あなたは素材に合ったアイロンの温度を知っていますか? 素材を無視して高温でアイロンがけをしている方は要注意です。実は素材に合わせてアイロンの温度設定をすると、生地を傷めないでキレイに仕上げることができます。
また定番のアイロンと言えばコード付きでしょう。コード付きアイロンは設定温度をキープすることができるため、シワを伸ばしやすいです。でもコードがアイロンがけの邪魔になることもあります。反対にコードレスアイロンはコードがない分、設定温度をキープするのが難しいです。
今回は素材別の温度設定、アイロンの温度表記、あて布、スチーム機能、コード付き・コードレスアイロン等について、ご紹介します!
アイロンの低中高はそれぞれ何度?
アイロンの温度を気にして使っている方は、どれくらいいるでしょうか? 温度が低いとシワが伸びにくい等のイメージから、アイロンをかける時は高温にして使っている方もいるようです。
アイロンには「低・中・高」の温度設定ボタンやダイヤルがついています。それぞれの温度についてチェックしましょう。メーカーやアイロン等によっては多少の温度差はありますが、大幅な温度差はありません。
・「低=80度~120度」
・「中=140度~160度」
・「高=180度~210度」
素材別のアイロン温度設定
アイロンがけの基本は、「素材に合わせてアイロンの温度調整(低温・中温・高温)をする」ことです。生地を傷めることなく、仕上げることができます。またアイロンには「コード付き」と「コードレス」があり、知っている方も多いでしょう。両者の違いは「コードがあるかないか? 」と「温度差」です。
コードレスアイロンはどこでもアイロンがけができます。でも設定した温度をキープしにくいのが難点です。コード付きアイロンは設定した温度をキープしながらアイロンがけができます。そのためシワを伸ばしやすいです。
では素材別のアイロンの温度、コード付きアイロンとコードレスアイロン等についてご紹介します。
■低温でアイロンがけする素材
アイロンの「低温は80度~120度」です。コード付きアイロンは低温をキープしたままアイロンをかけることができるため、常に80度~120度の低温で効率良くシワを伸ばすことができます。
反対にコードレスアイロンは低温をキープすることができません。そのためアイロンをかけている最中に、度々、充電台に戻す必要があります。低温とは言えアイロンの熱から素材を守りたい方や、シワが何となくスッキリすればいい方はコードレスアイロンでもいいでしょう。
低温はシルクやレーヨン等のデリケートな素材
低温は高温に比べてかなり温度が低いため、「低温でアイロンかけをして、本当にシワが伸びるのか? 」等と半信半疑の方もいるでしょう。低温のアイロンかけに向いている素材であれば、シワは伸びます。
また低温のアイロンかけに適している素材は意外と多いです。シルク等の天然素材や合成繊維等が多く、中温や高温でアイロンをかけると生地が傷みやすい素材が目立ちます。では低温のアイロンがけに向いている素材をチェックしましょう。
・「シルク」
・「毛」
・「ウール」
・「レーヨン」
・「キュプラ」
・「アセテート」
・「ポリウレタン」
■中温でアイロンがけする素材
アイロンの「中温は140度~160度」です。コード付きアイロンは、設定した温度をキープしながらアイロンがけができます。中温でコード付きアイロンを使う時は洋服の身頃等、広い面をアイロンがけするのに最適です。
コードレスアイロンは温度をキープするのが難しいため、できるだけ充電台に置かないで、早くアイロンがけを済ませたい方もいるでしょう。例えば下着等の面積が少ないものや、シワになりにくいストッキング等であれば、早くアイロンがけができるでしょう。
中温は再生繊維のレーヨンや合成繊維のナイロン
中温のアイロンがけに向いているのは、合成繊維や再生繊維を使った洋服等です。例えば水着やフリース、学生服やセーター等があります。また合成繊維や再生繊維は光沢感や、手触りがいいのが特徴です。
