頭や体が強烈にかゆい方はシラミの被害に遭っているかもしれません。”シラミは昔のことで今はないでしょ”など、過去の話と思っている方もいるでしょう。昔に比べるとシラミの報告例は少なくなりましたが、未だにシラミの被害で悩まされている方はいます。
一旦は終息したシラミの被害も1990年代から世界で報告されており、集団感染した事例もあるほどです。また、沖縄では薬剤が効かない抵抗型のシラミも確認されています。今後、抵抗型のシラミは全国各地に広がる恐れがあるため、厄介な存在と言えるでしょう。
どうすればシラミを駆除することができるのでしょうか?今回は、シラミの駆除方法や予防対策などを詳しくご紹介していきます。
シラミの特徴と種類
シラミのことを詳しく知らない方も多いのではないでしょうか?次は、シラミの特徴や種類について触れていきましょう。
【シラミの特徴】
シラミの体長は約1mm~4mmと小さく、1年中発生し、シラミの種類に関係なく感染力が非常に高いです。
シラミの卵は約1週間~10日で孵化した後、3回くらい脱皮を繰り返します。脱皮したシラミは約1週間~2週間で成虫になり寿命は約1ヵ月です。
成虫のシラミは1ヵ月で約100個産卵し、1日3個~4個産卵している計算になります。また、シラミの卵は対象物にガッチリこびり付いており手で取ることができません。
【シラミの種類】
シラミの種類は500種で哺乳類に寄生します。人間に寄生するシラミは、アタマジラミ(頭髪に寄生)、ケジラミ(陰毛や体毛などに寄生)、コロモジラミ(衣類の寄生)の3種類です。
なお、動物へ寄生するシラミは人間に寄生せず、人間に寄生するシラミは動物に寄生することはありません。
シラミの感染原因
シラミの感染原因は種類によって違うため、感染経路は1パターンではありません。では、人間に寄生する3種類のシラミの感染原因を見ていきましょう。
【コロモジラミ】
コロモジラミは人と人が接触すると感染しますが、日本で確認されたのは昭和32年が最後です。理由は時代と共に衛生環境が整い、身体を清潔にする習慣が普及したことが考えられます。
【ケジラミ】
ケジラミの感染原因は性交渉です。主に陰毛に寄生しますが、毛に寄生するシラミのため体毛や髪の毛に発生することもあります。
【アタマジラミ】
アタマジラミの感染原因は髪の毛の接触です。子供に多く見られるシラミで、子供同士で頭をくっ付けたり人が被った帽子などで感染します。
アタマジラミは衛生状態が良くても感染し、幼稚園や学校など集団感染することでも有名です。また、タオルやシーツなどを共有して使っている場合、布製品にアタマジラミが付着していることもあります。
シラミの駆除方法3個
シラミがある場合は、シラミ専用の駆除シャンプー、パウダー、クシを使って駆除しましょう。シラミ専用の駆除シャンプーなどは、ケジラミとアタマジラミを駆除することができます。
1.【シラミ専用の駆除シャンプーを使う】
髪の毛を全体的に濡らしてから駆除シャンプーを手に垂らし、頭皮と髪の毛になじませて泡立てましょう。
泡立てたら約5分待ってから洗い流します。洗い流した後は通常のシャンプーやリンスを使ってもOKです。駆除シャンプーを使うペースは、『2日おき×3回~4回繰り返す』と完全に駆除することができます。
2.【シラミ専用の駆除パウダーを使う】
パウダーも駆除シャンプーの使い方と同じですが、放置時間は1時間です。
3.【クシで卵を駆除する】
駆除シャンプーやパウダーを使っても、駆除した卵や卵の殻が毛に付着していることがあります。シラミの卵は毛にしっかり付着しているため、目の細かいクシでブラッシングをして落としましょう。
シラミの予防方法3個
シラミは感染力が強いため駆除した後の予防対策も必要です。シラミを駆除した後は3つの方法で予防しましょう。
1.【家族みんなで駆除する】
同居している家族の1人がシラミに感染した場合は全員シラミ駆除を行います。
1人でもシラミに感染すると他の家族も感染している可能性が高いです。全員シラミの駆除を行い再発しないようにしましょう。
2.【他の人と共有しない】
タオル、脱衣カゴ、クシ、帽子など、他の人が使う物は使用しないことです。
シラミを完全に駆除しても、他の人が使った物に付着している可能性があります。家族同士であっても1人1枚タオルを使うなど、1つの物をみんなで使い回す行為は避けましょう。
3.【シラミ駆除のスプレーを使う】
シラミ駆除のスプレーは、帽子、枕カバー、カーペットなどに使うことができます。
メリットは気軽にシラミの予防対策ができることや、スプレー後はシラミの駆除と同時に予防もできることです。効果は1週間持続します。
シラミ駆除したあとの布団や部屋はどうする?
