シンク下の収納スペースは清掃時に見落としがちで、ついつい悪臭がこもっているのに気が付かないということも多くあるのではないでしょうか。ちょっとした工夫で悪臭の発生を防いだり、悪臭を除去したりすることができます。
本記事では、悪臭発生の原因からその予防方法まで詳しく説明しています。本記事を参考にシンク下の収納スペースを清潔に保って、気持ちよくキッチンを使えるようにしていきましょう。
キッチンのシンク下が臭い4つの原因
キッチンのシンク下が臭い原因を突き止めることで、対策を立てやすくなります。一般的な原因を確認し、まずは何が臭いの原因か明確にしましょう。
■原因その1:配管の隙間
キッチンのシンクでは料理に使用した食器や調理器具だけでなく、掃除器具などの洗浄も行う場合があります。また換気扇などしつこい油汚れが付着した部品などを洗浄した場合、その油汚れの多くは排水溝に流れていきます。小さな食べ物の残りカスなどもごみ取り網などをすり抜けていってしまうため、配管には多くの汚れが流れていきます。
配管に流れていった食べかすや油汚れは長い年月をかけて配管の隙間などに蓄積していきます。これらの蓄積が放置されていくと、次第に古い油のような臭いや食べ物カスの腐った臭いなどがシンク下に充満する原因となります。またその臭いは配管を伝ってシンクに繋がっている排水溝に上がってくる場合もありますので、注意が必要です。
■原因その2:ゴキブリ
キッチンは生ごみや油汚れがあり、ゴキブリが生きるために必要な環境が揃っているため対策を怠るとすぐにゴキブリの住処になってしまいます。またキッチンでは調理をするため湿度が上がりやすく、高湿度な環境もゴキブリにとっては過ごしやすい環境になります。特にシンク下は収納スペースになっていることが多く、物が置いてあるため身を隠すにはちょうど良い空間です。
この空間は湿気がこもりやすいので、ゴキブリは人気が無くなる夜中まで静かに過ごします。夜の人が寝静まった頃にキッチン内で食べ物や水を探します。またシンク下は調理していなくても排水管が通っているため湿気がこもりやすくなっているので注意が必要です。長い間そのままにしておくとシンク下のスペースはゴキブリのフンや死骸などでゴキブリ臭くなってしまいます。
■原因その3:カビ
キッチンのシンク下は扉があるものの、密閉されているので空気が流れていません。そのせいで湿気がこもりやすい部分になります。それによってしばらく放置しておくとカビ臭さが出てきます。一度カビが発生したら瞬く間に増殖してしまいます。収納部分に濡れたキッチン用具を片付けているとその水気もカビの発生原因になります。
またシンクには熱いお湯や冷たい水を不規則に流します。特に夏場に氷水を流すなどの寒暖差が、シンク下のステンレス部分に結露を発生させてしまう原因にもなります。そういった自然現象による湿気もカビを発生させる原因となりますので注意が必要です。
■原因その4:ドブ臭い
キッチンのシンク下からドブのような臭いがする場合は、配管に問題があるという可能性があります。基本的にシンクの下にある排水用の管と床下の塩ビ管の間に隙間がある場合に、下水の臭いが上がってくる場合があります。基本的に防臭キャップがあるので臭いが上がってくることはありませんが、経年劣化などでその機能が失われている場合もあります。
シンク下の配管には多くの場合S字トラップがあり、封水が溜められることによって下水からの悪臭を室内へ放出しないようになっています。しかしS字トラップよりも下水側の配管に隙間や穴が開いてしまった場合、そこから下水からドブのような臭いが上がって来てしまう原因になります。またこのS字トラップが無い場合も容易に下水からの悪臭が上がって来てしまいます。
シンク下の臭い除去方法5つを原因別に解説
シンク下の臭いを除去するためには原因によって方法を変える必要があります。それぞれの原因に最適な方法で悪臭に対処しましょう。
■臭い除去方法その1:重曹・クエン酸
重曹とクエン酸を使用して排水管の中の汚れを落とすことができます。排水管の中の汚れは主に油汚れです。それらを除去することで、配管の隙間から出てくる油汚れなどが溜まった臭いを無くすことが可能です。方法は大変簡単で、まずシンク内の排水口を分解します。そこから重曹100gとクエン酸50gを注ぎ入れ、コップ一杯のぬるま湯を注ぎ入れて5分待ちましょう。
排水管に高温のお湯を注ぎ込むことで、排水管内部を傷めてしまう可能性があるので注意が必要です。お湯を入れて時間を置いている間に、最初に分解した排水口の部品をブラシなどを使用してキレイにしましょう。細かい油汚れを全て除去することでシンク下に油臭さが充満するのを防ぎます。時間が経ったら水を流して排水管をキレイにすれば完了です。
■臭い除去方法その2:カビキラー
カビキラーや漂白剤を使用することでシンク下に発生したカビをキレイに除去することができます。カビキラーや漂白剤を使用する場合はしっかりと窓を開け換気して、ゴム手袋などで手を保護してから作業を行いましょう。捨てても良い雑巾に漂白剤やカビキラーを染み込ませます。その雑巾でシンク下をまんべんなく拭き上げます。
シンクの裏側は小さい隙間などにカビが発生しやすい部分がいくつもあります。拭き残しが無いように注意しましょう。また塩素系漂白剤には殺菌効果もあるので、カビだけでなくあらゆる雑菌の繁殖も防いでくれます。まんべんなく拭き上げたら、水で濡らした雑巾でしっかりと水拭きします。最後にしっかりと乾燥させて作業は終了です。
■臭い除去方法その3:アルコール除菌スプレー
