屋根裏や天井裏から聞こえてくる「ドタドタ」「カサカサ」という不審な音。床下に何者かが住みついている気配。その正体は、もしかするとイタチかもしれません。
実物を見ると愛らしくつぶらな瞳で可愛らしい姿をしたイタチ。「駆除してしまうのもかわいそうだし、そのままにしておこう」…なんて見た目にだまされてはいけません! 家に住み着いたイタチは速やかに駆除しておかないと、わたしたちにとってさまざまな不都合が生じてしまいます。
この記事では、イタチを駆除する5つの方法や駆除をする際の注意点などについて紹介していきます。
イタチの生態
現在日本では「ニホンイタチ」と「チョウセンイタチ」が生息しており、人家に住み着くのは、主にチョウセンイタチの方です。近年では、安全で安定した環境を求めて、屋根裏や床下などの人家に住み着く姿が多く見受けられるようになりました。
ニホンイタチとチョウセンイタチ、それぞれの特徴について知っておきましょう。
ニホンイタチ
【ニホンイタチ】
日本全国に生息する
体色は茶褐色・暗褐色
・体長はオスが30〜37cm、メスは20〜27cm
・繁殖期は春
・1度に1〜8匹出産、子育てはメスのみ
チョウセンイタチ
【チョウセンイタチ】
ニホンイタチより尾が長い
・体色は黄褐色・暗褐色
・体長はオスが28〜39cm、メスは25〜31cm
・繁殖期は春
・1度に2〜12匹出産、オスも子育て
・ニホンイタチよりも尾が長い
イタチ駆除方法5つ
それでは、イタチを駆除したいときにわたしたちかできることとはどのようなことなのかについてみていきましょう。イタチを駆除するためには5つの方法があります。
■① イタチが嫌う【におい】で駆除
イタチは嗅覚がとても発達しています。その特性を利用して、イタチが嫌がるにおいがするものを設置したり、散布したりする方法が効果的です。
イタチを【木酢液】【クレゾール石鹸液】で駆除
イタチが嫌がるにおいとして具体的にあげられるのが、木酢液やクレゾール石鹸液などのにおいです。これらのにおいはかなり強烈で、イタチがとても嫌がる傾向があります。
●木酢液とは…
木酢液とは、木材を乾留した際に生じる乾留液の上澄分のことです。主に農薬的な使用、もしくは民間療法などで使用されています。
●クレゾール石鹸液とは…
クレゾール石鹸液とは、一般的には原液を水で薄めて使用する刺激性の強い殺菌消毒成分のことです。クレゾール臭と呼ばれる不快で強烈なにおいを放ちます。
木酢液 紀州産
クレゾール石ケン液
イタチを【お酢】【漂白液】で駆除
ご家庭にあるお酢や漂白液もイタチが嫌うにおいと言われています。ただし、木酢液やクレゾール石鹸液と比較するとにおいが弱く、その分効果も弱いため、頻繁に設置したり散布したりしなければ効果があらわれないでしょう。
■② 光と超音波でイタチ駆除
イタチを駆除するためのグッズとして販売されている、「光」を発生させる装置や「超音波」を発生させる装置。これらは一定の効果を発揮しますので活用してみても良いでしょう。
イタチを【光を発生させる装置】で駆除
音波・光 アニマルガーディアン2台
光はイタチを追い払うのに効果を発揮します。そもそもイタチは夜行性ですので光をあまり好みませんし、さらに光をあてることで外敵に見つかったと危険を察知して逃げ出すのです。光が当たる場所に使わなくなったCDやホログラムシートをぶらさげておくことで光が乱反射し、さらに高い効果を発揮します。
イタチを【超音波を発生させる装置】で駆除
ガーデンバリアミニ GDX-M
イタチに限らず、動物は人間よりも高い周波数を聞き取ることができます。そのため、動物が嫌がる超音波を発生させてイタチを駆除する方法も効果的です。ただし、イタチが超音波に慣れてしまい再び家に住み着くケースも見受けられますので注意が必要です。
■③ 天敵の尿を使った駆除剤でイタチ駆除
