麻の衣類等は「自宅で洗濯するのは難しい! 」「クリーニング店で洗濯するのが当たり前! 」等と思っていませんか? 麻は自宅でも洗濯できます。麻を洗濯すればクリーニング代も浮くため、経済的にもお徳です。麻をの洗濯方法は手洗いはもちろん、洗濯機でも洗えます。
麻を洗濯する方法は6ステップありますが、やり方やコツを知れば自宅で簡単に洗えるでしょう。例えば中性洗剤で洗濯機のドライモードや手洗いモードで、洗濯ネットに入れて洗う、脱水は短くして陰干しする等です。
そこで今回は麻の洗濯方法6ステップ、洗濯するコツ3つ、麻とリネンの違い、アイテム別洗濯方法、クリーニング店で洗濯した場合の相場をご紹介します!
麻の洗濯方法6ステップ
麻は通常の洗濯方法で洗うと生地を傷めたり色落ちすることがあるため、いくつかのポイントを抑えながら洗濯しましょう。とは言っても、難しいことはありません。
では早速、麻の洗濯方法6ステップをチェックしましょう。
■1 洗える麻かどうかは洗濯表示をチェック
麻を洗濯する時は「水洗いができるか? 」洗濯表示を確認しましょう。洗濯表示は2016年12月1日以降、新しい洗濯表示に変更されています。
古い洗濯表示は漢字やカタカナ、わかりやすいマーク等が使われていました。水洗いができる洗濯表示は「水洗い」や「洗濯機のマーク」があったため、一目瞭然で水洗いできるとわかるでしょう。
新しい水洗いの洗濯表示は「たらいのようなマーク」で、家庭の洗濯機で洗濯ができるという意味です。また「たらいの中に手のマーク」がある場合は手洗いで洗濯できます。
新しく表示変更されても変わらない水洗いマークは、×(バツ)です。たらいのようなマーク等に、×(バツ)マークがあれば水洗いできません。
■2 麻は洗濯ネットに入れて洗う
洗濯ネットは型崩れ等を防ぎながら洗うため、デリケートな麻を洗濯機で洗う時は欠かせません。洗濯ネットに麻の衣類等を入れる時は、必ずボタンやファスナーは締め、裏返しにして入れます。また洗濯ネットに詰め込み過ぎると汚れが落ちにくくなるため、注意しましょう。
洗濯ネットの形は長方形、筒型、円形型等があり、網目も大小あります。麻の衣類を洗う時(シャツ類やパンツ等)は長方形が向いています。洗濯ネットのサイズを選ぶ時は衣類を畳んで入れた時、ジャストサイズに近ければ近いほど良いです。型崩れやシワを防ぎます。
ビーズ等の装飾品、ホック等の小さなパーツがある麻は、網目の小さい洗濯ネットを選びましょう。
■3 麻を洗濯するための洗剤を入れる
麻はデリケートなため蛍光洗剤を使うと、麻を傷める可能性があります。蛍光洗剤とは、通常の洗濯で使う粉末や液体洗剤のことです。
麻は春夏の衣類等によく使われている素材です。麻は汗や水の吸収力や通気性に優れている反面、シワがつきやすく取れにくい、摩擦に弱く毛羽立ちやすい等のマイナス面もあります。
蛍光洗剤で麻を洗濯するとシワの原因や毛羽立つ可能性があるため、中性洗剤(エマール等)が最も最適です。中性洗剤は汚れを落としながら、麻の素材感や色落ち等も防いでくれます。
洗濯機で麻を洗う時はドライや手洗いコースを選びましょう。手洗いする時は麻を30回程度、押し洗いします。麻を傷めないために優しく押して、押し洗いをしましょう。
■4 麻の脱水は短時間で
麻はシワになると取り除くのが大変です。通常の洗濯で脱水をする要領で麻に行うと、シワの原因になります。洗濯の段階でできるだけシワができないようにするために、脱水は短時間(10秒~30秒程度)で済ませましょう。
脱水を短時間にすることでシワができにくくなるだけでなく、麻を傷めることなく洗濯ができます。
■5 麻は日向で干さない
麻は陰干しが基本です。麻は日に当てて干すと変色や素材を劣化させる原因になります。
麻を陰干しする時は「日陰のつり干しマーク」と「日陰の平ら干しマーク」があるため、洗濯表示を確認しましょう。先程も説明しましたが2016年12月1日以降、洗濯表示が変わりました。
古い日陰のつり干しマークは「長袖のトップスマークに斜線が3本」入っています。日陰の平ら干しマークも同様ですが、「漢字で、平」と表示されてているためわかりやすいでしょう。
新しい日陰のつり干しマークは「四角いマス目の左上に斜線が1本・中央に縦線が1本」入っています。日陰の平ら干しマークは斜線や中央にある線の場所、数は同じです。でも中央の棒線が縦ではなく「横」になります。
