黒光りした大きいゴキブリを家で見たことがありませんか? 目撃したゴキブリはおそらくクロゴキブリです。クロゴキブリは大きくて気持ち悪く、ゴキブリ嫌いの方であれば絶対に遭遇したくないでしょう。でも、"クロゴキブリを絶対に見たくない!"と願っていても生息地域に住んでいれば遭遇することもあります。
もし、クロゴキブリを部屋で見つけたら完全に駆除したいと思いませんか? ならば、『クロゴキブリを駆除する10個の方法』を実践して安心して過ごせる家にしましょう。さらに、『クロゴキブリが発生しやすい場所』をチェックして『クロゴキブリの予防対策』を行えば、クロゴキブリの発生を未然に防ぐことができます。ゴキブリ嫌いの方はチェックしましょう!
クロゴキブリの生態と特徴
クロゴキブリの成虫のサイズは約3㎝~4cmです。色は黒色や赤茶色よりの黒色など個体によってバラつきがありますが、光沢感は色に関係なくあります。生息地域は全国各地で寒さに強く屋外にもよくいて、木や葉っぱにいることも珍しくありません。また飛ぶこともできるため、上手く風に乗ることができればある程度の高さまで飛ぶことができます。
クロゴキブリは雑食で、湿気がある場所や暗い場所を好みます。そして、夕方~夜になると活動的になり、「古い建物」「繁華街の道路」「飲食店」「食材加工の工場」「下水」「排水溝」「マンホールの上」「ゴミ置き場」「キッチン」などで目撃されることが多いです。
このように、クロゴキブリは不衛生な場所にいるため、ポリオ・赤痢・サルモネラ菌などの病原菌を持っています。また、クロゴキブリは越冬する昆虫で、1年の中でも最も活発に動く時期は5月~9月です。
クロゴキブリの成虫の寿命は約4ヵ月~5ヶ月ですが、メスは生きている間に約17回も産卵し、1つの卵から産まれてくるクロゴキブリの数は約20匹とそこまで多くありませんが、クロゴキブリのメス1匹から誕生する数を一生分で計算すると、約340匹も生まれます。
クロゴキブリの駆除方法10個
クロゴキブリを目にしたら、"すぐにでも駆除したい! "と思う方は多いのではないでしょうか? クロゴキブリは人に向って飛んでくることもあり、動きが予測できないゴキブリです。クロゴキブリを見つけたら10個の方法で駆除しましょう。
■①ピレスロイド系殺虫剤でクロゴキブリを駆除
クロゴキブリを見つけたら、ピレスロイド系殺虫剤をスプレーすると素早く駆除できます。クロゴキブリを含むゴキブリ用殺虫剤の多くは、ピレスロイドが含まれています。ピレスロイドはわずかな量でもクロゴキブリの神経に素早く効き、動きを鈍らせて駆除するのが特徴です。
ピレスロイド系殺虫剤があれば不快なクロゴキブリを瞬殺できるため、最低でも1本は用意しておきましょう。
■②ホウ酸団子でクロゴキブリを駆除
ホウ酸団子は殺虫スプレーのように即効性はありませんが、クロゴキブリが食べれば必ず駆除できます。クロゴキブリの大好きな玉ねぎの匂いで誘引し、ホウ酸団子を食べさせて駆除する流れです。ホウ酸団子の中にはクロゴキブリを脱水症状にさせる成分が含まれていて、体内の水分をゆっくり奪っていき駆除します。
また、ホウ酸団子は乾燥すると匂いが薄れ誘引力が落ちるため、乾燥したら新しいホウ酸団子と交換しましょう。
■③冷却スプレーでクロゴキブリを駆除
殺虫剤でクロゴキブリを駆除したくない方は、冷却スプレーがおすすめです。
使い方は殺虫剤と同じで、クロゴキブリに向ってスプレーすると駆除できます。冷却スプレーはクロゴキブリを一瞬で凍らせて駆除させるグッズで、スプレーするとマイナス85度など、氷点下に達する温度で瞬間凍結させて駆除するのが特徴です。
殺虫成分が一切含まれていないため、キッチン周り・お子さんやペットがいる場所でも使えます。
■④熱湯でクロゴキブリを駆除
