壁紙が剥がれてクルンと巻いている状態になっており、残念な見た目になっていませんか?壁紙は剥がれが生じると巻きグセが強くなりどんどん剥がれていきます。壁紙の剥がれは巻きグセが強くなる前に補修して、コストや作業時間をおさえましょう。
”剥がれた壁紙の補修は難しそう”、”上手くできるか不安”などと、思っている方もいるでしょう。しかし、剥がれた壁紙の補修作業は初めて行う方や不器用な方でも可能で難しくありません。補修方法、おすすめの補修アイテム、予防方法などをご紹介します。
壁紙が剥がれてしまう原因
最初はピンと張っている壁紙もいつの間にか剥がれが目立ち、補修を検討する方もいるでしょう。では、壁紙の剥がれはどうして発生するのでしょうか?主な原因は3つあります。
1.【湿気による壁紙の収縮】
壁紙は水分を吸収すると伸びて乾燥すると縮むのが特徴です。特に結露や湿気がこもりやすいところは(トイレ、洗面台、キッチン、風呂場、脱衣所、日当たりが悪い部屋など)、壁紙の収縮を何度も繰り返すことで剥がれやすくなります。
2.【壁紙の経年劣化】
壁紙も電化製品と同じで経年劣化するものです。年数が経つと壁紙の粘着力が低下して剥がれます。
3.【壁紙の貼り方が悪い】
壁紙の剥がれは貼り方も関係しており、雑に貼ると剥がれやすいです。壁紙を貼る時は汚れなどを落としてから下地やのりを塗りますが、手を抜くとのりの持続性が悪くなります。場合によっては経年劣化する前に壁紙が剥がれてしまうこともあるでしょう。
壁紙補修に必要な道具。100均でも買える!
剥がれた壁紙を補修する際は以下の道具を用意しましょう。
壁紙の補修材は個別で販売されているものあれば補修キットもあります。補修キットは、壁紙用ののり、ヘラ、ローラーなどがセットになっており個別で購入するよりも安く済むケースもあります。
また、個別で用意する場合には、100均で手に入る道具もありますので、是非探してみてください。
・ドライヤー
・アイロン
・カッター
・ヘラ
・ハケ
・壁紙用のローラー
・マスキングテープ
・雑巾
・ジョイントコーク
・剥がれ補修キット(ある程度道具をまとめて揃えたい方は必要)
剥がれた壁紙を補修する方法6ステップ
剥がれた壁紙を補修する方法を見ていきましょう。剥がれた壁紙の補修作業は範囲が狭いほど簡単で、素人でもポイントをおさえて行えばキレイに仕上げることができます。
■①壁紙の剥がれ部分にドライヤーやアイロンを当てる
壁紙の補修作業を行う前にドライヤーやアイロンでめくれを直しましょう。壁紙のめくれは弱い場合と強い場合があり、めくれを直してから補修すると作業がしやすくキレイに仕上げることができます。
【壁紙のめくれ方が弱い場合】
壁紙のめくれ部分にドライヤーの熱風を当てましょう。ドライヤーの熱を当て続けていると壁紙のめくれがまっすぐになります。
【壁紙のめくれ方が強い場合】
アイロンの温度設定を低温にしたら、めくれている壁紙に用紙を当ててからアイロンをかけましょう(壁紙の変色を防ぐため)。
■②壁・壁紙の裏にある汚れなどを取り除く
きつく絞った雑巾で壁や壁紙の裏側を拭きます。壁と剥がれた壁紙の裏側は、ゴミ、のり、裏紙などが付着しているためしっかり取り除きましょう。壁や剥がれた壁紙の裏側にゴミなどが残っていると、接着が弱くなり補修しても剥がれやすいです。
雑巾で取り切れない場合はカッターで優しく削り取ります。ただし、裏紙をカッターで削り取る場合は注意が必要で下地を削らないようにしましょう。カッターを持っている手は力を入れずに裏紙だけを削ります。ゴミ、のり、裏紙などを完全に取り除いたらしばらく放置して乾燥させましょう。
■③壁・壁紙の裏側に接着剤をつけて仮固定する
ヘラやハケなどで、壁紙用ののりや補修キットののりを剥がれた壁紙と壁に薄く塗ります。のりは厚塗りせず薄く塗るのがポイントです。のりを厚塗りしない方がいい理由は、乾くまでに時間がかかる、接着しにくくなる、のりが大量にはみだして取り除く作業に手間がかかるからです。
のりを塗ったら、できるだけ空気が入らないように剥がれた壁紙を壁に貼りつけましょう。次に、ある程度壁紙を固定するため少しの間手で押さえます。
