ウィルスやハウスダスト対策、タバコやペットの臭い対策で、空気清浄機を愛用している方もいるでしょう。空気清浄機は目に見えない塵や臭いなどを吸収して、部屋の空気をクリーンにする便利な機械です。
一方で、”空気清浄機から臭いがする”という声もあります。雑巾や生乾きのような臭い、酸っぱい臭いなど、感じ方は人それぞれですが不快であることは確かです。
空気清浄機から臭いをがする時は汚れなどが蓄積しています。本来、部屋の空気をクリーンにしますが、汚れていると室内の臭いをとることができません。空気清浄機から臭いがする時は、掃除をしてキレイにしましょう。空気清浄機が汚れる原因や掃除方法などをご紹介していきます。
空気清浄機の臭いの原因3つ
空気清浄機が臭くなる原因は、雑菌とカビ、部屋に強い臭いを放つものがあるからです。主な原因は以下の3つです。
1.)空気清浄機をマメに掃除していない
空気清浄機に雑菌やカビが繁殖して臭いを放つのは、定期的に掃除をしていないからです。フィルターはハウスダストなどを吸収しますが、消滅させるわけではありません。掃除をしないとフィルターに汚れが蓄積されていき、雑菌やカビは汚れをエサに増殖して臭いを放ちます。
2.)加湿機能がある空気清浄機を使っている
雑菌やカビは湿気がある場所を好むため、加湿機能がある空気清浄機は繁殖しやすいです。タンクやトレーの水、水垢などをエサにして臭いを放ちます。
3.)強い臭いがある環境に空気清浄機を置いている
フィルターには限度があり、キャパオーバーすると完全消臭するのは難しいです。タバコ、ペット、焼き肉などの強い臭いは、空気清浄機の本体に臭いが移ることもあります。
空気清浄機の臭いの部位特定方法
空気清浄機の臭いが気になった時は臭いの元を見つけましょう。
臭いの元になりやすいのは、脱臭フィルター、加湿フィルター、集塵フィルターの3つです。フィルター以外では、空気清浄機の本体、タンクやトレーが臭いの元になっていることもあります。
では、空気清浄機の臭いの元になるパーツの特徴や、臭いの元を調べる方法をチェックしていきましょう。
■脱臭フィルター解説
【特徴】
空気清浄機は加湿機能の有無に関係なく、臭いをとるための脱臭フィルターがあります。多くの脱臭フィルターは格子状で、空気中の様々な臭いを吸収するのが特徴です。例えば、タバコの臭い、ペットの臭い、オイルミスト(油を含んだ煙)の臭いなどを吸収します。
【臭いの元の調べ方】
1.)脱臭フィルター、加湿フィルター、集塵フィルターを外し、空気清浄機を稼働させて臭いの有無を確認しましょう。空気清浄機から全てのフィルターを外した状態で、全く臭いがない場合は本体が臭いを放っている可能性があります。
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2.)全く臭いがない場合は本体も疑わしいですが、フィルターから臭いを放っている可能性も捨てきれません。脱臭フィルターのみを空気清浄機にセットしてから稼働させ、臭いの有無を確認します。
臭いがある場合は脱臭フィルターが原因です。臭いがない場合は、加湿フィルターや集塵フィルターが臭いの原因かもしれません。
■加湿フィルター解説
【特徴】
加湿フィルター は加湿機能つきの空気清浄機のみついているもので、空気をキレイにするだけの機種にはついていません。部屋の空気をクリーンにしながら同時に加湿するためのフィルターで、加湿機能はONとOFFの切り替えが可能です。
加湿機能が稼働している最中のフィルターは、水道水を吸収し蒸発させて加湿している状態です。また、水道水が蒸発した時に発生する水垢(白い汚れ)を吸着する役目もあります。
【臭いの元の調べ方】
1.)加湿フィルターの臭いを調べる時も、空気清浄機にセットされているフィルターを全て外してください。空気清浄機にフィルターがない状態で稼働し、臭いチェックをしましょう。
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2.)全く臭いがない場合は、本体が臭いの元になっている可能性もあります。本体の臭いなのか、加湿フィルターの臭いなのかを調べるために、加湿フィルターのみセットしましょう。
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3.)空気清浄機を稼働し、臭いがある場合は加湿フィルターが原因です。臭いがない場合は、脱臭フィルターや集塵フィルターが悪臭を放っているかもしれません。
■集塵フィルター解説
【特徴】
