寝そべると気持ちいいフカフカのカーペットや絨毯は、実は汚れやホコリの温床。掃除方法は粘着テープをコロコロさせるか、掃除機をかけるくらいしか、思いつかない方も多いのでは?
実はカーペットや絨毯は自宅にあるものでも手軽にお掃除できるのです。一度は自力で絨毯のお掃除をしてみませんか?
今回は、特に簡単でおすすめなカーペットの除菌・お掃除方法3つを徹底紹介!自宅でのカーペット丸ごとお掃除方法も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
カーペットや絨毯のカビ汚れは除菌!消毒用エタノールがおすすめ
エタノールの使用につきまして
エタノールはアルコールです。使用する際は火気に十分注意しや部屋の換気を必ず行いましょう。また絨毯に使われた染色剤によっては色落ちする可能性もございます、目立たない箇所で予め色落ちのテストを行う事をオススメいたします。
洗濯機で洗えない絨毯の場合、一番気になるのはカビではないでしょうか?最近の気密性の高い住宅事情により、室内は人間にとって生活しやすい湿度・温度が一年中キープできています。しかし残念ながら人間に快適な湿度はカビが繁殖しやすい湿度でもあります。絨毯の見えない部分にカビが発生してしまうのもよくあるケースです。
カビは薄めた中性洗剤だけでは落としきれません。カビは菌類、除菌方法はいくつかありますが、絨毯のカビの場合は消毒用エタノールを使って除菌するのが安全です。消毒用エタノールは、ドラッグストアでも販売されていて誰でも購入することが出来ます。
除菌方法は、エタノールを薄めずにスプレーボトルに入れて、絨毯のカビ部分に直接スプレーします。エタノールは揮発性なので、スプレーしても絨毯がびしょびしょになりっぱなしということはありません。
絨毯のカビ部分にスプレーしたら、そのあとドライヤーで乾燥させると、エタノールの除菌効果とドライヤーの熱により、菌を死滅させることも可能です。ただし温度と絨毯の材質の変化には注意が必要です。
カーペット・絨毯の”染み付いたニオイ”は重曹で取る!
洗濯機でとれない絨毯のニオイ(生活臭、家のニオイ)は重曹でスッキリ取り除く事ができます。また重曹は体に無害です。
重曹で絨毯の臭いを取る場合は、ぬるま湯で溶かした重曹水に浸した雑巾を固く絞り、絨毯を隅々まで拭いていきましょう。因みに重曹は、こびりついたシミ汚れにも効果があります。
ただ重曹を使う際に気をつけたいことは、粉末の重曹を直接絨毯にふりかけると、あとからいくら掃除機で吸っても、細かい粒子が絨毯の毛足に入り込み、吸い取りきれなくなることです。また、重曹の細かい粒子が、掃除機のフィルターの目詰まりの元にもなり、掃除機の故障の原因にもなってしまいます。
カーペット・絨毯のダニの駆除はスチームアイロンの熱で!
アレルギーの原因ともいわれるダニは、熱に弱いので天日干しの効果は大きいのですが、絨毯ともなれば干すスペースにも限界があるでしょう。そこで、スチームアイロンの出番です。
スチームアイロンの温度設定を強にし、絨毯の毛並みに沿って隅々までアイロンをゆっくりかけていきます。また熱を加えることで、絨毯の毛並みやヘタリも復活します。
カーペットや絨毯を掃除する基本手順
《絨毯・カーペットの掃除で準備するもの》
・掃除機
・ブラシ
・中性洗剤、重曹、ベンジン
・雑巾3枚以上
・消毒用エタノール
■① カーペット・絨毯の「取り扱い表示」をチェックする
はじめに洗濯表示をチェックします。カーペット・絨毯の中には洗濯機で洗えるものもあります。
しかし家具の配置によってはカーペットや絨毯をむき出しにしなければ洗濯表示をチェックできない場合もあるかもしれません。カーペットや絨毯の上にあるテーブルや椅子などは一旦別の場所へ移動させましょう。
もし、家具を移動させることが難しい場合は、カーペットや絨毯をその家具からずらして、出来るだけ大きく折りたたんで、掃除をしたい面をずらしながらお掃除すると良いでしょう。
■② 毛足に絡みついた汚れをブラシで浮かせて、お掃除の事前準備を
カーペット・絨毯の取り扱い表示で洗濯方法をチェックしたら、最初に絨毯のホコリや汚れをブラシで浮かせます。
コロコロをかける前にまずは、カーペット・絨毯の毛足の奥に絡みついたゴミやホコリをブラシを使って掻き出しておきましょう。
