梅雨時や秋の長雨の時期になると、ただでさえ乾きにくいお風呂が、もっとジメジメしてカビが生えやすくなってしまいます。何とかしてカビがやっと消えたと思っても、すぐ復活してしまうので非常に手強い存在です。
特にタイルとタイルの間の白い部分にカビが生えてしまうと、見た目もブツブツして気持ち悪いし、普通の洗剤では落ちないのでやっかいですよね。壁の上のほうや、天井に黒いカビがプツプツと生えてしまうのも、落としにくくて困ります。
お風呂用の普通の洗剤では落ちないカビは、どうしたら落ちるのでしょう。どうすればカビは生えなくなってくれるのでしょうか。今回は、さまざまな洗剤や薬品を使って、お風呂のカビで悩まずに済む方法を調べてみました。
1 安全安心な洗剤【重曹】でお風呂のカビ掃除
お風呂のカビ退治にも重曹が使えます。重曹は胃薬などにも使用されているもので、環境に優しいエコ洗剤としても注目されています。洗剤独特の強い刺激臭が苦手な方にも、安心して使っていただける洗剤になります。
重曹は100円ショップでも販売されていますし、たくさん使うようであればインターネットで大容量の重曹も売られています。100円ショップで重曹を水に溶かした重曹水も販売されていますが、水に溶かすだけなので自分で重曹を大量に購入して作ったほうが安上がりになります。
■お風呂のカビ退治での重曹の使い方
①重曹大さじ5杯を、水1リットルに入れます。冷たい水だと溶けないので、ぬるま湯位が良いでしょう。
②お風呂のカビが気になる部分にスプレーします。
③スプレーして数分経過したら、ブラシなどで磨くとカビが取れてきます。
④もしも、重曹スプレーではカビが落ちにくければ、カビで気になる部分に重曹の粉をふりかけて、その上から重曹スプレーします。すると、重曹ペーストができるので、より強力にカビを落としてくれます。
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2 食品添加物でもある【ミョウバン】で安全なお風呂のカビ掃除
ミョウバンは食品添加物にも使われているもので、ナスの漬物の紫色が色落ちしないようにしたり、お菓子の膨張剤として使ったり、ゴボウのアク抜きや、イモやクリを煮る時に煮崩れさせたくない時に使ったりします。
また、アンモニアのニオイを取ってくれたり、脇の下の汗のニオイを取ってくれたりするので、デオドラントにミョウバン水を使用している人もいます。最近ではドラッグストアなどでも販売していますので、手軽に購入することができます。
■お風呂のカビ退治でのミョウバンの使い方
①ミョウバン100グラムを水3リットルに入れます。ミョウバンは水に大変溶けにくいので、2日ほど水にいれたまま放置してください。
②水が全部透明になったら、ミョウバンが水に溶けた合図です。
③カビが気になる部分にスプレーして、数時間放置します。
④時々見に行って、乾燥しているようであれば再びミョウバン水をスプレーしてください。
⑤数時間後、こすらず水で洗い流すだけで完了です。
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便利なミョウバンですが、中にアルミニウムが入っているため、大量に摂取した場合に子どもへの影響が心配されています。今回の場合は食用ではなく掃除用なので口に入れる心配はありませんが、ミョウバンをストックしている入れ物は、子どもが手の届かない場所に置くようにしましょう。
3 ハイターなど【塩素系漂白剤】と【片栗粉】でお風呂のカビ掃除
カビ退治と言えば、ハイターなど塩素系漂白剤を使用している人も多いと思います。塩素系漂白剤はカビがよく落ちますが、難点は液体なのでドロドロと下に垂れてしまうことです。そこで、片栗粉とラップを使って、より効果的にお風呂のカビを落としていきましょう。
■お風呂のカビ退治での【塩素系漂白剤】と【片栗粉】の使い方
①カビが気になる部分に、最初に片栗粉をふりかけます。
②その上から塩素系漂白剤をスプレーします。すると塩素系漂白剤のペーストができあがるので、壁など薬品がつきにくかった部分でも長時間、塩素系漂白剤をとどまらせることができるのです。
③しつこいカビ用に、ペーストにした上からラップをかぶせて乾燥させないようにしましょう。
④数分間そのまま放置して、カビの芯にまで塩素系漂白剤を染み込ませます。
⑤カビが無くなったと思ったら、再び再生してしまうのは目には見えないレベルでカビ菌がまだ残ってしまっているからです。じっくり待って、カビを根こそぎやっつけましょう。
