"築年数が古い家の方がシロアリ被害が多い"と思っていませんか?間違った意見ではありませんが、新築の家にシロアリが住み着くこともあります。シロアリは新築物件のように新しい木を好む種類もいれば、腐りかけの木や湿気が多い場所を好む種類もいるため厄介です。
家の木を食べてしまうシロアリは身近な存在で、シロアリに悩んでいる方もいるでしょう。知っての通り、シロアリを放置していると家がボロボロになるという最悪のシナリオが待っています。
業者にシロアリ退治の依頼するのも良いでしょう。ですが程度によっては『自分でできる駆除方法11個』を実践すれば、コストを抑えながシロアリ駆除も可能かもしれません。シロアリ被害が拡大する前に自分で駆除しましょう!
シロアリの生態と特徴
シロアリの見た目からは想像がつきにくいですが、シロアリはゴキブリの仲間です。シロアリは"家をダメにする厄介な虫"と思っている方も多いでしょう。私達人間からシロアリは煙たがられている一方で、土壌を改良してしてくれる益虫でもあります。
シロアリには様々な種類がいますが日本の家をダメにするシロアリは、『ヤマトシロアリ』『イエシロアリ』『アメリカカンザイシロアリ』の3種類がほとんどです。
■シロアリは床下に巣を作ったり木に住み着く
ヤマトシロアリは日本各地に生息しており、床下に多く生息しています。木を食べ尽くすと他の場所へ移動して新たに巣を作るのが特徴です。イエシロアリは一部の地域に生息(四国や九州等)にしており、新しい木を好むため新築の家をターゲットにすることが多いです。巨大な蟻道を作り、床下だけでなく天井裏や土の中にも巣を作ります。
一方、アメリカカンザイシロアリは関東地方や大阪等の地域に生息しており、木であれば腐っていようがおかまいなしに何でも食べます。でも、一番好きなのは乾材です。
3種類のシロアリは女王アリがトップに君臨し、兵隊アリや働きアリで構成されています。大きな巣がある場合は、すでにシロアリによる被害はかなり進んでいるでしょう。
自分でできるシロアリ駆除方法11選
シロアリを発見したらすぐに駆除しないと、被害が大きくなってしまいます。シロアリ被害に遭っている方の中には、"自分で駆除できないの? "と思っている人もいるでしょう。被害の度合いにもよりますが、自分でシロアリ駆除できる方法はいくつかあります。
『自分でできるシロアリ駆除方法11選』をチェックして、憎きシロアリを駆除しましょう。
■①掃除機でシロアリを吸う
自分でシロアリ駆除をしたい方は、掃除機を使ってみてはいかがでしょうか? シロアリには、女王アリ・羽アリ・兵アリ・働きアリがいますが、掃除機を使った駆除方法は『羽アリに効果』があります。掃除機の吸引力は相当な衝撃で、羽アリは吸い込まれた瞬間に死ぬことが多いです。たとえ、掃除機パック内部で生きていたとしても、24時間後には脱水症状で死にます。
羽アリは『群飛孔=穴』から出てくるのが特徴です。自分で羽アリを駆除するなら、群飛孔を掃除機で吸い取れば効率良く駆除できます。羽アリの発生時期は種類によって違いますが、大きくわけると5月~11月です。また、活動時間も昼型と夜型がおり、例えばヤマトシロアリは昼に飛び出し、イエシロアリは夕方以降に飛び出します。
■部屋の中の羽アリがいる場合の駆除方法
昼間活動する羽アリは明るい方に向っていく習性があり、部屋の照明にやって来ることが多いです。部屋の中で羽アリが飛んでいる時は、明るい方へ移動する羽アリの習性を利用して掃除機で駆除します。
まず、羽アリを引き寄せるために懐中電灯や大型ライトを用意しましょう。光りで引き寄せて羽アリを外へ誘い込む作戦です。
開いている窓の外側に懐中電灯等を置いて灯りをつけると、多くの羽アリは光りに集まって来ます。光りに気を取られている羽アリを掃除機で一気に吸引しましょう。部屋の中に数引き残っている場合も、掃除機で吸って駆除します。
■②ガムテープやコロコロでシロアリを駆除
ガムテープやコロコロ等、粘着力があるグッズを使えば自分でもシロアリ駆除ができます。ガムテープやコロコロはほとんどの家にあるため、手軽にシロアリ駆除ができるでしょう。メリットは掃除機が使えない場所でも、粘着系グッズがあれば自分でも駆除できることです。
ただし、粘着系グッズにはデメリットがあり、羽アリの駆除しかできないのと穴にいる羽アリの駆除はできません。あとは、粘着面にくっついた羽アリは潰れているため、人によってはグロテクスに見えて不快な思いをするでしょう。
