タカラダニを知っている方であれば気持ち悪さを知っているでしょう。タカラダニは毒々しい色をしているため、不快に感じる方も多く視界に入るだけでゾッとします。
また、タカラダニは季節限定の害虫で、暖かい季節になるとベランダや庭などで見かける害虫です。場合によってはタカラダニは大発生することもあり、家の敷地内の一部がタカラダニだらけになるケースもあります。
見ているだけでも気持ち悪いタカラダニを家の敷地内で見つけたら、"駆除したい!"と思う方も多いのではないでしょうか?不快なタカラダニを駆除するなら『タカラダニの駆除方法と予防対策』を行い、タカラダニを家から追放して快適に過ごしましょう。
タカラダニの生態と特徴
タカラダニは日本を含め世界に生息している害虫で、体長は約1mm~2.7mmと小さく、赤い色と無数に生えた毛が印象的なダニ(ダニは昆虫ではありません)です。見た目が気持ち悪く潰しても赤い液体が出るため、タカラダニの不快度指数は極めて高いと言えるでしょう。
4月~6月頃になるとタカラダニを目にする機会が増えますが、7月頃になると数を減らしていきパッタリ見なくなります。タカラダニは、コンクリートの地面や壁、コケ、ビルの屋上、ベランダなどにいることが多く、場所によっては大量発生して赤色に染まることもあるようです。動きはわりと早く、窓や隙間から室内に侵入することもあります。
またタカラダニはメスだけで繁殖(単為生殖)できますが、産卵を終えた個体は24時間ほどで死にます。卵から孵化した幼虫のタカラダニは節足動物(クモやバッタなど)に寄生して、節足動物の体液を吸い満腹になると地面に落ちます。
地面に落下した幼虫のタカラダニは脱皮をして若虫、成虫になり、ハダニや花粉などを食べますが、寿命は短く約1ヶ月~2ヵ月の命しかありません。実は、タカラダニは解明されていない部分もある謎多きダニです。でも、今後は解明されて詳しい生態がわかるかもしれません。
タカラダニが与える被害
タカラダニが家の周りや室内にいた場合、気になるのが被害ではないでしょうか?赤い見た目や潰すと赤い液体が出てくるタカラダニは見た目こそ気持ち悪いですが、「哺乳類への害はない」ことがわかっています。
もう少し詳しく説明すると、タカラダニは哺乳類を標的にしないダニのため、哺乳類を刺して吸血したり寄生して数を増やしていくことはないです。つまり、タカラダニは哺乳類のペットや人に影響を与えることはありません。実際、日本ではタカラダニに刺された事例はないため、そこまで過敏になる必要はないでしょう。
タカラダニの直接的な害はなくても、赤い液体が衣類や布団などにつく被害はあります。タカラダニが発生する4月~6月頃は、洗濯物や干している布団にくっついていることもあるでしょう。最悪なのは何かの拍子でタカラダニが潰れてしまった時です。洗濯物や布団についた状態でタカラダニが潰れると赤いシミができます。
タカラダニの駆除方法8つ
タカラダニは人に無害であるとわかっていても、家の敷地内で見つけたら駆除したい方も多いでしょう。では、潰すと赤い液体が出てくる厄介なタカラダニは、どうすれば駆除できるのでしょうか? タカラダニの駆除方法を7つご紹介します。
■①タカラダニのいる場所に水をまく
タカラダニが屋外にいる場合は水で駆除しましょう。じょうろ・ホース・高圧洗浄機などを使い、タカラダニに向って放水すれば簡単に駆除できます。中でも、おすすめの駆除アイテムは高圧洗浄機です。
高圧洗浄機は水に勢いがあるためタカラダニを一気に駆除できたり、タカラダニのエサとなる花粉をしっかり洗い流すことができます。じょうろやホースで放水してタカラダニを駆除する場合は、水で流した後にブラシなどで地面や壁面を擦って花粉を落としましょう。
