アブの被害について、寒い時期に起こるケースは稀ですが夏の時期になるとアウトドアシーンで「アブにかまれた」という話を耳にする機会が増えます。アブが飛んでいることに気付かずにかまれるケースも多いです。
アブにかまれると腫れや痒みを伴う皮膚炎を起こすため、アブにかまれないように対策を講じる必要があります。しかし、アブとはどのような虫なのか、生態や種類を知らない人も多いでしょう。そこで、アブの種類や被害状況、具体的な対策方法を紹介します。
アブの種類
アブは、昆虫綱ハエ目ハエ亜目の分類されるハエの一種です。国内にいるアブの種類はおよそ100種類ですが、なかには人間の血を吸うアブがおよそ10種類ほど存在します。
血を吸う種類としては、シオヤアブ、ウシアブ、アカウシアブ、イヨシロオビアブ、シロフアブ、キンイロアブと呼ばれる種類です。
シオヤアブは比較的大きく3cmほどの大きさで、全国に生息しており白い毛が生えています。昆虫を主食とする肉食で、自分の身体よりも大きな昆虫も捕まえて食べることがあり、凶暴なことが特徴です。
ウシアブは大きさはおよそ2cm、全体は灰色と緑を混ぜたような色、お腹の部分には黄色の三角斑があり、眼は緑色をしています。動物の血を吸うことが一般的ですが、人間の血を吸う場合もあるため注意しましょう。
アカウシアブの大きさはおよそ3cm、腹部に黄色と黒の模様が確認でき、一見蜂にも似ています。イヨシロオビアブは大きさはおよそ1.5cm、全体は黒と灰色で、腹部に黒と白の模様があることが特徴です。
シロフアブは大きさはおよそ1.5cm、黒い身体に白の斑紋が確認できます。キンイロアブの大きさはおよそ1cm、体が金色で眼は緑色です。
アブの生態・習性・発生時期
アブが卵を産み、産んだ後1~2週間で幼虫に生長します。種類によって異なりますが幼虫の期間は1~3年であり、比較的長いです。地域ごとの天候によって、3年以上幼虫の状態で生きることもあります。
蛹になって1~2週間で成虫になり、1か月程度は成虫の状態です。成虫になると、3日程度で産卵と吸血を行えるようになります。
アブの成虫は頭が半球で眼が大きく、身体全体に短い毛が生えていることが特徴です。アブの発生時期は、人間に被害を受けるのは主に夏場であり、ほかにも家畜の血を吸うため酪農被害をもたらします。
アブの被害
アブの被害で最も多いのは、血を吸われることによる皮膚炎です。蚊とは異なり、痛みや腫れ、痒みが強く、完治までに長い時間がかかります。
また、アブは産卵をする前の栄養を摂取するために動物や人間の血を吸うことが特徴です。血を吸う際、蚊は針を指すようにして吸うのに対し、アブは肌を切り裂き、にじんだ血を吸うため強い痛みを伴います。アブの唾液には有毒成分が含まれており、唾液の成分によって強い痒みや腫れの症状が起こるのです。
万が一アブにかまれた場合には、すぐに水で洗い流し、蜂に刺された際にも使用される吸引器を使用して毒を吸い出すと、身体への被害を最小限に抑えられるでしょう。
アブにかまれないための対策方法3選
アブにかまれると、強い痛みや腫れの症状が悪化するため、可能な限り被害を受けないように対策をすることが重要です。アブにかまれやすい環境を作らないように工夫しましょう。
アブにかまれないための対策|その1 ■①服や髪の色に注意する
まずは、着用する衣服や使用する物の色を工夫します。アブは、黒や赤い色に集まることが特徴であるため、アウトドアシーンで使用するアイテムや衣服は、黒や紺といった暗い色、赤色は避けるとアブにかまれにくくなるでしょう。
髪の色にも注意が必要であり、帽子を着用して髪の色が目立たないようにすることが大切です。黒や紺の車は太陽光で表面の温度が上がるため、アブが集まる可能性があります。車周辺を歩く際には注意しましょう。
また、屋外で車を停止している際にアブが沢山集まってきたという経験をしたことがある人もいるでしょう。車はエンジンを停止して熱や排気ガスに集まらないようにすることが重要です。エンジンを切った後すぐに外に出ず、少し時間をおいてアブがいなくなってから移動しましょう。
服の色に注意していても、アブは衣服の上から噛んで吸血します。そのため、薄手の衣服を着ているとアブの被害に遭う可能性があるので注意が必要です。夏のアウトドアシーンでも、通気性が高い厚手の衣服を着るようにしましょう。
アブにかまれないための対策|その2 ■②虫よけアイテムを使う
手軽にできるアブ対策として、虫よけアイテムを活用することが挙げられます。特に、アブが多く生息する水の近くで遊ぶ場合には、虫よけアイテムを利用してアブ対策をする方法が有効です。
近年発売されている虫よけアイテムは効果の持続時間が長いですが、外出前に使用するだけではなく屋外でも使用できるよう持って行く必要があります。アブは足元をかむことが多いため、特に足については虫よけをしっかり塗ることがポイントです。
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小さいお子様や肌が弱い方は虫よけグッズの成分も気になります。アロベビーのUV&アウトドアミストは新生児にも使える天然由来成分100%。虫よけスプレー独特の臭いもなくお湯で簡単に落とせる使いやすさで96.7%という高い満足度です。
強い成分の虫よけを使って肌が荒れてしまっては意味がありません。天然成分と優しい使い心地のミストでお肌への負担を気にすることなくアウトドア対策しましょう。
アブにかまれないための対策|その3 ■③ハッカ油を使用する
