子供部屋については、住まいの中でも特に頭を悩ませることが多いと思います。
マイホームを購入後に新たに子供部屋が必要になったり、思春期に差し掛かった男の子と女の子それぞれに独立した部屋が必要になったりすることが少なくありません。
しかし家の広さは限られているので、子供部屋のスペースを新たに確保するのは簡単なことではないでしょう。
そんな時に有効なのがリフォームですが、一口に子供部屋のリフォームといっても様々な方法があり、「我が家にとっては何が最適でどれくらいの費用がかかるのか?」わからないものです。
そこで本記事では子供部屋のリフォームについて詳しくご紹介したいと思います。
子供部屋のリフォームをする時のポイント
せっかく子供部屋をリフォームするのであれば、必要な機能を満たしながらも子供が成長してからも長く使える様にしたいものです。
また子供が自立した後の活用方法まで検討しておくとさらに良いでしょう。
この章では子供部屋をリフォームする際のポイントについてご紹介します。
1.常に子供の様子が把握できるようにする
子供に個室を与えると、部屋に引きこもって孤立してしまう様になることが少なくありません。
常に子供の様子が把握できる様に、子供部屋は共有スペースの近くに配置すると良いでしょう。
「リビングを通らないと部屋に入れない」「子供の気配が感じられる場所に配置する」などといった工夫をし、子供と顔を合わせる機会が損なわれない様にすることが大切です。
また子供が快適に過ごせる様にすることは大切ですが、度が過ぎてしまうと部屋に閉じこもってしまう様になるので注意が必要です。
2.子供の成長に対応できるようにする
子供は日々成長するので、子供の成長にあわせて柔軟に対応できる様に可変性を持たせたプランにしておくことが大切です。
はじめから完全な個室にはしないで、簡易的な間仕切り壁を設置したり収納を兼ねた間仕切り家具で仕切ったりすることで、間取りに可変性を持たせることができます。
特に子供が複数いる場合には、子供の成長にあわせて後から部屋を仕切れる様にしておくと良いでしょう。
また棚や机などは、幅や高さを変えられる様に可動式にしておくことをおススメします。
3.子供が自立した後の活用方法を視野に入れる
子供が巣立った後の子供部屋の活用方法をあらかじめ考えておくことで、部屋を有効的に活用することができる様になります。
子供部屋のリフォーム費用の内訳・項目
リフォーム費用の内訳は、主に木工事・内装工事・建具工事などの直接工事費(材料費+労務費)と諸経費から構成されます。
例えば「新たに子供部屋を作りたい」となった場合には、間仕切り壁を設置するための木材やボード類、床材、壁紙、ドアなどの材料費や、大工さん、内装屋さん、建具屋さんなどの労務費のほかに、リフォーム会社の経費(工事費の10~15%前後)、設計料などがかかります。
一般的に子供部屋のリフォームは、間仕切り工事や内装工事、収納の造作工事などが中心となり、リフォーム費用は50万円未満の事例が多く、20万円未満の事例も少なくありません。
子供部屋のリフォームには高額な費用がかかる給排水の配管工事や住宅設備機器の工事がないので、比較的費用を抑えることが容易になるためです。
したがって他のリフォームメニューと比較して、資金面でのハードルはそれほど高くないといえます。
子供部屋のリフォーム事例と費用【50万円未満】
子供部屋のリフォームは、50万円未満でも様々なリフォームが可能です。
50万円未満でできる子供部屋のリフォーム事例を見ていきましょう。
1.8帖の洋室+収納に間仕切壁を立てて子供部屋2室にリフォーム 費用:約45万円
子供が大きくなってきたので、それまで子供2人で使っていた8帖の部屋と収納をつなげて部屋の中央に間仕切壁を立て、2部屋に分けました。
またドアを1箇所増設して、廊下からそれぞれの部屋に直接入ることができる様にしました。
2.リビングルームの一角を収納家具で仕切って子供用の学習コーナーを設置 費用:約30万円
リビングルームの一角に収納を兼ねた間仕切り家具を造作して、子供の学習コーナーを設けました。
プライバシーが保てる空間を確保しつつ、リビングで子供の気配が感じられる様にしています。
3.収納スペースになっていた部屋を断熱・防音性の高い子供部屋にリフォーム 費用:約25万円
荷物置き場になっていた6帖の部屋のカーペットを防音フローリングに貼り換え、内窓を設置して断熱・防音効果を高めました。
また壁の一面を子供が好きなカラフルな色のアクセントクロスに貼り換えたため、子供部屋らしい明るい部屋になりました。
最小限のリフォームでも工夫次第で部屋のイメージを一新することができます。
4.押し入れをクロゼットに改造して片付けがしやすい子供部屋にリフォーム 費用:約30万円
収納するモノにあわせて部屋の押し入れをクロゼットに改造し、クロゼット内に可動棚を設置することで収納量が倍増しました。
以前は部屋の中に散乱していたものまでスッキリと収納できるので、狭い部屋でも広く使うことができます。
子供部屋のリフォーム事例と費用【50~100万円】
この章では50~100万円でできる子供部屋リフォームをご紹介します。