⑥カビが無くなったら、片栗粉ごと水洗いします。ハイターなどの塩素系漂白剤はよく水洗いしないとニオイがきついので、何度も水をかけて洗うようにしましょう。
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■カビは死んでも白くならないので【コーキング剤】【シリコン剤】で補修する
カビは死滅しても、残念ながらカビの黒い色はそのまま残ってしまいます。そのような場合は、塩素系漂白剤で綺麗にすると良いでしょう。
ゴムパッキンやタイルの目地の奥まで入り込んでしまって、黒い色がどうしても取れない場合は、上から「目地修正ペン」などで塗ってしまいましょう。水回り用のコーキングパテや、アクリルパテ、シリコンパテといったものを上から塗っても良いでしょう。ホームセンターなどで、「コーキング剤」「シリコン剤」が置かれている場所にあります。耐水性で、浴室用のものを選びましょう。
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4 【酸素系漂白剤】と【洗濯用洗剤】でお風呂のカビ掃除
頑固なカビには「酸素系漂白剤」と「洗濯用洗剤」をミックスして使用します。
用意するものとしては、酸素系漂白剤と洗濯用洗剤です。酸素系漂白剤は、洗濯機の中の洗濯槽の裏にこびりついているカビを取る時に使用します。また、風呂釜掃除にも使うので、酸素系漂白剤はカビを撃退してくれる心強い洗剤なのです。どちらも液体と粉がありますが、粉のほうが混ぜやすいのでオススメです。
酸素系漂白剤も洗濯用洗剤も、両方とも同じ分量だけ用意します。少しずつ水を足して、ペースト状態にします。落としたいカビが天井や壁の場合は、ゆるく溶いてしまうと下に落ちてしまうので、少し固めに水で溶きましょう。
1時間ほどペーストをつけて放置したら、ブラシで落としていきます。洗剤が残ってしまうのも、カビが再び復活してしまう原因なので、洗剤も水でキレイにおとしておきましょう。
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5 お風呂の天井は【フローリングワイパー】と【アルコール】でカビ掃除
天井もカビが生えやすい場所ですが、手では背がとどかないし、お風呂の椅子は不安定なので上に立ちたくないし、非常に掃除しにくい場所です。そんな時に使ってほしいのが、長い持ち手のついたフローリングワイパーです。
フローリングワイパーを床でなく天井に使うことで、楽に天井掃除ができるようになるのです。
準備するものとしては、フローリングワイパーと、キッチンペーパー、消毒用アルコールになります。普通のフローリングワイパー用のペーパーだと紙が薄いので、ワイパー本体にキッチンペーパーをくっつけます。そして、キッチンペーパーに消毒用アルコールをスプレーするのです。
アルコールでしめらせたワイパーで、一ヶ月に一度天井を拭くようにすると、カビが生えてこなくなりますよ。
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6 【スチームクリーナー】や【お湯】でカビを生やさない方法
カビは微生物なので、高い温度では死滅します。その性質を活かして、50度以上のお湯をかけることでカビを退治しましょう。スチームクリーナーであれば約100度のお湯が出るので強力です。この方法は、テレビの実験番組で取り上げていたので、ご存知の方も多いかもしれません。
カビは、タイルの目地やゴムパッキンの表面から1ミリ位の深さの場所に住んでいます。カビが生えている部分に50度以上のお湯を一分半かけると、奥のカビまでやっつけることができるのです。
お風呂から出る時にシャワーで一分半、カビが気になる部分にかけ続ければ、カビが生えなくなります。50度以上ののお湯を出す時は危ないので、子どもがいる時には行わないようにしましょう。天井に50度のお湯をかけてしまうと、自分に高温のお湯がかかってしまい大変危険です。天井以外の場所で行うようにしてください。
■高温除菌した後に、【床】の水分を取るコツ
お風呂のカビをお湯で死滅させた後も、お風呂の中に水分が残っていると再びカビが生えやすくなってしまいます。また、毎日のお風呂の使用でも、最後に使った人が出る時に床に水が残ったままだと湿度があがってカビやすくなってしまいます。なるべくカビの元をつくらないために、床に水分を残さないようにしましょう。
