汚しているつもりは無いのに、お風呂の水垢はいつの間にかついてしまいます。
そして、一度ついた水垢は、なかなか取れないのでやっかいですよね。
お風呂は家族が毎日使うものなので、いくら水を流していてもヨゴレがたまってしまいます。
普段は気が付かなくても、浴槽や蛇口、鏡やドアなどをよく見るとウロコ状の白い水垢がたくさん残っています。
今回は、気がついた時には頑固で落ちにくくなってしまっている風呂場の水垢を取るコツをご紹介します。
風呂場の水垢を落とす4つのコツ
洗剤には、アルカリ性のものと酸性のものとがあります。
また、中性や弱アルカリ性のものもあります。
どこで見分けるかというと、洗剤の後ろに酸性なのかアルカリ性なのかが書かれています。
例えばバスマジックリンは中性の洗剤です。
皮脂汚れや石鹸カスなどお風呂の汚れ全般に対応できますが、頑固な水垢となると力不足になってきます。
同じマジックリンでも、住宅用合成洗剤の油汚れを落としてくれる緑色のマジックリンはアルカリ性です。
そして衣料用漂白剤のワイドハイターは酸性です。
このように、マジックリンシリーズでも、酸性、中性、アルカリ性の洗剤があります。
これは、お風呂だから、住宅用だから、服用だからというわけではありません。
メーカーやシリーズによって、さまざまなタイプの洗剤が販売されているので、気になる汚れは酸性汚れなのか、アルカリ性汚れなのか、それともミックスされた汚れなのかを調べると効果的な洗剤が購入できますよ。
「お風呂用」と書かれていても、必ず水垢落とし用洗剤とは限りません。
ヌメリを取ったり皮脂汚れを取ったりするのが目的で作られた洗剤かもしれないので洗剤の裏に書かれている説明書をよく読んでから購入するようにしましょう。
■1 お酢やクエン酸
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水垢はアルカリ性の汚れなので、酸性の洗剤で落としていきましょう。
100円ショップなどで販売されているクエン酸を水に溶かした「クエン酸スプレー」が、水垢に効果的ですよ。
クエン酸スプレーは、2リットルの水に大さじ2、3杯程度入れれば十分です。
頑固な水垢であれば、濃いめのクエン酸スプレーを作っても良いでしょう。
クエン酸スプレーができたら、蛇口や鏡、浴槽など、水垢が気になる部分にふりかけていきます。
そして、すぐに磨くのではなく数分そのままにしてから、スポンジなどで磨いていきましょう。
クエン酸をふりかけた直後よりも、少し経ったほうが酸が水垢に染み込んで落としやすくなるからです。
クエン酸以外にも、酸性であれば水垢が落ちるので、お酢やお酢を利用した洗剤や、レモンや柑橘類エキスなどでも落とすことができます。
水垢の中に含まれているカルシウムやマグネシウムは、酸の力でキレイにしていきましょう。
食用酢をそのまま使用すると、風呂場がかなりお酢くさくなってしまいます。
すぐ換気できれば良いのですが、空気の通りがあまり良くない浴室の場合は、酢の中にハーブを入れておくと酢の香りを緩和できます。
掃除の数日前から、ローズマリーやミントなど、家で普段育てているハーブをしばらくいれておくと良いでしょう。
■2 酸素系漂白剤
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風呂釜を掃除する時や、洗濯槽を掃除する時に使う酸素系漂白剤ですが、お風呂の水垢を取るのにも使えます。
過炭酸ナトリウムとも呼ばれていて、アルカリ性の洗剤になります。
水垢そのものは酸性の洗剤で落とせますが、水垢と皮脂汚れ、毛髪などの毛、石鹸カス、雑菌などがミックスした汚れには、酸素系漂白剤も有効です。
お風呂の残り湯を多めに残しておいて、酸素系漂白剤を入れます。
そのまま一晩放置するだけで、風呂釜がキレイになりますよ。
お湯の中に、洗面器や手オケ、お風呂の椅子など、プラスチック製のものや樹脂製のもので、汚れが気になるものがあればいれておきましょう。
一緒にキレイにすることができます。
