あなたが住んでいる家はフローリングでしょうか? 昔の日本は畳が主流でしたが、現在では見た目や機能性の関係でフローリングを採用している家も多いです。木の温もりを感じることができるフローリングは、部屋をおしゃれに見せたり掃除が簡単にできます。
一方で、フローリングは傷が付きやすいのが難点です。例えば、子供がフローリングにおもちゃを落として傷付いたり、家具を置いたことにより凹んでしまうこともあります。傷付いたフローリングは見た目が悪く、傷が深くえぐれてしまった場合は放置しているとケガをするかもしれません。今回は、傷付いたフローリングがを直す方法や、フローリングを傷から守る予防対策をご紹介します。
フローリングに傷がつく原因・理由
フローリングが傷付いてしまうのは何故でしょうか? 美しいフローリングは時間が経つと傷や凹みができますが、原因は3パターンあります。1つ目は家具などの重圧・2つ目は物の落下・3つ目は引っかき傷です。では、詳しく見ていきましょう。
【家具などの重圧】
フローリングの上に家具などの重い物を置いていると、フローリングが重みに耐えきれず凹みます。凹みに強いと言われている木でも、継続して重い物を置き続ければ凹むケースが多いです。
【物の落下】
フローリングに物を落とした時も、落下による衝撃で凹んだり傷が付きます。また、物の重さや形状によっては大きく凹んだり、フローリングが深く傷つく場合もあるでしょう。
【引っかき傷】
フローリングにできる引っかき傷は、フローリングの上で物を引きずるとできる傷です。深い傷や浅い傷がいくつもできたり、最悪の場合はフローリングの一部がえぐれてしまうこともあります。
フローリングの傷は自分でも直せる?
フローリングに傷が付いたら”自分では直せないのか?"と、きっと多くの方は考えるでしょう。結果から言うと、フローリングの傷は自分でも直すことができます。自分でフローリングの傷を直すとコストを抑えることができるため、少しでも安く直したい方は自分で修理しましょう。
ただし、フローリングの傷がかなり深くカビが発生している場合は、業者に依頼することをおすすめします。素人がフローリングの傷や周辺に生えたカビを完全に除去し、フローリングの傷を直してキレイにするのは難しいです。
万が一、フローリングに生えたカビの根を完全に除去できないまま、フローリングを直すと再びカビが生えてくる可能性があります。カビは表面だけ落としても、木の隅々まで根を張っていることもあると思いましょう。カビを完全に除去してフローリングの傷を直すなら、業者に依頼した方が確実で安心です。
フローリングの傷の修理・補修方法7個
"フローリングに傷が付いてしまった! どうやって直せばいいの?"と焦る方もいるでしょう。フローリングに傷が付いてしまっても、7つの方法を実践すればフローリングの傷を直すことができます。また、フローリングの傷には浅い傷や深い傷がありますが、使う道具ややり方を変えれば問題ありません。早速、フローリングの浅い傷や深い傷の直し方をチェックしましょう。
■①軽い凹みはアイロンで直す
フローリングの上に家具を置いていると、家具の重みで凹んでしまうことがあります。フローリングにできた軽い凹みはアイロンや水を使って直しましょう。フローリングに水を含ませると木が水分を吸収し膨張するため、フローリングの凹みが直ります。
【用意する物】
・アイロン
・タオルや雑巾
・容器に入れた水
【フローリングの凹みを直す方法】
〇水を含ませたタオルや雑巾を固く絞り、フローリングの上に置きましょう。
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〇固く絞った雑巾の上からアイロンをかけますが、アイロンをあまり動かさない状態で60秒くらい当て続けたらアイロンを離します。アイロンを当てて離すことを3回くらい行いましょう。ただし、タオルや雑巾の水分がなくならないように、容器に入れた水をタオルや雑巾の上に少しづつ垂らして湿っている状態を保つのがポイントです。
■②アイロンで軽い凹みが直らない時は画鋲を使う
フローリングにアイロンをかけても直らない時は画鋲を使います。フローリングの凹みに画鋲を刺して穴をいくつか開けてから、穴を開けたところに水を垂らしましょう。すると、穴が開いた部分から木が水分を吸収し膨張します。あとはご紹介したように、アイロンをかけてフローリングの凹みを直す方法を行うだけです。
■③表面にできた浅い傷はハンドクリームで直す
