漂白剤の中でも使いやすさNO.1なのが、「酸素系漂白剤」。とは言え、やっぱり漂白剤ですから、生地の傷みや色落ちが心配という方も多いでしょう。
酸素系漂白剤は、使い方さえきちんとマスターしておけば、生地の傷みや色落ちを心配することなく使用することが可能です。この記事では、酸素系漂白剤の洗濯方法を4ステップに分けてわかりやすく説明し、効果的な使い方や注意点などについて詳しくまとめていきます。
酸素系漂白剤の洗濯方法をしっかりマスターし、白ものも、色柄ものもスッキリキレイな仕上がりを実現しちゃいましょう。
酸素系漂白剤の洗濯方法4ステップ
それでは早速、酸素系漂白剤を使った洗濯方法をみていきましょう。酸素系漂白剤を使った洗濯は、4つのステップで行う「つけ置き洗い」が基本です。
■1.先に衣類の汚れを洗剤で洗う
まずはじめに、下処理として衣類の汚れを、洗剤を使ってもみ洗いしておきます。酸素系漂白剤を使用する前に衣類の汚れをできるだけ落としておくことで、漂白箇所を減らすことができますので、酸素系漂白剤の効果をより高めることができます。
■2.水ですすぐ
汚れを落とした衣類は水ですすぎ、ざっとで構いませんので洗剤成分を落としておきましょう。これで大体の汚れは落ちているはずですが、落としきれなかった汚れを、つぎのステップで酸素系漂白剤を使って落としていきます。
■3.酸素系漂白剤を入れたお湯につけ置く
ざっと汚れを落としておく下処理を済ませたら、いよいよ酸素系漂白剤の出番です。酸素系漂白剤をお湯に溶かし、30分以上つけ置き洗いをします。
ほとんどの汚れは水よりもお湯を使った方が落ちやすいため、お湯を使ったほうが効果的です。粉末状の酸素系漂白剤水を使う場合は、そもそもお湯にしか溶けませんので、40度以上の温かめのお湯を使いましょう。
■4.水ですすぐ
最後に、衣類を水でしっかりとすすぎ、漂白剤の成分を落としましょう。洗濯物のすすぎがしっかりなされていないと、敏感肌やアトピーを引き起こす原因になりかねません。
どんなに肌に優しいと言われている漂白剤や洗剤でも、配合されている洗浄成分や化学物質洗剤は人の肌にとって多かれ少なかれ悪影響を及ぼします。肌トラブルを避けるためにも、すすぎはしっかりと行った方が無難です。
酸素系漂白剤で洗剤をパワーアップ
酸素系漂白剤のつけ置き洗いをするときの方法について上に紹介してきましたが、酸素系漂白剤は普段の洗濯洗剤にプラスすることで、洗浄力や殺菌・除菌力をパワーアップすることができます。普段のお洗濯に上手に活用してみましょう。
■1.洗剤と一緒に使うことで漂白力アップ!
「塩素系漂白剤」と比べると漂白力が圧倒的に落ちる代わりに、色柄ものにも問題なく使えるというメリットを持つ「酸素系漂白剤」。
いつもの洗濯洗剤にプラスして使用しても、塩素系漂白剤を使用したときのように衣類が脱色してしまう恐れはありません。それどころか、普段のお洗濯では落ちないようなシミ、汚れに効果的に作用し、落ちやすくしてくれる効果があります。
■2.なぜ漂白力が上がるの?
粉末タイプの酸素系漂白剤は、アルカリ性の性質を持っていますので、汗や皮脂などの頑固な酸性汚れに高い効果を発揮します。普段の洗濯洗剤の効果を邪魔することなく、さらにアルカリ度を上げることができますので、漂白力が上がるというわけです。
一方、液体タイプの酸素系漂白剤は弱酸性。弱アルカリ性の洗濯洗剤と混ざることで酸とアルカリが反応し、活性酸素を発生させ、漂白力と除菌力を強めることができるのです。
■3.洗濯物の嫌なにおいにも働きかける!
さらに、酸素系漂白剤は除菌・消臭効果も高く、洗濯物の生乾きや雑菌の嫌なにおいにも働きかけます。普段の洗濯洗剤にプラスするだけで、しっかりと除菌・消臭効果が期待できるなんて、とても心強いですね。
酸素系漂白剤を洗濯に毎日使って大丈夫?
これまで紹介してきたとおり、洗濯物がスッキリキレイになり、さらに除菌・殺菌までできてしまうとっても便利な酸素系漂白剤。「それならば、毎日のお洗濯に力を貸してもらおう!」と考える方も多いでしょう。
でも、ちょっと待ってください。いくら効果が穏やかで色柄ものにも使えて安心だからと言って、お洗濯に毎日使っても大丈夫なのか、不安に思いませんか?
