"洗濯物を取り込もうとしたらカメムシがくっ付いていた"という経験をした方もいるのではないでしょうか?しかも、洗濯物からカメムシを取り払った時に手や洗濯物に臭いが付いたり、カメムシが潰れたら最悪です。
特に、虫が嫌いな方はカメムシの臭いだけでなく見た目も気持ち悪いと思うでしょう。では、不快なカメムシを洗濯物に寄せ付けたくないためにはどうすれば良いのでしょうか?
まずは、『カメムシの生態や特徴・洗濯物に寄ってくる理由・洗濯物によく付く時期』を把握して、カメムシの弱点をチェックしましょう。そして、『カメムシを洗濯物に寄せ付けない対策』を実践すれば、洗濯物をカメムシから守ることができます!
カメムシの生態と特徴とは?
カメムシは世界中に約5,000種類もいる虫で、日本には約90種類生息しています。カメムシの『大きさ』『色』『形』は種類によって違いますが、臭いだけは共通でカメムシの種類に関係なく物凄く臭いです。地域によっては『ヘコキムシ』や『クサムシ』などと呼ばれていますが、いつも臭いわけではありません。
カメムシは刺激されたり危険を察知すると臭いを出して敵を退散させます。また臭いの中にはフェロモンが含まれているのが特徴です。フェロモンは意思疎通をする時に役に立ち、仲間に危険を知らせる時もカメムシは臭いを出します。
カメムシは越冬する虫で軒下の隙間などに身を潜めていることもありますが、空調が整っている室内に侵入し物陰に隠れていることもあります。4月頃になるとカメムシは活動し始めて繁殖をし、5月~8月には20個~100個近く産卵するのが特徴です。卵は約1週間~10日で孵化し秋頃にはカメムシが大発生します。
カメムシが洗濯物に寄ってくる理由
カメムシが洗濯物に寄ってくるのは『温度』『色や光』『匂い』など、3つの理由があるからです。カメムシは暖かい場所を好む虫でベランダなどに干してある洗濯物はとても暖かく、カメムシにとっては快適な場所と言えるでしょう。
特に、洗濯物に直射日光が当たる場合は洗濯物にくっ付いてひなたぼっこをします。他にも、気温が下がる日がある秋は暖かい場所を求めて、洗濯物にカメムシがくっ付いている光景を目にするでしょう。
虫の多くは好む色がありますがカメムシの場合は『白い色』や『薄い色』『光』が好きです。特に白い洗濯物にカメムシは惹かれるため、屋外に白い洗濯物を干しているとカメムシが寄ってきます。
さらに、白い洗濯物は日光が反射するため、1つの洗濯物に何匹もカメムシがくっ付いていることもあるでしょう。カメムシは光に反応する走光性の虫で、光を見ると近寄りたくなる習性があることから、白い洗濯物に寄ってきます。
カメムシが洗濯物によく付く時期はいつまで?
カメムシが洗濯物によく付く時期は、「秋」です。カメムシは本来、冬は活動しませんが、暖冬ですと実際には冬も家の中に侵入するなど、活動が見られます。暖かい冬の日でも洗濯物に注意するのが良いでしょう。
中でも、カメムシが最も増える時期は9月~11月頃で、秋は春や夏に比べると物凄い数のカメムシがいる状態です。つまり、カメムシの数が圧倒的に増える秋は屋外に洗濯物を干すと、春や夏以上にカメムシが付く可能性が高くなります。
場合によっては、1つの洗濯物にカメムシが数匹付いていることもあり、カメムシが嫌いな方にとっては最悪な状況と言えるでしょう。
カメムシを洗濯物に寄せ付けない対策8個
4月~11月はカメムシのシーズンで、屋外に洗濯物を干す場合はカメムシに注意しないといけません。カメムシ対策をしないで屋外に洗濯物を干すとカメムシがくっ付きます。洗濯物をカメムシから守るなら8個の対策をしましょう。
■①草を除去してカメムシを洗濯物に寄せ付けない対策をする
あなたの家のベランダ周辺に草は生えていませんか?もし、草が生えているなら草むしりをしてカメムシが洗濯物に寄り付かないようにしましょう。カメムシは草がある場所を好み徘徊しながら移動する虫で、ベランダ周辺に草が生えているとカメムシが寄ってきます。
特に、カメムシが好きな植物はツル科の植物や豆科の植物で、産卵期は葉っぱに卵を産みつけることもあるでしょう。すると、ベランダ周辺でカメムシが大量発生し洗濯物にくっ付く原因になります。
洗濯物にカメムシを寄せ付けないようにするなら、ベランダ周辺に生えている草を除草するのが効果的です。草は基本的には抜いても月日が経つと生えてくるため、『長期間生えなくなるような除草剤』を使うと良いでしょう。
