シャワーヘッドは気づかない内に汚れが蓄積していることをご存知ですか?そのまま放置していると汚れたお湯で顔や体を流すことになってしまいます。
本記事ではシャワーヘッドが汚れる原因や簡単に掃除する方法、さらに汚れの予防方法もご紹介します。シャワーヘッドを清潔にして、いつでもキレイなお湯を使えるようにしておきましょう。
お風呂のシャワーヘッドに付着する汚れと原因
シャワーヘッドは水やお湯が流れ出る場所なので「汚れがたまる」イメージはないかもしれません。
しかし、水道水に含まれるミネラルが汚れの原因となっていると、どうでしょう?
また体などを洗い流すとき、水に混じって皮脂やシャンプー・石鹸などもシャンプーヘッドにはね返って汚れの原因になっています。主要な汚れ3種類とその原因をみていきましょう。
■水垢
シャワー板に白くこびりついたり、メッキ部分にうろこ状についている汚れです。水道水に含まれるケイ酸・炭酸カルシウムなどのミネラルが、水分の蒸発後にのこって蓄積することが原因。アルカリ性の汚れなので、酸性のアイテムで掃除できます。
■石鹸カス
石鹸カスには2種類あります。
・金属石鹸:白くて固く、こびりついています。水道水中のミネラルが石鹸成分と反応することが原因です。性質はアルカリ性なので、酸性のアイテムで掃除します。
・酸性石鹸:黒や灰色でベタベタしており、皮脂汚れと石鹸成分が反応することで発生します。汚れに対して石鹸の量が少ないことが原因です。名前のとおり酸性なので、アルカリ性のアイテムで掃除しましょう。
■ピンクぬめりや黒カビ
ピンクぬめりの正体は酵母菌の一種である「ロドトルラ」という生物で、性質は酸性です。
カビと違いすぐに取れますが、湿気のある環境が大好きで皮脂汚れや石鹸カスをエサに大増殖します。見た目も悪く、放っておくと黒カビの発生につながります。
シャワーヘッドが汚れるとどうなる?
■シャワーヘッドから出るお湯に不衛生になる
シャワーヘッドに付着した皮脂や石鹸カスの汚れを放置していると、湿度が高い浴室内ではカビや雑菌が繁殖してしまいます。雑菌の温床となったシャワーヘッドから出るお湯は不衛生であり、肌や健康面に悪影響を及ぼす可能性があります。
■光熱費や水道代が余計にかかる
汚れで目詰まりを起こしていると水圧が弱くなり、本来よりも多くのお湯を出さなければいけないため、結果的に水道代が上昇しまいます。
「最近シャワーの水圧が弱い。」「一箇所だけ変な方向に飛び散る。」といったような場合は、シャワーヘッドの目にすでに汚れがたまっている可能性があるので、すぐに掃除をしましょう。
また、水圧や水量が弱まるとシャワーを使う時間が長くなり、お湯を沸かす光熱費も余計にかかる原因になるため、シャワーヘッドを清潔に保つことは節約・節水につながります。
100均で揃う!シャワーヘッド掃除前に準備するもの
■つまようじ
シャワー板の穴など、細かい部分の汚れを取るのに役立ちます。
■歯ブラシ
お掃除の定番アイテムです。細かい部分やネジ状部分の汚れのかき出しに最適です。
■大さじ、小さじ
クエン酸や重曹の分量をはかる時に使います。
目分量でも大丈夫ですが、あると便利なので掃除用にそろえておく事をオススメします。
ちなみに小さじ3が大さじ1にあたるので、小さじだけで代用も可能です。
■柔らかいスポンジ
シャワーヘッドに傷がつかないよう、柔らかめのスポンジを選んで下さい。
メラミンスポンジは傷がつく可能性があるため、ここでは普通のスポンジで大丈夫です。
■重曹もしくはセスキ炭酸ソーダ
粉末タイプを選びましょう。どちらもアルカリ性ですが、水への溶けやすさはセスキ炭酸ソーダの方が上です。お掃除初心者であればセスキの方が使いやすく、オススメです。
■クエン酸
クエン酸も、粉末タイプが使いやすいです。酸性なので、アルカリ性の汚れを中和してくれます。
■キッチンペーパー、ラップ
こすり洗いでは汚れが落ちない時にパックで使用します。
クエン酸水を浸したキッチンペーパーを巻き付け、その上からラップをして輪ゴムで止めるだけでクエン酸パックの完成。1時間程放置したあと、軽く擦ればきれいになります。
(クエン酸水の作り方は下記で解説します。)
シャワーヘッドの分解のコツ
素人では分解できないと思われがちなシャワーヘッドですが、実は意外と簡単です。コツは「両手を逆方向に回す」ことです。
1. 左手でシャワーヘッド、右手でシャワーヘッドとホースの結合部分を持ちましょう(シャワーヘッドが濡れている場合はしっかりと拭いてから行ってください)。
2. そのまま左手は半時計周り、右手は時計回りに回すとすんなり外れます。
とはいえ、1度も掃除したことがない等の場合は非常に固いこともあります。そんな時はゴム手袋をはめて、同じように回してみてください。摩擦が減り回りやすくなります。
※メーカーによっては、分解できる部品に制限があることがあります。必ず取り扱い説明書を読んでから分解しましょう。
