お米に虫が発生していると非常に気分が悪いものです。しかし、虫が発生したお米を処分するのはもったいないため、どのように対処すれば良いのか迷う人も多いのではないでしょうか。
お米に発生する虫は何の種類なのか、虫が発生していたお米は食べても問題はないのか、知りたいという人も多いでしょう。
お米に虫を発生させないために、お米を正しい方法で保存することが重要です。そこで、お米につく虫の正体や、お米に虫を発生させないための保存方法を紹介します。
お米に発生する虫の正体
お米に発生する虫の正体は、イネ科穀類に発生する害虫「コクゾウムシ」です。穀物に発生する害虫であり、細長い形をしていることからカブトムシにも似ているとされています。
先が尖った細長い部分は口であり、コクゾウムシのメスは口を使ってお米に穴をあけて卵を産むことが特徴です。お米1粒に1つの卵を産み、成長したコクゾウムシがお米から出ます。繁殖する恐れもあるため、1匹見つけたらすぐに退治しましょう。
コクゾウムシは、お米に発生することが多いため「米虫」と呼ばれたり、口が細長く角が生えているように見えるため「角虫」と呼ばれることもあります。国内だけではなく海外の暖かい地域にも生息しており、お米や麦に繁殖して問題視されている虫です。
お米に虫が発生する理由
お米に発生する虫は、外部から侵入します。虫はお米に卵を産むチャンスをうかがっており、米びつの内部に侵入してお米をエサに生長するのです。
お米の中に卵を産んで孵化するため、米びつをしっかり密閉していても大量発生します。お米に発生する虫は、お米の袋を破って侵入することもあるので、お米を袋に入れていれば安全なわけではありません。
また、基本的に虫は気温が20度以上になると活発に動くため、温かい場所に置くと繁殖する危険性があります。近年では、購入した直後のお米に虫が発生しているケースは少ないですが、購入後に自宅での保存状態によっては虫が発生しやすいでしょう。
無農薬、有機栽培で作られたお米には虫が発生しやすいため注意しなければなりません。なお、何度駆除しても虫が発生する場合、米びつではなく自宅内の害虫対策が必要な可能性があります。何度も虫が大量繁殖する場合には、自宅内のチェックをしてみましょう。
お米に発生する虫の対策方法5個
お米に気味が悪い虫が発生していると不快なだけではなく、衛生面でも悪影響でありお米の劣化にもつながります。さらに、お米にコクゾウムシ以外のダニが発生するとアレルギーを引き起こす可能性があるため、保存方法を工夫し、虫を発生させないことが大切です。
害虫が発生しないように保存方法を工夫することは、気持ちが悪い虫を発生させたくないという理由だけではなく、健康の面でも意識しなければなりません。虫が発生すると、衛生的によくないだけでなく、お米の味が落ちてしまいます。そこで、お米に発生する虫の対策方法を確認しておきましょう。
【お米は密閉容器に入れる】
購入したお米をそのままの状態で保存しないことが大切です。お米の袋は、空気を抜くための穴が開いており、小さな穴から虫が侵入することがあります。
また、空気に触れることでお米が酸化するため、密閉容器に入れ替えて保存しましょう。密閉容器に入れることで、虫が発生するのを予防しながらお米の品質を保つことにつながります。
【食べる分だけ購入する】
精米されたお米は、長期間保存していると味が落ちます。さらに、虫が発生するリスクが高くなるため、買いだめをしないようにしましょう。
お米の保存期間は、春や秋など比較的涼しい季節で1ヶ月、冬2ヶ月、夏の厚い時期は2週間が目安です。買いだめはしないで、保存期間の目安内に食べられる分だけを購入しましょう。
【唐辛子で虫除けをする】
お米に虫が発生しないように、米びつに唐辛子を入れる方法も有効です。害虫は、唐辛子の成分であるカプサイシンを嫌うため、虫が発生しにくくなるでしょう。
米びつに入れる唐辛子の数は、米10kgに対し5本程度です。米びつの奥に入れず、お米の上に置くだけで問題ありません。
ただし、唐辛子が割れると種が出てしまい、お米に混ざると種とお米を分けるのに手間がかかるため、ガーゼ包んだうえで入れることがおすすめです。もしくは、セロテープで米びつの蓋の内側に貼るという方法も良いでしょう。
【冷蔵庫に入れる】
お米に虫が発生しないように、お米を冷蔵庫で保存します。スーパーではお米を常温で販売していることから、自宅でも常温で保存しているケースが多いのではないでしょうか。
お米に発生する虫は、15度以下の低温では活動できないとされています。そのため、冷蔵庫に入れておくと、虫が大量繁殖することを予防できるでしょう。
しかし、米びつや袋ごと冷蔵庫に入れるのは難しいため、空のペットボトルや密閉できる保存袋に入れ替えてから冷蔵庫に入れる方法が有効です。
白米より玄米のほうが虫は発生しやすい?
白米よりも玄米の方が虫のエサとして好まれるので、玄米を購入した場合には対策方法を徹底して虫の繁殖を予防しましょう。害虫駆除製品を開発するメーカーでは、研究用の虫のエサとして玄米を与えているほどです。
お米に発生する虫は、15度以上になると孵化します。成虫の寿命は温度や湿度によって異なり、20~30度の環境で2~7ヶ月ほど生きることが特徴です。
卵を産む数も、温度や湿度、エサの種類で異なりますが、400個程度産卵することもあります。最も寿命が長く、産卵数も多い環境は28度前後、湿度60~80%であり、1匹発生すると数ヶ月後に数え切れないほど繁殖するリスクがあるでしょう。
お米に虫がいたら食べても大丈夫?
お米に虫が発生していると気持ちが悪く、米びつに入っているお米を全て処分したいと考える人も多いでしょう。虫が苦手な人、神経質な人は、お米そのものが食べられなくなることもあります。
しかし、米びつに残っているお米の量が多いと、処分するのは勿体ないものです。お米に虫が発生していても、虫を駆除してお米を食べて問題はありません。
虫が発生したお米を食べる際には、炊く分だけのお米をチラシや紙に出して広げ、虫を確認したら1匹ずつ取り除きましょう。しかし、幼虫は目視で判断できない場合があります。
そのため、目で確認できる虫を取り除いた後はしっかり水洗いすることが大切です。お米を水に浸けて一定時間放置すると、虫の死骸が浮きます。虫を流して再度水に浸すという作業を、虫が浮かなくなるまで繰り返しましょう。
虫をお米から取り除く方法
虫が発生していた場合、お米が食い荒らされている可能性があります。そのため、食べられているお米は捨てることが大切です。
きれいなお米はビニールシートや新聞紙の上に出して、1時間程度日陰で干します。次に米びつを洗ってい、しっかり乾かしましょう。干していたお米を米びつに戻し、正しい方法で保存します。
お米に発生する虫は黒く、すぐに見つけられるケースが多いです。また、お米は日に当てると品質が落ちるため、日陰で干すようにしましょう。
まとめ
お米に虫が発生する理由は、自宅に居る虫がお米の袋を破ったり米びつに入ったりして繁殖すること、元々お米についていた虫が孵化して大量繁殖することが挙げられます。米びつに虫が侵入すると、卵を産んで繁殖するため、発見したらすぐに駆除することが大切です。
お米を保存する際には、密閉容器や袋に入れて涼しい場所や冷蔵庫で保存する必要があります。しかし、お米を買いだめして長期間食べずに保存していると虫が発生しやすいうえに品質が落ちるため、買いだめはせずに保存期間の目安内で食べきれる分だけ購入しましょう。