暑い時期のアイロンかけは、いつにもまして面倒ですよね。特にワイシャツはシワが目立ちやすい上に枚数も多く、特に気が進まないものです。
せっかくアイロンをかけてもあまりキレイにならないし、これならクリーニングに出したほうが……と思っている方も多いのではないでしょうか。でも、クリーニングに毎回出すのはもったいないし、金銭的な負担も見逃せませんね。
この記事では、家でもクリーニング並にキレイにワイシャツのシワを伸ばせるアイロンがけの方法をステップ別にまとめてみました。
ワイシャツをピシッと仕上げるために知っておきたい、洗濯のりの選び方や揃えておきたいグッズもご紹介しています。ぜひ参考にしてくださいね。
ワイシャツにアイロンをかける順番15ステップ
ここでは家庭でできるワイシャツにキレイにアイロンをかける方法をご紹介します。いつもなんとなくかけてはいるけど仕上がりがイマイチ……という方も、正しい手順を知ることで見違えるようにキレイになります。
いつもの道具を用意したら、手順を追ってかけてみましょう!
■1 ワイシャツに洗濯のりをつける
洗濯のりは、ハリのある質感に仕上げるために欠かせません。見た目だけでなく、繊維がコーティングされることによる防汚効果も期待できます。汚れが定着しにくくなるので、白系のワイシャツには特に効果的ですね。
洗濯のりには色々な種類がありますが、基本的には使いやすいものでOK。
主に漬けおきタイプや洗濯機にそのまま入れられるもの、アイロンをかける時にスプレーするタイプの3種類に分けられます。また、天然のりは硬くハリのある仕上がりに、合成のりはしなやかで扱いやすいのが特徴です。好みの仕上がりになるものを探してみるのも良いですね。襟や袖だけスプレーでピンポイントにのり付けするのもおすすめですよ。
■2 アイロンの温度を設定する
アイロンの温度設定は、基本的にはワイシャツの内側についている絵表示に従いましょう。ここでは、素材ごとの目安温度をご紹介したいと思います。
綿100%のワイシャツは高温(160℃~210℃)、ポリエステル等の化繊が入っているものは中温(120℃~160℃)でかけましょう。
ただし、色の濃いドレスシャツや織り柄の入っているものは、綿素材でもテカリが出やすいことがあります。はじめてアイロンをかける時は、低い温度から様子を見ながらかけるようにしましょう。あて布を使うのも効果的です。
■3 生乾きの状態でアイロンをかける
アイロンをかけるときは、衣類に湿り気がある状態でかけるのが基本です。
乾いたままでは伸ばしにくいシワも、力を入れずに伸ばすことができるので衣類に負担がかかりません。霧吹き等でまんべんなく湿り気を与えてからアイロンがけをするようにしましょう。
洗濯物の乾きにくい時期は生乾きのままでかけてしまってOKです!嫌なニオイもなくすっきり乾いてシワも伸びるので、一石二鳥です。
■4 慣れるまでは当て布をする
ワイシャツのように薄い素材のものは、基本的にはあて布は必要ありません。しかし、生地が薄いぶん温度調整や力のいれ方を誤ると簡単に焦げや穴ができてしまいます。アイロンに慣れていない間は、あて布を使ってかけたほうが安全でしょう。
■5 袖口の裏にアイロンをかける
袖口のカフス裏からアイロンをかけていきます。自然な丸みが出るよう、軽く引っ張りながらアイロンをかけましょう。力を入れる必要はありません。アイロンの重みでかけていくのがコツです。
裏表かけることで、より仕上がりがキレイになりますよ。
■6 袖口の表
ピシッと整った袖口は全体の印象を左右するので、表側もきちんとアイロンをかけましょう。
裏側と同じように、軽く引っ張りながらアイロンをかけていきます。ボタンの部分は上から押さえたりせずに、周りを軽くプレスするだけで充分です。
■7 袖の縫い目がある側
脇の縫い目を揃えてアイロン台に置きます。縫い目をまっすぐに整えるようなイメージで、袖口側から上に向けてアイロンをかけていきましょう。