空気清浄機の集塵フィルターは名前の通り、塵やホコリなどを吸収するものです。また、衣類などの繊維、ダニの死骸、ダニのフン、ペットの毛、花粉、カビの胞子、細菌、タバコの煙などを吸収して溜める役目があります。
【臭いの元の調べ方】
1.)空気清浄機にセットされているフィルターを全て外してから、機械を稼働させましょう。空気清浄機を稼働させた時に臭いがない場合は、本体そのものに臭いがついている可能性があります。
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2.)臭いがない場合は、集塵フィルターのみセットして空気清浄機を稼働させましょう。臭いがあれば集塵フィルターが臭いの元となります。臭いがない場合は、空気清浄機の本体、脱臭フィルター、加湿フィルターを疑いましょう。
■タンク・トレー解説
【特徴】
空気清浄機のタンクとトレーがあるのは、加湿器機能がついている機種のみです。タンクは加湿するために水をためておくもので、トレーはタンクと加湿フィルターを収納するためにあります。
【臭いの元の調べ方】
1.)空気清浄機のトレーを引き出して、タンクを取り外しましょう。次に、タンクのフタを開けたら鼻を近付けて臭いを確認します。トレーも同じように臭いの有無を確認してください。
タンクやトレーを嗅いだ時に臭いがある場合は、タンクやトレーが臭いの元です。臭いがない場合は、フィルターや本体の臭いを確認します。
脱臭フィルターの掃除方法
空気清浄機の脱臭フィルターの掃除方法から見ていきましょう。基本的に脱臭フィルターは水洗いで汚れを落としていきますが、機種によっては水洗いすることができません。水洗いの可否を取り扱い説明書などで確認してください。
■水洗いOKの掃除手順
1.)脱臭フィルターにホコリがたくさん付着している場合は、掃除機を優しく当てて吸い取ります。空気清浄機の脱臭フィルターは両面に掃除機をかけても問題ありません。しかし、機種によっては片面のみの場合もあるため、取り扱い説明書などで確認してください。
なお、脱臭フィルターに強く掃除機を押し当てるなどして負荷をかけ過ぎると、破損や傷付く恐れがあります。
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2.)脱臭フィルターにシャワーを当てるなどして汚れを落としましょう。臭いが酷くない場合は水洗いだけで落とすことができます。一方、臭いが酷く、水洗いで解消しない場合はウーロン茶がおすすめです。ウーロン茶に含まれているカテキンなどの成分は、臭いを取る作用があります。
大きめの容器やゴミ袋を用意して、ウーロン茶と脱臭フィルターを入れたら約10分浸け置きします。ゴミ袋を使う時は口を縛りウーロン茶がこぼれないようにしてください。また、臭いをしっかり取るために、脱臭フィルター全体にウーロン茶を浸透させるのがポイントです。
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3.)時間が経ったらシャワーなどでウーロン茶をよく洗い流し、できるだけ早く乾かすために水分をしっかりきります。洗った後の脱臭フィルターは、必ず風通しがいい日陰で横置きにして乾かしましょう。直射日光が当たる場所や縦置きで乾かすと、型崩れ、変質、変色などの原因になります。
■水洗いNGの掃除手順
水洗いすることができない脱臭フィルターは、掃除機でホコリを吸い取る方法しかありません。脱臭フィルターの片面、もしくは両面に掃除機を優しく当ててホコリを吸い取ります。
水洗いすることができない脱臭フィルターとわかっていても、水でバシャバシャ洗いたくなる方もいるでしょう。しかし、水に濡らすと故障や機能低下(脱臭機能が落ちる、空気清浄機が正常に稼働しなくなるなど)を招く恐れがあります。
加湿フィルターの掃除方法
空気清浄機の加湿器フィルターは臭いや汚れに合わせて洗剤を変えましょう。臭いだけでなく水垢が付着している時はクエン酸を使い、臭いのみの場合、水垢や黄ばみがある場合は台所用の粉末洗剤で洗います。
■臭いと水垢がある時の掃除手順
1.)手が荒れないようにゴム手袋をして、加湿器フィルターが入る容器やゴミ袋、もしくは洗面台に栓をしましょう。容器やゴミ袋などに、水か40度以下のぬるま湯とクエン酸を入れて溶かします。
分量は1Lの水かぬるま湯に対して6gが目安です。クエン酸を大量に入れるとすすぎ残りの原因になりやすく、加湿器フィルターの臭いをとることができません。また、加湿フィルターにクエン酸が残っていると、余計臭いが強くなるため入れ過ぎには注意が必要です。
