換気扇のフィルターは、油でギトギトに汚れていたり、生臭いニオイがしていたりして、掃除するどころか触るのもイヤですよね。しかしメーカーが出している換気扇の説明書によれば、換気扇のフィルターは一ヶ月に一度、台所用の中性洗剤で洗うよう書かれています。食器用の中性洗剤で、フィルターの油汚れは落ちるワケがないと思いますよね。しかしメーカーの説明書にあるように、本来であれば食器用洗剤で落ちるんです。
問題は毎月きちんとフィルターを掃除しているかどうかなんですね。毎月、換気扇のフィルターをこまめに洗っていれば、ギトギト汚れや油臭いニオイに悩まされることもありません。これからは毎月洗うと決心したとして、問題は現在フィルターにこびりついている油汚れです。ちょっとやそっとでは落ちないくらい汚れていますよね。今回は、しつこい油汚れも簡単に落とせる換気扇のフィルター掃除方法について調べてみました。
換気扇のフィルター掃除5ステップ
今回オススメする換気扇のフィルター掃除では下記の道具を使い5ステップで行います。
・重曹
・古くなった歯ブラシ
掃除は準備が肝心です。場所にあった洗剤や道具を用意するだけで、掃除は半分終わったとも言えます。それ位、前もって用意することが大切です。これだけでギトギト汚れが落ちてしまうんです。重曹は、たっぷり使いたいのでギトギト汚れがひどいようであれば多めに買っておきましょう。
■1 フィルターをはずす
換気扇のフィルターをはずします。何かの上に乗らないとフィルターが外せないようであれば、高い部分の作業になるので※足場は安全なものにしておきましょう。雑誌や本を重ねたものでは、足場は滑るため非常に危険です。※回転しない椅子や机といったしっかりとした足場の上に立つようにしてください。
フィルターを外す時には、万が一下にフィルターが落ちても大惨事にならないよう、鍋やフライパンといったものはどけておきましょう。フィルターをはずす時に、手が汚れるのが気になるのであれば、使い捨てのゴム手袋を用意すると良いです。ゴム手袋を買う時に選べるのであれば、すべり止めがついていると、より使いやすくなります。油でつるつるすべるので、フィルターを落とさずにすみます。
フィルターだけでなく、換気扇のファンやカバーなど他の部分も掃除するのであれば、万が一のことも考えて換気扇のブレーカーを落としておきましょう。いきなりファンが回りだしたら大変に危険ですので、必ず電源はブレーカーから切っておくようにしてください。
■2 フィルターに重曹をたっぷりふりかける
フィルターを乾燥した場所に置きます。流しのシンクに置くのであれば、シンクの部分の水分を拭き取っておきましょう。濡れてしまうと、油汚れと水で反発しあってしまうので、掃除が余計にやりにくくなってしまいます。
シンクにフィルターを置いたら、上から『粉の重曹』をたっぷりふりかけます。必ず『粉の重曹』をふりかけてください。重曹スプレーでは、フィルターのギトギト汚れには効き目が弱いので油汚れが落ちきれません。重曹をふりかけたら、2時間ほど放置します。その間に、換気扇の他の部分のお掃除をしておきましょう。
■3 歯ブラシで軽くこする
2時間ほど放置したら、油汚れを重曹がたっぷりと吸ってくれています。歯ブラシで軽くこすって、どこに油汚れが残っているかチェックしていきます。黄色くなってポロポロの状態になっていれば、汚れが落ちた状態です。まだ油がギトギトしていたら、重曹が不足している状態です。
<重曹の捨て方>
フィルターの油を吸った重曹は、そのまま排水口に流してしまうとつまりの原因になりかねません。重曹は油を吸ったものでも、手ですくえるくらいサラサラしているので、ポリ袋に集めてゴミ箱に捨てましょう。重曹と油なので、燃えるゴミとして捨てることができます。
■4 ヨゴレが落ちていない部分に再度重曹をふりかける