殺虫剤がない時や殺虫剤を使いたくない時は、100度近い熱湯をクロゴキブリの真上にたっぷりかけて駆除しましょう。100度の熱湯であれば一瞬でクロゴキブリを駆除できますが、60度程度の熱湯でも構いません。
ただし、駆除するまでに時間はかかります。熱湯でクロゴキブリを駆除する時のポイントは、たっぷりの熱湯(最低でもコップ1杯の熱湯)を真上からかけることです。
■⑤ファブリーズでクロゴキブリを駆除
身近な物でクロゴキブリを駆除するならファブリーズも使えます。クロゴキブリにファブリーズをたくさんスプレーして、ファブリーズまみれにしましょう。駆除できるポイントはファブリーズに含まれている界面活性剤です。
クロゴキブリに界面活性剤入りの液体をかけると、空気を吸う穴(気門)を保護している油が剥がれます。油が剥がれて無防備状態になった気門は、ファブリーズの液体で塞がれ最後は窒息死します。
■⑥食器洗剤でクロゴキブリを駆除
食器洗剤も界面活性剤が含まれているため、クロゴキブリにたっぷりかけて駆除しましょう。ファブリーズはなくても食器洗剤はどこの家もあるはずです。キッチンにいる時にクロゴキブリが現れたら、食器洗剤をかければ駆除できます。
一方、カーペットや絨毯の上で使うとシミになることがあるため注意しましょう。
■⑦掃除機でクロゴキブリを駆除
目の前にいるクロゴキブリの姿を早く消したい時は、掃除機でクロゴキブリを吸い取って駆除します。でも、完全にクロゴキブリを駆除するなら掃除機で吸い取った後の処理が必要です。掃除機を吸引状態にさせたままノズルの中に殺虫剤をスプレーすると、掃除機パック内にいるクロゴキブリを完全駆除できます。
クロゴキブリは掃除機に吸われると一時的に気絶しますが、時間が経てば意識が戻るため必ず殺虫剤をスプレーしましょう。
■⑧叩いてクロゴキブリを駆除
手が届く範囲にクロゴキブリがいる場合は、クロゴキブリを思いっ切り強く叩いて駆除します。クロゴキブリを叩く道具は、スリッパ・雑誌・新聞紙のどれかを使いますが、手に持ちやすく叩きやすいのはスリッパです。
クロゴキブリを叩いて駆除する時は、躊躇せず力を込めて叩きましょう。でも、クロゴキブリは動きが速く逃げられてしまう可能性があるため、クロゴキブリに気付かれないようにそっと近寄りながら1回で仕留めるのがコツです。
■⑨据え置きタイプの殺虫剤でクロゴキブリを駆除
据え置きタイプの殺虫剤でクロゴキブリを駆除するなら、ブラックキャップやコンバットを使いましょう。ブラックキャップやコンバットは即効性があり、屋内や屋外にあるクロゴキブリの巣をまるごと駆除できます。
何より、手間がかからず、設置するだけでクロゴキブリの巣を駆除できるのもメリットです。水周り・食器棚・電化製品の裏や下・玄関の外・植木鉢の近く・エアコンの室外機・ベランダ・外側の窓などに置きましょう。
■⑩バルサンでクロゴキブリを駆除
バルサンは煙で部屋のあらゆる場所に隠れているクロゴキブリを駆除します。バルサンは部屋に潜んでいるクロゴキブリを駆除できる一方で、卵を駆除することができません。でも、卵の中にいるクロゴキブリの赤ちゃんを駆除できる方法はあります。
1回目のバルサンを使ってから、約2週間~3週間後に2回目のバルサンをたく方法です。バルサンを使う時期をずらし2段階にわけると、卵から孵化したクロゴキブリの赤ちゃんも駆除できます。
クロゴキブリの発生しやすい場所14ヶ所
クロゴキブリを家の敷地内でよく見かける場合は、家の中や外で発生している可能性が高いです。クロゴキブリが発生しやすい場所は意外と多く、その数は14ヵ所もあります。部屋・ベランダ・庭などでクロゴキブリを頻繁に見かけるようになったら、発生しやすい場所を確認してみましょう。
■①冷蔵庫や電子レンジの裏
冷蔵庫や電子レンジの裏はクロゴキブリが発生しやすい場所として知られています。電化製品の裏はモーターがついているため温かく、特に24時間稼動している冷蔵庫は常に温かいです。そのため、クロゴキブリ達は身を寄せ合い暖をとっている場合もあります。
