調理器具や食器などの洗う手間を省くために、食洗機を愛用している方もいるでしょう。食洗機は家事の負担を減らす便利な家電ですが、臭いに困っていませんか?例えば、”不快な臭いが気になるようになった”、”食洗機から下水のような臭いがする”などの声があります。
食洗機は調理器具や食器などの汚れを洗剤で落としますが、同時に庫内もキレイになるわけではありません。掃除をしなければ汚れが蓄積されて臭いを放ちます。臭いを放つ食洗機は不衛生な状態で、調理器具や食器なども不衛生になると思いましょう。
今回は、食洗機が臭くなる原因、臭いを取る方法、予防策などをご紹介していきます。食洗器を清潔にして臭いを取りましょう。
食洗機が臭い原因5つ
食洗機が臭い時は5つの原因が関係しており、複数の内容が絡んでいることもあります。食洗機の臭いが気になる方は原因を突き止めるところから始めましょう。臭いの原因がわかると的確な方法で対処することができます。
■①食洗機に汚れた食器を入れたままにしている
食洗機へ汚れた調理器具や食器などを入れたままにして、洗浄を後回しにしていませんか?細菌やカビは高温多湿の環境を好み、食べカスなどの汚れを栄養源にして増殖するのが特徴です。
食洗機に汚れた調理器具や食器などを入れた後はすぐに使わないといけません。
汚れた調理器具や食器を入れたまま放置した食洗機内部は、時間と共に細菌やカビが繁殖して臭いを放つようになります。
■②排水ホースの中が汚れている
食洗機の排水ホース内部を1度も掃除していない場合は、排水ホース内部の汚れを疑いましょう。また、最後の掃除からしばらく経っている場合も、排水ホース内部が汚れている可能性が高いです。
食洗機の排水ホースは洗浄剤などを使わないで使用すると、汚れが蓄積されて食洗機から臭うようになります。排水ホース内部の汚れが原因で臭い場合は、汚れをエサにして細菌やカビが発生していると思いましょう。
臭いは排水ホースを通じて食洗機内部へ込み上げてくるため、扉を開けた時に不快な臭いを放つようになります。
■③乾燥フィルターに油汚れが付いている
食洗機から雑巾のような臭いがした時は、乾燥フィルターに油汚れが付いているかもしれません。乾燥フィルターは調理器具や食器などを洗浄した後、乾かすために温風を通すパーツです。乾燥機能が付いている食洗機は乾燥フィルターの油汚れを疑いましょう。
乾燥フィルターが油で汚れているまま乾燥機能を使うと、フィルターが焼けて役目を果たすことができません。その結果、乾燥フィルターは生乾きの状態になり、細菌が繁殖して雑巾のような異臭を放ちます。
■④野菜フィルターにゴミがある
食洗機を使った後に、残菜フィルターに食品のカスが溜まっていませんか?残菜フィルターのゴミは食洗器が臭いを放つ元です。残菜フィルターは調理器具や食器などに付着している汚れをキャッチする受け皿で、三角コーナーのような役目があります。
残菜フィルターに溜まっている食品のカスを放置していると、生ゴミや排水口のような臭いが食洗機内に充満してしまいます。また、食洗機に食品のカスがあるのは、細菌やカビが繁殖するため衛生的にもよくありません。
■⑤洗剤のカスが残っている
適正量の洗剤を使わないで過剰な量の洗剤を投入していませんか?食洗機の洗剤は使用量が決まっており、過剰に使うと洗剤の溶け残りが発生しやすいです。洗剤の溶け残りは細かい食品のカスなどが混ざり、細菌が繁殖して臭うようになります。
オキシクリーンを使った食洗機の洗い方
オキシクリーンをご存知の方も多いのではないでしょうか?オキシクリーンを食洗機の掃除に使うと、汚れや臭いもスッキリして除菌することもできます。
オキシクリーンで食洗機の掃除をすると、汚れ、臭い、除菌ができる理由は酸素系漂白剤だからです。オキシクリーンは通常の酸素系漂白剤と違い、酸素の泡で汚れや臭いを包んで剥がします。性質は弱アルカリ性で、特に油汚れや油の臭い(酸性の汚れや臭い)を落とすのが得意です。
また、オキシクリーンは約40度~60度のお湯で溶かすと泡立ちが良くなり、洗浄力と消臭力がアップします。食洗機は熱湯で洗浄することができるため、オキシクリーンは最適な洗剤です。では、オキシクリーンで食洗機を掃除する手順を見ていきましょう。
【掃除の手順】
1.)食洗機の中を空にして、残菜フィルターなどに食品のカスなどがあれば取り除きます。次に、洗剤投入口へオキシクリーンを大さじ1杯(15g)入れましょう。