虫よけアイテムを購入せず、手作りする人もいます。使用する道具はスプレーボトル、ハッカ油、消毒用エタノール、精製水です。30mlのスプレーボトルに対し、消毒用エタノール5ml、ハッカ油数滴、精製水25mlを入れて混ぜ、体にスプレーしします。
なお、精製水は後から入れなければ分離するため、最初にハッカ油と消毒用エタノールを混ぜることが大切です。アブ対策として効果が期待できますが、ハッカの匂いがなくなると効果もなくなるため注意しましょう。持続時間は短いため、屋外に居る時間はこまめに塗り直す必要があります。
アブにかまれてしまった時の対策
アブにかまれた場合、まずはかまれた場所を洗い流して冷やします。かまれた箇所は痒くなりますが、掻いたりこすったりすると症状が悪化するため、冷やして痒みと痛みを緩和することが大切です。
掻くことで皮膚が傷つき、傷から細菌が入ってしまい炎症が起こります。きれいな水で洗い、タオルに水を染み込ませたり氷を当てたりといった応急措置をしましょう。
かまれた箇所の痒みを抑えたら、抗ヒスタミン系もしくはステロイド系の薬を塗ります。ステロイドは炎症を抑える効果、抗ヒスタミンは痒みを緩和する効果があり、それぞれドラッグストアで販売されているため購入しておくと良いでしょう。
ただし、3週間以上経過しても炎症が続くようであれば病院で治療する必要があります。アブにかまれた場合、徐々にかまれた場所が元に戻りますが、かまれた際の状況によっては腫れが引かなかったり、膿んだりする場合は病院を受診することが大切です。
子どもやアトピー性皮膚炎といったアレルギー体質の人など、皮膚が弱く免疫力が低い人、痒みを我慢できずに掻いてしまう人は、アブにかまれた直後に皮膚科を受診したほうが良いといえます。
健康な大人でも、アブにかまれた後は患部の様子を見ながら、万が一症状が悪化した場合に備えて皮膚科を探しておきましょう。
アブ対策におすすめのグッズ5選
アブに刺されないために、虫よけグッズを使用してアブ対策をすることが重要です。アブ対策におすすめのグッズ5つについて、商品名とそれぞれの特徴を紹介します。使用する人の年齢、使うシーンに合わせてアブ対策グッズを選びましょう。
アブ対策のおすすめグッズ|その1 ■①スキンベープ 虫除けスプレー ミストタイプ
フマキラー
スキンベープ虫よけスプレー
内容量は200mlと多いですが、持ち運べるサイズの容器であるためアウトドアシーンで活用できます。アブのほか、ダニやハエ、蚊、ブヨといった様々な害虫よけに効果が期待できることが特徴です。
虫よけ成分だけではなく保湿成分としてヒアルロン酸ナトリウムが配合されており肌に負担がかかりにくいため子どもでも使用できます。虫よけのための薬剤のニオイも気にならず、テントやコテージといった狭い場所でも使用することが可能です。
アブ対策のおすすめグッズ|その2 ■②ジョンソン スキンガード アクア
ジョンソン
スキンガード アクア
スマートフォンと同じ程度の大きさのボトルであり、コンパクトなため荷物が多くても持ち運びしやすいことが魅力です。飛行機内にも持ち込める容量のため、旅行にも持って行けます。
肌に負担がかかりにくいように保湿成分のアロエエキスが配合されており、アロエと虫よけ効果が期待できるミントの爽やかな香りで使い心地も良いでしょう。
アブ対策のおすすめグッズ|その3 ■③スキンガード 虫除け・忌避用品
スキンガード
虫除け・忌避用品 大容量
無香料であり、独特のニオイがない虫よけを使いたい人に最適です。1回使用することで最大5時間効果が持続します。容量が大きいため、複数人で使用できることもメリットです。
250mlタイプのほか、持ち運びしやすい100mlの商品も販売されているため、使用人数や荷物の量に適した方を使用しましょう。
アブ対策のおすすめグッズ|その4 ■④スキンベープミストプレミアム
フマキラー
スキンベープミストプレミアム
アブのほか、ノミや蚊、ダニ、マダニやツツガムシにも効果が期待できます。肌にスムーズになじみ、汗をかく夏の時期でも使用しやすいでしょう。スプレーで吹き付けられるので、ムラなくスムーズに塗れることが魅力です。
また、フマキラー スキンベープミストは虫除けに効果的なディート成分が30%と比較的高く、効果の持続時間は最大8時間です。年齢制限があり、12歳未満の子どもは使えないため注意しましょう。
アブ対策のおすすめグッズ|その5 ■⑤パフェクトポーション アウトドアボディスプレー
パーフェクトポーション
アウトドアボディスプレー
オーガニックタイプの虫よけグッズのなかでも、生後6カ月の赤ちゃんから大人まで使用できる商品として人気があります。肌に優しい仕様であり、敏感肌の人でも安心して使用できるでしょう。
爽やかな香りが高評価を得ており、ハーブ系の香りが好きな人に最適です。アウトドアシーンのほか、普段使いとして部屋や衣服にも使用できるなど、様々な場面で活用できます。
まとめ
アブは、蚊とは異なり吸血する際に皮膚を刺すのではなく切り裂くうえに、唾液には特殊な有毒成分が含まれており危険な害虫です。夏のアウトドアでは、アブにかまれないように対策を行う必要があります。
まずは虫よけグッズを活用して、アブが近寄らないようにすることが大切です。手軽に使用できるスプレータイプの虫よけグッズは、成分濃度によってアブ対策の効果が異なります。
強い成分が配合されている虫よけグッズはアブ対策に高い効果が期待できますが、子どもや肌が弱い人は使用できない場合もあるため注意しなければなりません。アブの種類や生態、被害を確認し、紹介した虫よけグッズを参考にしてアウトドアを楽しみましょう。