水をかけられたタカラダニの多くは溺死しますが、殺すことができなかったとしてもタカラダニは水と一緒に流れていくため、遠くに追いやることができます。また、水でタカラダニを駆除すると潰れて赤い液体が出ることもありません。
■②コンクリートの隙間をふさいで侵入阻止
家の敷地内にあるコンクリートに亀裂や隙間はありませんか? タカラダニはコンクリートにいることも多いため、亀裂や隙間があればパテなどでふさいで侵入させないようにしましょう。コンクリートの亀裂や隙間をふさぐ場合は水をかけてタカラダニを駆除し、さらに殺虫剤をスプレーしてから行います。
タカラダニがコンクリートの亀裂や隙間に侵入するのは、『雨や風から身を守ることができる』『天敵に狙われにくい』『快適な湿度に保たれていることが多い』などの理由があるからです。家の敷地内にコンクリートがある場合は、コンクリートの亀裂や隙間にタカラダニが潜んでいる可能性があります。
また、コンクリートに亀裂や隙間があるとタカラダニの住み家になったり卵を産む可能性が高いため、わずかな亀裂や隙間も見逃さないでふさぎましょう。
■③コロコロなど粘着剤でタカラダニを取る
タカラダニが室内にいる場合は粘着剤で駆除することができます。また、室内だけでなく屋外でも粘着剤は使えるため、コンクリートの地面や壁・ベランダにいるタカラダニも粘着剤で駆除しましょう。粘着剤はコロコロやガムテープなど、使いやすい物を選びます。
ただし、粘着剤でタカラダニを駆除する場合は力強く押してはいけません。タカラダニに圧がかかると潰れて赤い液体が出てくるため、家具やカーペットなどがシミになる原因になります。粘着剤でタカラダニを駆除するコツは、タカラダニを潰さないように意識しながら優しい力加減で粘着剤にくっつけることです。
■④掃除機で吸う
室内にいるタカラダニを駆除するなら掃除機で吸っても良いでしょう。ただし、毛足の長いカーペットやじゅうたんにタカラダニがいる場合は、タテ方向にゆっくり掃除機をかけたら、今度はヨコ方向にゆっくり掃除機をかけるのがポイントです。タテとヨコを掃除機でゆっくりかけることで、毛の間に入り込んでいるタカラダニも駆除できます。
掃除機で吸われたタカラダニは紙パックにとどまりますが、タカラダニを完全駆除するなら掃除機のスイッチを入れた状態で殺虫剤をスプレーしましょう。もしくは、紙パックを取り出し、ビニール袋の中に紙パックごと入れて殺虫剤をスプレーしても構いません。あとは、ビニール袋ごと捨てればタカラダニの駆除は終わりです。
掃除機は粘着剤のようにタカラダニが潰れないように注意する必要がないため、手軽にできる駆除方法と言えます。粘着剤でタカラダニを駆除するのに気が引ける方や、駆除したタカラダニをできるだけ見ないで処理したい方は掃除機を使いましょう。
■⑤殺虫剤で駆除
害虫駆除と言えば殺虫剤がメジャーですが、"タカラダニを駆除するならダニ専用の殺虫剤を使わないといけない"と思っていませんか? でも、タカラダニに関してはダニ専用の殺虫剤を使わなくても駆除できます。
何故なら、タカラダニは殺虫剤に弱い害虫で殺虫剤であれば何でも効くため、ゴキブリやムカデの駆除に使える殺虫剤でも構いません。また、殺虫剤の多くはピレスロイドが含まれていますが、ピレスロイドは即効性があります。つまり、殺虫剤に弱いタカラダニにスプレーすればすぐに駆除できるはずです。
ただし、タカラダニは小さいため、スプレーの勢いで吹き飛ばないように注意しながら殺虫剤を使いましょう。殺虫剤でタカラダニを駆除したら掃除機で吸い取るか、タカラダニを潰さないように意識しながら粘着剤で取り除きます。
■⑥ダニ用マットを置く
室内のタカラダニを駆除するならダニ用マットを使っても良いでしょう。ダニ用マットの内部には粘着剤がセットされていて、ダニが好きな匂いで誘引し粘着剤にくっつけて駆除するアイテムです。タカラダニもダニ目の害虫になるため、ダニ用マットを使えば駆除できます。
