漂白剤と聞くと、とにかく真っ白に仕上げてしまうというイメージが強く、「色柄物には使用できなし、どうにも使いづらい」と感じている方も多いでしょう。
しかし、漂白剤は色柄物に使用できるものもあり、正しく選んで上手に使ってあげることで色柄物のシミや汚れをすっきりきれいに、そして白物はより真っ白で美しく仕上げることができます。
この記事では、洗濯用漂白剤4タイプを詳しく解説し、おすすめの洗濯用漂白剤を紹介していきます。
洗濯用漂白剤とは?成分や特徴など
洗濯用漂白剤と言えば、普段のお洗濯では落としきれないようなシミ、黄ばみ、汚れ、さらに嫌な臭いに効果を発揮する、暮らしのお助けアイテムです。
洗濯用漂白剤には、粉末タイプの酸素系漂白剤、液体タイプの酸素系漂白剤、塩素系漂白剤、還元系漂白剤の4タイプに分けることができ、それぞれ成分や特徴に違いがあります。
■1.粉末タイプの酸素系漂白剤
粉末タイプの酸素系漂白剤は、過酸化ナトリウムを主成分とします。作用は穏やかですが、液体タイプと比べるとやや強めです。
■2.液体タイプの酸素系漂白剤
液体タイプの酸素系漂白剤は、酸性の過酸化水素に界面活性剤などの洗剤成分が含まれています。穏やかな作用が特徴です。
■3.塩素系漂白剤
塩素系漂白剤は強力な作用が特徴です。
■4.還元系漂白剤
還元系漂白剤は、ハイドロサルファイトや二酸化チオ尿素を主成分とします。作用は強力で、塩素系と真逆の方法でシミや汚れを漂白します。
洗濯用漂白剤4種類
洗濯用漂白剤には、上記に紹介したとおり、粉末タイプの酸素系漂白剤、液体タイプの酸素系漂白剤、塩素系漂白剤、還元系漂白剤の4タイプがあります。
ここではこの4タイプの漂白剤について、もっと詳しく解説していきます。
■1.酸素系漂白剤【粉末】
酸素系漂白剤の粉末タイプは、アルカリ性の過酸化ナトリウムを主成分とした漂白剤です。塩素系と比べると漂白力は劣るものの、色柄の服などにも使用でき、消毒や殺菌もできます。
酸素系漂白剤の液体タイプと比べると漂白力が強く、温水によるつけ置き洗いで衣類を漂白していきます。長時間つけてしまうと、生地を傷めたり、色落ちしたりする可能性もあります。2時間以上のつけ置きはやめておいたほうが良いでしょう。
■2.酸素系漂白剤【液体】
酸素系漂白剤の液体タイプは、酸性の過酸化水素に界面活性剤などの洗剤成分が入っており、酸素と汚れを反応させて汚れを落としていきます。マイルドなタイプの漂白剤であまり刺激が強くなく、使い方も簡単で、手軽に使えるのが魅力の漂白剤です。
酸素系漂白剤の液体タイプは、お洗濯の際に普段使っている洗剤と併用することで洗浄力を高める効果や、消毒や殺菌効果を期待することができます。気になるシミや汚れに直接染み込ませて使用してもOKです。
■3.塩素系漂白剤
塩素系漂白剤は強力な漂白剤です。漂白力が強く色素を破壊するため、柄物には使用できず、シーツやシャツなどの真っ白な衣類にしか使用できません。また、ファスナーやホックなどの金属製の付属品がついた衣類にも使用することができませんので、注意が必要です。
塩素系漂白剤は漂白力に加えて除菌・殺菌力もかなり高く、漂白剤の中でも洗浄力ナンバーワンを誇ります。洗濯槽の掃除にも使用することができ、強力殺菌してくれますので、洗濯槽の黒カビや嫌なにおいにお悩みの方はぜひお試しあれ。
■4.還元系漂白剤
還元系漂白剤は、漂白剤の中でも、わたしたちに最も馴染みのない漂白剤ではないでしょうか。
還元系漂白剤とは弱アルカリ性の性質をもつハイドロサルファイトや二酸化チオ尿素が主成分とした粉末タイプの漂白剤で、酸素系漂白剤のように酸素と汚れを反応させるのではなく、酸素を奪い取って色素を分解させ、漂白していきます。
還元系漂白剤は、塩素系漂白剤と同様、真っ白な衣類にしか使うことができません。漂白方法がほかと異なりますので、ほかの漂白剤では落ちなかった黄ばみや汚れが落ちる可能性を秘めている、実は注目しておきたい漂白剤です。
還元系漂白剤は、特に鉄サビに高い効果を発揮しますので、シンクなどのサビ落としとしても大活躍してくれますよ。
洗濯用漂白剤の使い方を解説!色落ちは大丈夫?
