引越しは、引越し前も後もバタバタと忙しく、やるべきことをすべて済ませたつもりでもうっかり忘れてしまうこともあります。やるべき手続きをうっかり忘れてしまうと、思わぬトラブルに見舞われてしまう原因に。
今回は、引越し後にやるべき手続き16個について、一覧でまとめていきます。手続きを行う際の注意点や手続きを行わなかったらどうなるかについてもまとめていきますので、引越しを控えている方はぜひチェックしてみてくださいね。
引越し後にやるべき手続き16個
それでは早速、引越し後にやるべき手続き16個についてまとめていきますのでチェックしてみましょう。
■1.住民票異動手続き
① 同一市内への引越し
同一市内に引越しをした場合は、引越し後14日以内に役所へ「転居届」を提出し、住民票異動手続きを行います。同一市内の場合の住民票異動手続きはこれだけで完了します。
② 市外への引越し
市外へ引越しをした場合は、引越し後14日以内に役所へ「転入届」を提出し、住民票異動手続きを行います。転入届の手続きには、引越し前の役所で発行してもらった「転出証明書」が必要ですので、忘れずに持参しましょう。
■2.国民健康保険加入手続き
国民健康保険の被保険者の方は、転入届の手続きと併せて役所で国民健康保険加入の手続きも済ませましょう。こちらも期限は引越し後14日以内。同一市内に引越しをした方はこの手続きは必要ありません。手続きの際は国民健康保険証を持参してくださいね。
■3.国民年金の住所変更手続き
国民年金の第1号被保険者に該当する方は、国民年金の住所変更手続きが必要です。引越し後14日以内に済ませましょう。手続きの際は国民年金手帳、印鑑を持参するのをお忘れなく。
■4.子供の手続き
子供が引越しをする場合は、下記の手続きが必要になります。
① 児童手当の手続き
同一市内に引越しをする場合、児童手当の手続きは役所に住所変更届を提出して完了です。市外に引越しをする場合は、役所で「児童手当認定請求書」を提出します。
児童手当の「15日特例」の制度を適用させるために、転出予定日から15日以内に行うのが理想的です。自治体によっては、前住所の役所で取得した所得課税証明書が必要な場合もありますので、あらかじめ確認しておきましょう。
② 母子手帳の手続き
母子手帳自体には引越し手続きの必要はありませんので、住所欄を自分で書き換えておけばOKです。ただし、妊娠している方は、母子手帳と一緒に交付される「検診補助券」の交換手続きが必要です。母子手帳、未使用分の検診補助券、印鑑を持参して手続きを行いましょう。
■5.高齢者の手続き
高齢者が引越しをする場合は、下記の手続きが必要になります。
① 後期高齢者医療被保険者証の手続き
同一市内に引越しをする場合、後期高齢者医療被保険者証の手続きは住所の書き換えをするだけでOK。市外に引越しをする場合は、後期高齢者医療被保険者証を新たに加入する必要があります。前住所の役所で交付してもらった「後期高齢者医療負担区分等証明書」を持参し、手続きを行いましょう。
② 高齢受給者証の手続き
同一市内に引越しをする場合、高齢受給者証の手続きは住所変更の手続きのみでOKです。市外に引越しをする場合は、前住所の役所で交付してもらった医療負担区分等証明書を提出し、高齢受給者証の加入手続きを行いましょう。
③ 介護保険被保険者証の手続き
同一市内に引越しをする場合、介護保険被保険者証の手続きは、役所で新しい住所に書き換えたものを発行してもらいます。
市外に引越しをする場合は、介護サービスを利用していない方は引越し先の役所で介護保険の加入届の手続きを行います。市外に引越しをする方で介護サービスを利用している場合は、引越し日から14日以内に前住所で交付してもらった「受給資格証明書」を提出し、要介護認定・要支援認定の申請することで、引越し前と同じ介護サービスを受けることができます。
■6.印鑑登録の手続き
不動産取引や自動車登録などの手続きが必要な方は、印鑑登録の手続きを速やかに済ませておきましょう。
同一市内に引越しをする場合は、転居届の手続きを行えば自動的に印鑑登録の住所が変更となります。市外に引越しをする場合は、本人確認書類、登録する印鑑を持参し、新しい住所の役所で登録の手続きを行います。
■7.ペットの登録住所変更手続き
ペットを飼育している方は、ペットの登録住所変更手続きもお忘れなく。同一市内の引越しであれば、役所へ登録住所の変更手続きを行います。市外に引越しをする場合は、前住所で交付された鑑札を持参のうえ、新住所の役所で登録住所の変更手続きを行いましょう。