剥がれ部分の範囲が広い場合や、手でうまく押さえつけることができない場合はマスキングテープを使ってもかまいません。ある程度密着したら、接着面を強化するために壁紙用のローラーを当てて空気を抜きます。
■④はみ出したのりを完全に取り除く
剥がれた壁紙を仮固定したら、はみ出しているのりを固く絞った雑巾で完全に拭き取りましょう。のりの拭き残しは時間が経つと黄ばみが発生し見た目が悪くなります。
■⑤マスキングテープを壁紙に貼り固定する
剥がれた壁紙を完全に固定させるために、マスキングテープを貼って放置しましょう。放置時間は、温度、湿度、のりの種類などによって変わりますが数日あれば完全に固定することができます。剥がれた壁紙と壁が完全に密着したことを確認してから、マスキングテープを剥がしましょう。
■⑥補修後に隙間が目立つ場合はジョイントコークを塗り込む
壁紙は乾燥すると縮むため、剥がれた壁紙も補修して乾くと隙間ができる場合があります。補修後に隙間が気になる場合は、ジョイントコークを使って目立ちにくしましょう。
ジョイントコークは壁紙と同じ色を選び、壁紙が完全に乾いていることを確認してから隙間に塗り込んでいきます(濡れている壁紙は上手く塗り込むことができません)。
なお、初めて作業する方や不器用な方はマスキングテープが便利です。隙間を2mmくらい残して、隙間を挟むようにマスキングテープを貼りジョイントコークを塗ります。
次に、ヘラでジョイントコークを伸ばして塗り込みましょう。塗り込みの作業は数回行い、はみ出した部分は濡らした雑巾で拭き取ります。ジョイントコークも拭き残しがあると変色するため、完全に取り除くのがポイントです。
壁紙が剥がれるのを予防する方法
剥がれた壁紙は見た目が悪くなる以外に剥がれの範囲が広がっていきます。壁紙の剥がれは劣化を早める原因にもなるため、3つの方法で剥がれを防ぎましょう。
1.【湿気を逃がす】
壁紙の剥がれ予防は湿気対策が欠かせません。窓を開ける、換気扇を回す、除湿器やエアコンを使うなどして湿気対を逃がしましょう。
特に湿度が上がる梅雨や夏は壁紙の剥がれを助長し、加湿器を使う冬や室内干しをする部屋も注意が必要です。また、水回りの壁紙は湿気がたまりやすいためマメに湿気を逃がしましょう。
2.【結露は拭き取る】
壁紙や窓に結露がある場合は拭き取り、剥がれの原因になる水分を除去します。
3.【暖房器具は壁紙から離す】
ストーブやヒーターなど暖房器具は壁紙から離して置きましょう。壁紙は熱に弱く、壁紙の近くに置くと剥がれやすくなります。
剥がれた壁紙を補修するおすすめアイテム10選
剥がれた壁紙を補修するアイテムはたくさんありますが、おすすめの商品を10個厳選しました。補修アイテムを選ぶ際は参考にしましょう。
■①建築の友 クロスをくっつける クロス専用のり
壁紙が少しだけ剥がれている場合は少量タイプののりがおすすめです。ご紹介している商品の内容量は30mlと少なく、補修範囲によっては1回で使い切ることもできるでしょう。
また、コーキング剤入りののりで、壁紙を補修した後の乾燥による隙間も対応します。壁紙の剥がれを補修しながら隙間を目立ちにくくする優れた商品です。
■②建築の友 クロスのはがれ補修セット
『クロスのはがれ補修セット』は、1つ前にご紹介した『建築の友 クロスをくっつける クロス専用のり』の姉妹品になります。のり、ハケ、ローラーの3点セットで、価格も600円代(Amazonの場合)とお手頃です。
また、ハケがあると補修しにくい細かい部分もラクにできるため、のりを塗る作業がスムーズにできるでしょう。
■③高森コーキ クロス 壁紙のはがれ補修のり
壁紙の剥がれの補修に必要な道具(のり、ハケ、ローラー)がセットになっています。のりは速乾タイプで様々な壁紙の素材に対応しているのも嬉しいポイントです。ビニール素材、布素材、塩ビ素材などの壁紙を補修することができます。
また、のりが入っているチューブの先端部分は細いノズルになっており、細かい部分の補修もやりやすいです。