■③床下にバルサンなどのくん煙剤をたく
シロアリは床下や土の中に巣を作ることがあるため、自分で駆除する方は床下を見過ごすと、シロアリ被害が拡大する可能性があります。自分で床下のシロアリ駆除をする時は、バルサン等のくん煙剤がおすすめです。
バルサンと言えばゴキブリ駆除のイメージがありますが、実はシロアリ駆除もできます。バルサンのパッケージには"シロアリに効く"と書かれていませんが、シロアリはゴキブリの仲間になるため駆除が可能です。バルサンを使って自分でシロアリ駆除をする場合は、床下面積に合わせてバルサンを用意しましょう。
バルサン以外にもシロアリ専用のくん煙剤があります。バルサンは水を使って煙を出しますが、シロアリ専用のくん煙剤は備え付けのパーツで着火して煙を出すのが特徴です。シロアリ駆除効果は1年~2年ですが、自分でシロアリ駆除をした後に予防対策をしたい方は1年に1回たきましょう。
■くん煙剤を使う際の注意店
自分でくん煙剤をたく方法は床下にいるシロアリの駆除や、予防対策もできるため便利な駆除グッズです。その反面、くん煙剤を使った駆除方法は万全ではありません。くん煙剤の煙は、木材の中に潜んでいるシロアリには効かないため注意しましょう。
そして、床下にシロアリがたくさんいて被害が深刻な場合は、くん煙剤だけでは手に負えない状況です。あまりにも被害が酷い時は、自分でシロアリ駆除をするのはやめて業者に依頼しましょう。
■④市販のベイト剤(毒エサ)でシロアリ対策
自分でシロアリ駆除をする場合は、ベイト剤と呼ばれている薬剤を置くのも効果的です。ベイト剤はシロアリを匂いで引き寄せて食べさせ、巣にいる全てのシロアリを駆除できます。最終的にはシロアリの巣ごと駆除できるだけでなく、シロアリ対策も同時にできるグッズです。
シロアリは良質のエサがあると他のシロアリを呼び、巣に持って帰る習性があります。シロアリの習性を利用したのがベイト剤で、シロアリが好む木の匂い以外に、シロアリを駆除する成分が含まれているのが特徴です。設置方法はシロアリが通りそうな場所や土の中に置いて、ベイト剤をシロアリが食べたり、巣に持って帰るのを待つだけです。
ベイト剤はホームセンターやネット通販等でも販売されているため、自分でシロアリ駆除する方でも購入できます。
■人間やペットに影響するリスクが低い駆除剤
ベイト剤を使った駆除方法は、自分でシロアリ駆除をしたい方でも比較的簡単にできる方法です。また、殺虫成分が含まれた薬剤のように家全体に撒く必要がないため、人間やペットに悪影響を及ぼすリスクが低く、わりと安全にシロアリ駆除ができます。
ただし、ベイト剤は駆除効果が表れるまでに時間がかかるのが難点です。シロアリ被害のレベルによっては、駆除効果が表れるまでかなり時間がかかる場合もあります。
■⑤殺虫剤をスプレーしてシロアリ駆除
殺虫スプレーはゴキブリやハエ等といった不快な虫がいた場合、噴射すれば瞬殺してくれるため使っている方も多いでしょう。殺虫スプレーはシロアリ駆除用もあるため、何本か持っていると便利です。自分でシロアリ駆除をする方法はいくつかありますが、殺虫スプレーを使った駆除方法は最も簡単にできる方法と言えるでしょう。
ただし、自分の目の前にいるシロアリ等、見えているシロアリにしか駆除効果がありません。つまり、床下内部や柱の中にいるシロアリには駆除効果がないため、部分的にシロアリ駆除をする場合のみ適しています。
■⑥床下の掃除をしてシロアリ駆除
シロアリは主に床下から上がってくるため、自分でシロアリ駆除をする方は床下の掃除をしましょう。
家を建てたり床下工事の時、業者によっては木くずや木片などのゴミを床下に残していることがあります。床下に木くずや木片がある状態は、シロアリを引き寄せる原因です。自分で床下の状態を確認するついでに、木くずや木片があれば掃除をしましょう。
■⑦砂利をしいてシロアリ駆除
シロアリは湿気を好むため、できるだけ湿気がたまらないようにすることが重要です。現在の家は昔の家と違い、コンクリートを多く使ったり密閉性が高いため通気性が悪く、湿気がこもりやすいと言えます。反対に昔の家は木材で建てられており、湿気の多い日本では家がダメにならないように通気性対策もしていました。
シロアリは湿気を含みやすいコンクリートよりも、砂利を嫌がります。自分で駆除する方は砂利でシロアリ駆除をしましょう。例えば、犬走りの周りに砂利を敷くと水はけが良くなり、雨水が入りにくくなります。また、床下に敷けば湿気量が減るためシロアリ予防もできます。
