浴室換気扇は壊れるイメージがない方もいるのではないでしょうか?中には、壊れていないことを理由にして、10年や20年同じ浴室換気扇を使い続けている家もあるかもしれません。
しかし、浴室換気扇も電化製品の1つで寿命があります。寿命を迎えた浴室換気扇は壊れていなくても部品は経年劣化が進んでおり、使い続けていると故障や不具合を起こすリスクが高いです。
寿命を迎えた浴室換気扇でも壊れていなければ交換しない方は多いですが、故障や不具合を起こす前に新品へ交換することをおすすめします。なぜなら、新しい浴室換気扇は機能が優秀で省エネタイプなどもあるからです。今回は、浴室換気扇の交換時期や交換方法などをご紹介します。
浴室換気扇の交換時期の目安
浴室換気扇を交換するイメージがない方もいるのではないでしょうか?浴室換気扇も他の家電と同じで寿命があり、交換時期の目安は8年~10年です。
交換時期の目安を過ぎた浴室乾燥機は経年劣化が進んでいる状態で、故障や不具合などのトラブルが発生すると考えましょう。何かしらのトラブルが発生した場合、基本的には新しい浴室換気扇へ交換しないといけません。
また、浴室換気扇は寿命を迎えていなくても、機械トラブルが発生することもあります(以下参照)。
・音がおかしい
・変な臭いがする
・以前に比べて回転音が大きい
・電源を入れても動かない
・換気が弱い
・振動音がやたらと大きい
・ファンは動いていても換気できない
寿命を迎えていない浴室換気扇の機械トラブルは、汚れが原因で異変が起きているかもしれません。故障かなと思ったら、クリーニングで汚れを落とすと解消することもあります。
換気扇の種類
Photo by Carlos Alberto Gómez Iñiguez on Unsplash
浴室換気扇には種類があることをご存知でしょうか?浴室換気扇は大きくわけると2種類あり、高層住宅に不向きなタイプや戸建てに向いているタイプなどがあります。
【プロペラファン(直接排出式)】
プロペラファンは屋外に面している壁に設置して、浴室内の湿気や空気を直接外へ換気するタイプです。形状は扇風機に似ており羽根が付いています。
プロペラファンは従来型の浴室換気扇で風量が強い一方、屋外の風の影響を受けやすいのがデメリットです。風の抵抗に弱く強風の日は風量が安定しないため、浴室の換気機能が落ちることもあります。
プロペラファンの設置に向いているのは戸建てで、風量が安定していないなどの理由から高層住宅には向いていません。また、暖房機能や乾燥機能が付いた浴室換気扇を求めている方はシロッコファン(ダクト排出式)を選びましょう。
【シロッコファン(ダクト排出式)】
シロッコファンは浴室の天井に設置して、ダクトから湿気や空気を外へ換気するタイプです。屋外の風の影響を受けずに安定して換気することができるため風量は安定しています。
シロッコファンは、集合住宅・高層住宅・ユニットバスで使われることが多く、暖房機能や乾燥機能もあり便利です。
浴室換気扇の交換方法
Photo by Louis Hansel @shotsoflouis on Unsplash
浴室換気扇の交換方法をご紹介しますが、シロッコファン(ダクト排出式)をメインに見ていきましょう。プロペラファンの浴室換気扇の交換は屋外に面している壁に設置するだけです。比較的簡単に交換作業ができるため今回は省略します。
【浴室換気扇を取り外す手順】
■パネルを外す
浴室換気扇の交換作業で感電しないように、ブレーカーを落としてからパネルを外してください。
パネルはツメの部分にバネが引っかかっており、パネルを下に向かって軽く引っ張りツメの部分からバネを外します。
パネルを外すと、天井に浴室換気扇を固定するためのネジが4つあるため外しましょう。浴室換気扇とダクトは電気配線でつながっており、ネジを外しても落下することはありません。
↓
■配線を外してアルミテープを剥がす
天井裏に入るための点検口(浴室換気扇の近くにある)のフタを開けて、電源ケーブルを外します。もう1つ、浴室換気扇とダクトをつないでいるアルミテープも剥がして下さい。
【新しい浴室換気扇を設置する手順】
■ダクトにステーを固定する
ダクトにステーを設置して隙間ができないようにアルミテープで固定します。
隙間があると浴室の湿気と空気が漏れて、天井裏にカビが生える原因になるため注意してください。
↓
■ステーを新しい浴室換気扇に固定する
ステーを天井に引っかけたら新しい浴室換気扇の張り出し部分にネジで固定します。
↓
■電源ケーブルを差し込む
新しい浴室換気扇に電源ケーブルを差し込みアース線があれば取り付けましょう。
次に、新しい浴室換気扇にステーをネジで止めて完全に固定します。
↓
■元の状態に戻してテストする
パネルを元に戻して点検口を閉めたら浴室換気扇の稼働テストを行いましょう。
テストはスイッチをONにするだけでもいいですが、パネル部分にティッシュを当てると空気の吸い込みがわかりやすいです。空気を吸い込むとティッシュが揺れるため目視確認しやすくなります。
浴室の換気扇交換は自分でDIYできる?