水分を残さない方法としては、樹脂製のホウキで床をはくのがオススメです。洗面器やオケ、お風呂用の椅子などを全て床からどけて、ホウキでお風呂の床をはいていきます。お風呂の床がいつもしめりがちな家庭におすすめです。
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■高温除菌した後に、【壁】の水分を取るコツ
高温でカビを死滅させた後に、壁に水分が残っていたりするとタイルの目地がカビてしまう原因になります。お風呂から出る時に、壁の水分を拭き取るようにすると、カビが生える率が低くなります。
キッチンクロスがダスターなど、薄手でよく水を吸うタオルのようなものを、常にお風呂に置いておくと良いでしょう。
7 お風呂の【燻煙剤(くんえんざい)】でカビを生やさない方法
最近、注目されているのが【お風呂用の防カビくん煙剤】です。部屋にバルサンをたくような感覚で、煙による薬剤でお風呂のカビを防止します。カビ菌の元になる菌を、銀イオンが含まれた煙でくん蒸することで、黒カビを防ぐのです。
お風呂の中は、手が届く範囲であれば黒カビを取る掃除もできますが、天井や天井近くの壁などは手が届きにくく掃除もしにくくなってしまいます。そういった場所にカビを生やさないためにも、くん煙剤で予防するのです。2ヶ月に1度の使用が目安になっています。
注意しなくてはいけないのが、くん煙剤はすでにはえてしまった黒カビは取ることができないという点です。もう生えてしまった黒カビは、くん煙剤ではなく別の方法で除去するようにしてください。
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■お風呂用くん煙剤の使い方
①付属の容器に水を入れて、くん煙材を入れます。
②約30秒後に煙が出はじめるので、お風呂のドアを閉めて外に出ます。
③約10秒間勢い良く煙が出た後、90分間放置します。
④90分経過した後、30分ほどお風呂場の換気をすれば完了です。壁や天井を洗い流す必要はありません。
8 お風呂のカビ掃除をプロの掃除業者に依頼する
どうしても自分でお風呂のカビ掃除ができない時は、プロに頼んでしまいましょう。
お風呂やトイレ、キッチンといった水まわりの掃除はどうしても時間がかかってしまいます。そして、カビ用洗剤や塩素系漂白剤はニオイが強烈で、刺激も強いので体調があまりすぐれない時は使用したくないものです。そういった時に、プロの清掃業者にお風呂のカビ取りを依頼するのも一つの方法です。
プロによるお風呂の掃除は、1万円前後から2万円程度が平均的です。依頼する時に気をつけてほしいのが、しっかりと「カビを除去してほしい」ことを伝えることです。お風呂は掃除する部分が何箇所もあります。
鏡がくもっていたり、水道の蛇口の部分のウロコ取りや、排水口部分の掃除もドロドロで気持ち悪いものです。依頼する人それぞれが掃除してほしいポイントが違うので、「カビを取ることを優先してほしい」ことを伝えましょう。
浴槽を洗ったり、排水口を綺麗にしたりする洗剤と、カビ取りのための洗剤は別なので、前もって伝えておかないと二度手間になってしまいます。
また、業者に依頼する時は、よく見積もりの中身を聞いてからにしましょう。できれば3社以上の会社から見積もりを取ることをおすすめします。同じお風呂のカビ取り掃除でも、倍以上違う場合があります。
値段の差は何なのか、掃除の最後の汚れがつかないようにするコーティング剤は有料なのか、鏡や排水口の掃除まで値段の中に入るのか、出張費は入るのかなど、細かい部分も聞いておきましょう。
まとめ
カビを撃退する方法には、さまざまな種類があることがわかりました。今まで一つの洗剤や薬品しか使用していなかった場合は、他の方法も試してみると案外カビが落ちるかもしれません。
また、色々な洗剤を試す時に注意してほしいのが、塩素系漂白剤と酸性の洗剤を一緒に使わないということです。アルカリ性の洗剤と、酸性の洗剤を混ぜてしまうと、有毒なガスが出てしまうからです。洗剤は何でもミックスすれば汚れが落ちるというわけではないので、注意してください。
そして、カビは湿った場所にできるので、風呂場の湿度を下げる努力をしましょう。換気扇をまわして空気が循環するようにしたり、窓があればなるべく開けるようにしたり、残り湯などがある場合は必ず風呂のフタするなど、家族で強力して行うようにしたいですね。