フローリングの傷が浅く引っかき傷のような状態であれば、ハンドクリームを使うと傷が目立ちにくくなります。引っかき傷のようにフローリングの表面にできた軽い傷は、ワックスだけが取れているだけかもしれません。フローリング自体に傷がなくワックスが取れてれいる状態であれば、ハンドクリームだけで直せる可能性があります。
【用意する物】
・ハンドクリーム
・タオル、雑巾、いらない布など
【フローリングの浅い傷を直す方法】
〇タオル、雑巾、いらない布などに、ハンドクリームを少しだけ付けましょう。
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〇フローリングにできた浅い傷の部分にハンドクリームを付けた布などを、優しく擦ったりクルクル円を描きながらハンドクリームを塗りこんでいきます。しばらく続けていると傷が目立たなくなってきますが、傷の状態によっては完全に消すのは難しいかもしれません。ただ、フローリングにできた傷はかなり目立たなくなるでしょう。
■④浅い傷は専用のクレヨンで直す
フローリングにできた浅い傷を直す方法として、フローリング専用のクレヨンを使うのもおすすめです。フローリング専用のクレヨンは、何色かセットになって販売されているものもあります。使い方も簡単なため、手っ取り早くフローリングの浅い傷を直したい方にはピッタリです。
【用意する物】
・フローリング専用のクレヨン
・タオル、雑巾、いらない布など
【フローリングの浅い傷を直す方法】
〇フローリングの色に合ったクレヨンを選びましょう。フローリングの傷や周辺にホコリやゴミがあれば取り除き、水で濡れている場合は乾拭きをします。
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〇フローリングにできた浅い傷に専用のクレヨンを塗りましょう。クルクル動かしながらクレヨンを動かして、フローリングの傷を塗っていくのがポイントです。最後に、タオル・雑巾・いらない布などで拭き取ったら終わりです。
■⑤深い傷は専用の補修ペンで直す
フローリングにできた深い傷はフローリング専用の補修ペンを使います。また、フローリング専用の補修ペンがあれば浅い傷も直すことができるため、1つ持っていると便利です。では、フローリングにできた深い傷の直し方をご紹介します。
【用意する物】
・フローリング専用の補修ペン(10色セットなどあり)
・タオル、雑巾、いらない布など
【フローリングの深い傷を直す方法】
〇フローリングの色に合った補修ペンを選びましょう。フローリングにできた深い傷や周辺が汚れている場合は、掃除をして汚れを落とします。また、水分がある場合は乾拭きをして水気を拭き取りましょう。
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〇フローリングの傷の部分に補修ペンでなぞっていきますが、木目があるフローリングは木目に沿って補修ペンをを使うとキレイに仕上がります。フローリング専用の補修ペンは乾くのが早いため、補修ペンでフローリングの傷を塗ったら、タオル・雑巾・いらない布などですぐに馴染ませなるのがポイントです。
■⑥深い傷は専用のクレヨンでも直せる
フローリング専用のクレヨンは浅い傷だけでなく、深い傷を直すこともできます。フローロング専用のクレヨンが深い傷も直すことができるのは、蝋でできているからです。フローリングにできた深い傷はクレヨンを溶かし深い傷を埋めて直します。
【用意する物】
・フローリング専用のクレヨン
・スプーン
・ライターやチャッカマン
・爪楊枝や割り箸
・定規
・ティッシュ、タオル、雑巾、いらない布など
【フローリングの深い傷を直す方法】
〇フローリングにできた深い傷や周辺が汚れていたら掃除をし、濡れていたら乾拭きをして水気を拭き取りましょう。
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〇スプーンを用意して、フローリングに合った色のクレヨンを削ります。フローリングに合う色がなければブレンドして色を作るため、何色か削りましょう。
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〇削ったクレヨンをスプーンの上に乗せたら、スプーンの下にライターやチャッカマンの火を当ててクレヨンを溶かします。ブレンドした場合はスプーンを揺らしながら色を混ぜるか、クレヨンが溶けたら爪楊枝や割り箸で混ぜましょう。