中温でアイロンがけをする素材は洗濯機で洗うことができるものが多いため、身近な素材でと言えます。では中温でアイロンがけをする素材をチェックしましょう。
・「レーヨン」
・「キュプラ」
・「ポリエステル」
・「ナイロン」
・「アクリル」
■高温でアイロンがけする素材
アイロンの「高温は180度~210度」です。高温でアイロンがけをする素材は限られており、シワになりやすい素材がメインになります。シワを伸ばしキレイに仕上げるならコード付きアイロンがおすすめです。
高温のコードレスアイロンでもシワを伸ばすことはできます。でも充電台からアイロンを外すと温度が下がるため、アイロンがけに時間がかかるでしょう。高温のコードレスアイロンでできるだけ効率良くシワを伸ばすなら、スチーム機能を使うと便利です。
高温は綿と麻のみ
高温でアイロンがけができる素材はアイロンの熱に強いのが特徴です。またシワになりやすい素材のため、高温でアイロンがけをしないとシワがなかなか伸びません。
何でも高温でアイロンがけをしていた方もいるでしょう。低温でアイロンがけをするべきウールやキュプラ等も、高温でアイロンがけをしていた可能性があります。実は高温でアイロンがけできる素材は、以下の2種類しかありません。
・「綿」
・「麻」
■アイロンがけに向いていない素材
ほとんどの素材はアイロンがけに適していますが、中にはアイロンがけができない素材もあります。アイロンがけができない素材は以下の3つです。
・「ヘビ革」
・「毛皮」
・「楊柳生地」
「ヘビ革」にアイロンがけをしてしまうと、革が縮むため反り返ります。中でもヘビ革は熱に弱い素材のため温度管理が必要です。たとえ低温でアイロンがけをしたとしても、変形します。
「毛皮」もヘビ革と同じく熱に弱いです。アイロンの温度に関係なく毛皮に熱を加えると、毛の1本1本がまるで強いクセ毛のようにうねります。
「楊柳生地」もアイロンがけに向いていません。シワを伸ばすために素材に直接アイロンがけをすると縮みます。低温等、温度に関係なく縮むためクリーニング店にお願いしましょう。
あて布は必要?
「アイロンがけをする時、あて布は必要なの? 」と疑問に感じている方もいるでしょう。アイロンがけは生地に熱を当ててシワを伸ばしていきます。素材によってはアイロン熱のダメージを受けやすいため、あて布が必要です。また洋服等に付いている洗濯表記内には、アイロン表記(あて布表記)等が描かれています。
あて布が必要な素材や、アイロン表記(当て布表記)についてチェックしましょう。
■あて布が必要な素材
当て布が必要な素材から説明します。
・「ウール」
・「カシミヤ」
・「シルク」
・「レーヨン」
・「ポリエステル」
・「ニット」
・「ベルベット」
・「プリントが施されているところ(素材ではないですが、熱で溶けることがあるため)」
■アイロン表記(あて布表記)
素材以外であて布が必要かを判断するなら、アイロン表示を見ましょう。洋服等に付いている洗濯表示内に、アイロンの形をしたマークがあります。アイロンマークは温度や、あて布が必要かを表していると覚えておきましょう。
あて布が必要な場合は「アイロンマークの下に曲線」が描かれています。反対に曲線がない場合は、あて布をしてアイロンがけをする必要はありません。
■あて布を使ったアイロンがけの方法
あて布はアイロン熱に強い素材を選ぶことが重要です。ベストは高い温度でも耐えられる綿(手ぬぐい等)が良く、できれば白等、色が薄い綿を選びましょう。白であればアイロンがけをしている最中、洋服等の状態が見えやすいため便利です。
もしくはあて布専用グッズを使いましょう。ホームセンター等で販売されており、メッシュ素材のため洋服等の状態も良く見えます。
あて布の使い方はアイロン台に洋服等を置いたら、洋服等の上にあて布を当ててアイロンがけをしましょう。
アイロンの温度記号
洋服等に付いている洗濯表示は2018年12月1日以降、新しく変更されています。そのためアイロンの温度記号も新しい表示に変更されました。古いアイロン温度記号も混在してるため、両方確認する必要があります。