イタチの天敵といえば、ワシやタカなどの猛禽類やキツネ、オオカミなどがあげられます。イタチの天敵であるキツネやオオカミの尿を撒いておくことで、イタチを寄せ付けない効果を期待することができます。
キツネやオオカミの尿を自分で確保することは難しいでしょうから、これらの尿を含んだ害獣忌避剤を使用すると良いでしょう。害獣忌避剤の例としてあげられるのが、「ウルフピー」、または「アニマルピー」という製品。これらの害獣忌避剤は、オオカミをはじめとしたピューマ(山豹)などの獣の100パーセント天然尿で、害獣を寄せ付けない効果を十分に発揮してくれます。
ウルフピー4袋[オオカミ尿100%]
■④ イタチをバルサンで駆除
イタチを駆除するために、バルサンなどの燻煙材を利用するのも良いでしょう。大量な煙とにおいがイタチを追い出してくれます。バルサンを使って駆除をするメリットはなんと言ってもその手軽さです。しかも、燻煙剤による駆除は、プロの業者も用いるイタチの駆除手段。効果に即効性があるのも魅力でしょう。
ただし、気密性の低い場所には効果を発揮しませんので注意が必要です。また、バルサンは4畳半以下の狭い空間では使用することができませんので注意しましょう。イタチを追い出したあとは、侵入経路となる穴や隙間を徹底的に塞ぐことも忘れずに。
■⑤ 犬を飼ってイタチを駆除
犬は動くものを追いかける習性をもちます。そのため、目の前を素早く横切っていくイタチを見つけたら追いかけ、危険を察知したイタチを追い出すことのできるかもしれません。犬種によっては本能で捕獲してしまうこともあるでしょう。ただし、屋根裏などの犬の目に触れない場所にイタチが住みついた場合は、犬を飼ってもイタチ駆除に役立ちません。
イタチを早く駆除したほうがいい理由4つ
さて、クリッとした目で愛らしい顔をしたイタチですが、いくら可愛らしいからといって放っておいてはいけません。イタチを放っておいた場合に、わたしたちの生活に起こりうる被害についてまとめていきます。
■① イタチが来ると建物が傷む
イタチは巣をつくるとき、屋根裏の断熱材などの壁の材料を巣の材料としますので、断熱材の効果が薄れたり、家が傷つけられたり、荒らされたりしてしまいます。
また、フンや尿などにより天井板にシミができてしまったり、最悪の場合板が腐って抜け落ちてしまったりすることもあります。
■② イタチによる悪臭被害
イタチそのものの獣臭に加え、イタチは雑食(肉食寄り)ですので、フンがとても臭いです。屋根裏や床下だけでなく、家の居住スペースにまでイタチによる悪臭が漂ってしまうことがあります。
■③ イタチによる騒音被害
イタチは夜行性の動物です。そのため、昼間よりも夜になると活発に動き回ります。夜と言えば、わたしたち人間にとっては寝静まっている時間帯。わたしたちが寝ている間に天井裏や家の中を走り回り、『カサカサ』『ドタドタ』といった騒音被害をもたらすのです。
■④ イタチの病原菌による健康被害
イタチはわたしたち人間にとって有害な病原菌(サルモネラ菌、ペスト菌、レプトスピラ菌、鼠噛症菌、ハンタウィルスなど)を保有している可能性があります。特に抵抗力の低いお子さんやお年寄りがいるご家庭では要注意です。
イタチの捕獲や毒薬使用は法律で禁止。4つのポイント!
さて、そんなわたしたちの生活にさまざまな被害をもたらすイタチですが、「早速駆除グッズを購入して駆除してしまおう!」…というわけには実はいきません。なぜならイタチは「鳥獣保護管理法」という法律で守られており、捕獲や駆除をする場合には法律に則って行わなければならないのです。
■① イタチのメスは全面的に捕獲禁止!
イタチのメスは、「鳥獣保護管理法」により捕獲が全面的に禁止されています。そのため、わたしたちができる駆除方法としては、追い出す方法しかありません。
■② イタチのオスも捕獲に規制あり!