ここでは、酸素系漂白剤を毎日の洗濯に使っても問題がないかについてまとめていきます。
■1.酸素系漂白剤には液体タイプと粉末タイプがある!
酸素系漂白剤には、液体タイプと粉末タイプがあるのをご存知でしょうか。どちらも同じ「酸素系漂白剤」と呼ばれる漂白剤なのですが、液体タイプの方が粉末タイプと比べると効果が穏やかで、水洗いさえ可能であればウールやシルクにも使用することができてしまうほどです。
液体タイプと粉末タイプの酸素系漂白剤の違いについては、後ほど詳しく説明していきます。
■2.毎日のお洗濯には「液体タイプ」の酸素系漂白剤を
毎日の洗濯に酸素系漂白剤を使用する際は、「液体タイプ」がおすすめです。しっかり洗濯しているはずなのに、洗濯物の黄ばみや黒ずみが気になってくることはありませんか? そんなときは、酸素系漂白剤を毎日の洗濯にプラスしてみましょう。衣類全体の黄ばみや黒ずみを防ぐことができます。
さらに、酸素系漂白剤を毎日使用することで除菌・殺菌効果も期待できますので、嫌なにおいを防ぐことができ、梅雨時期や部屋干しにも安心して使うことができますよ!
生地の傷みや色落ちの心配もほとんどなく、普段使いにぴったりの漂白剤と言うことができるでしょう。
■3.粉末タイプの酸素系漂白剤は生地の傷みや色落ちの心配も!
酸素系漂白剤の粉末タイプは、液体タイプと比べると漂白力や殺菌力に優れています。しかし、その分生地を傷めてしまったり、色落ちしてしまったりする危険性も持ち合わせています。そのため、毎日のお洗濯に使用するのはおすすめできません。
粉末タイプの酸素系漂白剤は、頑固な汚れがある場合につけ置き洗いをして使用するのがおすすめです。洗濯物に付着している皮脂や汗は、酸性汚れ。アルカリ性の性質をもつ粉末タイプの酸素系漂白剤ならスッキリ落とすことができますよ。
酸素系漂白剤で洗濯できるものと、できないもの
そんな抜群な使い勝手の良さが魅力の酸素系漂白剤ですが、もちろん使えないものもありますので注意が必要です。ここでは、酸素系漂白剤で洗濯できるものとできないものについてまとめていきます。
■1.洗濯できるもの
・ 木綿、麻、化学繊維などの白もの、色柄もの
普通に洗濯機に入れてお洗濯ができる衣類であれば、基本的には問題なく酸素系漂白剤を使用することができると考えて良いでしょう。ただし、酸素系漂白剤の分量を規定量より多くしてしまうと、生地を傷めたり色落ちしたりしてしまう危険がありますので、分量には十分に注意しましょう。
■2.洗濯できないもの
・ 水洗いできないもの
・ デリケートな繊維
・ 金属の飾りがある部分
・ 自然素材の飾りがある部分
・ 色落ちしやすい布製品
そもそも水洗いができないものは、酸素系漂白剤を使って洗濯することができません。また、ウールやシルクなどのデリケートな繊維は、基本的に酸素系漂白剤を使用することはできません。ただし、水洗いのできるウールやシルクは、液体タイプの酸素系漂白剤であれば使用可能です。
また、衣類に金属や自然素材(木製など)の飾りや留め具がついている場合は、その部分に酸素系漂白剤を使用することはできませんので注意しましょう。
その他、草木染めや生成りなどの色落ちしやすい布製品にも、酸素系漂白剤の使用はおすすめできません。
酸素系漂白剤と塩素系漂白剤の違い
これまで何度か「塩素系漂白剤」という言葉を出してきましたが、ここでは塩素系漂白剤と酸素系漂白剤の違いについて詳しくみていきます。
塩素系漂白剤は効き目がありすぎてお洗濯に全く使えないというわけではありません。その特徴や使い方をしっかりマスターしておくことで、安心して使用することができます。
■1.塩素系漂白剤とは
これまで何度か「塩素系漂白剤」という言葉を出してきましたが、ここでは塩素系漂白剤と酸素系漂白剤の違いについて詳しくみていきます。
塩素系漂白剤は効き目がありすぎて洗濯に全く使えないというわけではありません。その特徴や使い方をしっかりマスターしておくことで、安心して使用することができます。
■1.塩素系漂白剤とは