つぎに、上記で紹介した4種類の洗濯用漂白剤の使い方を解説していきます。大切な衣類をダメにしてしまわないためにも、使用の際は正しい方法で使いましょう。
■1.酸素系漂白剤【粉末】
まず、酸素系漂白剤の粉末タイプの使い方について解説していきます。酸素系漂白剤の粉末タイプは、つけ置き洗いが基本です。
① 使い方
酸素系漂白剤の粉末タイプでつけ置き洗いをするときは、洗濯桶に40℃〜60℃のお湯を用意しましょう。酸素系漂白剤の粉末タイプは常温の水に溶かすことができません。洗剤が水に溶け込まないと、そもそも漂白できませんので注意しましょう。
お湯を準備したら、規定量の酸素系漂白剤を溶かし、しばらくつけ置き洗いをしていきます。
② つけ置き時間は30分〜2時間で!
酸素系漂白剤の粉末タイプは、アルカリ性です。そのため、長時間つけてしまうことで色落ちしてしまう危険があります。つけ置き時間は、30分〜2時間以内に留めましょう。
■2.酸素系漂白剤【液体】
つぎに、漂白剤の中で最もポピュラーな酸素系漂白剤の液体タイプの使い方について解説していきます。酸素系漂白剤の液体タイプは、洗濯の際に洗剤と一緒に入れる方法が一般的ですが、つけ置き洗いにも適しています。
① 使い方
酸素系漂白剤の液体タイプは、洗剤と併用して使うことで漂白力が高まります。いつもの洗濯をするときに洗剤と一緒に規定量の酸素系漂白剤を入れて使用しましょう。シミや汚れに効果を発揮するだけでなく、嫌なニオイも改善してくれます。
また、酸素系漂白剤の液体タイプは、シミや汚れに直接つけて染み込ませて使用することもできます。
② 直接つけた場合は色落ちに注意
酸素系漂白剤の液体タイプは、上に述べたとおり、シミや汚れに直接つけて染み込ませることができます。ただし、色落ちしてしまう可能性が否定できませんので、長時間つけ置きをするのはやめておいたほうが無難でしょう。漂白剤が十分に染み込んだところで、すぐに洗い流しておくと安心です。
■3.塩素系漂白剤
次に、漂白剤の中で最も漂白力が強い塩素系漂白剤の使い方について解説していきます。塩素系漂白剤は効果が強力ですので、取り扱いも慎重にならなくてはなりません。
① 使い方
塩素系漂白剤の使い方は、つけ置き洗いが基本です。洗濯桶に水をため、規定量の漂白剤を入れ、5分〜30分ほどつけ置き洗いをしていきます。生地が傷んでしまいますので、2時間以上のつけ置きはやめましょう。
漂白剤を使いたい白物の衣類がいくつかある場合は、洗濯機を使って一気に洗うこともできます。その場合、洗濯機に洗剤とあわせて規定量の塩素系漂白剤を入れ、いつも通り洗濯機を回しましょう。
② 色落ち注意! 心配なら色落ちチェックを
塩素系漂白剤は、基本的には色落ちするものと考え、白物以外の衣類への使用は避けましょう。白物であっても黄ばんでしまう可能性もありますので、心配であれば塩素系洗剤を使用する前に、色落ちチェックを行っておくのをおすすめします。
色落ちチェックの方法は、規定量の水で薄めた塩素系漂白剤を綿棒に染み込ませ、目立たない場所に塗布し、5分ほど放置するだけです。色落ちチェックをして変色してしまったものは塩素系漂白剤が使用できません。クリーニングを検討しましょう。
■4.還元系漂白剤
最後に、還元系漂白剤の使い方について解説していきます。還元系漂白剤はあまり馴染みがなく、使用方法が複雑なのではないかと敬遠されがちですが、基本的にはほかの漂白剤の使用方法とあまり変わりはありません。
① 使い方
洗濯桶に40℃程度のお湯を入れ、規定量の還元系漂白剤を溶かして30分ほどつけ置きます。長時間のつけ置き洗いは生地が傷んでしまう恐れがありますので、2時間以上つけ置きするのはやめましょう。
② 色柄ものはNG!