1.間仕切り開閉壁で必要に応じて部屋を仕切れる様にリフォーム 費用:約60万円
夫婦の主寝室だった10帖の部屋の真ん中に、天井迄の高さの間仕切り開閉壁を設置しました。
必要に応じて個室2部屋に間仕切ることが可能です。
しばらくは子供2人の子供部屋として利用する予定ですが、子供が自立した際には再度夫婦の主寝室として利用することができます。
2.吹き抜けをつぶして子供部屋を増設 費用:約100万円
およそ4.5帖ほどの広さの吹き抜けに床組みをして、子供部屋を増設しました。
天井や壁は壁紙を張り替えるのみとしてコストを抑え、サッシを交換して居室として必要な採光と通風を確保しています。
増築するよりも少ない費用で、新しい部屋を作ることができました。
3.収納付きのベットで仕切って、一部屋を子供部屋二室にリフォーム 費用:約70万円
収納家具で部屋を二つに仕切る方法は、リフォームでよく使われる手法です。
家具を移動すれば、部屋の大きさを変えることも可能です。
6帖+押し入れの部屋の押し入れを潰して部屋と一続きにし、さらに中央に収納付きベットを造作して間仕切ることで二室の子供部屋を作りました。
収納付きベットは両側の部屋から使用可能で、片方の部屋では上段部分がベット、もう一方の部屋では下段部分がベットになっているので、狭いスペースを有効活用することができます。
子供部屋のリフォーム事例と費用【ロフト】
限られた面積を有効的に活用するための方法として、ロフト(天井を高くして部屋の一部を2層式にした上部空間)を設けることが非常に効果的です。
この章では、ロフト付きの子供部屋のリフォーム事例をご紹介します。
・小屋裏の空間を活用してロフトベット付の子供部屋にリフォーム 費用:120万円
2階の洋室の天井を一部解体して小屋裏の空間を取り込み、新たにロフトベットを設けた事例です。
ロフトスペースは天井が低く、決して広い空間ではありませんが、子供にとっては秘密基地の様な魅力的なスペースになります。
寝るためのスペースとしてだけではなく、遊び場や収納スペースとしても利用できます。
ただし小屋裏には湿気がこもりやすく夏は非常に暑くなるので、通風・断熱対策をしっかりと行っておくことが重要です。
子供部屋のリフォーム事例と費用【和室】
和室を子供部屋として使いたい場合には、そのままではどうしても地味な印象なので子供に喜んでもらえません。
手軽にリフォームする場合には畳を縁なしのカラー畳に交換するなどの方法がありますが、真壁(柱が露出している壁)の本格的な和室の場合には、それだけではお世辞にも子供部屋に相応しいとはいえないでしょう。
せっかくリフォームするのなら、子供に喜んでもらいたいもの。
そこで次にご紹介するのは、真壁造りの本格的な和室をおしゃれで可愛い子供部屋にリフォームした事例です。
・真壁の伝統的な和室を子供が喜ぶ洋室にリフォーム 費用:約100万円
床は畳を撤去してフローリングに変更、壁は柱を隠してビニールクロス貼りにしました。
また天井にもビニールクロスを貼り、襖や障子は撤去して洋風のドアとブラインドに換えました。
さらに押し入れ内部も可動棚を設けたクロゼットに改造しています。
ビニールクロスは子供が好むポップで明るい色柄のものを選んで部屋のイメージを一新しました。
子供部屋リフォームの業者の選び方とポイント
ここまで子供部屋のリフォーム事例と費用についてご紹介してきましたが、リフォーム費用や施工方法は建物の状況やリフォーム業者によって大きく異なる場合があります。
また子供部屋は、現在の住まいの中のスペースを有効活用して新たに設けるケースが少なくないので、リフォーム会社の提案力が重要になります。
提案力を知る上では、ホームページの施工例などを良く見て確認すると共に、口コミやレビューサイトに書かれていることが参考になるでしょう。
そして子供部屋のリフォームは、間取り変更や建物の構造に関わるケースが多いので、建設業の許可があることと、社内に建築士が在籍していることを確認しておくことをおススメします。
また地域で長年営業を行ってきた会社であれば、それなりの実績があるといえるでしょう。
いずれにしてもはじめから1社に絞らずに複数社に相談して、各社の見積もり金額や提案内容を比較検討することが大切です。
まとめ
子供部屋は、マイホームを購入した後に必要になるケースが少なくありません。
しかし住まいの広さには限りがあるので、庭があれば増築することも可能ですが、費用が高額になってしまうため誰もが容易にできることではありません。
そのため、現在使用している部屋や共用スペースを子供用のスペースとして見直すのが一般的です。
リビングの一角の3帖程度のスペースや、廊下、納戸や押し入れなどの収納スペース、吹き抜け、小屋裏などです。
本記事ではこれらを活用したリフォームの事例をいくつかご紹介させていただきましたが、この様なリフォームではリフォーム業者の提案力が成否のカギを握るといっても過言ではありません。
さらに子供部屋のリフォームでは、単に現状の問題を解決するだけでなく将来を見据えた計画性が必要になるので、優良な業者からアドバイスを受けることが大切です。
満足度の高い子供部屋のリフォームを実現するために、本記事を参考にしていただけたら幸いです。