袖口のタック部分は、ひだの内側にアイロンの先を挿し込むようなイメージでふんわり仕上げます。上から押さえつけると余計なシワができやすくなるので注意しましょう。
■8 袖の縫い目が無い側
ひっくり返して、裏側も同じようにかけていきます。前身頃へつながる部分は、アイロンをコの字に回転させて縫い目を整えながらシワを伸ばしていきましょう。
布が重なっている部分をかけるときは、アイロン台の上で表面をなでて平らになっているかを確認します。裏側がまっすぐになっていない時はポコッという手触りを感じるので、袖口をつかんで軽くひっぱって整えましょう。
特にカフス部分はシワになりやすいので、丁寧にチェックするようにしたいですね。
■9 襟の裏
袖と同じように、襟も裏表両面かけることで仕上がりがよりキレイになります。
右から中央、左から中央、という感じで、端から中央に向けてかけていきましょう。この時も、反対側から軽く引っ張りながらかけるのがコツです。
■10 襟の表
全体の印象を大きく左右する襟は、きちんとシワを伸ばすだけでなくふっくら立体的に仕上げたいもの。
スポット用のアイロンのりを使う時はこのタイミングで使いましょう。かたよりが出ないよう、まんべんなくのりをスプレーしてからアイロンをかけます。ラペルがピンと立つよう、丁寧に形を整えていきましょう。
■11 ポケットがある側の前身頃
前身頃に大きなシワがあったりヨレヨレだととても目立ちますよね。
アイロン台にまっすぐ置いたら、下から上にアイロンをかけていきましょう。特にボタンのついている部分(前立て)は、軽く引っ張りながら縫い目を整えるイメージでかけていきます。
力を入れすぎたり斜めにかけると、繊維がよじれて布が伸びてしまいます。特に柄物やストライプは、布が伸びると一目瞭然なので特に気をつけたいですね。
■12 ワイシャツの後側
前身頃がきれいになったら、そのままシャツを動かして背中側もかけていきます。
ストライプや柄の入っているシャツは、柄がよじれないよう下から上にまっすぐかけましょう。この時アイロンを小刻みに動かしたり、ジグザグにしないのがポイントです。アイロンは、動き次第でシワのできやすさが大きく変わってきます。他の衣類にも応用できる方法なので、ぜひマスターしてくださいね。
背中のタック部分は、カフスの時と同じようにひだの部分にアイロンの先端を挿し込むイメージでふんわり仕上げましょう。
■13 ポケットが無い側の前身頃
背中の次は、そのままシャツを動かして反対の前身頃も同じようにかけていきます。ポケットがないので多少かけやすいですね。
脇の縫い目をアイロン台の縁に沿わせて置くと、まっすぐセットしやすくなりますよ。ボタン部分は、軽くプレスする程度で充分キレイになります。
■14 肩ヨーク
肩ヨークとは肩部分の切り替えのことです。柄物のワイシャツなら切り替え部分がわかりやすいですね。
この部分は芯は入っていないものの生地が二重になっています。基本的なかけ方は襟や袖と同じと思えば良いでしょう。アイロン台の丸い部分に肩をひっかけて、丸みに沿ってかけていくとやりやすいですよ。これも端から中央に向けてかけていきます。
■15 仕上げ
最後に、第三ボタンまで留めた状態で全体を整えます。きちんと裏表からアイロンをかけると、襟がふっくらと立体的になるのがわかりますね。毎回かけるのは大変ですが、よそ行きのシャツや気合いを入れたい日には、念入りにアイロンをかけたいものです。
アイロン直後の衣類は湿気が残っています。風通しの良い場所にかけておき、完全に冷めてからタンス等にしまうようにしましょう。
ワイシャツのアイロンがけに必要なグッズ5つ
ワイシャツのアイロンかけに役立つグッズを5種類ほど集めてみました。どれも他の衣類にアイロンをかける時にも使えるものばかりです。
一度揃えてしまえば長年使えるものが多いので、これを機に揃えてみましょう!