■6 シワになった麻にアイロンをかける
麻を洗濯して乾かした後、シワが気になる時はアイロンを使ってシワを伸ばしましょう。麻にアイロンをかける方法は2つあります。
1つ目は「高温(180度~200度)でアイロンがけをする」方法です。麻は1度シワができると取れにくいため、高温でシワを取り除くのが適しています。少し力を加えながらシワを伸ばしていきましょう。
2つ目は「麻に水分を与えながらアイロンがけをする」方法です。麻に霧吹き等で水を噴きかける、ドラッグストア等で販売されているアイロン専用のスプレーを噴きかける等してシワを伸ばします。アイロンの温度は高温(180度~200度)です。高熱と水分でシワを伸ばしていくため、早くキレイに仕上がります。
麻を洗濯するコツ3つ
麻の洗濯方法6ステップを説明しました。麻を洗濯する時は中性洗剤を使って優しく洗う、脱水は短時間、陰干しをする等…… いくつかポイントがあります。
次は麻を洗濯する際のコツをチェックしましょう。3つのコツをご紹介します。
■麻が洗濯すると縮むのを防ぐ方法
綿は洗濯をすると約3%程度縮みますが、実は麻も縮みます。麻が縮む理由は、麻に含まれている水分量と関係しているからです。麻は水を含み乾燥させると縮む性質があり、最初の洗濯で約6%程度縮みます。
その後の洗濯方法によっても、麻が縮むリスクはあるため注意しましょう。また麻の配合量や織り方等にもよりますが、麻100%の場合は約5%、多いと約10%程度縮むこともあります。
麻を傷めず縮みを防ぐなら手洗いが良い
麻を洗濯する時は洗濯機でドライモードや手洗いモードで洗い、脱水は10秒~30秒程度にしましょう。麻を傷めないで縮みを防ぐなら手洗いが良いです。
麻の洗濯に使う水の温度は常温(熱すぎず、温すぎない程度)にしましょう。洗剤は中性洗剤を使います。
麻を手洗いする場合は力を入れてゴシゴシ洗濯するのではなく、30回程度、優しく押し洗いをします。その後、水を捨ててすすぎをしますが、数回、水を取り替えながら押し洗いの要領ですすぎを行いましょう。中性洗剤が麻に残っていると乾いた後、中性洗剤がシミになるためしっかりすぐのがポイントです。
手で脱水ををする時は麻を押しながら水気を出して、陰干しをしましょう。
■2 麻の色落ちや黄ばみを防ぐには
麻は色落ちしやすいのが特徴です。白い麻はいいですが、特に色付き(色が濃い麻)や柄物を洗濯する時は注意しましょう。
麻を洗濯する時は、麻のみを洗濯するのが基本です。他の洗濯物と一緒に麻を洗うと、色落ちや色移りの原因になります。面倒に感じても、麻だけは他の洗濯物とは別々で洗うのが一番です良いです。
どうしても他の洗濯物と一緒に麻を洗いたい時は、「同系色のものと洗う」「天然塩(水2リットルに大さじ2杯)を入れて洗濯する」等しましょう。天然塩は色落ちや色移り防止に効果的です。
色付きや柄物は裏返しにして陰干しをする
麻は直射日光に当てると黄ばみ等、変色する可能性があります。せっかくキレイに洗濯をしても黄ばみ等、変色しては麻が台無しです。
麻の黄ばみを防ぐために、色付きや柄物は必ず裏返しにして陰干しをしましょう。白い麻は裏返しにして陰干しをする必要はありません。
■3 洗濯のりを使うとパリッと仕上がる
麻を乾かした後、洗濯のりでパリっと仕上げたい方もいるのではないでしょうか? 麻に洗濯のりをつける前にシワを取り除き、ある程度仕上げてから洗濯のりを使いましょう。
アイロンを高温(180度~200度)にして、力を入れながらシワを伸ばす方法もありますが、早くキレイに仕上げたい方もいるでしょう。時短で仕上げたい時は、麻に水分を与えながらアイロンがけをするのが良いです。濃い色の麻の場合、必ず当て布をしてからアイロンがけをします。
またスチームでは麻のシワは伸びにくいため、霧吹きやシワ伸ばしスプレーを使いましょう。直接、麻に噴きかけて水分を与えながら高温(180度~200度)でアイロンがけをします。
洗濯のりで麻が焦げないように注意する
霧吹きやシワ伸ばしスプレーを使って麻のシワを伸ばし、ある程度仕上げたら洗濯のりの出番です。洗濯のりを使う時も濃い色の麻に関しては、テカリを防ぐために必ず当て布をします。
また洗濯のりは同じ場所に当て続けると、麻が焦げる場合があるため注意しましょう。
麻とリネンは同じ?