また、酸素系漂白剤を浴槽に使うだけではもったいないので、一緒に風呂釜もキレイにしてしまいましょう。
残り湯に酸素系漂白剤を入れて、一度沸かします。
温度はいつもお風呂に入っている時くらいで十分です。
そして、一晩放置して次の日の朝になったら水を抜くだけです。
汚れが気になる場合は、次の日の朝にもう一回お風呂を沸かすと良いでしょう。
■3 研磨剤入りの洗剤
クリームクレンザーなど研磨剤入りの洗剤は、一度使用しただけで水垢でザラザラだった表面をピカピカにしてくれます。
クリームクレンザーはとても便利なのですが、研磨剤が入っている洗剤は微細なキズをお風呂につけてしまうので気をつけなくてはいけません。
浴槽やお風呂まわりを製造しているメーカーも、研磨剤入りの洗剤は使わないよう説明書に書いている場合があります。
自分の家のお風呂の説明書を見るか、メーカーのホームページなどをチェックして、研磨剤入りの洗剤が使えるかどうか調べてみましょう。
■4 耐水性サンドペーパー
どうしても落ちない水垢には、最終手段として耐水性サンドペーパーで削る、という方法があります。
しかし、耐水性サンドペーパーは削った直後はキレイに見えますが、汚れといっしょにお風呂も削ってしまっています。
微細なキズがついてしまうので、かえって汚れがつきやすくなってしまうので、今まで以上にこまめなお掃除が必要になってきます。
また、研磨剤と同じように、浴槽を製造しているメーカーは耐水性サンドペーパーで磨くことは推奨していません。
細かいキズが入ったところから、浴槽の樹脂やタイルなどが割れてしまうかもしれないからです。
それでも落としたい水垢汚れがある時は、なるべく番号が大きな耐水性サンドペーパーを選びましょう。
2000番以下の少ない番号は、キズが大きく目立ってしまうのでおすすめしません。
必ず端などでテストしてみてから、全体に使用するようにしてください。
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風呂場の水垢の原因は?
■水にはミネラルが入っている
どうして風呂場には水垢がついてしまうのでしょう?
水の中には、ミネラルが含まれています。
よくミネラルウォーターや温泉の成分が話題になると、カルシウムやマグネシウムがどれだけ水の中に入っているかが取り上げられるので聞いたことがあるかもしれません。
温泉に行くと、木や石の浴槽に温泉の成分が白くかたくなってついていますが、そういったものが家庭のお風呂にもついてしまっていると考えると良いでしょう。
水に濡れて、自然に乾燥して、再び濡れて乾燥する、そういったことを繰り返しているうちに、水の中のミネラル成分が残って固まってしまうのです。
そして、カルシウムやマグネシウム自体は身体に悪いものではなくても、それらに人の皮脂、石鹸カスなどが付着してしまうと雑菌が繁殖する原因となってしまうのです。
そのため、お風呂の掃除はこまめにすることが必要になってきます。
■水垢より怖いレジオネラ菌
時折ニュースで、温泉や銭湯でレジオネラ菌が発生して病院に運ばれた人がいる、といった話を聞くことがあります。
このレジオネラ菌はお風呂で発生しやすい菌で、36度前後のお湯が一番繁殖すると言われています。
温泉のような大きなお風呂だけでなく家庭のお風呂でも発生する危険性があります。
レジオネラ菌は、お風呂の空気の中を浮遊して、その空気を人が吸うことで肺や気管支の中に入り込んでしまいます。
抵抗力の弱い、赤ちゃんや子ども、高齢者などは特に注意が必要になります。
一度つかったお湯を再び沸かして入ると、菌が増殖する場合があるので、おいだきも本来であれば要注意になります。
レジオネラ菌のほかにも、浴槽は大腸菌や、O-157、サルモネラ菌などが繁殖しやすい環境です。
これらの菌は、皮脂汚れや石鹸カス、雑菌などが合わさって成長します。
お風呂でぬめる部分は、この菌が繁殖しているのですぐに掃除が必要です。
風呂場の水垢を取ってくれる便利グッズ
■キッチンペーパー
洗剤が、長い間水垢にくっついていれば、もっと分解して落とせるのに!