手元に説明書がない場合、パソコンやスマホで「メーカー名 シャワーヘッド 説明書」で検索すれば主要メーカーの説明書を見ることができます。
今すぐできる簡単なシャワーヘッドの掃除の仕方
■重曹・セスキを使う場合
重曹・セスキともにアルカリ性なので、ベタベタした皮脂汚れやピンクぬめりに効果的です。
カビにも効果があるので、カビキラー特有の臭いが苦手な人にもオススメ。
重曹は「重曹:水=2:1」のペースト状にして、重曹ペーストをつけた歯ブラシや小さめの掃除用ブラシでこすり洗いに使用しましょう(傷がつくことがあるので、メッキ部分は行わない)。
セスキは溶かして使用します。バケツや深めの洗面器などに約500mlのお湯にセスキ小さじ1を溶かし、シャワーヘッドを1~2時間つけ置きして下さい。つけおき後は歯ブラシやスポンジで、やさしくこすり洗いしましょう。
■クエン酸・お酢を使う場合
アルカリ性の汚れに強いので、水垢をしっかり落とすことができます。
水約1Lに対してクエン酸小さじ2を溶かし、クエン酸水を作ります。シャワーヘッドを1時間程浸け置きした後、歯ブラシやスポンジでこすればキレイに水垢が落ちます。
クエン酸が無い場合、お酢で代用する事も可能です。この場合は醸造酢やホワイトビネガーなど、糖が入っていないお酢でないとベタつきが残るので注意しましょう。お酢で代用する場合には「お酢:水=1:1」の割合で混ぜて使用して下さい。
■オキシクリーンを使う場合
「オキシ漬け」で水垢をキレイにし、酸素の泡の力で汚れを落とします。
4Lのお湯に対しオキシクリーン付属のスプーン1杯を溶かしてオキシ液を作ります。
お湯の温度は40~60℃が推奨されていますが、オキシクリーンの溶け残りを防ぐために50℃以上の温度がオススメです。
上記割合で作成したオキシ液に1時間程度漬け、こすり洗いしましょう。軽くこすっても汚れが落ちなければ6時間までは漬けることができます(オキシクリーンの効果持続時間が6時間です)。
■ハイターを使う場合
落ちにくい黒カビも、ハイターなら強力に撃退してくれます。使いやすいスプレータイプがオススメ。吹き付けて所定の時間置いたあと、しっかりと洗い流しましょう。
【注意】ハイターは強いアルカリ性のため、使える部分が限られています。説明書を必ず読み手袋とゴーグルを装着、十分に換気をしてから使用開始してください。また酸性成分と混ざると、有害な塩素ガスが発生します。酸性洗剤やクエン酸などとは絶対に混ぜないように気をつけましょう。
シャワーヘッド汚れの定期的な予防方法
シャワーヘッドの汚れの原因は水道水中のミネラルと、皮脂や石鹸カスでしたね。
どちらも完全に取り除くのは難しいので、汚れがたまらないよう定期的に予防することが大切です。
■お風呂掃除のついでに「中性洗剤」で洗おう!
汚れが少ないうちは、お風呂掃除用の中性洗剤でも十分キレイになります。
方法は簡単で、浴槽を洗った後、そのまま泡のついたスポンジでシャワーヘッドも丸ごと擦り洗いするだけです。
この方法なら毎日取り入れることができ、シャワーヘッドを分解してキレイにした後、毎日中性洗剤で洗っておけば「気づいたら汚れがビッシリたまっていた!」という事態も防ぐことができますよ。
■シャワーを使用した後は水を振り落とす
シャワー板が下向きの状態でシャワーヘッドをしっかりと持ち、表面に残っている水滴を落とすイメージで2,3回振り下ろしましょう。シャワーヘッドに残る水分が少なければ水垢も防ぎやすいです。さらに、水分をエサに増殖するピンクぬめりも予防できます。
シャワーヘッド掃除のおすすめ便利グッズ3選
■セルロースクロス
拭いた跡すら残さない、お役立ち商品!抜群の給水力で、汚れの原因となる水滴をしっかりと拭き取ります。
使い方は簡単で、水を含ませしっかりと絞り、シャワーヘッド全体の水気を拭き取りましょう。使用後はクロスを軽く水洗いしてから乾かしてください。速乾性もあるため、クロス自体のお手入れも少なく済むのが嬉しい商品です。
■洗剤のいらないバススポンジ
普通のスポンジとは違う特殊なループが汚れをかき取るため、洗剤を使わず水だけで見違えるほどピカピカに。
シャワーヘッドだけでなくホースや浴槽など、これ一つで浴室まるごとお掃除できます。
元々付いているタグに引っかけて吊るしておけるので、収納場所にも困りません。
■シャワーヘッドのつけ置き専用洗剤
クエン酸に加えて乳酸の力で、洗浄から除菌まで一度にできます。
1回使い切りで小分けになっているため、思いたったときにすぐ掃除できるのが嬉しいですね。
5回分入っているので、キッチンや洗面台のシャワーヘッドもキレイにしてしまいましょう。
まとめ
シャワーヘッドはやり方を守ってきちんと掃除すれば、内部まで簡単に掃除することが出来ます。
またシャワーヘッドの汚れは水道水自体が原因の一部となっているため、キレイに掃除したあとはできるだけ水分を残さないことが重要です。
毎日少し気を付けるだけで掃除がグンと楽になるので、ぜひ習慣にしてしまいましょう!