Photo by Annie Gray on Unsplash
浴室換気扇の交換は自分でDIYできるのか?気になる方もいるでしょう。結論から言うと、浴室換気扇の交換は自分でできますが電気配線などの工程があり難しいです。
シロッコファン(ダクト排出式)の浴室換気扇を、自分で交換する場合の流れを簡単にご紹介します。
・浴室換気扇をつないでいる配線を外してアルミテープを剥がす
・古い浴室換気扇を取り外す
・ダクトに新品のステーを固定して電源ケーブルなどをセットする
・稼働チェックする
また、浴室換気扇の交換作業を自分で行う場合は難しいだけでなく、危険(ショート・漏電・感電など)と隣り合わせです。交換作業の工程だけ見ると簡単そうに見えますが、浴室換気扇の取り外しや設置作業は配線に触れる作業があり危険が潜んでいます。
コストのことを考えると、浴室換気扇の交換作業は自分で行った方がお得かもしれません。しかし、リスクを考慮するなら業者へ依頼した方が安心です。
浴室の換気扇交換の注意点3個
浴室換気扇を交換する際に気を付けたいことを3つご紹介します。これから浴室換気扇の交換作業を行う方は注意点に目を通して理解しましょう。
■①電気工事士の資格があるスタッフが対応する
業者へ浴室換気扇の交換を依頼する場合は、電気工事士の有資格者が作業を行わないといけません。浴室換気扇の交換作業はアース線工事や電気の配線などを変える作業があり、電気系統の専門知識や技術が必要です。
電気工事士の資格がないスタッフが浴室換気扇の交換作業を行うと処罰の対象になります。必ず有資格者のスタッフが在籍している業者へ依頼しましょう。
■②業者に依頼すると高額になる場合もある
浴室換気扇の交換作業を業者へ依頼すると高額になることもあります。高額になる事例は次の5つです。
・配線工事が必要になった時
・ダクトも交換しないといけない場合
・電気系統のトラブルがある時
・違うタイプの浴室換気扇を取り付ける場合
・サイズが違う浴室換気扇を設置する場合
浴室換気扇の交換は単純な作業(取り外しと設置)のみであれば、高額になることはありません。しかし、浴室換気扇の交換作業に加えて、イレギュラーの作業項目が増えるごとに料金は膨らんでいきます。
■③賃貸物件は勝手に交換しない
賃貸物件にお住まいの方は勝手に浴室換気扇の交換を行ってはいけません。浴室換気扇の交換作業を自分で行ったり業者へ依頼すると、料金のことでトラブルに発展する可能性があります。
浴室換気扇に異変を感じたら大家もしくは管理会社へ連絡しましょう。浴室換気扇の故障や不具合は、故意や過失でなければ大家が負担するのが一般的です。
■④自分で交換作業を行う場合はリスクを伴う
浴室換気扇の交換作業を自分で行う方は、事故やケガのリスクがあることを念頭に置きましょう。浴室換気扇の交換作業は配線に触れる作業が含まれており、基本的に素人は作業をしてはいけません。
コスト面を考えて自分で浴室換気扇の交換作業を行う方もいますが、誤った方法で配線を対処すると感電したり漏電やショートする可能性があります。他にも、自分で浴室換気扇の交換作業を行うと思わぬ事態に発展することもあり、細心の注意を払って作業を進めないといけません。
浴室の換気扇交換にかかる時間
浴室換気扇の交換作業にかかる時間は1時間以内で、長くかかっても1時間15分くらいでしょう。浴室換気扇の取り外しと設置のみであれば上記の時間で終わりますが、人によってはもっと時間がかかります。
例えば、初めて自分で浴室換気扇の交換作業をする方で慣れていない方や不器用な方は、作業に要する時間はかかると思いましょう。
また、業者に浴室換気扇の交換作業を依頼しても、配線工事や電気系統のトラブルがあると1時間以上かかることもあります。浴室換気扇の交換とイレギュラーの作業を行うと、点検や確認作業などもあるため時間がかかるのは仕方ありません。
浴室の換気扇交換の費用相場
Photo by Jared Rice on Unsplash
浴室換気扇の交換費用は高いと思っている方もいるでしょう。浴室換気扇の交換費用の相場は約30,000円~400,000円で、作業内容によって料金が変動します。
1番安いパターンは、浴室換気扇の取り付けと設置のみで約30,000円~400,000円です。本体は別料金が発生するため実質は約35,000円以上かかります。浴室換気扇の本体価格はメーカやタイプによって変わりますが、参考までに下記をご覧ください。
・プロペラファン(直接排出式)の本体価格:約5,000円~
・シロッコファン(ダクト排出式)の本体価格:約20,000円~
最も高額になるパターンは、現在使っているタイプと違う浴室換気扇に交換する場合です。約350,000円~400,000円かかります。別のタイプの浴室換気扇に交換すると、電気配線など大がかりな作業があるため費用は膨らむと思いましょう。
まとめ
浴室換気扇にも寿命があることを初めて知った方もいたのではないでしょうか?浴室換気扇にトラブルが発生してもクリーニングを行うと解消することもあるため、交換しなくていい場合もあります。
ただ、設置をしてから約8年~10年経った浴室換気扇は、新しいものへ交換してもいい時期です。浴室換気扇の交換作業は業者へ依頼することをおすすめしますが、自分で行う場合は自己責任です。新しい浴室換気扇に交換して、浴室内の湿気や空気を屋外へしっかり放出しましょう。