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〇溶かしたクレヨンをフローリングの傷に流し込み、1分くらい待って固めます。次に、固まったクレヨンの凸凹を滑らかにするために、クレヨンのパッケージに入っている付属のハケで削りましょう。もしくは、定規でクレヨンの凸凹を削っても構いません。深く削るとフローリングの傷に入り込んでいるクレヨンまで削ってしまうため、削り過ぎには注意しましょう。
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〇クレヨンを滑らかにしたら、ティッシュ・タオル・雑巾・いらない布などに水を含ませて固く絞り、フローリングの傷があった場所を拭いて馴染ませたら終わりです。
■⑦浅い傷や深い傷は専用テープで直す
フローリングにできた傷を簡単に直すなら、フローリング専用の傷隠しテープが便利です。テープになっているため傷の深さに限らず使るのと、クレヨンを溶かすなどの作業がなため、フローリングの傷をすぐに直したい方にも向いています。フローリングの色や木目に合わせてテープを選び傷の部分に張りましょう。
フローリングを傷つけない予防対策5個
フローリングは木でできているため、どうしても傷が付きやすいのは仕方ありません。とは言っても、できればフローリングを傷付けたくない方も多いはずです。美しいフローリングを傷から守るための方法を5個ご紹介します。
■①フローリングの上に保護マットなどを敷く
家具など重い物をフローリングの上に置く時は、保護マット・フェルトシート・金属製の薄い板などを敷きましょう。フローリングの上にワンクッション置くことで、家具などの重みによる凹みを防ぐことができます。フローリングの上に敷いて傷を防ぐグッズは、ホームセンターやネット通販で購入可能です。
■②テーブルやソファーの上にカーペットなどを敷く
フローリングの上にテーブルやソファーを置く場合は、カーペットやラグマットを敷いてフローリングの凹みや傷対策をしましょう。さらに、コップなどの食器をフローリングに落としても、カーペットやラグマットが衝撃を吸収してくれるため、食器が割れにくくなるのもメリットです。
また、カーペットやラグマットであれば、保護マット・フェルトシート・金属製の薄い板などと違い、部屋をおしゃれに彩りながら凹みや傷を防ぐことができます。季節に合わせてカーペットやラグマットの色柄を変えて、部屋の印象を変えるのも良いでしょう。
■③椅子の脚にカバーを付ける
椅子も重い家具と同じように、フローリングの上にそのまま置いて使ってはいけません。椅子自体は軽いですが、人が座れば重みが増してフローリングが凹みます。さらに、椅子を引くとフローリングが擦れて傷が付くため、何かしらの予防をしないといけません。
フローリングを凹みや傷から守るために、椅子の脚にカバーを付けましょう。椅子の脚に付けるカバーはソックスタイプが多く100円ショップでも購入できますが、使い続けているうちにソックスが脱げてくるのが難点です。
脱げにくい脚のカバーを使うなら、ラバー素材が使われているものを選びましょう。ラバー素材が使われている脚のカバーは床に付く部分はクッション性があり、カバーの上の方はラバー素材が使われているためズレにくいのが特徴です。椅子の脚にしっかりフィットしカバーが脱げにくいため、カバーが脱げる度に何度も被せる手間がありません。
■④フローリングを傷付けにくい掃除機を使う
掃除機でフローリングを掃除すると、ゴミやホコリをキャッチする回転ブラシがフローリングを傷付けてしまいます。フローリングを掃除機で傷付けないようにするためには、回転ブラシを止めることができる掃除機を使うか回転ブラシがない掃除機を使いましょう。
とは言っても、"回転ブラシを止めたり回転ブラシがない掃除機は、ゴミやホコリの吸い取りが悪いのでは?"と不安に感じる方もいるでしょう。しかし、掃除機の機能性は以前よりも良くなっており、回転ブラシを止めたり回転ブラシがない掃除機でも、ホコリやゴミをしっかりキャッチします。
■⑤フローリングの上で物を引きずらない
フローリングの上に置いてある物は引きずらないようにしましょう。フローリングの上で物を引きずると、フローリングと接触している面がヤスリをかけている状態になり、細かくて浅い傷がたくさんできたり、深い傷ができることもあります。