一度さっと油を吸った重曹を落としたら、再び重曹をふりかけます。今度は油汚れが残ってしまっている部分に重点的にふりかけましょう。そして、再びしばらく放置しておきます。
油汚れが軽い状態であれば、重曹を一度ふりかけるだけで済みます。およその目安ですが、一年振りの換気扇のフィルター掃除であれば3回ふりかけても、まだ油汚れが残っているかもしれません。
■5 お湯ですすぐ
油汚れがスッキリとキレイに落ちたら、ぬるま湯でフィルターをすすぎ洗いします。十分に重曹が油を吸ってくれているので、さっと洗うだけで済みますよ。
気をつけるポイントですが、油汚れが残っている状態で、洗わないようにしましょう。もし、まだ油汚れが残っている状態であれば、汚れている部分に重曹をふりかけます。そしてしばらく放置して、重曹が油汚れを吸った状態になったら歯ブラシで汚れを落としていきましょう。
換気扇のフィルターの種類
最近は100円ショップなどで、磁石やテープで止める金属フィルターの前に貼る不燃紙フィルター、不織布製フィルターが販売されています。しかし近年、そういった簡易的なフィルターによる火災が増えています。油のハネなどが原因で、火災になってしまうのです。
「難燃性」と書かれているフィルターも、絶対に燃えないわけではありません。
一番のおすすめはメーカー純正のフィルターです。まずは純正フィルターを定期的に掃除して使用することから見直してみましょう。
■金属製フィルター
一般的なフィルターのタイプです。定期的に洗うことで、長年使用できるようになっています。1枚3,000円から7,000円程度なので、何年もこびりついてしまったヨゴレが取れない場合は交換するのも一つの方法です。
銅などの金属板の上に斜めのスリットがたくさんついていて、空気がフィルターの間を通ることによって、油をキャッチします。各メーカーごとに特殊な塗装がされていて、油を吸着しやすく、掃除も楽にできるように工夫されています。
また、最近ではフィルターの形も工夫されていて、斜めのスリットではなく平らで網状になっているものもあります。
■不燃紙フィルター
燃えない特別な加工がしてある紙を使ったフィルターです。一枚100円程度からあって、枠も1,000円程度で販売されています。あまりにフィルターのヨゴレがひどく、枠もヨゴレが落ちなかったら、枠ごと交換するのも一つの方法でしょう。
フィルターが入っている袋に、「難燃性」と書かれている場合もあります。紙のような薄型のものから、綿のように厚いものまで、さまざまな種類があります。メーカー指定のものを使用するのが一番ですが、中にはメーカーがすでに無くなっている会社や、どこが製造したかわからなくなっている場合もあるでしょう。そういった場合は、換気扇のフィルターだけを専門に販売しているメーカーがあるので、インターネット販売などで検索してみてください。
自宅のフィルターの寸法やサイズがわかれば、購入できるようになっています。不安なようであれば、換気扇のフィルターを販売している会社に直接問い合わせてみましょう。
■ガラス繊維フィルター
不燃紙フィルターと見た目が似ていますが、紙ではなくガラス繊維でできています。ガラスの繊維を織り込んでいるので、油の吸着性が高いです。こちらも不燃紙フィルターのように、交換用のフィルターと枠が販売されていますので、汚れがひどいようであれば枠ごと買ってしまいましょう。
■使い捨てフィルター
金属でできているフィルターで、ヨゴレたらすぐに交換できるのが魅力です。1枚1,000円前後で、不燃ごみとして捨てるものが多く販売されています。洗わないで済むので簡単ですが、長い目で見るとコストがかかってしまいます。
換気扇のフィルター掃除で重曹を使う時のコツ
換気扇のフィルター掃除というと、洗剤をたくさんふりかけて、お湯でザーザーと流し洗いしたくなりますよね。しかし、換気扇のフィルター掃除の場合は、ヨゴレの元が油汚れなので水で濡らしてしまうと余計に掃除が大変になってしまいます。