還元系漂白剤は効果が強力なため、塩素系漂白剤と同様、色柄ものに使用すると色落ちしてしまう可能性があります。白物以外の使用は避けましょう。
洗濯用漂白剤を使用する頻度
洗濯用漂白剤は、どのくらいの頻度で使用するべきなのでしょうか。漂白剤を使用するおすすめの頻度は、漂白剤の種類によって異なります。漂白剤の種類ごとにみていきましょう。
■1.酸素系漂白剤【粉末】
まず、酸素系漂白剤の粉末タイプのおすすめの使用頻度についてみていきましょう。
① 普段から使うのは控えたほうが○
酸素系漂白剤の粉末タイプは、液体タイプと比べると漂白効果が強力です。その分、生地へのダメージが強く、普段から使用するのは控えておいたほうが無難でしょう。
② おすすめの使用頻度
酸素系漂白剤の粉末タイプは、3日から5日に1度のペースでの使用がおすすめです。色落ちの心配が少なく安心して使うことができる漂白剤ではありますが、生地の傷みがやや心配ですので、あまり頻繁に使用するのは控えましょう。
■2.酸素系漂白剤【液体】
つづいて、酸素系漂白剤の液体タイプのおすすめの使用頻度についてみていきましょう。
① 生地の傷みの心配はほとんどなし
酸素系漂白剤の液体タイプは、効果がマイルドな分、生地の傷みもほとんどありません。普段から安心して使用することができます。
② おすすめの使用頻度
酸素系漂白剤の液体タイプは、毎日のお洗濯に洗剤とあわせて使用するのがおすすめです。毎日使用することで除菌・殺菌効果も発揮してくれますので一石二鳥。毎日のお洗濯にどうぞ。
■3.塩素系漂白剤
つぎに、塩素系漂白剤のおすすめの使用頻度についてみていきましょう。
① 生地の傷みに要注意!
塩素系漂白剤は、漂白剤の中でも効果が強力で、白物を気持ちよく真っ白にしてくれます。ただし、その分生地が傷みやすくなっていますので注意が必要です。
② おすすめの使用頻度
塩素系漂白剤は効果が強力なため、日常的に使用するのはおすすめできません。白物のシミや汚れが気になったときにだけ使用するようにしましょう。
■4.還元系漂白剤
最後に、還元系漂白剤のおすすめの使用頻度についてみていきましょう。
① 生地の傷みに要注意!
還元系漂白剤は塩素系漂白剤の次に強力な漂白剤で、白い衣類にしか使用できないほど強い漂白力をもっています。そのため、生地を傷めてしまう可能性がありますので注意が必要です。
② おすすめの使用頻度
還元系漂白剤も、塩素系漂白剤と同様、日常的な使用は避け、シミが気になる白物があるときにだけ使用するようにしましょう。塩素系漂白剤を使用したことで変色した、もしくは黄ばんでしまった衣類に使用すると大変有効ですよ。
洗濯用漂白剤おすすめランキングTOP5
それでは、お洗濯するときにおすすめの洗濯用漂白剤を紹介していきます。漂白したい衣類やあなたのライフスタイルに合わせて、最適な漂白剤を見つけてみましょう。
■1.シャボン玉 酸素系漂白剤
酸素系漂白剤 シャボン玉 酸素系漂白剤 750g
人にも環境にも優しい、シャボン玉ナチュラルクリーニングシリーズ「シャボン玉 酸素系漂白剤」は、お洗濯にはもちろん、食器洗い、お掃除などさまざまなシーンで役立つ暮らしの万能漂白剤です。酸素系漂白剤ですので、ツーンとした嫌な臭いがせず、色柄物の漂白や、コーヒー、紅茶、調味料などによるシミ抜きにも安心して利用することができます。スニーカー全体のどろんこ汚れは、つけ置きしたあとでこすり洗いをすれば、スッキリきれいに生まれ変わりますよ。
