合、事前に連絡をして予約をしておくことで引越し当日に係員の方が来てくれます。係員がその場でメーターを検針し、引越し当日までの料金を精算となりますが、精算後に清掃などを目的として多少電気や水を使用したところで料金は発生しませんので、安心してくださいね。
引越し当日はバタバタしますので、立会いをできるだけ避けたいということもあるでしょう。その場合は、当日までの料金の支払いを後払いにすることで、立会いをしなくて済みます。ただし、最後に電気メーターと水道メーターの数字をメモし、後日請求が来たときに照らし合わせることができるようにしておいた方が安心ですよ。
■3.鍵の返却・明け渡し
貸主立会いのもと明け渡しを行う際は、引越し日当日、もしくは翌日以降の約束をした立会い日に、明け渡しと同時に鍵の返却を行いましょう。明け渡しの立ち会いは、可能であれば引越し当日に済ませておくのがおすすめ。旧居へ再度足を運ぶ必要がなく手間を省くことができます。
明け渡しの際によくあるトラブルとして、不当な修繕費用を請求されるといったトラブルがあげられます。明け渡しの際に借主の修繕負担の見積もり金額を提示してもらうことになりますが、納得がいかない場合は断固として拒否しましょう。借主が負担すべき修繕箇所は、明らかに借主の過失による修繕が必要な部分のみ。自然損耗箇所はこの限りではありません。どんなに引越しで忙しくても納得のいかない個所についてはきちんと追求し、納得がいくまで書面にサインをしないよう注意してください。
貸主が明け渡しに立ち会わない場合は、後日不当に高額な修繕費用を請求されないよう、退去する際に写真やビデオを撮っておくと安心ですよ。
■4.最終確認
さて、旧居でやるべきことはこれで済みました。いよいよ新居へ向かいます。また戻ってくる必要のないよう、忘れ物がないか、やり残したことがないか最終確認をします。旧居のご近所さんに挨拶が必要な方は、きちんと挨拶を。最後に電気のブレーカーを落としておくのを忘れないようにしてくださいね。
引越し当日浮かれずに新居でやるチェックリスト4つ
いよいよ新居に到着しました。新生活にワクワクして胸が躍る気持ちも理解できますが、引越し当日の新居でもやることがあります。浮かれずに新居でやるべきチェックリストをみていきましょう。
■1.まずは掃除!
新居に到着したら、まずは掃除を。特に大きな家具や家電が置かれる予定の箇所は、一度置いてしまうとなかなか掃除をするタイミングがありませんので入念に掃除をしておきましょう。賃貸契約の場合はあわせて入居時の傷や汚れの状態を撮影しておくと、退去の際に役立ちますよ。
■2.ご近所の方への挨拶
引越してきたら悩むのが、ご近所の方への挨拶。近年では挨拶を省略する人も増え、絶対に必要といったものではありません。個人の判断でOKです。ファミリー物件の場合は挨拶をしておいたほうが無難かもしれませんね。引越し作業の物音などで迷惑がかかるかもしれませんので、できれば引越し作業の前に挨拶を済ませておきましょう。
挨拶に伺うと決めた場合、集合住宅の場合は隣の部屋、真下の部屋に挨拶を。戸建ての場合は、自分の家の接しているお宅に挨拶に伺うと良いでしょう。1,000円前後の手土産を持参して挨拶に伺いましょう。
■3.引越し業者の方への指示
荷物が到着したら、どの荷物をどこに設置するのか、スムーズに荷物を運びこめるよう引越し業者の方に指示を出します。当日迷ってしまわないよう、家具や家電の置き場所はあらかじめ決めておきましょう。特に重いものや大きいものは簡単に荷物の移動ができませんので、引越し業者の方へ設置場所をきちんと伝えることができる状態にしておいてくださいね。
■4.ガス開栓の立会い
ガス開栓の予約が引越し当日にとれた場合は、開栓の立会いを。特別にやることはありませんが、プロパンガスの場合は契約時に保証金(1万円の場合がほとんど)が必要ですので、準備しておきましょう。この保証金は退却時に返金されるもので、退去の際に最終月のガス代を保証金から差し引き、その差額が返金されます。都市ガスの場合は保証金は不要です。
ぬかりのないように引越し後のチェックリスト4つ
晴れて引越し作業が完了しても、まだやることはあります。引越し後の作業はぬかりなく進め、完璧な状態で新生活を迎えましょう!
■1.電気・水道の利用開始手続き
電気と水道は、入居時には既に使用できる状態になっている場合がほとんど。ブレーカーを上げれば電気がつき、蛇口をひねれば水が出るでしょう。引越し後に使用申込書(賃貸の場合はお部屋に備え付けられている場合がほとんど)に必要事項を記入し、郵送して手続きは完了です。
なお、電気・水道の利用停止手続きを行う際に、あわせて開始手続きを行うこともできますので、あらかじめ済ませておいても良いでしょう。
■2.転入届の手続き
引越しがある程度落ち着いたら、14日以内に転入届の手続きを行いましょう。引越し先の市区町村役場へ転入届とあわせて転出証明書を提出します。在学証明書がある場合は、在学証明書も提出します。転入届の手続きか遅れてしまうと過料が課されることがありますので、注意が必要。転出届と違って郵送による手続きはできませんので、引越し後できるだけ速やかに行いましょう。
転出届の手続きと同様、再度役所へ足を運ぶことのないよう忘れ物のないように注意し、国民健康保険証や印鑑登録、乳幼児医療証、高齢者医療受給者証、介護保険被保険者証などのあわせて済ませておくべき手続きがあれば済ませておきましょう。
■3.運転免許証の住所変更手続き
運転免許証をお持ちの方は、運転免許証の住所変更手続きも忘れずに行いましょう。明確な期限は設けていませんが、「すみやかに」行うよう定められています。 手続きは警察署の運転免許課へ必要書類(運転免許証、印鑑、住民票など)を持参して行います。トラブルを避けるためにも、なるべく早く済ませておいたほうが良いでしょう。
■4.自動車やバイクの住所変更手続き
自動車やバイクをお持ちの方は、それらの住所変更の手続きも必要です。ほとんどの場合が地域を管轄している陸運輸支局に出向き、登録の変更を行います。手続きには印鑑、車検証、車庫証明、住民票が必要ですので忘れずに持参しましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。引越しにはたくさんのやるべきことがありますが、わかりやすくまとめることでやり忘れを防ぐことができます。上にまとめたチェックリストをベースに、あなたにとって必要な作業を書き足したり、不要な作業は省いたりしながら、あなただけの引越しチェックリストを作成し、やり忘れゼロの完璧な引越しを目指してくださいね!