アルコールスプレーを使用してシンク下を拭き上げる ことで、少量のカビやゴキブリのフンなどをキレイにすることができます。アルコールスプレーで拭き上げる場合は塩素系漂白剤を使用する場合などに比べて、使用してはいけない対象物が少ないです。そのため物を収納している場合でも、一部を拭き上げるためなどでアルコールを使用することができます。
またアルコールスプレーの場合は、カビキラーなどを使用した場合に比べて水拭きをする必要が無く、アルコールには揮発性もあるためすぐに乾燥します。毎日の清掃や、時間が無い時の清掃にはアルコールの方が適しているでしょう。雑巾でごしごしこする徹底清掃ではなく、日常のキッチンペーパーなどを使用した簡単な清掃をするのにおすすめです。
■臭い除去方法その4:消臭剤
シンク下の悪臭を除去するためにキレイに拭き上げても、長年こもっていた臭いはなかなか取れません。そのこもった臭いを消し去るためには消臭剤を設置することで実現します。臭いの大元は既に除去している場合は数日でイヤな臭いが消えるでしょう。下水の方から上がってくるほのかなドブ臭さにも効果的です。
強めの臭いで一つの消臭剤では完全に消し去ることはできないという場合、シンク下にたくさんの消臭剤を設置するのもコストが掛かります。そんなときはコーヒーを淹れた後のコーヒーかすも、消臭剤と同様に嫌な臭いを緩和してくれます。そのため消臭剤と併せてコーヒーかすを活用すると良いでしょう。
■臭い除去方法その5:収納方法と換気
シンク下の棚にはさまざまな臭いの物を収納することが多くあります。密閉できるものは密閉することで臭いが収納棚内に充満することを防ぎます。また掃除用具などの薬品を使用する用具においては、良く洗って収納することで臭いを除去することができるでしょう。
また換気は大変有効で、既に充満してしまった臭いを定期的な換気をすることで、除去することも可能です。また充満した臭いを換気する場合は、キッチンの窓を開けたり換気扇を回すなどして十分な対策を取った上で行いましょう。稀に充満した臭いの中にガス成分が混ざっている場合があり、気分が悪くなったりと悪い影響を受ける場合があります。
キッチンのシンク下の臭い防止対策方法4つ
シンク下を徹底的に清掃したとしても、防止する方法を実施しなくてはまた臭いが充満してしまいます。こちらで紹介する対策方法を実施して長期的に臭いが発生しないようにしましょう。
■臭い防止対策方法その1:除湿剤
カビなどが原因で発生する悪臭は、カビの発生を抑えることで予防できます。カビは60%以上の湿度と20℃~45℃の温度で発生しやすくなります。温度の調節は難しいですが、湿度の調節なら除湿剤で可能です。湿度が上がりやすい時期には除湿剤を置くことで湿度を下げることができます。
エアコンなどをキッチンの湿度のために利用するのは現実的ではありませんが、除湿剤であれば場合によっては複数個購入して設置してもコストはそれほど高くならないでしょう。除湿剤を設置していても時折換気目的でシンク下のスペースの空気を入れ替えるようにしましょう。
■臭い防止対策方法その2:防水キャップと排水溝補修テープ
防水キャップと排水溝補修テープで除去できるのは配管の隙間から上がってくる悪臭です。防臭キャップは防臭ゴムとも言い、配管の隙間を無くしてくれます。これらは最初から備え付けられていることが多いですが、経年劣化などで緩んだり、一部が破損してしっかりと配管を覆い隠してくれない場合があります。劣化した場合は替えの物をホームセンターなどで購入しましょう。
防臭キャップや防臭ゴムを使用していても隙間ができてしまう場合は、パテや排水溝補修テープなどを活用して隙間を無くしましょう。これによって配管内に溜まった油臭さなどを外に漏れださないように防いでくれます。賃貸の場合はパテを使用して良いかなどの確認を管理会社に行う必要があります。
■臭い防止対策方法その3:重曹
重曹は油汚れや焦げ付きを落とすために使用するだけでなく、そのまま置くだけで消臭効果があります。シンク下の収納スペースに物がしまってある場合、消臭のスプレーなどを使用できない場合があります。そのようなときは重曹を小皿や瓶などに入れて蓋無しで置いておくと良いでしょう。
蓋をしていないので物の出し入れをしたり、換気をしたりする際にこぼしてしまわないよう注意をしましょう。もし消臭剤を用意することができれば消臭剤を置いても良いでしょう。
■臭い防止対策方法その4:パイプユニッシュ
食べ物の残飯などを流す排水管は、油などと混ざって悪臭発生の原因となります。一般的にシンク下の配管はS字トラップになっています。本来であればそのトラップ内の封水が下水などからやってくる悪臭をブロックしてくれますが、そこに蓄積した汚れが悪臭の発生源になってしまう場合もあります。
S字トラップ内で発生した悪臭が配管の隙間などから漏れ出すことで、シンク下に悪臭がこもってしまいます。その悪臭の根源である残飯などの汚れや詰まりを溶かし、キレイにするためにパイプユニッシュが役に立ちます。用法を守り、定期的に配管に付着した汚れを落としましょう。
シンク下の修理工事業者の費用相場
シンク下のトラブルを自分で解決できない場合は修理業者を呼ぶことをおすすめします。
修理業者を呼んだ場合に依頼する工事内容の例としては、シンク下の配管の詰まりや経年劣化などで破損した配管の交換などになります。
料金の相場としては配管の詰まりで4,000円~、配管の交換で6,000円~となります。トラブルの度合いで料金は加算されますので注意が必要です。業者に事前に料金を確認してから依頼するようにしましょう。
まとめ
キッチンのシンク下は放置していると、悪臭が発生しとても不衛生になってしまいます。本記事を参考に適切な臭い除去方法や、悪臭を発生させない習慣を身に付けましょう。