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2.)食洗機の標準コースを選んで1回だけ空運転を行います。食洗器の運転が終った後、汚れが残っている場合は食器用のスポンジで擦りましょう。また、食洗機内をしっかり掃除したい時もスポンジを使ってください。
【掃除の注意点】
オキシクリーンは日本版とアメリカ版があり、界面活性剤が含まれているのはアメリカ版です。界面活性剤は泡立ちを良くする効果があり、食洗器内の汚れや臭いもよく落ちます。
ただし、大量の泡が原因で食洗機が故障する恐れがあるため、アメリカ版を使う場合は発泡量を減らさないといけません。オキシクリーンの投入量を少し減らして食洗機の故障を防ぎましょう。
クエン酸を使った食洗機の洗い方
食洗機の掃除方法はクエン酸を使うやり方もあります。クエン酸の性質は酸性で、水垢、洗剤カス、臭い(アルカリ性の汚れや臭い)を落とすのが得意です。酸性の力で水垢や洗剤カスの汚れを中和して、分解しながら臭いも一緒に落とすことができます。
水垢や洗剤カスは白くなるのが特徴で、汚れが酷いと白い塊がこびり付いている場合もあるでしょう。食洗機内の白い汚れや白い塊の正体は、水道水に含まれるミネラルなど成分が結晶化したものです。水道水は蒸発しても、ミネラルなどの成分は残り時間が経つと白くなります。
食洗機を確認して白い汚れや塊がある時は、クエン酸で掃除を行いましょう。また、オキシクリーンで食洗機を掃除した後に、白い汚れや塊がある時もクエン酸を使ってください。では、クエン酸で食洗機を掃除する手順を見ていきましょう。
【掃除の手順】
1.)食洗機の中を空にして、残菜フィルターなどに食品のカスなどがあれば取り除きます。次に、洗剤投入口へクエン酸を大さじ3杯入れましょう。クエン酸を素手で触れると手が荒れるため、ゴム手袋をすると安心です。
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2.)食洗機のお手入れコースを選んで1回だけ空運転します。お手入れコースは食洗機内の汚れを落としやすくするために、高温の蒸気で洗浄するのが特徴です。お手入れコースがない食洗機は、温度設定を高くしたり洗浄時間を長くしましょう。
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3.)食洗機の洗浄が終った後に白い汚れや塊が残っている場合は、ブラシ、爪楊枝、綿棒などで擦ってください。どうしても落とすことができない場合は、クエン酸スプレー(水200mlに対してクエン酸小さじ1杯を混ぜたもの)を吹きかけてから、ブラシなどで擦ります。
クエン酸スプレーを使った後は水でよく洗い流しましょう。食洗機内にクエン酸が残っているとサビることがあります。
【掃除の注意点】
クエン酸とオキシクリーンは性質が違い、混ぜて使うと洗浄効果が落ちるため個別で使ってください。
食洗機の臭いを防ぐための対策7つ
食洗機から臭いがする時は細菌やカビが発生しており、掃除が大変になることもあります。食洗機の掃除の手間をできるだけ省き、臭いを防ぎたい方も多いのではでしょうか?7つの予防策を行い食洗機の臭いを防いでお手入れもラクにしましょう。
■①食器などは食洗機へ入れる前に予洗いする
調理器具や食器などは食洗機へ入れる前に軽く洗うと、臭いを防ぐことができます。軽く洗うのが面倒な時はキッチンペーパーで拭き取ってもかまいません。調理器具や食器などに汚れが付いたまま食洗機へ入れると、残菜フィルターなどに食品カスがたまりやすいです。
特に油分が多い料理(カレー、シチュー、ラーメンなど)、ソースやドレッシング類は予洗いすることをおすすめします。油分を多く含んでいる汚れはフィルターや食洗機全体に油が付きやすく、臭いが発生しやすいからです。予洗いをすると食洗機に汚れが付きにくく掃除もラクになります。
■②食洗機用の洗剤を大量に使わない
調理器具や食器などの汚れをしっかり落としたいからと言って、大量に洗剤を使うのよくありません。食洗機は規定以上の洗剤を投入すると、溶け残りの原因になり臭いが発生しやすいです。
食洗機の洗剤は大量に入れても洗浄力は変わりません。規定量の洗剤で調理器具や食器などの汚れは落とすことができるため、洗剤を大量投入するのはやめましょう。
■③食洗機に食器などを入れたらすぐに洗う