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2.)クエン酸を溶かしたら、加湿器フィルターを入れて約2時間浸け置きします。ゴミ袋を使う場合は液体がこぼれないように口を縛ってください。
浸け置き後は加湿器フィルターをよくすすいでから、空気清浄機にセットしましょう。加湿器フィルターの掃除をした後、機種によっては空気洗浄機を稼働させて、リセットボタンを3秒以上押す必要があります。
■臭いのみの場合・臭いと水垢や黄ばみがある場合の掃除手順
1.)ゴム手袋をして、加湿器フィルターが入る容器やゴミ袋、もしくは洗面台に栓をしましょう。容器やゴミ袋などに、水や40度以下のぬるま湯と粉末の台所用洗剤を入れます。
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2.)洗剤をよく溶かしてから加湿器フィルターを入れて、約30分~1時間浸け置きしましょう。ゴミ袋を使う場合は口を縛ります。洗剤の分量は商品パッケージの使い方を見て確認してください。
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3)時間が経ったら水か40度以下のぬるま湯でよくすすぎ、洗剤を残さないようにしましょう。すすぎが終ったら、加湿器フィルターを空気清浄機にセットします。
機種によっては、空気清浄機のリセットボタンを3秒以上押す必要があります。リセットボタンがある空気清浄機は、加湿器フィルターをセットした後に長押ししてください。
なお、加湿器フィルターを洗っても臭いが残っていることがあります。臭いが残っている場合は完全にとりきるのは難しいため交換しましょう。
集塵フィルターの掃除方法
多くの空気清浄機は集塵フィルターの水洗いができません。水洗いすることができない集塵フィルターは水に弱く、水洗いすると機能が低下します。洗うと交換することになるため、水洗いの可否を取り扱い説明書などで確認しましょう。
■水洗いNGの掃除手順
水洗いすることができない集塵フィルターは、片面、もしくは両面に掃除機を優しくかけましょう。機種によって掃除機をかける面が異なるため確認してください。また、掃除機を強く当てるなどして力を入れ過ぎると、型崩れや破損する恐れがあります。
空気清浄機の集塵フィルターは使用頻度や使用年数によって、茶色や灰色に変色するものです。掃除機をかけて白くならなくても、交換時期ではない集塵フィルターであれば機能性に問題ありません。交換時期を迎えた集塵フィルターは新しいものへ交換しましょう。
■水洗いOKの掃除手順
1.)空気清浄機の集塵フィルターにホコリがたくさんついている場合は、片面、もしくは両面に掃除機を優しくかけます。
集塵フィルターに付着しているホコリは、完全に吸い取らなくてもかまいません。破損を防ぐために軽くかける程度にしましょう。なお、掃除機をかける面は取り扱い説明書などで確認してください。
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2.)掃除機で吸い取れないホコリはシャワーを当てるなどして洗い流します。水洗い後はできるだけ早く乾かすために水をよくきりましょう。次に、風通しがいい日陰で横置きにしてよく乾かします。直射日光が当たる場所や縦置きで乾かすと、型崩れなどを起こすため避けてください。
タンク・トレーの掃除方法
空気清浄機のタンクとトレーの掃除方法をそれぞれ見ていきましょう。加湿機能がある空気清浄機はタンクやトレーも汚れやすく、掃除をしないと臭いが発生します。また、加湿機能の使用頻度や長時間使うことが多いと、タンクやトレーは常に湿っているため雑菌やカビの温床になりやすいです。
■タンクの掃除手順
1.)空気清浄機のタンクの汚れや臭いが酷くない場合は、水だけで落とすことができます。タンクの中へ少しだけ水道水を入れたら、フタをして上下に振りましょう。
汚れや臭いが酷い場合は、タンクの中へ少量の食器用洗剤と水道水を入れて上下に振ります。次に、タンクをよくすすいで洗剤を洗い流しましょう。すすぎ残りがあると雑菌が繁殖しやすくなり臭いが発生するため、十分すすぐのがポイントです。
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2.)タンクのフタも汚れやすいパーツで、掃除をしないと臭いの元になります。歯ブラシや綿棒でフタの溝などを擦って汚れを落としましょう。フタの中に小さなキャップがあるタンクは、小キャップも外して掃除をしてください。
■トレーの掃除手順
1.)トレーの汚れや臭いや汚れが酷くない場合は水洗いだけで十分です。大まかなところは柔らかいスポンジで擦り、細かいところは綿棒や歯ブラシで擦ります。フロートやローラーなどのパーツが外れる機種は、外して細部まで掃除をしましょう。