シラミを駆除すると布団や部屋に落ちている可能性が高いです。駆除したシラミを布団や部屋から取り除くために、洗濯、掃除機、コロコロなどでキレイにしましょう。
【布団】
布団は丸洗いしてから布団乾燥機で乾かします。布団が完全に乾いたら全体的に掃除機をかけて、最後にコロコロで仕上げましょう。
【布団以外の布製品】
カーペットやシーツなど洗濯することができる物は、いつも通り洗濯をして乾かします。
そのあとは掃除機をかけてコロコロを使いましょう。洗濯することができない物は、掃除機とコロコロだけでもかまいません。
【家具や床】
ケジラミやアタマジラミを駆除した後は、家具、フローリング、畳などに落ちることがあります。家具、フローリング、畳はマメに掃除機をかけて駆除したシラミを取り除いてください。
※”生きているシラミがいるかもしれない”と不安に感じる方は、シラミ駆除のスプレーやパウダー、アイロン、乾燥機などを使いましょう。
シラミの感染は大人もする?
シラミが寄生する対象は子供だけなのでしょうか?シラミの寄生対象は子供だけでなく大人も含みます。では、大人でもシラミが寄生する理由を見ていきましょう。
・シラミは哺乳類に寄生するため子供や大人は関係ない
・家族の誰かがシラミに寄生されている場合は大人も寄生対象になる
・性交渉を通じてシラミが寄生する
シラミに寄生されやすいのは子供ですが、大人でも寄生する可能性は十分あります。シラミは子供であろうと大人であろうと、寄生する条件が揃っていれば感染するため安心することはできません。
アタマジラミになった時の洗濯物の対処法
アタマジラミは髪の毛に寄生するシラミで感染力が強く、駆除と洗濯を徹底的に行わないといけません。アタマジラミの駆除は、シラミ取りシャンプーやパウダーなどで駆除することができます。
洗濯も必要とする理由は、髪の毛以外の場所にも付着している可能性があるからです。アタマジラミは髪の毛の根本部分に寄生しており、頭皮や髪の毛が触れる物にも付着します。例えば、枕、シーツ、タオル、帽子、不織布のヘアキャップ、衣服などです。
アタマジラミが寄生した時の洗濯方法は、お湯で浸け置きしてから洗濯機などで洗いましょう。お湯の温度と放置時間も重要で、『55度以上のお湯に5分以上浸け置きしてから洗濯』をします。
シラミは高温に弱くさらに駆除効果を高めるなら、アイロンや乾燥機で高温処理(55度以上)をすると効果的です。
まとめ
シラミ駆除のポイントはできるだけ早く駆除を行い、再び寄生しないように予防対策をすることです。シラミの被害に遭うと猛烈なかゆみがあり、酷くなると皮膚炎になる恐れもあります。
掻きむしって肌荒れを起こし色素沈着しないためにも、シラミ専用のシャンプーやパウダーなどで完全に駆除しましょう。