使い方は簡単で、タカラダニがいそうな場所やタカラダニを見かけた場所にダニ用マットを置いて、タカラダニが引っかかるのを待つだけです。後処理も楽で、ダニ用マットをそのまま捨てることができます。ダニ用マットの駆除効果の期間は商品にもよりますが大体3ヶ月です。
■⑦タカラダニの天敵を利用する
『タカラダニの天敵』を使って駆除する方法もあります。タカラダニの天敵は『クモ』で、家の敷地内にクモを放してタカラダニを食べてもらいましょう。屋外と室内の両方にクモを放しても良いですが、室内にクモを放すのが嫌な方はベランダや庭だけでも構いません。
クモはコバエや蚊をエサにする種類もいれば、ゴキブリや蛾をエサにする種類もいます。クモの種類によって好むエサは違いますが基本的に昆虫を食べるため、クモはタカラダニもエサにすると考えられているようです。
益虫であるクモを利用してタカラダニを駆除するやり方は、エコな駆除方法と言えます。でも、クモが苦手な方には向いていないため、クモと一緒に生活していても気にならない方は実践しても良いでしょう。
⑧大量発生しているなら業者に相談
タカラダニが大量に発生している場合、自分での駆除に時間も労力もかかります。せっかく駆除してもすぐに再発なんて悲しい結果になることも。
市販の駆除剤にかけるお金や労力をムダにしないために、大量発生しているのなら最初から業者に相談した方が良いかもしれません。
業者に依頼するなら2〜3社で見積もりをとり、作業内容や費用をしっかり比較して決めましょう。
■タカラダニ駆除のおすすめ業者|害虫駆除110番
害虫駆除は数社比較することが大切と知っている業者なので、相見積もり大歓迎です。作業や清掃など全て込みの正確な見積もりを提示。見積もり候補に入れて、低価格・高品質の優良業者を見逃さないようにしましょう。
タカラダニの予防対策5つ
タカラダニを駆除しても安心はできません。タカラダニの住み家や卵を産む場所があれば、タカラダニを駆除しても再び発生します。駆除した後は再びタカラダニを発生させないために、5つの予防対策を行いましょう。
■①タカラダニのエサである花粉を除去して予防対策をする
タカラダニを駆除した後は屋外を中心に掃除をして、花粉がない状態にすると予防対策ができます。具体的には、家の外壁・ベランダ・コンクリートの部分など、タカラダニが発生する場所を掃除して花粉を除去しましょう。
花粉は風と一緒に飛んできて家の外壁などに付着すると、タカラダニは花粉をエサにするため近寄って来ます。でも、家の外壁などに花粉が付着していなければエサがないため、タカラダニが寄り付かなくなるという流れです。
屋外の掃除を少しでも楽にするなら高圧洗浄機がおすすめで、水の勢いで汚れと一緒に花粉を除去するためブラシで擦る手間がありません。高圧洗浄機を使わない場合は、ホースやじょうろで水洗いしてからブラシで擦りましょう。
掃除をするタイミングはタカラダニが発生する前の3月に行うのがベストです。さらに、タカラダニが発生する4月~6月頃も定期的に掃除をして花粉を除去すると、タカラダニの発生を予防することができます。
掃除をするのは少し面倒かもしれませんが、タカラダニを目にしたり駆除する手間が省けるため屋外を中心に掃除をしましょう。
■②タカラダニの住み家になるコケを落として予防対策をする
タカラダニはコケに付いている花粉を食べるだけでなく住み家にするため、家の敷地内にあるコケを除去してタカラダニの予防対策をしましょう。コケを落とすなら高圧洗浄機を使うと楽にできますが、コケ専用の洗浄剤も便利です。
他にも、塩素系漂白剤・風呂用のカビ取り剤・熱湯など、3つの方法でコケを落としても良いでしょう。3つの方法でコケを落とす方法をご紹介します。
【※塩素系漂白剤】