ただし、フロートやローラを取り外してはいけない空気清浄機もあるため、事前に確認してください。フロートやローラーを外して掃除をした後は正しくセットしましょう。正しくセットできないと加湿機能が作動しません。
汚れや臭いが酷い場合は、ゴム手袋をしてトレーに水道水と台所用の粉末洗剤を入れ、よく溶かします。
分量の目安は水道水が約700ml、台所用の粉末洗剤が約12gです。あくまでも目安であり、トレーのサイズに合わせて調整してください。台所用の粉末洗剤が溶けたら約30分~1時間浸け置きします。
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2.)台所用の粉末洗剤で浸け置きした後は、洗剤が残らないようによくすすぎましょう。トレーの掃除後、清潔なタオルなどで水分を拭き取ってから空気清浄機へセットします。
空気清浄機本体の掃除方法
空気清浄機は稼働していなくても部屋に置いているだけで汚れるものです。また、臭いがある環境に置いている、使用頻度が多い、何年も使い続けている場合は、空気清浄機の本体も汚れや臭いがつきやすくなります。では、本体の掃除方法を見ていきましょう。
■掃除手順
1.)空気清浄機の電源を切りフィルターを全て外します。電源プラグにホコリが付着している場合は、乾いた雑巾などで拭き取ってください。
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2.)空気清浄機の本体は固く絞ったタオルや布などで水拭きしましょう。本体を強く擦ったり硬い素材のもので擦ると傷付く恐れがあります。硬い素材のものは避けて、力を入れ過ぎないように注意しながら水拭きしましょう。
汚れが酷い場合は、食器用洗剤(少量)を水で薄めたものをタオルや布に含ませて固く絞ります。本体を拭いて汚れを落としましょう。
重曹で臭いを除去する方法
空気清浄機の臭いは重曹でとることもできます。台所用の粉末洗剤やクエン酸でとることができない臭いは、重曹を試してみましょう。
【臭いのとり方】
1.)手荒れ防止にゴム手袋をします。フィルターが入る容器やゴミ袋を用意するか、洗面台を使う場合は栓をしてください。
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2.)容器、ゴミ袋、洗面台などに、約40度のぬるま湯と重曹を入れてよく溶かしましょう。分量の目安は1Lのぬるま湯に対して重曹60gですが、容器の大きさなどに合わせて調整します。
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3.)重曹を溶かしたぬるま湯へフィルターを入れて、約30分浸け置きしましょう。ゴミ袋は中身がこぼれないように口を縛ってください。
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4.)時間が経ったらよくすすいで水をきります。脱臭フィルターと集塵フィルターは、風通しがいい日陰で横置きにして乾かしましょう。フィルターを空気清浄機へセットして、必要があればリセットボタンを3秒以上長押しします。
空気清浄機の臭いを予防する方法
空気清浄機の臭いは2つのことを行うと予防することができます。臭いの予防対策を行い、クリーンな空気で快適に過ごすことができる空間にしましょう。
1.)定期的にお手入れを行う
空気清浄機は定期的に掃除をすると、汚れが溜まりにくく臭いを防ぐことができます。パーツ別の掃除頻度をチェックして、お手入れの目安にしましょう。
・脱臭フィルター:約2週間に1回が目安。汚れが気になった時は都度掃除を行う。
・加湿フィルター:約1ヵ月に1回が目安。タンクの水の減りが遅い時やお手入れランプが点灯した時もお手入れが必要。
・集塵フィルター:汚れが気になった時。
・タンク:加湿機能を使っている時は毎日水を交換して洗う。使っていない時は水を入れない。
・トレー:約1ヵ月に1回。
・本体:約1ヵ月に1回。
2.)フィルターなどは定期的に交換する
フィルターなどのパーツは消耗品で、一定期間使ったら交換しましょう。交換時期の目安は機種によって異なります。
まとめ
空気清浄機を使っている以上は定期的なメンテナンスが必要です。マメにお手入れを行うと臭いの元となるハウスダストなどの汚れがたまりにくく、キレイな空気を排出することができます。また、空気清浄機の定期的なお手入れは臭いを防ぐことにもつながるため、掃除の習慣を身に付けましょう。