■8.運転免許証の住所変更
運転免許証の住所変更は、新しい住所の警察署で行う方法が1番早くて便利です。その他、運転免許センターや運転免許試験場でも手続きができます。手続きには運転免許証と新しい住所が確認できるもの(住民票や郵便物など)、印鑑、都道府県によっては申請用の写真が1枚必要です。
■9.車庫証明書の申請手続き
自動車を所有している方は、まず自動車車検証の変更手続きに必要な車庫証明書の申請手続きを行う必要があります。管轄する警察署で手続きを済ませましょう。
手続きに必要なものは下記の通りです。
・自動車保管場所証明申請書
・保管場所の所在図、配置図
・保管場所使用権原疎明書面
・保管場所使用承諾証明書
・住民票、もしくは印鑑証明書
・印紙
・印鑑
印紙は警察署で当日購入できます。
■10.自動車車検証の住所変更手続き
自動車車検証の住所変更手続きは、引越し日から原則15日以内に、管轄の運輸支局、もしくは軽自動車検査協会で行いましょう。
手続きに必要なものは下記の通りです。
・申請書
・手数料納付書
・自動車税申告書
・自動車車検証
・自動車保管場所証明書
・新住所を確認できるもの
・印鑑
申請書、手数料納付書、自動車税申告書は陸運局に用意されており、印紙は当日購入できます。
■11.バイクの住所変更
バイクの住所変更手続きは、車検証などを持参の上、役所や管轄の陸運局で行います。バイクの種類によって必要書類や手続き方法が異なりますので注意しましょう。
■12.銀行の住所変更手続き
銀行の住所変更手続きは、銀行窓口、もしくは郵送、電話、インターネット上から行います。必要なものは手続き方法によって異なりますので、事前にしっかり確認しておきましょう。
■13.クレジットカードの住所変更手続き
クレジットカードの住所変更手続きは、電話もしくは郵送、インターネット上で行います。必要なものはクレジットカード会社により異なりますので、事前に確認しておきましょう。
■14.パスポートの住所変更
パスポートの住所記入欄は任意で記入するところですので、基本的には住所変更の手続きをしなくても問題ありません。ただし、引越しと同時に戸籍上の氏名が変わった場合や本籍地の都道府県が変わった場合は変更手続きが必要です。
■15.電気の使用開始手続き
電気は事前に申し込みをしていない場合でも、一般的には引越し当日から使用できます。使用開始において立会いは不要です。新居に備え付けられている「電気使用開始申込書」に必要事項を記入して郵送するか、インターネット上から速やかに申し込みましょう。
■16.水道の使用開始手続き
水道も事前に申し込みをしていない場合でも、引越し当日から使用できます。使用開始において立会いは不要です。新居に備え付けられている「水道使用開始申込書」に必要事項を記入して郵送するか、インターネット上から速やかに申し込みましょう。
引越し前に準備できること
次に、引越し後の手続きをスムーズに行うために引越し前に準備しておきたいことについてまとめていきます。
■1.転出届
市外へ引越しをする場合は、引越し前の住所の役所で転出届の手続きが必要です。引越し日の2週間前までには手続きを済ませ、「転出証明書」を取得しておきましょう。
■2.ガスの使用開始手続き
ガスの使用開始には必ず立会いが必要。引越しの1〜2週間前を目安に、新居を管轄するガス会社へ電話をかけるか、もしくはインターネット上から立会い日時の予約を入れておきましょう。ガス会社が繁忙期である3月、4月は予約が埋まってしまう可能性がありますので速やかに連絡を。引越し当日に予約をとれないと、当日ガスが使用できませんので大変不便です。
■3.インターネットの開通予約
電気や水道、その他住所変更はインターネット上からも手続きができます。しかし、肝心のインターネットが開通していないと、スムーズに手続きを行えません。最近ではスマートフォンからも手続きが可能ですのでそう困ることも少ないかもしれませんが、インターネットは早めに開通させておいたほうがなにかと便利でしょう。
インターネットの開通手続きは、可能であれば1ヶ月ほど前から申し込んでおくのがおすすめ。繁忙期は開通の工事の予約がとれず、希望の日までに開通ができない可能性があるためです。
■4.郵便物の転居届
旧住所に届いた郵便物を新住所へ無料で転送するために、郵便局へ転居届を提出しておきましょう。転送期間は届出日から1年間ですが、更新も可能です。手続きは郵便局の窓口か郵送、インターネットから行うことができます。
手続きしなかったらどうなる?