古いアイロンの温度記号(2017年11月30日まで)と、新しいアイロンの温度記号(2018年12月1日以降)を、実際の図と併せてご覧下さい。図は上が古く、下が新しい記号です。
■低温のアイロン温度記号
古いアイロンの温度記号は低温の場合、マークの中に漢字で「低」と表示されていたため一目瞭然でした。でも新しいアイロンの温度記号は漢字ではなく、「・」と表示されています。
●古いアイロンの温度記号(上)の意味:アイロンの温度は80度~120度までとする。
●新しいアイロンの温度記号(下)の意味:最高温度は110度までが望ましく、スチームがなくても仕上げることができる。
■中温のアイロン温度記号
古いアイロンの温度記号は温度が高くなるにつれ「低」等の漢字が変わり、新しいアイロンの温度記号は「・」の数が増えていくのが特徴です。中温の場合、古いアイロン温度記号は「中」、新しいアイロン温度記号は「・・」になります。
●古いアイロンの温度記号(上)の意味:アイロンの温度は140度~160度までとする。
●新しいアイロンの温度記号(下)の意味:最高温度は150度が望ましい。
■高温のアイロン温度記号
古いアイロン温度記号は「高」、新しいアイロン温度記号は「・・・」です。
●古いアイロンの温度記号(上)の意味:アイロンの温度は180度~210度までとする。
●新しいアイロンの温度記号(下)の意味:最高温度が望ましい。
■アイロンがけ不可の温度記号
上が古いアイロンの温度記号、下が新しいアイロンの温度記号ですが、アイロンがけ不可のみ新旧どちらも変りません。
アイロンのスチームはいつ使う?
スチームは洋服等のシワを早く伸ばしたい、ニットをふっくら仕上げたい時に使います。スチームもアイロンの温度と同じく、どんな素材にもスチームをプラスすれば良い、というわけではありません。例えばベルベット素材にスチームをプラスすると、シミやテカリ等が発生します。
またスチームアイロンは様々なものがあります。メーカーによってはパワーが弱いもの等もあるため、スチーム量や電力等も確認するといいでしょう。パワーがあるスチームアイロンは1万円以上の高価なものが多く、電力も1000W以上がおすすめです。
では早速、スチームを使った方がいい素材等について、チェックしましょう。
■生地を傷めず時短で仕上がる
スチームはニット素材に適しています。ニット素材はスチームなしでアイロンがけをすると、ふっくら仕上がりません。特に毛足の長いセーターは毛が押されます。ニット素材をふっくら仕上げるにはスチームアイロンが欠かせません。型崩れや縮みを防ぎながら、キレイに仕上げることができます。
スチームはシワ伸ばしや折り目をつけたい時にも便利です。スチームをシワ部分に当てると簡単にとれるため、時短にもなります。折り目をつけたい時は、あて布を当てながらスチームをかけましょう。
元からシワが施された洋服にもスチームは向いています。大きいシワ等、気になる部分にスチームを当てながら生地を引っ張りましょう。生地を傷めず仕上げることができます。
■アイロンがけが面倒な時にも便利
スチームアイロンをしても良い素材は、スチームを使うと時短になるため便利です。またアイロンがけが面倒な時はスチームを活用しましょう。
スチームはアイロン台を出さなくても、スチームをかけることができます。軽量タイプやハンディタイプのアイロン等を使えば、ハンガーにかけたまま使えるため便利です。またスチームは気になる臭いを抑える、殺菌や防虫等の効果も期待できます。
まとめ
アイロンがけをする時、温度を気にしないで仕上げていた方もいるのではないでしょうか? これからはアイロンの温度設定に注目して、素材に合った温度でアイロンがけをしましょう。アイロンの熱から守るために、あて布をする必要があるかを確認することも大事です。
またスチーム機能も使って効率良くシワを伸ばし、時短を目指しましょう。