麻とリネンはほぼ同じと思っていいでしょう。麻には様々な種類があります。例えばジュートやラミー、ヘンプやリネン等です。
麻とリネンはほぼ同じですが麻に比べてリネンの方が上質なため、「高級な麻」として中世時代から認知されています。そのため同じ麻でもリネンだけは、リネン100%と表記するメーカーが多いようです。
タグに麻100%と表記されている場合、ラミーやヘンプを100%使っていることがあります。ラミーやヘンプも麻の部類になるため、ラミー100%等と表記しなくても問題ありません。
麻のアイテム別洗濯方法
麻のアイテム別に選択方法をご紹介します。アイテムが変わっても「脱水時間は短くする」「色付きや柄物は裏返しにして陰干しをする」等は変わりません。
では早速、チェックしましょう。
■麻のシャツ
麻のシャツを洗濯機で洗う時はボタンやホック等は全て閉じることです。そして裏返しにして、畳んでから洗濯ネットに入れましょう。洗濯ネットは畳んだ時にジャストフィットするタイプを選ぶと、型崩れやシワ等を防ぐことができます。
また襟や袖口等の汚れが気になる時は事前に中性洗剤等を塗布して、気になる汚れを落とすために表に出して畳みましょう。中性洗剤を入れたらドライモードや手洗いモードで洗い、脱水は短時間にして陰干しをします。
手洗いをする時は洗濯ネットに入れる必要はありません。30回程度、押し洗いをして丁寧にすすいで陰干しをします。
■麻のパンツ
麻のパンツもシャツを洗う時と基本的に同じです。洗濯機で洗う時はネットにパンツを入れてファスナーやボタン、ホックを閉じて、裏返しにして洗濯にネット入れましょう。
後は洗濯機やシャツを洗濯する時と流れは同じです。手洗いする時も同じのため、シャツの洗濯方法を参考にして下さい。
■麻のシーツ
麻のシーツは衣類に比べて大きいですが、洗濯ネットに入れば洗濯機で洗うことができます。シーツを裏返したら畳み、洗濯ネットに入れます。後はシャツやパンツと同じ要領ですすぎまで行いましょう。
洗濯ネットに入らない時は手洗します。シーツを手ですすぐ場合は面積が広いため、中性洗剤が残らないように注意しましょう。
シーツを干す時はシワを伸ばしながら陰干します。
■麻のカーテン
麻のカーテンもシーツと同じく面積が広いため、大きめの洗濯ネットに入る場合は洗濯機で洗った方が楽です。カーテンも裏返して洗濯ネットに入れて、その後はシャツやパンツと同じ要領ですすぎまで行いましょう。
麻のカーテンが洗濯ネットに入らない時は手洗いをして、中性洗剤が残らないようにしっかりすすぎましょう。
干す時はシワを伸ばしながら陰干します。
麻をクリーニング店で洗濯した場合の相場
麻をクリーニングで洗濯する時の相場を一部ご紹介します。麻の場合は、通常の料金にプラス200円と設定しているクリーニング店が多いようです。
「シャツやブラウスは400円~600円」「パンツやスカートは650円~700円」「ジャケットは800円~900円」「ニットは600円~700円」になります。
まとめ
麻の洗濯方法やコツをご紹介しました。麻は洗濯機や手洗いで洗えますが、できるだけダメージを与えたくない場合は手洗いが良いです。手洗いの方が洗濯機に比べて摩擦が少ないため、風合いを保ちながら洗濯できます。是非、参考にして下さい!