フローリングの上を引きずらないと物を移動させることができない場合は、フローリングの上に毛布などを敷いて傷を防ぐなどしましょう。もしくは、フローリングを傷から守りながら重い荷物を移動させる、専用キャスターなども便利です。
フローリングの傷の修理・補修グッズおすすめ5選
傷付いたフローリングは専用のクレヨンや補修ペンなどで直すこともできますが、他にもフローリングの傷を直すグッズはたくさんあります。最後に、フローリングの傷を直す時に便利なおすすめグッズを5個チェックしましょう。
■①キズ消しシート
フローリングの浅い傷を目立たなくしてくれるのが『キズ消しシート』です。キズ消しシートの使い方は簡単で、フローリングワイパーをキズ消しシートセットしたら、フローリングの上に軽く滑らせて乾かします。乾いた後にもう1度キズ消しシートでフローリングの上を軽く滑らせると、浅い傷が目立たなくなります。
ただし、キズ消しシートは樹脂塗装のフローリングのみ使用可能です。オイルステインやロウ仕上げ・油性や乳化性ワックス・水分が浸透しやすい木・漆や鏡面仕上げ等の特殊なフローリングには使えません。また、フローリングの木によっては変色する恐れがあるため、目立たないところで試してから使いましょう。
■②家族で補修屋さん
『家族で補修屋さん』はフローリング専用のクレヨンを使う時の要領で、フローリングにできた傷を直すことができます。家族で補修屋さんは、ホットナイフ・リペアスティック・ゴシゴシスクレーパー・ヘラなどがセットになっている便利なキットです。
ホットナイフをリペアスティックに当てて溶かし、フローリングの傷の部分に流すと20秒くらいで固まります。固まったリペアスティックをヘラなどで擦り平にしたら、タオルや雑巾などで拭き取るだけです。フローリング専用のクレヨンのようにライターやチャッカマンで火を使わない分、比較的安全にフローリングの傷を直すことができるでしょう。
■③ハウスリペアキット
フローリングの一部がえぐれてしまった深い傷はもちろん、浅い傷も直すことができるのが『ハウスリペアキット』です。ハウスリペアキットはフローリング専用のクレヨンよりも粘着性があるのが特徴で、様々な傷に密着して直します。
また、ソフトワックスと専用のヘラがセットになっていますが、ソフトワックスは4色入りでフローリングの色に合わせたい時は指でこねて色を作ることも可能です。ライターやチャッカマン・ホットカッターで溶かして色を混ぜる必要がないため、熱を使って色を調合したくない方にもハウスリペアキットは向いています。
■④色つや復元コート
ワックス感覚でフローリングの傷を直すなら、『色つや復元コート』が便利です。色つや復元コートは浅い傷や深い傷を直すことができますが、仕上げるまでに少し手間がかかると感じるかもしれません。
フローリングを掃除してホコリやゴミを取り除いた後に、フローリングの油分を除去する洗剤などを使います。次に、乾いている状態のフローリングに、付属のスポンジに色つや復元コートを垂らしてフローリングの木目に沿って優しく擦りましょう。
厚塗りをするとキレイに仕上がらないため、薄く塗るのがポイントです。色つや復元コートをフローリングの傷に塗ったら30分くらい放置して乾かします。そして、乾いた後に再び色つや復元コートを塗って乾かすことを2回繰り返し、フローリングの傷を直しましょう。
■⑤シェラックつや有り補修キット
フローリングのあらゆる傷をたい方は、『シェラックつや有り補修キット』がおすすめです。フローリングの浅い傷や深い傷まで対応できるのと、フローリングの傷に使えるスティックは20色以上揃っています。徹底的にフローリングの傷を直したい方にはピッタリの代物です。
セット内容は、シェラックつや有りスティック22色・電熱コテ・バーンインバルム・アートマーカー3色・スチールウール・ウルトラボンドマーカー3種類・フェルトブロック・下地処理・リキッドサンドペーパー・マスキングテープ・ウエス・収納ケースとなっています。
まとめ
フローリングは物を落としただけでも傷ができたり、重い物を置けば凹むのは材質的に仕方ありません。フローリングに傷や凹みができたらご紹介した方法を実践して、傷や凹みを直しましょう。
また、フローリングが傷付く前に予防することも大事です。フローリング用のシートやカーペット・椅子の脚に付けるカバー・回転ブラシが止まったり回転ブラシがない掃除機を使って、できるだけフローリングに傷が付かないようにしましょう。