日本の家や民家の周辺に出没するねずみは、大きさ順に「ドブネズミ」「クマネズミ」「ハツカネズミ」の3種類です。糞のサイズもねずみの体長に比例して、体が大きくなるほど糞も大きくなります。
どのねずみも日本全国に生息しており、寒くなって食べ物が少なくなると民家に侵入し、暖かくなると家から出ていく傾向があります。冬によく見ていたねずみの糞が、夏にはあまり見かけないのもそのためです。
糞があるということは、家の中で何かしら被害が発生しています。糞を放置しておくと、ますますねずみや害獣害虫に居心地のいい場所になってしまうので、早めの駆除を心がけましょう。
ねずみの糞尿の形と特徴
■ドブネズミの糞尿
ドブネズミの糞は、大きさが10ミリから20ミリほどで、こげ茶色や灰色をしています。家に出没するねずみの糞の中では一番大きくて太く、糞をする場所が1カ所にかたまっています。ゴミ捨て場にいるねずみであれば、ドブネズミと考えて間違いありません。人間のおしっこ以上に臭いのですぐわかります。
縄張りは16メートルから50メートル程度あり、パイプや壁を自由に昇り降りし、天井裏や押入れ、台所など家の中のあらゆる場所に出没します。水辺が好きで、泳ぐことも得意です。湿った場所が好きなので、ジメジメした所に糞があったらドブネズミになります。
ドブネズミは20センチから30センチで、体重も200グラムから500グラムはあります。ドブネズミは「キーキー」鳴いて攻撃的な態度に出ます。家の中では10月から3月によく糞が見られます。
■クマネズミの糞尿
クマネズミの糞は、大きさが6ミリから10ミリほどで、茶色や灰色をしています。細長い糞で、パラパラとあちこちに糞が見られます。床や棚の上、換気扇まわり、食品の袋やダンボールが積み重なった上に糞があったらクマネズミの可能性が高いです。
寒いのが苦手なので秋には民家に入り込む習性があり、植物の種や穀物、果物が好きです。クマネズミ本体は15センチから20センチで、重さは100グラムから200gになります。ドブネズミが嫌いなので、糞が1センチよりも小さければクマネズミ、大きければドブネズミと考えられます。
縄張りはドブネズミ同様、16メートルから50メートル程度あり、外壁や電信柱、電線を伝って家に侵入します。屋根と壁の隙間などから入ってくるので、出入口付近の壁や天井が黒く擦れていることがあります。
クマネズミは攻撃もしてきませんし、鳴くこともありません。泳ぎは得意ではないので、積極的には泳ぎません。家の中では10月から3月に糞が見られます。
■ハツカネズミの糞尿
ハツカネズミの糞は、大きさが4ミリから7ミリほどで、お米ほどの大きさです。茶色で先が尖っているのが特徴になります。ハツカネズミ本体は5センチから10センチ程度で、重さも10グラムから30グラムととても小さいので、糞もドブネズミやクマネズミと比べると小さくなります。
家よりも倉庫や船の中、食品工場によく出没するねずみで、小さい身体の割には、おしっこが大変臭いのが特徴です。天井ににおいのするシミができていたらハツカネズミかもしれません。
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「ネズミのふんくらいで業者は必要ない。自分で掃除して入って来ないように対策しよう!」と思っているかもしれません。
しかし1度でも侵入したネズミは侵入口をガッチリと塞がない限り、住み心地の良い家屋には何度でも侵入します。
ネズミが通る場所はネズミの体についたバイ菌や害虫などであっという間に汚染。「わずかな物音でもネズミを怖がってしまう」など思っているよりかなり早いスピードで精神的に疲弊します。