■1 アイロン
アイロンの価格は本当にさまざまですが、最初から高いものを買う必要はないでしょう。最初の1台に購入するアイロンでおすすめなのは『ある程度重さを感じられる手頃な価格の物』です。
コードレスタイプやハンガーにかけたまま使えるもの等、さまざまな機能がありますので自分に合ったものをチョイスしましょう。
アイロンはある程度重さがあるもののほうがシワが伸びやすく扱いやすいと言われています。アイロンの重みでシワが伸ばせる1~1.5kg程度を目安に選ぶのがおすすめです。握って作業をするものなので、ハンドルのグリップ感は意外と重要なポイントです。できれば、量販店等で直接触ってみて選ぶと良いでしょう。
■2 アイロン台
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意外と高価なアイロン台ですが、あるとないでは仕上がりに大きな差が出ます。一度買えば、長年使えるものなのでこの機会に揃えておくと良いでしょう。
アイロン台は、床に座って使うタイプのものや板状のもの、高さ調節のできるもの等があります。作業効率と疲れにくさを考えると、少し価格は上がりますが高さ調節のできるものがおすすめです。椅子に座ったままアイロンがけができるので、たくさんの衣類をかけるのが苦になりません。上でご紹介しているように、肩部分にフィットするような形状のものは、ヨーク部分のアイロンかけの時に便利です。また、衣類が床につかないので、せっかくアイロンをかけた衣類がシワになってしまうことを防げます。
コンパクトに畳めるタイプのものもあるので、ぜひ検討してみてくださいね。
■3 洗濯のり
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洗濯のりは、ボトルタイプのものとスプレータイプのものに分けられます。ボトルタイプのものは洗濯時に、スプレータイプのものはアイロンをかける時に使います。
ボトルタイプは、漬けおきしてから洗濯機に入れるものと直接洗濯機に投入できるものがあります。複数の衣類にのり付けしたい時は、ボトルタイプにすると良いでしょう。
スプレータイプは、のり付けしたい部分にスプレーしてからアイロンをかけます。襟や袖等にピンポイントでのり付けしたい時に、気軽に使えるのが特徴です。
のり付けというと面倒なイメージがありますが、仕上がりのハリ感や防汚効果等、かなりコストパフォーマンスの高いアイテムです。クリーニング代の節約にもなりますので、ぜひチャレンジしてみてくださいね。
■4 霧吹き
スチームアイロンなのに、アイロンがけでは霧吹きが推奨されているのはなぜでしょうか?それは、細かいスチームの粒子は薄手の衣類を貫通してしまって水分が行き渡らないからなのです。
また、完全に乾いた衣類はシワが伸びにくいので、霧吹きで水をかけると全体的にしっとりと湿ってアイロンがかけやすくなります。
スプレー容器は100円ショップで安価に手に入りますが、少し値段の高いものはスプレー範囲が広く、作業が格段に楽になります。ひとつは持っておくと良いですね。
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■5 当て布
ダイヤ なめらかアイロンあて布
ワイシャツのように薄手の生地は、温度設定やかけ方を誤ると簡単に焦げてしまいます。特に、濃色や織り柄のついたシャツは高温によるテカリも気になるものです。アイロンがけに慣れないうちは、こういったあて布を活用するのも効果的です。
専用のものを用意するのも良いですが、使っていない手ぬぐいやハンカチでも代用可能です。できるだけ柄のないものが使いやすいのでおすすめです。
形態安定シャツならアイロン不要?
アイロンなしで着られると人気の形態安定シャツですが、本当にノーアイロンでも問題ないのでしょうか?
形態安定加工とは、繊維に特殊な加工をしてシワのない状態を持続するものです。この加工は何度も洗っているうちに劣化していくので、ずっと着ていくうちにシワやへたりが気になってくることも。
その場合はアイロンをかけたほうが良いですが、形態安定加工のシャツは高温に弱いので、必ず中温以下でかけるようにしましょう。
また、水滴が落ちるほど湿った状態で干すことでシワを伸ばす方法もあります。形態安定シャツには効果を発揮することもあるので、試してみるのもひとつの方法です。
まとめ
いかがでしたか?
家事に慣れないうちはアイロンがけも時間がかかって大変ですよね。でも、慣れてくれば数分でかけることができます。
きちんとアイロンのかかったワイシャツは、清潔感や信頼感を演出するうえで欠かせないものです。クリーニングだけでなく、自分でアイロンをかけてメンテナンスができるようになれば安心ですね。