そのような場合には、キッチンペーパーを使いましょう。
蛇口やシャンプーなどを置くラックなどデコボコしている場所も、キッチンペーパーがあれば包むことができます。
使い方は簡単です。
水垢を落としたい場所に、キッチンペーパーを当てます。
その上から、クエン酸スプレーをたっぷりとふりかけていきましょう。
キッチンペーパーに空気が入らないようにするのがコツです。
そのまま数分間放置して、しばらくたったらキッチンペーパーをはがして磨いていきます。
キッチンペーパーをクエン酸で濡らしてから貼ろうとすると、ボロボロ破けてしまう場合があります。
乾いた状態で水垢を取りたい場所に当てて、その後にクエン酸スプレーをふりかけるほうが簡単にできますよ。
放置している間に乾燥してしまいそうな時には、クエン酸スプレーを再度ふりかけて乾いてしまわないようにします。
長時間、放置しすぎてしまうと、キッチンペーパーがカラカラに乾いてしまってお風呂にくっついてしまいます。
掃除するつもりでキッチンペーパーを使ったのに、はがれなくなってかえって手間がかかってしまった、ということにならないよう、放置している間は時々水分が足りているか見るようにしてください。
■ラップ
キッチンで使うラップです。
キッチンペーパーでピッタリとくっつきにくい部分は、ラップを使って洗剤をしみこませましょう。
水垢を落としたい部分に、たっぷりとクエン酸スプレーをふりかけて、その上からラップをします。
キッチンペーパーと使い方は同じですが、鏡や壁など垂直な部分はラップのほうが使いやすい場合があります。
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■メラミンスポンジ
レック 激落ちダブルポイポイ 汚れ落とし用スポンジ カットタイプ
洗剤不要の万能スポンジです。
浴槽だけでなく、浴槽の外のエプロン部分や、浴槽の壁や天井など、あらゆる場所に使用できます。
メラミンスポンジを使う上で気をつけなくてはいけないのが、あまり頻繁に使いすぎると浴槽の樹脂に細かいキズがついてしまう点です。
汚れが落ちるからといって毎日のように使っていると、かえって水垢がたまりやすくなるので注意してください。
風呂場の水垢をつけないための予防ケア
水垢を風呂場につけないためには、何といっても水滴を残さないようにすることです。
お風呂から出る時に、水垢がたまりやすい部分の水滴を拭き取るのです。
乾燥しにくい浴槽は、水分があるとカビや雑菌が繁殖する原因を作ってしまいます。
浴槽の床が濡れている時は、ホウキやスポンジで出る前に水を取っておきましょう。
100円ショップなどで購入できる樹脂製のホウキを、お風呂の中に用意しておくと良いでしょう。
キッチンダスターやキッチンクロスのような、薄手の布も置いておくと水滴をぬぐうのに便利ですよ。
風呂場の中に、常にクエン酸スプレーを用意しておくのも水垢対策として良い方法です。
お風呂に入った時に水垢が気になった時にスプレーして、クエン酸が水垢に染み込んだ頃に磨くようにすれば、キレイな状態を保つことができますね。
重曹スプレーやクエン酸スプレーは、洗面所やキッチン、トイレなど、場所ごとに置いて、汚れたと思ったらすぐに掃除するようにするのが賢い使い方です。
まとめ
お風呂の水垢が落ちなくて困ったら、まずはクエン酸やお酢で作った洗剤などの酸性のものを試してみましょう。
一度スプレーするだけでは落ちなかったら、キッチンペーパーやラップで洗剤をカバーして放置しておくのも効果的です。
しつこい水垢は、数分間程度の放置では落ちないので、半日ほど放置しておくと良いでしょう。
放置している間、時間がもったいないので、ほかの場所の掃除をしたり買い物に行くのも良いかもしれません。
■プロに風呂場の水垢取りを依頼する
また、今回ご紹介した方法でも水垢汚れが落ちなかったら、プロに掃除を頼むのも一つの方法です。
業者に風呂場の掃除を依頼する時は、必ず内容を確認してください。
普通にハウスクリーニングのお風呂の掃除だけだと、しつこい水垢汚れまでは落としてくれない場合があります。
値段が安いのであせって頼んでみたら、お風呂の中が全体的に清潔にはなったけれども、頑固な水垢は専門外だったということも。
業者に連絡をする時は、必ず蛇口や鏡、浴槽や風呂場のドアといった部分の水垢も、きっちりキレイに落としてくれるのかを確認してください。
そして、1社だけでなく数社から見積もりを取るようにしましょう。
安い業者の中には、現場に来てから高いオプション料金を請求する悪徳業者もいます。
仕事内容など、納得した上で依頼してください。