■②薄色系の洗濯物は干さないでカメムシを寄せ付けない対策をする
屋外に干してある洗濯物にカメムシを寄せ付けないようにするなら、『白』や『薄い色』の洗濯物を干さないことです。カメムシは白や薄い色に集まる習性があるため、屋外に洗濯物を干す時は黒など、色がハッキリしている洗濯物だけを干します。
どうしても白や薄い色の洗濯物を屋外に干したい時は、色が濃い洗濯物を外側に干して色が薄い洗濯物を内側に干しましょう。でも、白や色が薄い色の洗濯物はカメムシが好む色であり、、白や薄い色の洗濯物を内側に干しても完全にカメムシ対策ができるわけではありません。
どうしてもカメムシを洗濯物に寄せ付けたくない方は、やはり白や薄い色の洗濯物は屋外に干さない方が良いでしょう。
■③アルミホイルと洗濯物を干してカメムシを寄せ付けない対策をする
屋外に洗濯物を干したい方はアルミホイルを使いましょう。アルミホイルは光る物に反応するカメムシの習性を利用した方法で、アルミホイルを洗濯物の間に設置すると洗濯物にカメムシが付きません。では、用意する物と作り方をご紹介します。
【用意する物】
・アルミホイル
・ハンガー
・洗濯バサミやセロハンテープなど
・割り箸など
【作り方】
◯長めに切ったアルミホイルをハンガーにセットするため、洗濯バサミやセロハンテープなどで固定しましょう。アルミホイルは干している洗濯物よりも長くなるように切って、カメムシに見えるようにします。
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○次に、アルミホイルの下に割り箸などをセットして少し重さを足せば完成です。割り箸などをアルミホイルの下に置いたら、アルミホイルで包み込むようにクルクル巻いていくとセロハンテープなどがなくても固定できます。
■④防虫ネットを張って洗濯物にカメムシを寄せ付けない対策をする
洗濯物の干し方を工夫する方法もありますが、ベランダスペースに防虫ネットを張る方法は高い効果を実感するでしょう。ただし、防虫ネットでカメムシ対策をする時は『隙間ができないように防虫ネットを張る(2mmの隙間があれば侵入できるため)』ことと、『網目が細かい防虫ネット』を選ぶのがポイントです。
隙間ができないように防虫ネットを張っても、2mm以上の網目だとカメムシはベランダに侵入して洗濯物に付いてしまいます。カメムシが防虫ネットの網目から侵入してこないように1.5mmや1mmなど、できるだけ目が細かい網目の防虫ネットを選びましょう。
さらに、防虫ネットの色もポイントで、白や色が薄い色を好むカメムシは黒い色を好みません。カメムシから洗濯物を守るなら黒い色の防虫ネットもおすすめですが、ベランダに張ると日当たりが悪くなるため理解した上で使いましょう。
■⑤洗濯物カバーで洗濯物を覆いカメムシを寄せ付けない対策をする
防虫ネットよりも楽に洗濯物のカメムシ対策ができるのが、洗濯物カバー(ランドリーコート)です。屋外に干してある洗濯物を洗濯物カバーで覆い、カバーが風で飛ばされないように洗濯バサミでとめます。
洗濯物カバーは洗濯物を覆ってカメムシを寄せ付けないようにする便利アイテムですが、デメリットもあり、完全に隙間をなくすことができません。つまり、隙間からカメムシが侵入して洗濯物にくっ付く可能性があるため、防虫ネットよりもカメムシ対策の効果は落ちます。
前に挙げた他の方法を併用すると、より効果的でしょう。
■⑥ハーブや唐辛子を栽培してカメムシを寄せ付けない対策をする
カメムシはハーブの匂いや唐辛子が嫌いなため、洗濯物にカメムシを寄せ付けないようにするならハーブや唐辛子をベランダで栽培するのも良いです。ハーブをベランダで栽培するなら『ミント』がおすすめで、植物の栽培に詳しくない方でも育てやすいでしょう。
ただし『セリ科の植物』だけはベランダで栽培してはいけません。カメムシはセリ科の植物が好きで、ベランダで栽培すると洗濯物に寄せ付ける原因になります。セリ科の植物は『パセリ』『チャービル』『パクチー』『フェンネル』『コリアンダー』などがあり、カメムシ対策でベランダにハーブを植える時は【セリ科でないか】をチェックしてから栽培しましょう。
一方、唐辛子には辛み成分のカプサイシンが含まれています。ハーブのような香りはありませんが、カプサイシンでカメムシを刺激するのが特徴です。ベランダで唐辛子とハーブの両方を栽培して、刺激物と香りのダブルでカメムシ対策をしても良いでしょう。