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ねずみの糞と間違いやすい糞6種類
①クロゴキブリ
クロゴキブリの糞は2ミリから2.5ミリの大きさで、茶色か黒の丸い形をしています。ねずみの糞と比較すると明らかにサイズは小さくなっています。ゴキブリは2ミリほどの隙間があれば、戸棚や引き出しに入ることができます。そのため、引き出しや食器棚など、しっかり閉めているのに中に糞がある場合はゴキブリの可能性が高いです。
②チャバネゴキブリ
チャバネゴキブリの糞は1ミリ程度で、薄い茶色や黒色をしています。チャバネゴキブリの糞も、ねずみの糞と比べるととても小さいです。クロゴキブリの糞かチャバネゴキブリの糞かは、害虫駆除業者でも区別がつけにくいものです。しかし、ねずみの糞よりも明らかに小さいので、1ミリから2ミリ程度でコロコロと丸い糞であればゴキブリ、米粒状もしくはお米よりも細長い形状で5ミリ以上であればねずみの糞と判断しましょう。
③コウモリ
コウモリの糞は5ミリから10ミリほどで、茶色をしています。ねずみの糞にとても似ていますが、ねずみは雑食ですがコウモリは昆虫を主に食べているので、比較するとコウモリの糞は乾いています。
倉庫の中や軒下などにコウモリのふんが落ちている場合、すぐにでも業者に駆除依頼を検討しましょう。海外ではコウモリは狂犬病のウイルスを持っていることが正式に報告されており、乾燥したふんの飛沫を吸い込むことも危険です。
コウモリ駆除ならコウモリの生態を熟知している業者に依頼するのが1番です。
④ナンキンムシ(トコジラミ)
ナンキンムシはトコジラミとも言われている害虫で、血液を吸うので糞が赤黒いのが特徴です。ナンキンムシの糞はコロコロとはしておらず、糞の跡が絵の具やペンで点を描いたようになっています。糞のサイズは2ミリほどで、壁や木材部分にシミ跡として残ります。
⑤イガ
イガは毛糸や毛皮などを食い荒らす昆虫です。洋服ダンスにいることが多く、イガの幼虫は毛糸や服の繊維を使って筒状の住まいを作ります。その住まいが6ミリ程度の長さがあり、ねずみの糞と見間違えることが多いので気をつけてください。毛糸やスーツ、毛皮の近くにあればイガの幼虫かもしれません。
⑥カマキリ
カマキリの糞は5ミリ程度なので、ねずみの糞ととてもよく似ています。カマキリは昆虫を食べるので、糞の色は食べた虫の色をしています。夏の終わりから秋にかけて、家の庭やベランダでカマキリを見たら、カマキリの糞の可能性も捨てきれません。
■害虫駆除をプロに依頼するタイミングとは?
「ねずみのふんかと思ったけど、どうやらゴキブリのふんかもしれない」と判明した方はゴキブリ対策をしっかりと行いましょう。
一般的なお宅なら
・置き型のベイト剤や燻煙剤などで家にひそんでいるゴキブリを巣ごと抹消
・その後は新たにゴキブリが入ってこないように防虫スプレーなどで対策
上記の手順でゴキブリの被害は防ぐことができます。
しかし「いくら燻煙剤をたいてもゴキブリが出てくる」という場合はプロによる作業でなければ解決しないかもしれません。
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ねずみの糞と他の糞の区別方法
ねずみの糞か、ゴキブリなどの他の生き物の糞かを区別する時には、5ミリ以上ならねずみの糞の可能性が高いので、まずはサイズで区別してみてください。1ミリから2ミリ程度であればゴキブリの糞です。
米粒状もしくは細長い米粒のような形をしていたら、ねずみの可能性が高く、コロコロと丸くて小さければゴキブリです。
糞が落ちている場所が引き出しの中や、密閉された食器棚の中など出入り口がわからない場所であればゴキブリの糞で、台所の隅や生ゴミの近くなど、自由に出入りしやすい場所であればねずみの糞の可能性が高いです。