シンクに残っている水分を拭き取って、その上に換気扇のフィルターを置いて重曹をふりかけてください。洗剤で洗った後、どうしても落ちないという時に重曹を使用することもあるかと思いますが、そういった場合もできるだけボロ布などでフィルターとシンクの水分は取っておきましょう。
換気扇のフィルター掃除に使う道具
■重曹
掃除と言えば重曹やクエン酸が定番になりつつありますね。重曹は粉の状態ではクレンザーのように使用でき、水に溶かせば洗剤スプレーのように使える万能クリーナーです。換気扇フィルターの掃除では、フィルターの上から直接粉を撒いて使用します。油を吸ってくれるので、面倒な洗う手間もなくて簡単にキレイにすることができます。
また、換気扇のフィルターを重曹で煮てキレイにすることもできます。水2リットルにつき大さじ5、6杯の重曹を入れた鍋に、換気扇のファンを入れて沸騰させます。あまり火が強いと、吹きこぼれてしまうので注意してください。
■古くなった歯ブラシ
さまざまなお掃除で活躍してくれるのが、古くなった歯ブラシです。油を吸った重曹を、換気扇のフィルターからはらい落とすのに使います。油と重曹が一緒になって落としやすくなっているので、歯ブラシにはあまり油はつきません。もし油が残っている場所があれば、再び重曹をふりかけるようにしましょう。古い油のニオイがくっついているので、一度換気扇のフィルター掃除に使用した歯ブラシは捨てたほうが良いでしょう。
フィルターを歯ブラシで掃除する時には、直角ではなく15度くらい角度をつけてゴシゴシしましょう。フィルターには多くのスリットがあいていますが、角度がついているのでブラシを直角に当ててもスリットの奥まで汚れが掻き出せません。スリットの、斜めになった角度と同じように傾斜をつけて磨くようにすると良いですよ。
■いらなくなった布
換気扇まわりのお掃除の時は、油をぬぐうためのボロ布があると大変便利です。換気扇フィルターの汚れの大半は、しつこい油汚れなので、>何度も洗って使う雑巾よりも、サッと拭いて捨てられるボロ布のほうがオススメ
■つまようじ
換気扇のフィルター汚れは、細かい部分やフィルターの枠の角の部分がどうしても掃除しにくいものです。そんな時は、つまようじや竹串で細かい部分を掃除しましょう。最近では、すき間用ブラシに細い耳かきのような掃除道具がついたものもあります。油汚れなので使い捨てができると、もっとありがたいですよね。100円ショップでもすき間用ブラシやスポンジが売られているので、チェックしてみてください。
まとめ
一度重曹で換気扇のフィルターを掃除すると、あまりの簡単さにビックリします。そして、今まで洗剤やお湯、水をたくさんつかっていた掃除方法が、いかに効率が悪かったのかを思い知らされます。手がボロボロになるくらい強力な洗剤を使っても落ちなかった油汚れが、重曹をふりかけるだけでキレイになるなんて魔法のようですよね。
換気扇のフィルターは、掃除するだけで部屋の中のニオイがまるで違ってきます。何となく生臭いような、油臭いようなキッチンだったのが、元通りの何もニオイがしない部屋になります。消臭剤などでごまかすのではなく、ニオイの元から掃除するようにしたいですね。
また、あまりにフィルターのヨゴレがひどければ、買い換えるのも一つの方法です。純正の金属製のフィルターは、一枚数千円で購入できます。何年も使用することを考えれば、あまりにも汚くてキレイにするのに手間がかかってしまいそうな時は交換すればスッキリしますよ。
換気扇のフィルターは定期的に掃除していれば、台所用洗剤だけで十分ヨゴレは落ちるようになっています。一年に1度や2度ではなく、1ヶ月に1、2回は、部屋にイヤなニオイを広げないためにも、換気扇のフィルターの掃除をするようにしましょう。