■⑦ハッカ油スプレーをまいてカメムシを寄せ付けない対策をする
洗濯物にカメムシが寄り付かないようにするなら、ベランダの壁や地面・物干し竿の土台などにハッカ油スプレーを使う方法も向いています。ハッカ油スプレーの作り方は簡単で、必要な物(以下参照)をスプレーボトルに入れてよく振れば完成です。
一方、ハッカ油スプレーを手作りするのが面倒な方は、完成形のハッカ油スプレーを使うのも良いでしょう。手作りよりもコストはかかりますが、カメムシ用のハッカ油スプレー(商品名:カメムシスプレー)はネット通販などで購入できます。
ハッカ油は香りを利用して洗濯物にカメムシが寄り付かないようにする方法ですが、時間が経つと香りが薄れてきます。香りを持続させるなら定期的にハッカ油スプレーをまきましょう。また、雨や水に濡れるとハッカ油は流れて香りが薄くなるため、雨や水で濡れたら再度ハッカ油スプレーを使います。
【必要な物】
・ハッカ油 :10滴~20滴くらい
・精製水 :90ml
・エタノール :10ml
・スプレーボトル:100mlが入るもの
■⑧忌避剤を設置して洗濯物にカメムシを寄せ付けない対策をする
洗濯物をカメムシから守るなら市販の忌避剤を使っても良いでしょう。カメムシに効く忌避剤はハーブや唐辛子成分が含まれていて、匂いで洗濯物にカメムシが寄り付かないようにします。忌避剤は吊り下げ型やテープ型などがありますが、使いやすいものを設置しましょう。
吊り下げ型は、物干し竿にぶら下げたり角ハンガーのピンチに止めて使います。テープ型は、ガムテープやセロハンテープのような粘着剤で、ベランダ周辺や洗濯物を干すところに張るとカメムシが寄り付きません。
カメムシに効く忌避剤は雨にも強く効果は約1ヶ月~2ヵ月持続します。忌避剤も匂いでカメムシを寄せ付けないようにするアイテムですが、ハッカ油スプレーのように雨や水で濡れた後に再度スプレーする手間がありません。
楽して簡単にカメムシ対策をしたい方は、市販の忌避剤を使ってみてはいかがでしょうか?
洗濯物に付いたカメムシの取り方4個
洗濯物にカメムシがくっ付いている時は、カメムシを叩いたり洗濯物を激しく動かしてはいけません。カメムシは刺激されると臭いを出すため、洗濯物にカメムシが付いている時は刺激しないように取り除くことです。早速、カメムシが洗濯物に付いている時の取り方をご紹介します。
■粘着剤にカメムシを付けて洗濯物から取り除く
洗濯物に付いているカメムシを刺激しないで取り除くなら、ガムテープなどの粘着剤を使いましょう。カメムシをガムテープなどにそっとくっ付けてカメムシを洗濯物から引き離します。あとは、粘着剤ごとビニール袋に入れて封を縛り捨てるだけです。
ガムテープなどの粘着剤で洗濯物に付いているカメムシを取り除く時は、カメムシを優しく粘着剤にくっ付けるイメージで行いましょう。粘着剤にカメムシを付けるだけなら力を入れなくてもくっ付きます。強い圧をかけるとカメムシは危険を察知して臭いを出すため、力加減は注意しましょう。
■洗濯物に付いたカメムシを取った後に殺虫して廃棄するなら、漂白剤などを使う
洗濯物に付いているカメムシを取り除いた後、完全にカメムシを殺虫して廃棄したい方は台所用洗剤や漂白剤を使うと良いです。少し手間がかかりますが、殺虫剤を使わないで洗濯物に付いているカメムシを駆除できます。
【必要な物】
・台所用洗剤か漂白剤
・水
・ペットボトル、牛乳パックなど
・カッターやハサミ
・カメムシを取り除く道具(ティッシュ・割り箸・厚紙・はがきなど)
【作り方】
ペットボトルを使う場合はカメムシを入れやすくするために、飲み口から下の部分をカッターやハサミで切り離します。牛乳パックの場合は封を完全に開けます。次に、ペットボトルなどの容器に水を入れて、さらに台所用洗剤か漂白剤を入れたら完成です。また、水の分量を少なめにして台所用洗剤や漂白剤の分量は多くすると濃度が濃くなりカメムシを早く殺虫できます。
【手順】
洗濯物に付いているカメムシを割り箸で掴んで取り除く場合は、カメムシを刺激しないように足を優しく掴みましょう。ティッシュの場合もカメムシの体をそっと掴みます。そして『水』『台所用洗剤』『漂白剤』が入っている容器の中にカメムシを入れたら殺虫は完了です。
厚紙やはがきで洗濯物に付いているカメムシを引き離す場合は、厚紙やはがきを洗濯物とカメムシの間に入れてカメムシを下に落とします。落下したカメムシをキャッチするために、『水』『台所用洗剤』『漂白剤』が入っている容器をカメムシの下にくるように手で持ちましょう。