砂利は床下や犬走りの周りに敷く等の手間はありますが、自分でシロアリ駆除をする方は予防も兼ねてやってみましょう。
■⑧シリコン剤や木部処理剤でシロアリ対策
何かしらの方法で自分でシロアリ駆除をしたら、予防対策をすることもシロアリから家を守るために重要です。シロアリ予防対策には、シリコン剤や木部処理剤をメインに使います。
シリコン剤はシロアリが嫌がる匂いが含まれていたり、安全な成分で作られている商品がほとんどです。また、シリコンを注入する先端部分は細くなっており穴や隙間にも注入しやすく、速乾タイプもあるため、自分でシロアリ予防対策をする方でもスムーズに作業ができるでしょう。
木部処理剤はバルサンをたいた後に使うこともできます。バルサンはたいている最中や、たいた直後は駆除効果がありますが持続しません。でも、木部処理剤を使うとを木材に成分が染みていくため、木材の中に潜んでいるシロアリも駆除できます。
■木部処理剤は使う場所に合わせて選ぶ
木部処理剤にはいくつか種類があり、使う場所に合わせて選ぶと良いでしょう。例えば、ウッドデッキのシロアリ予防対策を自分でする場合は、雨や水をはじきやすい油性が向いています。他には、使いやすさを求めるなら乳剤が良く、スプレー等もあるため、ホームセンターやネット通販でチェックしてみましょう。
■⑨庭の木を伐採してシロアリ駆除
自分で庭の木を伐採すればシロアリが寄り付きにくくなります。ですが、切りっぱなしにして放置するとシロアリが発生するため、伐採した後は処理をしましょう。
後処理の方法はいくつかありますが、太陽の光りと黒い袋を使う方法があります。伐採した木に黒い袋を被せたら、紐やロープで縛って放置して腐るのを待ちます。伐採した木が腐ったら、ツルハシやスコップで伐採した木の周りを掘って、バール等で木を持ち上げましょう。
この方法は光合成を妨害して伐採した木を処理しますが、天候に左右される等の難点があり処理するのに時間がかかります。
■伐採した木を早く処理するなら引き抜く
すぐにでも伐採した木を自分で処理したい方は、根元から抜き取りましょう。木の大きさにもよりますが、そこまで大きくない木であれば根元から引き抜くことができます。ツルハシやスコップで伐採した木の周りをできるだけ深く掘ったら、バール等で木を持ち上げましょう。
ただし、見た目以上に根深い場合があり、自分ではどうすることもできないこもあります。無理に作業を行うと腰を傷める原因にもなるため、業者にお願いすることをおすすめします。
また、伐採した木を根元から引き抜く方法は、周にある植物の根を傷付ける可能性があるため理解した上で行いましょう。
■伐採した木を腐敗させると引き抜きやすい
伐採した木を根元から引き抜くの作業は体力的に大変です。もう少し楽に処理をするなら、伐採した木を腐らせてから引き抜きましょう。
伐採した木の皮に穴を開けて薬剤を流し込みます。薬剤は農薬(害虫駆除用)が良く、スポイトで流し込みましょう。猫を放し飼いにしている方や、犬を離す方はペットが薬剤を舐めないようにガムテープなどで穴を塞いで下さい。薬剤が木に回り枯れてきたら、ツルハシやスコップで伐採した木の周りを掘って、バール等で木を持ち上げます。
一方、"薬剤を使うと他の植物に影響がないのか? "と、不安になる方もいるでしょう。伐採した木だけに薬剤を注入しているため、周りにある植物にあい影響を及ぼすリスクはほとんどありません。
■⑩ヒノキやヒバでシロアリ駆除
"ヒノキやヒバはシロアリは食べない"と、聞いたことがありませんか? そのため、家をシロアリから守るために、ヒノキやヒバにしようと考えている方もいるでしょう。ヒノキやヒバは腐食による劣化があまりなくシロアリに食べられにくい木材かもしれませんが、完全にシロアリが来ないわけではありません。
また、シロアリにも好みがあることを知っていますか? 例えば、ホワイトウッドが大好きなシロアリもおり、ホワイトウッドとヒノキがあればヒノキは食しません。でも、侵入した家がヒノキやヒバしかなければ、致し方ないと言わんばかりにヒノキやヒバを食べます。
■⑪炭をまいてシロアリ駆除
自分でシロアリ駆除をするなら、床下に炭をまいてシロアリ駆除する方法もあります。自分で床下に炭をおく場合は、備長炭を細かく粉砕して敷きましょう。細かく粉砕すると湿気の吸収力が増します。
ただし、炭には薬剤が含まれていないため、完全駆除できるグッズとは言えません。でも、効果がある場合もあります。
シロアリ駆除にベストな時期は?