続いて、引越し後にやるべき16個の手続きを怠った結果、どのようなトラブルが待ち受けているのかについてまとめていきます。
■1.住民票異動手続き
住民票の異動手続きは、住民基本台帳法第22条で14日以内に行わなければならないと定められています。住民票の異動手続きが遅れてしまうと、最大5万円の罰則を受ける可能性がありますので注意が必要です。
■2.国民健康保険加入手続き
国民健康保険の加入手続きが遅れてしまった場合、その間の医療費が全額自己負担となってしまいます。また、保険料の支払い義務も遡って発生しますので注意しましょう。
■3.国民年金の住所変更手続き
国民年金の住所変更手続きが遅れ、未納期間が発生してしまうと、将来の年金受け取り額が減額されてしまう可能性がありますので注意が必要です。
■4.子供の手続き
① 児童手当の手続き
児童手当の手続きが遅れてしまうと、児童手当を支給してもらえない月が発生してしまうことがあります。15日以内に確実に手続きを済ませておきましょう。
② 母子手帳の手続き
妊娠している方は、母子手帳と一緒に交付される「検診補助券」の交換手続きを速やかに済ませておく必要があります。手続きが遅れてしまうと、妊娠検診の費用が全額自己負担となってしまいます。
■5.高齢者の手続き
① 後期高齢者医療被保険者証の手続き
後期高齢者医療被保険者証の加入手続きをしないでいると、それまでにかかった医療費が全額自己負担となってしまいます。さらに、保険料の支払い義務も遡って発生してしまいます。
② 高齢受給者証の手続き
高齢受給者証の加入手続きも行わないでいると、それまでにかかった医療費が全額自己負担となってしまいます。保険料の支払い義務も遡って発生してしまいます。
③ 介護保険被保険者証の手続き
介護保険被保険者証をお持ちの方で、介護サービスを利用している場合、引越し日から14日以内に手続きを行わないと新たに介護認定等の手続きを踏まなければならなくなり、これまでと同じ介護サービスが受けられなくなってしまう可能性があります。
■6.印鑑登録の手続き
印鑑登録の手続きは引越し後必ずしも必要なものではありません。不動産取引や自動車登録の予定がある方は印鑑登録の手続きを行っておく必要がありますので早めに済ませておきましょう。
■7.ペットの登録住所変更の手続き
ペットの中でも住所変更の手続きが必要なのは、犬を飼育している場合です。犬を飼育する場合、狂犬病予防法という法令に基づき、引越し日から30日以内に行わないと罰則が科せられることもあります。
■8.運転免許証の住所変更
運転免許証の住所変更手続きをしなくても引き続き運転をすることはできますが、免許の更新案内が届かず、最悪のケースでは失効してしまうこともあります。また、住所変更がされていないと本人確認書類として使えなくなってしまいます。
■9.車庫証明書の住所変更手続き
車庫証明書の住所変更手続きは、法律で15日以内に行うよう義務付けられています。手続きを行わないと、10万円以下の罰金が科せられることもあります。
■10.自動車車検証の住所変更手続き
自動車車検証の住所変更手続きは、法律で15日以内に行うよう義務付けられています。手続きを行わないと、50万円以下の罰金が課せられることも。また、各種書類が届かず、税金滞納扱いになってしまい、延滞料金が発生してしまうことがあります。
■11.バイクの登録住所変更
バイクの登録住所変更手続きが行われていないと、各種書類が届かず、税金滞納扱いになってしまい、延滞料金が発生してしまうことがあります。
■12.銀行の住所変更手続き
銀行の住所変更手続きは、行わなかったところでキャッシュカードが利用できなくのるわけでもなく、ついうっかり忘れてしまいがちです。しかし、銀行の住所変更手続きを済ませておかないと、銀行からの重要な郵便物が届かなくなり、さらに郵便物が宛先不明で返送されることによってサービスが一時的に利用制限されてしまうこともあります。
■13.クレジットカードの住所変更手続き
クレジットカードの住所変更手続きを行わないと、更新後の新しいカードが届かなくなってしまったり、最悪の場合、住所不明扱いでカードが解約されてしまったりすることもあります。
■14.パスポートの住所変更
パスポートの住所変更手続きを行わなくても、基本的には何も問題はないでしょう。ただし、引越しと同時に戸籍上の氏名が変わった場合や本籍地の都道府県が変わった場合に変更手続きを行なっていないと、明確な旅券法違反となってしまいますので注意が必要です。
■15.電気の使用開始手続き
電気の使用開始手続きを行わなくても数日は問題なく電気を使用することができますが、ずっと手続きを行わないでいると電気が止まってしまいます。
■16.水道の使用開始手続き
水道の使用開始手続きも、すぐに行わなくても数日は問題なく水を使用することができますが、ずっと手続きを行わないでいると水が止まってしまいます。
手続きする時の注意点
最後に、引越し後の手続きをするときに注意したい点についてあげていきます。
■1.なるべく早めに手続きをしましょう
引越し後に行うさまざまな手続きには、期限が定められているものもあれば、特別に期限が定められていないものもあります。しかし、どの手続きも結果的には必要な手続き。手続きが遅れてしまうと、さまざまなトラブルに見舞われてしまう可能性があるのです。期限が定められているものも、そうでないものも、速やかに手続き行っておくようにしておけば安心です。
■2.手続きに必要なものをよく確認しましょう
当然のことですが、手続きによってそれぞれ必要なものは違います。引越し後はやることが多く、バタバタと忙しい時期。手続きを行う際は必要なものをしっかりと確認し、一度で手続きを済ませることができるよう、万全に準備を整えておくようにしましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。引越し後にやるべき手続きをまとめてみることで、全体像がつかみやすく、やり忘れを防ぐことにつながります。引越し後にやるべき手続きをきちんと済ませておかないと、あとで面倒なことになりかねません。やるべき手続きはしっかりと済ませ、素敵な新生活を送ってくださいね。