■②食器棚の中
食器棚は食器にホコリやゴミが付かないように保管するため、定期的に扉や引き出しを開けて換気する方は少ないでしょう。そのため、食器棚の中は温かい空気がたまりやすく、温かい場所が好きなクロゴキブリが発生します。
■③米びつや食品ストック近辺
米びつや食品ストック近辺もクロゴキブリが発生する場所です。米びつは密閉状態で温かく、冷蔵庫以外の場所に食品がストックされていればエサに困ることはありません。特に、ゴキブリは玉ねぎが大好きで、玉ねぎを床に置いているとクロゴキブリが集まってきます。
■④ゴミ箱
ゴミ箱に入っている物もクロゴキブリは食べるため、ゴミ箱やゴミ箱の周辺はクロゴキブリのエサ場と言えるでしょう。ゴミ箱の中に大好物の玉ねぎが入っていればラッキーですが、雑食性のため何でもエサになります。
■⑤シンクの下
湿気があり暗い場所を好むクロゴキブリはシンクの下も大好きです。シンクの下には排水パイプがありますが、排水パイプの周りに少しでも隙間があれば、クロゴキブリはシンクの下に入り込むことができます。また、シンクの下は排水パイプを設置しているため湿気がたまりやすいです。
■⑥植木鉢の下
植木鉢の下もクロゴキブリが発生します。植木鉢の下は空気に触れにくく冷たい風が当たらないため、寒いのが苦手なクロゴキブリにとっては最高の場所です。さらに、屋内に植木鉢を置いている場合は空調が整っているため、クロゴキブリが集まってきます。
■⑦テレビやパソコンの裏
テレビやパソコンの裏も、冷蔵庫や電子レンジと同じく温かいためクロゴキブリが発生する場所です。
■⑧ダンボール
ダンボールはゴキブリが発生しやすいことで知られています。特に、ダンボールの板の間に入りやすいです。クロゴキブリを含むゴキブリは2mmの隙間があれば侵入できるため、ダンボールの板の間に入リ込むのは難しくありません。
■⑨配電盤(ブレーカー)の中
2mmの隙間があれば侵入できるクロゴキブリは、配電盤(ブレーカー)の中にいることもあります。また、クロゴキブリは垂直の壁もスイスイ登ることができるため、壁に設置してある配電盤(ブレーカー)の中に侵入するのは簡単です。
■⑩ソファーなど大きな家具の下や裏
クロゴキブリは物陰に隠れていることが多く、ソファーなど大きな家具の下や裏に隠れています。大きな家具は壁沿いに置くことが多いでしょう。すると、壁と家具の隙間は日が当たりにくくなり、暗い場所が好きなクロゴキブリが集まってきます。
■⑪古新聞の束
古新聞紙があるとクロゴキブリは住み家にして、昼間は温かい古新聞の束の中に入り込んで体を休めていることもあるでしょう。また、クロゴキブリは古新聞の束に卵を産むことがあり、卵の存在に気付かなければあっという間に大発生します。
■⑫本棚の裏
本棚の裏もクロゴキブリが発生しやすいです。特に、本棚は一度設置すると模様替えでもしない限り雨動かすことはないでしょう。すると、本棚の裏には大量のホコリやゴミがたまり、クロゴキブリのエサ場や住み家になります。
■⑬押入れ
押入れの中は湿気がたまりやすく暗いため、クロゴキブリが発生しやすいです。押入れの中に布団を収納している方もいますが、人によっては絹素材のものや和紙を保管している方もいるでしょう。クロゴキブリは雑食のため絹や和紙を食べることがあります。
■⑭エアコン
エアコンは、水を排出するための排水パイプが屋内と屋外でつながっている状態です。すると、クロゴキブリは外の排水パイプを通り室内へ侵入し、エアコン内部に住みつくことがあります。特に、使っていないエアコンは住みやすい環境のため、クロゴキブリがいる可能性が高いです。
クロゴキブリの予防対策3つ