シロアリは6度以下になると活動しなくなる虫ですが、真冬でも死ぬことはありません。つまり、活動しやすい適温になるのを待っている状態です。
ゴキブリ駆除は活動が鈍る冬に行うのが良いと言われています。シロアリはゴキブリの仲間ですが、気温が下がる真冬に駆除するのがベストなのでしょうか?
■シロアリ駆除は暖かい時期が良い
シロアリを自分で駆除する場合は、『暖かい時期』に行うのが良いです。つまり、気温が下がる冬にシロアリ駆除をするのは向いていません(一部のシロアリを除く)。とは言っても、シロアリの種類によって活動時期が違います。
日本各地に生息しているヤマトシロアリは、人間でも快適に過ごせる温度を好み、活動的になるのは4月~5月です。そして、晴れた昼間に羽アリも飛び立ちます。
四国や九州等に生息しているイエシロアリや羽アリは、梅雨~初夏の夕方以降ににかけて活動的になるため、自分で駆除するなら6月~7月に行いましょう。
アメリカカンザイシロアリは梅雨~冬の初めに活動的になります。6~11月頃に羽アリは飛び立つため、この時期に駆除するのが良いです。
シロアリ対策が必要な期間は?何年ごと?
せっかく自分でシロアリ駆除をしても、再びシロアリにやられてはイタチごっこになってしまいます。シロアリ駆除をした後は、シロアリの予防対策をしましょう。
では、どれくらいのペースで予防対策をすれば良いのでしょうか?
■シロアリ対策は大体5年ごとに行う
自分でシロアリ駆除をしたら、おおよそ5年ごとに木部処理剤等の薬剤を散布したり塗布します。5年はあくまでも目安です。湿気や場所にもよっては1年~2年に1回のペースで予防対策をした方が良いため、定期的に床下に潜る等して、自分で状況確認をした方が良いでしょう。
シロアリ駆除を業者に依頼した場合の相場費用
シロアリ被害が深刻すぎて自分で駆除できない場合は、業者に依頼するしかありません。業者によるシロアリ駆除は安くなく、それなりに費用がかかります。
そこで、シロアリ駆除を業者に依頼した場合の相場費用を調べてみました。
■業者の相場費用は5万円~12万円
シロアリ駆除を業者に依頼した場合の相場費用は、『50,000円~120,000円』です。シロアリ駆除の相場費用はふり幅が大きいのは、シロアリの種類・巣がある場所・坪数・被害の大きさ等が関係しています。
例えば、ヤマトシロアリの駆除は比較的安いですが、イエシロアリの駆除は料金設定を高くしている業者も多いです。イエシロアリはヤマトシロアリのように床下だけでなく、天井裏にも巣を作ることがあり駆除作業に時間がかかることから、料金が高くなります。
業者によっても作業内容が違う場合や費用も変動するため、最低でも3社に見積もりをお願いをしてから最終決定すると良いです。
■シロアリ駆除のおすすめ業者|シロアリ110番
再発させないシロアリ駆除におすすめなのが「シロアリ110番」。価格・技術・対応どれも平均以上でシロアリ駆除のシェアNo.1の業者です。
全国平均の駆除単価が2,000円/㎡なのに対し、シロアリ110番は1,320円/㎡。社団法人日本しろあり対策協会指定工法での作業なので、日本全国どの地域でも一律レベルの高品質な作業となります。
シロアリ駆除は高額になりやすく、相見積もりの重要さを知っているからこそキャンセル料金も無料。見積もり候補に入れて、最も低価格かつ高品質な駆除業者を見逃さないようにしてください。
全国平均単価の約半額!シロアリ防除施工士対応かつシロアリ対策協会指定の工法と薬剤を使用するので「安かろう悪かろう」ではありません。
まとめ
自分でもシロアリ駆除はできるため、ご紹介した『11個の駆除方法』を実践しましょう。自分でシロアリ駆除をすればコストを抑えることができますが、予防対策も行って、シロアリが寄り付かない環境にすることも重要です。
あまりにもシロアリ被害が酷い場合は、自分で駆除するのは限界があり完全駆除するのは難しいでしょう。シロアリ被害が深刻な場合は、無理をしないで業者に依頼することをおすすめします。