バケツなどの容器に塩素系漂白剤を入れて水で3倍に薄めたらコケにかけましょう。次に、漂白剤の成分をコケに浸透させるため約10分待ちます。約10分経過したら、雑巾・ブラシ・スポンジなどで擦ってコケを落としましょう。
【風呂用のカビ取り剤】
コケに直接風呂用カビ取り剤をスプレーして、しばらく放置したら水でしっかり洗い流します。コケの量や種類にもよりますが、水で洗い流すと大抵のコケは落ちるはずです。水で洗い流してもコケが残っている場合は、スポンジやブラシなどで擦って落とします。
【熱湯】
沸騰させた湯をコケにかけてスポンジやブラシなどで擦りましょう。コケを擦っても落ちない場合は、熱湯をコケにかけて擦る工程を繰り返し行いましょう。
※塩素系漂白剤と風呂用のカビ取り剤を使う時はゴム手袋をして、直接薬剤に触れないようにします。また、使う場所によって変色したり素材が傷む場合があるため、長時間放置するのはやめましょう。
■③残留性のある薬剤を撒いてタカラダニの予防対策をする
タカラダニを駆除したら残留性のある薬剤を使うのもおすすめです。残留性のある薬剤の効果は約数ヶ月あり、タカラダニが家の敷地内にやって来たとしても薬剤で駆除するため、タカラダニの発生を抑制してくれます。
残留性のある薬剤は、庭・家の周り・外壁・サッシ・室内の壁・床など、屋外と室内の両方で使えるものもあれば、屋外専用もあります。
また、液体タイプや粉タイプがあり、液体タイプはハケで塗ったり噴霧器を使うこともできるため、様々な使い方ができるのがメリットです。一方、粉タイプは雨に強いのが特徴で屋外のタカラダニ対策に向いています。
■④コンクリートに防水剤を塗ると数年はタカラダニの予防対策ができる
コンクリートが好きなタカラダニの予防対策をするなら、防水剤を使ってタカラダニの予防対策をしましょう。コンクリートに防水剤を塗る作業は最初こそ手間がかかりますが、防水剤を塗れば数年はタカラダニの予防対策ができます。
防水剤を使う手順は、コンクリートを水洗いした後に残留性のある殺虫剤を塗るなどしましょう。次に、コンクリートと地面の境目・亀裂や隙間をふさいだ場所に防水剤を塗り、硬化すればタカラダニの予防対策作業は終わりです。
タカラダニの予防対策に使う防水剤は『1液型のウレタン防水剤』を使います。2液型のウレタン防水剤は硬化剤と混ぜる必要があり、配合分量を間違えると硬化しないためオススメしません。1液型は硬化剤を混ぜる必要がないため、失敗するリスクを回避できます。
ただし、1型のウレタン防水剤は開封すると硬化するため、"どれくらいの量が必要か"を確認してから購入しましょう。必要な量だけ購入すれば、余ったウレタン防水剤を捨てることもありません。
■⑤近所と一緒に駆除する
タカラダニの駆除を業者に頼んだ場合の料金相場
タカラダニを自分で駆除したくない方や、家の敷地内にいるタカラダニを徹底的に駆除したい方は業者に依頼しましょう。気になる料金ですが、業者にタカラダニの駆除を依頼した場合の料金相場は15,000円~です。
タカラダニの駆除を業者が行う場合は外壁を高圧洗浄機で洗浄したり、タカラダニを駆除するための専用薬剤を噴霧器で撒くなどします。また、タカラダニの予防対策をしてくれるため、家の敷地内でタカラダニを見ることはなくなるでしょう。
業者にタカラダニの駆除を依頼するとコストはかかりますが、プロだからこそタカラダニの完全駆除や予防対策も万全にできます。
まとめ
タカラダニは見た目が気持ち悪いですが、哺乳類(人やペット)を刺すことはないため家の敷地内にいても問題はありません。でも、タカラダニが大量発生すれば不快度指数は増して、潰れると赤い液体が出るため厄介です。
タカラダニを見つけたら潰さないように注意しながら駆除しましょう。そして、タカラダニを駆除した後は予防対策が欠かせません。再びタカラダニを発生させないためにも、タカラダニが寄り付かない環境にすることが大事です。