クロゴキブリを駆除しても予防対策をしなければ、再びクロゴキブリと遭遇することになります。クロゴキブリは繁殖力が凄まじく数ヶ月もすれば300匹以上に増えるため、駆除した後は3つの方法で予防対策を行いましょう。
■①掃除をしてクロゴキブリの予防対策をする
クロゴキブリは汚いと集まってくるため、清潔な空間にして生理整頓をすることが重要です。部屋は当然ですが、ベランダや庭も定期的に掃除をしてクロゴキブリが寄り付かないようにしましょう。また、クロゴキブリは食べることに関しては貪欲な昆虫で、生ゴミ・食べカス・封の開いた食料品・中身の入っている飲料など、人が食べるもの以外もエサにします。例えば、ホコリ・髪の毛・フケ・紙などです。
掃除がいきとどいていない部屋・ベランダ・庭はクロゴキブリのエサ場や住み家になります。他にも、汚い空間はクロゴキブリにとって好都合で、卵を産んだり巣を作る場所として最適です。動かせる電化製品や家具があればどかしてホコリやゴミを掃除して、ベランダや庭にあるいらない物は捨てましょう。
■②排水溝を塞ぎ水気を除去してクロゴキブリの予防対策をする
クロゴキブリはどちらかと言うとエサよりも水が好きで、排水溝から室内に侵入することがあります。クロゴキブリの侵入を防ぐために、排水溝(キッチン・風呂場・洗面台など)に蓋や栓をして対策をしましょう。
また、水が好きなクロゴキブリの予防対策をするなら、水滴を残さないようにすることも大事です。シンク・洗面台・風呂場などを使った後は雑巾などで拭き取るか、水切りグッズを使って水気がない状態にします。
中でも、風呂場は面積が広いため水気を取り除く作業は少し大変です。少しでも楽に水気を取り除くなら、風呂用の水切りを使って全体的に水気を取ってからタオルで拭き取ります。でも、頻繁に蓋や栓で排水溝の穴を塞いだり、水気を取り除く作業が面倒に感じる方もいるはずです。頻繁にできない方は最低でも寝る前に行いましょう。
■③忌避効果のあるスプレーでクロゴキブリの予防対策をする
ゴキブリがいそうな場所や通りそうな場所に、ゴキブリが近寄らなくなるスプレーを使うとクロゴキブリの予防対策ができます。ゴキブリが近寄らなくなるスプレーを噴射した場所に、クロゴキブリが通り殺虫成分が体につくと、クロゴキブリの体内に殺虫成分が浸透していき駆除できるという仕組みです。
ゴキブリを駆除する時はピレスロイド系殺虫剤を使いますが、ピレスロイドは忌避効果もあります。忌避効果に目をつけた商品がゴキブリが近寄らなくなるスプレーで、クロゴキブリが嫌がる匂いで寄せ付けません。
たとえ、殺虫成分がクロゴキブリの体につかなくても、匂いだけでクロゴキブリを退散させることができます。
クロゴキブリの駆除を業者にたのんだ場合の相場金額
家にいるクロゴキブリを残らず駆除したい方や、クロゴキブリの駆除を自分で行いたくない方は業者へ依頼しましょう。業者であればクロゴキブリを完全駆除できますが、依頼するとなると料金が気になりませんか?
クロゴキブリの駆除を業者に依頼した場合の相場金額は、15,000円~60,000円です。相場金額にひらきがありますが部屋の広さによって変動するため、3LDKの場合は40,000円~60,000円程度かかると考えましょう。
また、業者によってはクロゴキブリの駆除と予防をセットで行うプランもあります。他にも、クロゴキブリを駆除してから3ヵ月以内に再び発生した場合は、無料駆除サービスを設けている業者もあるため、何社か見積もりをお願いして比較しましょう。
まとめ
クロゴキブリは屋外に生息しているゴキブリですが温かい場所も好むため、隙間などから部屋の中に侵入することも珍しくありません。また、クロゴキブリは日本各地に生息しているため、クロゴキブリが好む環境であれば目にする機会が多くなります。
もし、クロゴキブリと遭遇したらご紹介した駆除方法で退治し、駆除した後はクロゴキブリの予防対策をしましょう。