■スプレーで洗濯物に付いたカメムシを取り除きながら駆除する
カメムシに触れないで洗濯物から取り除きたい方は、殺虫成分が入っていないスプレー(『カメムシコロリ』など)をカメムシに噴射する方法がおすすめです。殺虫成分が入っていないスプレーはベンジルアルコールが含まれていて、洗濯物にスプレーして濡れてもすぐに気化して乾きます。何より、殺虫成分が含まれていないため洗濯物にスプレーしても安心です。
使い方も簡単で、洗濯物に付いているカメムシに数秒スプレーすると洗濯物からカメムシが離れます。落下したカメムシにもう1度スプレーすれば完全に駆除できる仕組みです。殺虫成分が入っていないスプレーを使うメリットは、カメムシの臭いを嗅がずに素早くカメムシを駆除できることです。
洗濯物に付いたカメムシの臭いを消す方法3個
カメムシの臭いが手に付いた時、『念入りに手を洗ってもなかなか臭いがとれなかった』という方もいるでしょう。では、カメムシの臭いが洗濯物に付いたらどうすれば良いのでしょうか?洗濯物にカメムシの臭いが付いた時は3つの方法を実践すれば臭いが取れます。
■①洗濯物に付いたカメムシの臭いを部分的に消すなら固形石鹸が良い
洗濯物に付いたカメムシの臭いを消すなら固形石鹸を使いましょう。カメムシの臭いの成分は「親油性」であり、界面活性剤が入っているものを使うと効果的です。界面活性剤は台所用の洗剤のイメージが強いですが、実は固形石鹸にも界面活性剤が含まれています。
また、固形石鹸は液ダレせず石鹸の角で擦ればピンポイントで使えるため、カメムシの臭いが付いている部分だけに使えるのがメリットです。
【必要な物】
・固形石鹸
・キレイなタオル
・歯ブラシ
【やり方】
○カメムシの臭いが付いている部分を水かぬる湯で濡らして、固形石鹸で擦ります。そして、歯ブラシで優しく擦りカメムシの臭いを取り除きましょう。歯ブラシがなければ、カメムシの臭いが付いている部分の生地を手で優しく擦っても構いません。
ただし、歯ブラシで強く擦ったり洗濯物の生地をガシガシ擦ると生地が傷むことがあるため注意しましょう。
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○キレイなタオルに水かぬるま湯を含ませて固く絞り、固形石鹸を当てた部分を優しく叩きます。何回か繰り返して固形石鹸の成分をタオルに移しましょう。最後に、洗濯物をハンガーなどにかけて乾かせば完了です。
■②柑橘系洗剤は様々な方法で洗濯物に付いたカメムシの臭いを消す
洗濯物にカメムシの臭いが付いた場合は『柑橘系の台所用洗剤』『柑橘系の衣料用洗剤』も使えます。柑橘系の成分である「リモネン」は油汚れをよく落とすことができ、カメムシの臭いを落とすには最適です。
柑橘系の台所用洗剤、柑橘系の衣料用洗剤で洗濯物に付いたカメムシの臭いを落とす場合は、つけ置きや洗濯機で丸洗いしたり、部分的に洗うこともできます。洗濯物に付いたカメムシの臭いを部分的に落とす時は、ご紹介した固形石鹸のやり方を参考にして下さい。
■③楽して洗濯物に付いたカメムシの臭いを消すなら熱を加える
楽して簡単に洗濯物に付いたカメムシの臭いを消したい方は、日当たりが良い場所に干すかドライヤーを使いましょう。カメムシの臭いの成分は揮発性があり熱に弱いのが特徴です。そのため、カメムシの臭いが付いた洗濯物を天日干ししたり、ドライヤーで当て続けるとカメムシの臭いが消えます。
天日干しやドライヤーを使う方法は、洗濯物を部分的に洗ったり丸洗いする手間がありません。少しでも早く洗濯物に付いたカメムシの臭いを消したい時はドライヤーを使いましょう。
また、香りの強い柔軟剤や香りつけビーズを使用して、良い香りをつける方法もあります。白の衣服ですと、色落ちの心配がありませんので、漂白力が強い塩素系漂白剤を使用する方法もあります。
まとめ
洗濯物をカメムシから守るなら、特に、カメムシが活動する9月〜11月は屋外に干さないのがベストです。本当に苦手な方は、春、夏も屋外に干さない方が良いでしょう。
もし、屋外に洗濯物を干すなら、ベランダ周辺の草を刈ったり市販の忌避剤を使うなど、洗濯物にカメムシを寄せ付けない対策をしてから干しましょう。
また、カメムシは1年の半分以上活動しているため、上手に付き合っていくしかありません。ご紹介した内容を参考にして、洗濯物にカメムシが付かないようにしましょう。