ネイルを落すために購入した除光液。使い切れずしまい込まれてはいませんか?開封した除光液は使用期限が約2年と言われているのです。
使いきれずに余った古い除光液は「いざ使おうとしたらネイルを落すことができなくなってしまっていた」「劣化していた」といった声も聞かれます。
そうなると、使えない除光液は処分することになります。ですが、除光液の捨て方は広く知られていないこともあり、どのように捨てればいいのか悩んでしまうこともあるでしょう。
そこで今回は「除光液の正しい捨て方・やってはいけない捨て方」「除光液のタイプ別の処分方法」「容器の処分方法」について解説します。
また、 余った除光液を有効活用する5つの方法も紹介するのでぜひチェックしてみてください。
やってはいけない除光液の捨て方2つ
除光液の捨て方で、やってはいけない捨て方は2つあります。
・そのままゴミ箱に捨てる
・排水溝に流す
除光液には、アセトンという成分が含まれています。アセトンには引火性や有毒性があるため、知らずに上記のような誤った捨て方をしてしまうと、危険な場合があるのです。
まずは、残った除光液を捨てる際にやってはいけない方法をひとつずつ解説しますね。
除光液のやってはいけない処分方法① ■そのままゴミ箱に捨てる
まず1つ目のやってはいけない除光液の処分方法は「そのままゴミ箱に捨てる」ことです。
理由としてはアセトンから発生する蒸気には、マイナス20度でも火がついてしまうという引火性質があるため。そのままゴミ箱に捨てて液が漏れた際に、万が一火気があれば容易に火がついてしまうこともあるのです!
ですから、残った除光液がある場合は、中身を処分しないでそのままゴミ箱に捨てるのはやめておきましょう。
除光液のやってはいけない処分方法② 排水口に流す
2つ目の除光液のやってはいけない処分方法は「排水溝に捨てる」ことです。除光液に含まれるアセトンには、引火性の他にも鼻を突くような刺激臭が特徴に挙げられます。
ついついやってしまいそうですが、除光液を排水溝に流すと匂いが逆流してしまうことも。集合住宅の場合は共用部分である配水管をとおして他の部屋にまで刺激臭が広がってしまうかもしれません。
また、排水から流れ出たアセトンが及ぼす環境への悪影響も心配です。
さらに、アセトンを含んだ蒸気は吸い込み続けると、頭痛や吐き気に見舞われることがあるのです。ひどい場合は、アセトン中毒となり健康被害が出るという事態になりかねません。
ですから、液体だからと排水溝に流してしまうのはやめておきましょう。
除光液の正しい捨て方2つと注意点
ここからは、除光液の正しい捨て方を2つ紹介します。
さまざまなタイプの除光液がありますが、ここでお伝えする基本的な捨て方を覚えておくと迷わず処理できるでしょう。
除光液の処分方法① ■ふたを開けて揮発させる
まず1つ目は、揮発させる方法です。非常に揮発性の高いアセトンの性質を利用します。
工程は、ふたを開けて置いておくだけのワンステップ。
残っている除光液の量によっては時間がかかる場合もありますが、手順が少なく非常に簡単な方法です。手間をかけず除光液の処分をしたい場合におすすめします。
とは言え、注意が必要な点も!続いては、揮発させるのにかかる時間や注意点を解説します。大事なポイントなので、チェックしてくださいね。
除光液を蒸発させるのにかかる時間は?
「余った除光液のふたを開けて置いてみたけど、全然減ってる様子がない。」という経験のある方もいますよね。
残っている除光液の量が多すぎると蒸発にかなり時間がかかります。
こんなときにおすすめの対策として、キッチンペーパーに染み込ませてもう一度トライしてみましょう。
ボトルに入れたままでは蒸発しにくい除光液も、キッチンペーパーに染み込ませることで風のあたる面積が多くなり蒸発しやすくなります。
もちろん作業は風通しの良い屋外で火の気のない場所を選んでくださいね。
必ず換気と転倒防止の対策ができる場所で行う
注意点はズバリ、下記の2点です。
・屋外(十分な換気ができる場所)で行う
・ボトルの転倒対策をする
揮発性が高い除光液は短い時間でも室内に充満してしまいます。換気が十分でない室内でふたを開けたままにしておくことは、アセトン中毒の危険性があるため注意が必要です。
実際に室内で開栓した状態で除光液を使っていて、赤ちゃんがアセトン中毒になってしまった例※もあります。
また、ふたを開けた状態で置いておくため、子どもやペットがいる場合は倒してしまうことも考えられるでしょう。
ですから、換気が十分できる屋外で、ボトルが倒れない場所を選ぶようにすると安心です。
※日本小児科学会 日児誌2008年12月号
除光液の処分方法② ■牛乳パックと新聞紙・布を使って染み込ませる
2つ目は、新聞紙や布に除光液を染み込ませて処分する方法です。手順は下記のとおり。
①牛乳パックにほぐした新聞紙や布を敷き詰める
②残っている除光液を流し込む
③牛乳パックのふたをしっかり閉じて密閉する
④さらにビニール袋に入れて密閉する
⑤可燃ごみとして出す
揮発させる方法と比べると手順は多いですが、処理をしてしまえば倒してこぼれる心配もありません。子どもやペットがいたり、短時間で処理を完了させたい場合はこちらの方法が安心できるでしょう。
では、染み込ませて処理する場合の注意点も紹介しますね。
除光液を染み込ませるときの注意点 換気と密閉を忘れない
除光液を染み込ませて処分する場合の注意点は2つ。
・換気をする
・しっかり密閉する
揮発させる捨て方と同様アセトン中毒のリスク回避のため、必ず換気をしながら行いましょう。
また、染み込ませた除光液が染み出したり、こぼれたりしないようしっかり密閉できているかの確認も忘れずしておくと安心です。
シートタイプの除光液の捨て方
続いてシートタイプの除光液の捨て方を紹介します。シートタイプの除光液は、コットンに染み込ませた除光液が1枚ずつ個包装されていて使い切りです。
使い終わって乾燥したシートは、そのままゴミ箱に捨ててしまっても問題ありません。
まだ除光液が乾燥しきっていない場合は、ビニール袋などに入れて密閉して捨てると安心です。
ジャータイプの除光液の捨て方
ジャータイプの除光液の捨て方です。ジャータイプは中にスポンジが入っておりその中に指を入れてマニキュアを落とす仕組み。
処分するときはまず、容器から除光液がしみこんだスポンジを出しましょう。
あとは基本的な除光液の処分方法と同じく、屋外で揮発させるか換気しながらビニール袋などに密閉して処分しましょう。
ノンアセトンタイプの除光液の捨て方
除光液には、アセトンが使われていないノンアセトン(アセトンフリー)タイプもあります。アセトン配合タイプと比べた特徴を下記に挙げました。
・刺激臭が少ない
・揮発性が少ない
・ネイルをオフする力は若干落ちる
揮発性が少ないノンアセトンタイプの除光液を捨てるときは、新聞紙や布に染み込ませる処分方法を行うことをおすすめします。
除光液の容器の捨て方・リサイクルできる?