では、イタチのオスであれば自由に捕獲しても良いのかと言うとそういうわけではなく、イタチのオスも捕獲に規制があります。イタチのオスは狩猟期間内(冬季のみ)で、自治体からの許可があれば捕獲してもOKです。ただし、駆除したいイタチがオスなのかメスなのか、素人判断するのは難しいかもしれません。
■③ イタチの毒薬による駆除はNG
イタチは捕獲とあわせて、毒薬などを使用した駆除方法も鳥獣保護管理法で禁止されています。その証拠に、ネズミやアリ用の毒エサは置いてあっても、イタチ用の毒エサはホームセンターで売られていません。この法律を知らずに、ネズミ用の毒エサを使って駆除してしまう方もまれにいらっしゃるようですが、法律違反により処罰されてしまう可能性がありますので気をつけましょう。
■④ イタチを追い出す方法ならOK
捕獲もダメ、毒薬もダメとなると、わたしたちができるイタチの駆除方法は、「追い出すこと」しかありません。殺さずに、傷つけずにイタチを追い出しましょう。
● 鳥獣保護管理法について
「鳥獣保護管理法」とは、野生の鳥類や動物と、それらが影響する自然環境全体の生態系の保護を目的として、2014年5月に成立した法律です。「鳥獣保護管理法」は、従来の「鳥獣保護法」を改正したことで成立した法律で、野生鳥獣の法的な「保護」だけではなく、「管理」という側面についても強く意識されています。
イタチ駆除をプロに頼んだ場合の料金相場
ここまで読んで、イタチ駆除を自力で行うのは困難、または面倒だと感じた方もいらっしゃるでしょう。そんなときは、プロの業者にイタチの駆除を依頼するのがおすすめです。イタチ駆除をプロの業者へ依頼した場合、気になるのがその料金ですよね。
ここではイタチ駆除をプロの業者に依頼する場合の業者の選び方、かかる費用の相場について説明していきます。
■① イタチ駆除の業者の選び方
イタチ駆除業者を選ぶときのポイントは、イタチ駆除を専門に行っている業者を選ぶことです。イタチ駆除は、イタチの生態や駆除方法をスタッフが熟知していることがまず大前提です。自分自身もインターネットなどを通じてイタチの生態について学び、業者の方がいい加減な説明をしていないか見極めることが重要です。
また、見積調査を丁寧に隅々まで行ってくれるかどうかも重要なポイントです。見積調査には、どんなに現場慣れしている方でも最低でも1~2時間かかります。天井裏や屋根裏、床下などしっかりと隅々まで調査してくれているかどうかチェックしておきましょう。
■② イタチ駆除の料金相場
イタチ駆除の料金相場は、50,000円~90,000円です。隣の家との距離が近い場合など、状況によってはオプション料金が必要となるケースもあるでしょう。
■おすすめイタチ駆除業者|害獣駆除110番
210万人が選んだ「害獣駆除110番」は14,300円〜の格安でイタチの駆除に対応。見積もりは駆除費用だけでなく殺菌・消毒費用や清掃費用全て込みなので、作業後の追加料金はありません。
価格と駆除技術に自信があるから他社との相見積もりも歓迎!無料見積もり候補に入れて、経験豊富かつ最安の優良業者を見逃さないようにしましょう。
害獣駆除110番公式ページ
「もしかして侵入されてる?」と思った今のうちに、侵入経路の特定・封鎖と徹底した消毒をプロに依頼しましょう。建具の修繕や健康被害で病院に通うことを考えると、今のうちにプロに対策してもらうのが確実かつ結局1番安い対策方法といえます。
二度と家にイタチを入らせないために
どうにか無事に追い払うことができたイタチ。しかし、まだまだ安心してはいけません。イタチは同じ場所に糞尿をする性質があり、あなたの家に再度戻ってくる可能性があるのです。
イタチ駆除後の2次被害を防ぐために、徹底的に対処をしておきましょう。
■① イタチの糞尿の掃除
前述のとおり、イタチは同じ場所に糞尿をする習性があります。つまり、糞尿をしっかりと撤去しておかなければ、また彼らのトイレに戻ってきてしまう可能性があるわけです。そうでなくてもイタチのフンはにおいも相当なものですので、しっかりと撤去するようにしましょう。
また、イタチの巣やフンには、たくさんの病原菌が付着しています。家に住み着いている虫などを通じ、イタチの病原菌が家族の病気や食中毒の原因となってしまうこともあります。消毒・殺菌を十分に行いましょう。
■② イタチの侵入経路を封鎖
イタチ駆除のあとに行う作業として最も大切なのが、侵入経路を封鎖することです。
イタチは主に屋根や床下の隙間から侵入してきます。傷んでいる壁などがあれば壊して入ってくることもありますので、イタチ駆除後は、シミがついた箇所や壊された箇所の補修をしっかりと行っておきましょう。
そして、イタチがもう家の中にいないことを確認してから、侵入口をしっかりと塞ぎます。金網やパンチングメタル、防獣ネットなどを活用すると良いでしょう。イタチは隙間が3センチあれば侵入することができます。小さな隙間も見落とさないように注意し、しっかりと対策しておくことが大切です。
まとめ
イタチは鳥獣保護管理法という法律によって保護されています。そのため、イタチの駆除は、法律に則って適切な方法で行う必要があります。
わたしたちができる一番身近な駆除方法は、イタチを「追い出すこと」です。まずイタチを追い出すことを試してみて、それでもダメなら、自治体に相談をするか、もしくはプロの業者に駆除のお願いをしてみると良いでしょう。
イタチはわたしたちにとっては害獣でありながら、保護の対象となるほど比較的希少な動物です。自然環境の保全を念頭に置きながら、正しい方法で駆除するようにしてくださいね。