お洗濯のほかにも、塩素系漂白剤では洗うことのできないステンレス水筒などのステンレス部分にも使用可能。使用方法が幅広く、皆様の暮らしのあらゆるシーンで活躍します。
■2.パックス 酸素系漂白剤
パックス 酸素系漂白剤 詰替用 500g
地球環境や肌にやさしい石けん、シャンプー、歯磨き粉、化粧水、UVクリーム等を販売しているパックスナチュロンシリーズの「パックス 酸素系漂白剤」は、衣類用、台所用の粉状漂白剤です。ちゃんと洗っているのにくすみが気になるシャツや、臭いや黄ばみが気になる衣類、赤ちゃんの肌着やオムツ洗いまで、いつものお洗濯につけ置き洗いをプラスすることで、酸素の泡が穏やかに汚れを取り除きます。除菌・消臭効果と合わせてスッキリ気持ちの良い仕上がりを実現する、環境にも身体にもやさしい漂白剤です。
■3.ARES 過炭酸ナトリウム
過炭酸ナトリウム(酸素系漂白剤) 1kg
過炭酸ナトリウムとは、酸素系漂白剤の主成分で、除菌・漂白・消臭効果をもつ成分のこと。「ARES 過炭酸ナトリウム」は、界面活性剤や蛍光剤を含まない、純粋な漂白成分のみの製品です。水に溶けることで炭酸ソーダと酸素になる過炭酸ナトリウムは、塩素系漂白剤と違って環境にも優しく、色柄物でも安心して使用することができますよ。毎日のお洗濯やつけ置き洗いはもちろん、キッチン用品の漂白や除菌、浴室掃除など、あなたの使い方次第で生活のさまざまなシーンで活躍する、便利で安心な漂白剤です。
■4.オキシクリーン
オキシクリーン(1500g) 酸素系漂白剤
近年SNSに多数投稿され、注目を集めているのが、「オキシ漬け」と呼ばれる、このオキシクリーンによる漂白方法です。オキシクリーンとは粉状の酸素系漂白剤で、界面活性剤を含まない環境にも配慮した製品。とにかく家のどこにでも使えると主婦の皆様に大評判なんです。気になる衣類のシミや黄ばみ、血痕などもすっきり落とすことができ、日常的に使用することで洗濯槽の除菌効果まで期待できますよ。食品衛生法・規格基準適合品で調理にも使えるため、ニオイの強い食品の調理やお肉やお魚をこねる際の調理にも使えるとのこと。オシャレなパッケージも人気のひみつですよ。
■5.地の塩社 酸素系漂白剤
地の塩社 酸素系漂白剤 500g
「地の塩社 酸素系漂白剤」は、過炭酸ナトリウム100%の酸素系漂白剤です。カラダと環境にも配慮し、皆様の洗濯物はもちろん、キッチン用品などもスッキリ漂白・除菌・消臭します。毎日のお洗濯にプラスして、さらに気になる汚れや臭いにはつけ置き洗いをして、皆様の衣類をしっかり洗浄&除菌。
そのほか、調理用品の漂白・除菌・消臭や洗濯槽の丸洗いなど、暮らしのあらゆるシーンで大活躍間違いなしのとっても便利な家庭用洗浄剤です。
まとめ
洗濯用漂白剤は、酸素系のものであれば気軽に利用することができます。色柄物の漂白や普段使いとして使用したい場合は、酸素系漂白剤を選び、お湯の温度に気をつけながら正しい方法で利用しましょう。
塩素系や還元系の漂白剤は、使い方を誤ると大失敗してしまうこともあります。ただし、塩素系や還元系の漂白剤は、白物をより真っ白で美しく仕上げてくれるというメリットを持ち合わせています。漂白したい衣類が白物である場合は、塩素系や還元系の漂白剤を使う方が気持ちよく仕上がりますのでおすすめです。
どの漂白剤を使用する場合も、その特徴を理解した上で、記載されている使用方法や規定量をしっかり守り、正しい方法で漂白してあげることが、洗濯物をきれいに仕上げる一番のコツと言うことができます。それぞれメリットとデメリットを併せ持つ4タイプの漂白剤。上手に選んでくださいね。