除光液の中身を捨てる方法についてお伝えしましたが、容器の捨て方についても解説します。
除光液の瓶やプラスチック容器は中身が空になったら、可能であれば容器に残っている除光液を拭きとってください。その後は、各自治体のルールに沿ってゴミに出しましょう。
リサイクルについては、きれいに拭き取れていればリサイクル可能など自治体によって対応が違ってくるのため、確認してから出すようにしてくださいね。
残った除光液の活用方法5選
除光液の使用期限は開封後なら約2年ほどと言われており、あまりに古い除光液は処分することになります。
ですが実は、残った除光液が劣化していなければネイルオフ以外に使い道があるのです。
除光液を捨てるのは面倒!もったいないから捨てたくない!といった場合に活用できる方法を5つ紹介します。
試す場合には必ず、換気をすることや火気のない場所で行うことを忘れないようにしましょう。
また分かりやすく紹介されている動画の紹介や、アセトン・ノンアセトンどちらのタイプを使えばいいかも解説しています。参考にしてみてくださいね。
残った除光液の活用方法① ■マジックの復活
1つ目は、残った除光液を使ってインクが出なくなった油性マジックを復活させる方法です。
①マジックのキャップにペン先が浸るくらいの除光液を少量入れる
②キャップをしめて10分間待つ
これだけで、油性マジックのインクが復活します。
この活用方法では、アセトンが配合されている除光液を使うのがおすすめです。ノンアセトンタイプだと、効果が出ない場合がありますよ。
動画でも紹介されているので参考にしてくださいね。
残った除光液の活用方法② ■油性マジックを落とす
2つ目は、除光液で油性マジックを消す方法です。
ガラス製品・プラスチック製品・壁紙・布などの油性マジックの汚れを手軽に落とす(薄くする)ことができます。
①マジックを消したい部分に除光液を塗布する
②ティッシュやコットンなどで拭き取る(布の場合はトントンと叩く)
③最後に除光液を拭き取ったり洗濯をする
ただし、コーティングされているものや素材によっては傷めてしまうことがあるので注意が必要です。布は、色落ちや生地の傷みなどの可能性もあります。目立たない場所で試して大丈夫か確認をしましょう。
アセトン・ノンアセトンどちらでも使用可能ですが、プラスチックに書かれたマジックを消す場合はノンアセトンの除光液を使うのがおすすめ。
アセトンタイプは、プラスチックを溶かしてしまったり白く濁らせてしまう場合がありますよ。
残った除光液の活用方法③ ■接着剤剥がし
3つ目は、接着剤をはがしたいときに使う方法。瞬間接着剤などが肌につくと剥がれなくなってしまいます。そこで役立つのがアセトンタイプの除光液です。
①剥がしたい部分に除光液をかける
②接着面をこすり合わせるように動かす
使い方は簡単。しばらくすると剥がれてきます。ですが、除光液は強い溶剤なので、何度も繰り返し使うと肌を傷めてしまうことがあるため注意しながら使ってくださいね。
また、肌以外にも除光液が使える素材なら接着剤をはがすことができますよ。
残った除光液の活用方法④ ■靴の汚れ落とし
4つ目は、エナメル素材の靴やパンプスなどの汚れ落としに使う方法です。また子どもの上靴などの汚れを落としたい場合にも除光液が使えます。
①コットン・布・キッチンペーパーなどに除光液を含ませる
②汚れがある箇所を軽くこする
この方法も、目立たない場所で一度試してから行うと安心です。汚れに気づいたときにすぐできるので、こまめなお手入れに役立つ活用方法と言えるでしょう。
また、アセトンタイプ・ノンアセトンタイプどちらも靴の汚れ落としに使えます。
残った除光液の活用方法⑤ ■ハンドメイドの転写液
5つ目は、プラバン作品を作る際の転写液として使う方法です。
①好きなイラストなどを紙に印刷する
②プラバンをイラストの大きさより少し大きめにカットする
③プラバンの転写したい面にイラストの印刷面を下にして置く
④上から除光液をかける
⑤クリアファイルに挟んでこする
⑥紙をめくる
⑦トースターで焼く
これで、好きなイラストでキーホルダーなどが作れます。余った除光液を使っておうち時間を楽しく過ごすことができるでしょう。
こちらの活用方法では、アセトン・ノンアセトンどちらも使用可能です。動画では状交易を使ってきれいにキャラクターが転写されている様子が見れますよ。