ねずみの糞を見つけた後の掃除・消毒方法5ステップ
■①ねずみの糞尿掃除は素手で触らず「マスク」「手袋」をして作業する
ねずみの糞やおしっこには、病原菌やウイルス、寄生虫がひそんでいるので決して素手で触ってはいけません。小さくても危険です。
ねずみの被害で一番怖いのは、食べ物を食べられることではなく、病原菌を家の中に持ち込まれることです。食中毒の原因となるサルモネラ菌や、E型肝炎、腹痛や発熱、血便の症状が出る腸チフス、人だけでなくペットも感染するレプトスピラ症、急な呼吸不全になるハンタウィルス肺症候群など、ねずみによってさまざまな病気のウイルスが広められます。
■②ねずみの糞尿は、掃除機よりも濡れた布で拭くのがおすすめ
ねずみの糞を掃除機で吸うと、細かい糞やウイルスを部屋中にまき散らしてしまうので、捨てても良い濡れ雑巾で拭くのが1番です。雑巾で拭く場合も、砕けた糞が空中に舞いますので、マスクをしてください。
ネズミの糞の中には、イエダニが入っていることがあります。イエダニは血液を吸うので、血と一緒に病原菌も吸っています。イエダニを触ることで病気のウイルスに触れてしまう危険性もあります。
もしも掃除機で糞を吸い取ったら、ゴミパックの中で糞の中の病原菌が育ってしまう危険性がある
のでゴミパックは当日のうちにすぐ捨ててください。
■③ネズミの糞尿を掃除した後は、塩素系漂白剤やアルコールをスプレーして消毒・除菌・殺菌
ねずみの糞を片付けたら、キッチンハイターのような塩素系漂白剤や、アルコールをスプレーして殺菌しましょう。水拭きだけでは、消毒になりません。
アルコールとエタノールのどちらを買えば良いか迷うと思いますが、たくさんあるアルコール類の総称が「アルコール」なので、エタノールもアルコールの中に入っています。
ねずみの糞だけでなく、おしっこを発見した場合も、塩素系漂白剤やアルコールで除菌しましょう。
■④カーテンやマット、カーペットを洗濯して高温乾燥
カーテンや床に敷くマット、カーペットなど洗濯できるものであれば、手洗いもしくは洗濯機で洗ってください。掃除機で吸い取った糞以外にも、目に見えない細かい糞やダニ、菌などがついています。
洗濯表示を見て、高温で洗濯できるのであれば、50度以上か60度以上のお湯で洗うと、滅菌することができます。ダニやノミがついている場合でも、高温で洗うことで死滅します。
高温のお湯で洗えなくても、熱風で乾燥させたりアイロンをかけたりすることで、滅菌除菌ができます。
■⑤ねずみ用忌避剤で予防
ネズミ専用忌避スプレー ブラック K12045
ねずみはハッカやミント系のハーブ、月桃、ワサビなどのにおいが苦手です。スーッとする香りが苦手なので、ねずみがよく出る家は庭や玄関脇などにミントやレモンに似た香りがする植物を植えると寄り付かなくなります。
店舗やマンションなど植物を育てられない場所の場合は、ハッカやミント系の香りがするスプレーでねずみを防ぐことができます。自分でハッカのアロマオイルを買って、自作のねずみ用忌避スプレーを作る場合は、水100mlにつきアロマオイル2、3滴をたらしてください。
自作のスプレーは一回ごとに作るのが面倒という場合には、市販のねずみ専用忌避スプレーを使っても良いでしょう。
場所としては、ねずみの通り道や、床下、生ゴミの近所、天井裏、物置、ゴミ置き場などにスプレーします。半月に1度のサイクルでスプレーすれば、次第にねずみが寄り付かなくなります。
まとめ
ネズミの糞尿を見つけたら、必ず手袋とマスクをしてから掃除するようにしましょう。ネズミは放置しておくとどんどん増えてしまうので、早めの駆除も大切です。