食洗機で洗う食器が少ないからと言って、運転をすぐに始めないのはよくありません。食洗機に汚れた調理器具や食器などを入れたままにすると、細菌が繁殖して臭います。洗うものが少なく水道代などが気になる方は、短時間コースや節水コースなどを選びましょう。
■④食洗器を使った後はすぐに食器などを取り出す
食洗機の運転が終った後、洗った調理器具や食器などを入れたままにしていませんか?食器などの汚れをキレイに落としても、すぐに取り出さないと臭いの原因になります。
食洗機を使った後は、すぐに調理器具や食器などを取り出して臭いを防ぎましょう。また、食洗機内を空にすることで庫内が早く乾燥し、臭いの元である細菌やカビの発生を防ぐことができます。
■⑤食洗機を使った後は残菜フィルターをキレイにする
食洗機を使った後は、残菜フィルターに食品のカスが残っていることもあるでしょう。食品のカスは臭いの元になるため、残菜フィルターにある時は取り除いて清潔にします。残菜フィルターは洗剤を使って掃除するのが望ましいですが、水ですすぐだけでもかまいません。
ただし、残菜フィルターの目に食品のカスが詰まっている時は、ブラシで掃除して取り除きましょう。残菜フィルターの目に食品のカスが残っていると腐敗して臭いを放ちます。
■⑥食洗機を使った後は扉を開けたままにして乾燥させる
食洗機を使った後は扉を開けたままにして庫内をしっかり乾燥させましょう。使用後の食機器内は湿気がこもりやすく、扉を閉めると細菌やカビが好む環境を作ることになります。
細菌やカビの発生を防ぐためには、食洗機の扉を開けたままにするのがポイントです。また、食洗機の扉を開けたままにすると、庫内の湿気が逃げて早く乾燥させることができます。
■⑦食洗機の排水ホース内部を掃除する
食洗機の排水ホースの中は、油、水垢、洗剤カスなどで汚れており、細菌やカビが大量発生しやすいです。食洗機の排水ホースの中は、重曹やクエン酸で掃除を行い臭いを防ぎましょう。
【掃除の手順】
1.)排水ホースの中へ重曹を入れるために紙などでじょうごを作ります。排水ホースに重曹を入れたら標準コースを選びましょう。食洗機の運転が終ったら、排水ホースの中へクエン酸水を入れます。クエン酸水の目安は水200mlに対してクエン酸小さじ1杯です。
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2.)約2時間待ってから、排水ホースの中を細長いブラシなどで擦り標準コースで運転しましょう。排水ホースの外側の汚れは洗剤などで拭き取ってください。
新品の食洗機が臭う原因
新しい食洗機へ買い替えた方や、初めて食洗機を購入した方もいるでしょう。新品の食洗機は未使用にも関わらず、扉を開けるとプラスチック臭がする場合があります。なお、未使用の食洗機からプラスチック臭がする現象は珍しいことではありません。
未使用の食洗機からプラスチック臭がすると、故障や異常を疑う方もいるでしょう。しかし、故障や異常はなく正常に使うことができます。
プラスチック臭は食洗機を数回使うと自然と消えるため、さほど気にする必要はありません。どうしても臭いが気になる方はオキシクリーンで空運転をしてください。プラスチック臭が消えて臭いが気にならなくなるでしょう。
下水臭・ドブ臭いなどは故障している可能性も
食洗機から下水やドブ臭いがニオイがした時は故障も考えられます。下水やドブ臭いニオイの原因は、食洗機の排水トラップに原因があるかもしれません。
排水トラップは食洗機とキッチンの排水をつなぐパーツでもあり、臭いが食洗機内へ届かないようにする役目もあります。排水トラップが故障していなければ、少量の水をためて食洗機へ臭いが届かないようにすることが可能です。
しかし、排水トラップが経年劣化などにより不具合を起こすと、少量の水をためることができません。また、排水時に流れ出た食品のカスが排水トラップにたまると、少量の水をためることができないケースもあります。
食洗機の排水トラップが故障しているかを調べるために、空運転を何回か行いましょう。
繰り返し空運転をしても食洗機の臭いが解消されない場合は、故障している可能性があります。業者へ依頼して排水トラップが故障しているか調べてもらいましょう。
まとめ
食洗機は定期的なお手入れを行うことで、汚れ、細菌やカビ、臭いなどを防ぐことができます。食洗機の臭い原因でよくあるのが、残菜フィルターにたまっている食品のカスです。
日頃から残菜フィルターに食品のカスを残さないようにしましょう。また、食洗機は1ヵ月に1回のペースでオキシクリーンやクエン酸で掃除を行い、臭いを防ぎましょう。