カーペット・絨毯のお掃除専用にブラシを購入するのも良いのですが、ビジネスホテルやシティホテルでアメニティとして使い捨てにしているヘアブラシなどを使用するのもオススメです。
カーペット・絨毯の毛並みに逆らってブラシをかけていけば、面白いようにどんどんゴミやホコリが浮き上がってきますよ。
■③ 浮き上がったカーペット・絨毯のゴミやホコリを掃除機で吸い取る
ブラシでカーペット・絨毯のゴミやホコリを浮かせたら、いよいよ掃除機の出番です。カーペット・絨毯に掃除機を掛ける場合は、ブラシでゴミを浮かせた時とは逆に、毛並みに沿って掃除機をかけていくと良いでしょう。
掃除機をかけるときのポイントは、掃除機の吸い込みノズルは約5秒かけて1m進めることを目安に。掃除機を掛けるスピードがそのくらいのほうが、カーペット・絨毯のゴミやホコリがしっかり吸い込めます。
髪の毛などが残る場合
掃除機を欠けても繊維に絡んだ髪の毛などが残っている場合は、コロコロ(粘着シート)が非常に有効です。また普段の簡単なお手入れにもコロコロは最適です。
■④ 掃除機だけでは吸いきれない部分的な汚れを落とす
掃除機でカーペット・絨毯のゴミやホコリを吸い取った後は、繊維にこびりついた汚れを落としていきます。
まずは、カーペット・絨毯の毛足の中で固形化していたら、固形化した汚れを取り除きます。その後にカーペット・絨毯に染み付いた汚れをお掃除します。
飲み物や調味料などの水性の汚れのお掃除は、薄めた中性洗剤、バターやマヨネーズ、ペンキなど、油性の汚れのお掃除には少量のベンジンを使います。キレイな雑巾にそれぞれの洗剤を染み込ませ、汚れの外回りから汚れの中心に向かってポンポンと根気強くたたくように拭き取ります。カーペット・絨毯の汚れを雑巾に移すイメージでたたくと良いでしょう。
カーペット・絨毯の汚れが取れたら、水道水で濡らした雑巾を固く絞り、洗剤成分を完全に拭き取ります。
■⑤ 絨毯の泥汚れは、掃除機で吸い取る
泥汚れはしっかり乾燥させて、柔らかいブラシで十分にブラッシングしてから、掃除機で吸い取りまっしょう。泥が湿っている場合は低温のドライヤーでゆっくり乾燥させてから掃除機で吸い取りましょう。
※高温のドライヤーを長時間当て続けると絨毯の材質が変化してしまう場合があります。
それでも残った泥汚れには、中性洗剤をぬるま湯で溶かし、キレイな雑巾に染み込ませてカーペットや絨毯の泥汚れを拭き取ります。その場合、最後に水道水で濡らして固く絞った雑巾で、洗剤成分が残らないように拭き上げることをお忘れなく。
■⑥ 洗濯機と乾燥機を利用する
この手順まで来たら、絨毯の取り扱い表示に洗濯可能とあった場合、洗濯機に入れて洗いましょう。自宅の洗濯機では容量が足りない場合は大型の洗濯機を備えているコインランドリーを利用する方法もあります。洗濯容量や、コインランドリーの使い方などもし不安な場合は、あらかじめお店に問い合わせておくと良いでしょう。
さらに乾燥機にかけてもOKな絨毯ならば乾燥機も使いましょう。乾燥機の熱がダニやカビ菌を死滅させ、汚れ発生の予防にもなります。
乾燥機にはかけられない場合、また自宅で干すスペースが十分に確保出来ない場合は、お風呂場などに折りたたんで立てかけて仮干しをし、仕上げにアイロンをかけて残った水分を飛ばします。水分を完全に飛ばすには時間がかかりますが、水分を残したまま絨毯を敷いてしまうとカビの発生の原因になる可能性が有るだけでなく、床や畳を痛めてします可能性もあります。乾燥作業は丁寧に行いましょう。
絨毯は普通の衣料用繊維とは違い、乾きやすい素材のものがほとんどです。完全乾燥させることを最終目標に、絨毯のお掃除に取り掛かりましょう。
■⑦ 仕上げに絨毯を敷いている床も、キレイにお掃除
絨毯をどかして見ると繊維のスキマを通り抜けたゴミや汚れが下に落ちているのがわかります。絨毯の表面的な汚れは、気づいた時に対処することも出来ますが、その下のフローリングや畳をお掃除することはめったにありません。絨毯をキレイにしたら、ついでに絨毯の下の床や畳もお掃除しましょう。
フローリングでも畳でも、お掃除の方法は一緒です。床全体に掃除機をかけたら、水で薄めた中性洗剤で濡らした雑巾を固く絞って、床を拭きましょう。最後に洗剤成分が残らないよう、水道水で濡らして固く絞った雑巾でしっかり拭くことをお忘れなく。
カーペットの種類別、特徴、注意すること
■「タフテッド(簡敷)」の特徴・注意点は?