塩素系漂白剤の漂白剤効果はかなり高く、汚れをグングン落としてくれる上に強力な殺菌効果をもつ優れものです。繊維の奥に潜む雑菌や汚れまで働きかけ、根こそぎ撃退。スッキリキレイで気持ちの良い真っ白な仕上がりを実現します。
■2.酸素系漂白剤とは
酸素系漂白剤は、液体タイプと粉末タイプの2タイプに分けられ、それぞれ成分がことなります。塩素系漂白剤と比べて効果が穏やかでツンとしたにおいがなく、使いやすさが魅力です。
・粉末タイプ
過酸化ナトリウムを主成分とする漂白剤です。液体タイプよりも漂白力が高く、純粋な漂白剤です。
・液体タイプ
液体タイプは過酸化水素水と界面活性剤などの成分がはいっています。ちょうど漂白剤と洗濯洗剤を混ぜ合わせたような感じです。
■3.塩素系漂白剤を使った洗濯に向いているもの
塩素系漂白剤は、綿や麻、ポリエステルなどの化学繊維の「白もの」衣類のお洗濯に適しています。色柄ものは色落ちしてしまいますので、使用は控えましょう。
■4.塩素系漂白剤の使い方
塩素系漂白剤は、つけ置き洗いか、洗濯機で洗うのが基本です。
① つけ置き洗いの方法
洗濯桶に規定の分量の水と塩素系漂白剤を入れ、しばらくつけ置きします。つけ置き時間は、5分〜30分程度が良いでしょう。あまり長い時間つけてしまうと生地が傷んでしまいます。2時間以上のつけ置き洗いはやめましょう。
塩素系漂白剤にしばらくつけ置いたあとは、洗剤が残らないようにしっかりとすすぎ、いつも通り干して乾かせばOKです。
② 洗濯機で洗う方法
シミや汚れを取りたい白ものが何点かある場合は、塩素系漂白剤を使って洗濯機で洗う方法が効率的です。規定の分量を守り、洗剤と同じタイミングで塩素系漂白剤を入れて洗濯機を回しましょう。洗濯が終わったら、いつも通り干して乾かせばOKです。
■5.塩素系漂白剤の使用上の注意点
最後に、塩素系漂白剤を使う上で注意したい点についてまとめていきます。塩素系漂白剤は強力な漂白剤ですので、注意事項はしっかりと確認しておきましょう。
① 素手で触れない
塩素系漂白剤はアルカリ性です。触るとヌルヌルしていて、手に付着すると水で洗ってもなかなか落ちません。手荒れの原因となりますので、素手で触るのは控えましょう。また、目に入ると失明してしまう恐れもありますので、取り扱いには十分に注意しましょう。
② 酸性の洗剤と混ぜない
塩素系漂白剤のパッケージには、「混ぜるな危険」の注意書きがあります。なにが危険なのかというと、塩素系の洗剤は、酸性のものと混ぜ合わせることでかなり毒性の強い塩素ガスが発生してしまう点。これは、戦争で毒ガスとして用いられたこともある大変危険なガスなのです。実際に、主婦の方の死亡事故も発生しています。
塩素系漂白剤を使用するときは、ほかの洗剤と混ざることのないように十分に注意する必要があります。
液体と粉末では、同じ酸素系漂白剤でも違う?
ここまでに、酸素系漂白剤には液体タイプと粉末タイプがあることを何度か述べてきました。どちらのタイプの酸素系漂白剤も効率良く使用するために、酸素系漂白剤の液体タイプと粉末タイプの違いについて理解を深めておきましょう。
■1.液体タイプ
液体タイプの酸素系漂白剤は、過酸化水素水に界面活性剤などの洗剤成分が入ったものです。液性は弱酸性で、効果はマイルド。水洗いが可能であれば、ウールやシルクにも使用できます。
漂白剤の中でも扱いやすさはピカイチですので、普段のお洗濯に併用して使うのがおすすめです。
■2.粉末タイプ
粉末タイプの酸素系漂白剤は、過酸化ナトリウムを主成分としています。液性は弱アルカリ性で、液体タイプと比べると強力。ウールやシルクには使用できません。
漂白力は塩素系漂白剤ほどではありませんが、色柄もののシミや汚れをしっかりと落としたいときにおすすめです。
まとめ
酸素系漂白剤は、効果がマイルドですので色柄ものにも使えて大変使い勝手の良い漂白剤です。使い方をしっかりとマスターし、普段から上手に活用していくことで、より楽に、そしてより効果的にわたしたちの洗濯物を美しく仕上げてくれることでしょう。梅雨の時期には嫌なにおいにも効果を発揮してくれますので、大活躍してくれること間違いなしですよ。