■④アサヒペン かべ紙用補修のり
剥がれた壁紙を補修する範囲が広い場合や補修箇所が多い場合は、『アサヒペン かべ紙用補修のり』が便利です。のりをたくさん使う方におすすめの商品で、内容量は100g入っています。
商品のパッケージを開けるとノズルタイプのボトルが入っており、ノズルのおかげで壁紙の剥がれ部分や壁にも塗りやすいです。なお、細かい部分は直接のりを塗らず、ハケやヘラなどで塗るとキレイに仕上がります。
■⑤建築の友 耐水性壁紙のりキット
『建築の友 耐水性壁紙のりキット』は、のり、ハケ、ヘラ、ローラーが入っている壁紙補修材です。商品の特徴は耐水性と強力接着で、キッチン、トイレ、洗面台、風呂場、脱衣所など水回りの壁紙補修にも向いています。
他ののりで補修してすぐに剥がれてしまう場合もおすすめです。耐水性と強力接着のおかげで、剥がれた壁紙をしっかり密着させて補修します。
■⑥ニッケン クロス職人ボンド はがれ用
『ニッケン クロス職人ボンド はがれ用』は、のりとローラーが入っている壁紙の補修キットです。壁紙補修材のキットはハケが入っていることもありますが、ご紹介している商品はのりのフタにハケがついています。
イメージとしてはマニュキュアに近いです。のりのフタにハケがついているため、わざわざハケを揃える必要がなくコスト削減にもつながります。
■⑦リンテック 壁紙 はがれにピタッ
3色セットののりで、ホワイト、ベージュ、アイボリーが入っています。定番色のホワイト以外に、ベージュやアイボリーののりも欲しい時におすすめです。
1本の内容量は16gと少なく、剥がれている壁紙の範囲が狭い場合や少ない場合は向いています。チューブの先端部分はノズルになっており、細かい部分の補修もやりやすいです。
■⑧かべ紙補修剤
ノズルタイプで100g以上入っているのりを探している方は、『かべ紙補修剤』を選んでみてはいかがでしょうか?ご紹介している商品ののりは、ノズルタイプで150g入っています。ノズルタイプののりは少しづつ出すことができるため、細かい部分の補修もしやすく使い勝手もいいでしょう。
また、接着剤も強力で何度も剥がれてしまう壁紙や、壁紙をしっかり密着させたい時にもおすすめです。
■⑨セメダイン 壁紙補修用接着剤 かべっ子
接着剤で有名なセメダインは壁紙用ののりも取り扱っており、初めて壁紙の剥がれを補修する方や不器用な方でも使いやすいでしょう。のりは速乾タイプで壁紙の剥がれを補修した後は素早く固定し、乾くと透明になるため仕上がりもキレイです。
ただし、水性タイプで水に弱く、結露が発生しやすい壁紙や水ハネしやすい壁紙の補修には向いていません。
■⑩建築の友 白色・ゲル状 瞬間接着剤
『建築の友 白色・ゲル状 瞬間接着剤』は商品名の通り、剥がれた壁紙を瞬時に接着させ補修します。接着するまでにかかる時間はたった2秒(壁紙の種類や壁のタイプによります)、強力接着で剥がれた壁紙を補修するのもメリットです。
強力接着で瞬時に密着する特性を生かし、硬い壁紙や何度補修しても剥がれてしまう壁紙にも向いています。また、完全固定するまでにかかる時間が短いため仮固定の作業は必要ありません。
剥がれた壁紙の補修を業者に頼む時の費用相場
剥がれた壁紙の補修を業者に依頼する場合、費用が気になりませんか?業者の費用相場は、壁紙の剥がれ補修1ヵ所につき約20,000円~30,000円で、工賃、材料費、人件費なども含まれています。壁紙の剥がれ補修が2ヶ所以上ある場合は、1ヵ所の補修金額に約5,000円~10,000円プラスです。
コストが気になる方は自分で剥がれた壁紙を補修した方がいいですが、剥がれている範囲があまりにも広い場合は業者へ依頼した方がいいでしょう。剥がれている範囲が広いと補修作業に失敗するリスクがあり時間もかかります。しかし、業者なら確実に壁紙を補修して仕上がりもキレイです。
まとめ
剥がれた壁紙を放置していると、コストや補修時間がかかるなどいいことはありません。壁紙の剥がれを見つけた際は早めの補修がポイントで、自分で作業を行うか業者に依頼して元の状態にしましょう。