高速で大量に生産しやすい絨毯がタフテッド。ナイロンやウールなどのパイル糸で作られた絨毯です。タフテッドは折り畳みの簡敷タイプと、パイル糸の量が多い丸巻の2種類があり、簡敷の方が耐久性が低いとされています。
■「フックドラグ」の特徴・注意点は?
基布にあらかじめ柄を描きその柄に沿ってパイル糸を縫い込んだ絨毯がフックドラグで、刺繍織ともいわれます。少量生産で、アクセントラグやマットなどに多く使用されています。
■「ウィルトン織」の特徴・注意点は?
ウィルトン織の特徴は、縫い込んだパイル糸の長さを自由に変えることができる、という部分です。表面のパイル糸以外に、地経(じだて)糸・覆経(おおいだて)糸・緯(よこ)糸の合計4種類の糸で織られているので、重厚で高級感があります。因みに、接着剤が劣化すると、粉がぽろぽろ出てきます。
■「ダブルフェース織」の特徴・注意点は?
ウィルトン織の作り方で、基布を2枚重ねて織ることで、絨毯が2枚同時に出来上がるのがダブルフェース織。パイル糸を交差させて織り上げ、最後の重ねた部分を切断します。
■「ジャガード織り」の特徴・注意点は?
一般的に販売されているベルギーモケット・中国モケット・韓国モケットがジャガード織になります。絨毯以外にも、ソファなどの椅子張りに使われています。毛足の短いものが多いので、ホットカーペットカバーに最適です。
■「中国緞通」の特徴・注意点は?
独特の厚みと光沢や、浮彫が高級感のある一本一本が手織りの中国緞通。パイル糸は、ウールやシルクなど、天然素材が使われた絨毯です。また、中国緞通は何といっても長持ちすることが特徴で、孫の代まで使えるといわれています。その分、お手入れには十分な配慮が必要なので、あまりにも汚れがひどい場合は、専門家に相談してみましょう。
■「パキスタン絨毯」の特徴・注意点は?
パキスタン絨毯も手織りで、「ブラハ紋」や「像の足型紋」と呼ばれるデザインが特徴です。中国段通と同じく、丈夫で何十年と使えます。中国段通と比較すると薄い絨毯なので、絨毯の移動や収納が簡単です。ただし、パキスタン絨毯も手織りなので、大掛かりなメンテナンスが必要な場合は業者に相談したほうがよさそうです。
絨毯店カーペットの汚れの原因を放置するとどうなる?
絨毯・カーペットの掃除に便利なグッズまとめ
絨毯の汚れは気がついたらすぐ処理することが大切です。そんな絨毯の掃除に便利なグッズを集めてみました。
■髪の毛やホコリにゴム手袋
ゴム手袋を手にはめて、絨毯の表面をなでるだけで髪の毛やホコリがみるみるうちにゴム手袋に付着します。力を入れなくても取れるのでテレビを見ながらのお掃除もオススメです。
■毛足の奥の汚れをかき出す、シャワーブラシ
100均ショップでも販売しているゴム製のシャワーブラシで絨毯の毛並みに逆らってブラッシングしていくと、ゴミや汚れがよく取れます。ポイントはゴム製である事です。
■気がついたシミには重曹
消臭でも紹介した重曹ですが、シミを浮かせる効果もあります。
重曹をぬるま湯で溶かし、雑巾につけてシミの上からトントンしていきましょう。重曹パワーで汚れが浮いていきます。
まとめ
絨毯は大掛かりなお掃除も必要ですが、汚れに気づいたらすぐ掃除することが、私たちの体を守るために、大切だということがわかりました。
あまりにも汚れがひどく自分の掃除ではどうにもならない…そんな場合は、お金はかかりますが、思い切って一度プロの業者に頼んでみるのもいいかも知れません。