最近、天井で何か音がするけれども、ネズミより大きそう。天井にできたシミが何だかクサイ。
そういう時は、もしかするとハクビシンかもしれません。ハクビシンに気に入られてしまうと、天井裏に糞尿をされてしまってノミやシラミといった虫が家の中に増殖します。また、子どもを産んで増えてしまうと家も傷んでしまうので大変なことになります。
今回は、近頃都会でも増殖傾向にあるハクビシンの駆除方法について調べてみました。
ハクビシンの生態
ハクビシンは元は東南アジアに生息する動物です。ジャコウネコ科に属します。明治以上に外国から毛皮用の動物として輸入されたものが野生化した、と言われています。日本全国に住み着いており、都心でも被害例が増加しています。
アライグマと区別が難しい場合がありますが、ハクビシンは「白鼻芯」という名前のとおり鼻筋が白いのが特長です。足跡は五本指なので、四本のタヌキとの区別がつきます>。体重は2キロから3キロ程度で、大きさは頭と胴をあわせた長さが60センチ程度、尾の長さが40センチ程度になります。しっぽは黒い色をしています。
夜行性なので、昼間に人間がハクビシンを見かけるといったことはあまりまりません。道で見かけることが無い代わりに、家の中に入ってくるとバタバタと大きな音で走り回るのですぐにわかります。
木登りが得意で電柱にも器用に登っていきます。身体の割に、細い電線や木の枝を伝って人間の家に入ってきます。ジャンプ力もあり、垂直に1メートル程度は軽く飛ぶことができます。電柱から屋根まで1メートルしか無かったら、ハクビシンは平気で家の中に入ってくることができるのです。
何でも食べる雑食性のため生命力もあり、野菜や果物の他、昆虫、ネズミ、蛙、鳥なども食べます。可愛い顔をしているので油断してしまいがちですが、ハクビシンは凶暴なのでペットが被害にあわないよう注意してください。噛まれたり、ひっかかれたりすると感染症にあう危険性もあります。
ハクビシンの被害例
家の屋根裏に住むことが多く、バタバタと走り回るのですぐに気が付きます。電気のコードをかじったり、植木や野菜、木の板もかじったりします。かなり歯は強いので、侵入しないように設置した金網なども破ってしまう場合があります。壁の中の断熱剤を食いちぎって、その中に巣を作ることもよく見られます。
また、ハクビシンが来ると家のどこかに糞尿をするので、虫がわいたりノミやシラミが家の中に発生したりします。人間だけでなくペットがノミやダニにやられる場合も十分にあります。
1 ハクビシンの出入り口をふさぐ
ハクビシンが家に出入りしているとわかったら、二度と入ってこられないように出入り口をふさぐようにしましょう。家の土台にある通風口や、キッチンの水道管と床とのスキマ、屋根裏など、ほんのわずかな場所でも出入りしてしまいます。
目の細かい金網を設置したり、金網を破られてしまった場合は金属タワシなどをスキマに詰めると良いでしょう。特に床下はぴっちりと閉じてしまうと湿気がこもってしまうので、金属タワシが便利です。
2 嫌いなニオイで近づけない
■長谷弘工業「ハクビシンなぜ逃げる?」 10シート入り
ヒモに赤い不織布に入れられた忌避剤がついていて、木と木の間や柱と柱の間につけることによって、ハクビシンが来ないようにします。屋根に接している木がある場合は、木の幹に根本から上のほうまで絡めるように設置します。
中にはハクビシンが嫌いな、激辛トウガラシなど10種類のパウダーが入っています。色もハクビシンが苦手な赤色をしています。有効期間は1年間で、広い庭の場合は複数設置する必要があります。
■ペットフードを出しっぱなしにしない
食べ物や果物など、ハクビシンが好きなニオイを出さない工夫も必要です。犬やネコのペットフードの残りは、その日のうちに片付けてしまうようにしましょう。また、果物を机の上などにそのままにしておくのも、ハクビシンにとってはエサがおいてあるようなものです。冷蔵庫に入れたり、取り出せないような容器に入れたりしましょう。
3 鳥よけを設置する
鳩をよけるためのトゲトゲのスパイクやフェンスが、100円ショップやホームセンターで販売されています。単なるスパイクでは飛び越えてきてしまう場合、電気柵と一緒に設置するのも効果的です。スパイクの10センチほど手前に電気柵を貼るようにすると、フェンスを見て立ち止まったハクビシンが電気柵にぶつかりやすくなります。
4 ケムリで近づけない
■コダマ 獣よけ線香 20巻
蚊取り線香は蚊にききますが、こちらはハクビシンやイタチ、アライグマなどを寄せつけないための線香です。辛いものの香りがするので、子どもやお年寄りなど刺激に弱い家族がいる場合には気をつけたほうが良いでしょう。
焚く場合には、風上に設置すると効果的です。
5 光と超音波で寄せ付けない
■AngLink 動物撃退器
強いフラッシュや、動物が嫌がる高周波数の超音波で動物を寄せ付けない撃退器です。撃退器によっては、周波数が一種類のみで動物が超音波に慣れてしまうという場合がありますが、こちらの撃退器は何種類もの周波数を出すので、ハクビシンが慣れてきたと思ったら別の周波数を出すことができます。
説明書には、周波数が13.5kHzから17.5kHzはネズミを駆除するため超音波で、15.5kHzから19.5kHzは犬やキツネ、19.5kHzから23.5kHzがネコや犬や鳥となっています。フラッシュだけのモードや、様々な周波数の超音波を繰り返し出すモードもあります。
6 天敵の尿「ウルフピー」で寄せ付けない
■ウルフピー(オオカミのおしっこ)
天敵の尿のニオイでハクビシンを寄せ付けないようにするというもので、オオカミのオシッコで撃退します。動物は天敵のニオイをかぐと、その場所は天敵のテリトリーだと考えて侵入することをストップします。オオカミが天敵であるハクビシンの他に、野ネズミや野良犬、シカやクマなどにも有効的オオカミが天敵であるハクビシンの他に、野ネズミや野良犬、シカやクマなどにも有効的です。
<設置場所について>
ハクビシンが家に入ってくるルートには、間隔を狭くして設置すると良いでしょう。家のまわりをボトルで取り囲むようにすると、ハクビシンは家の中に入ってきません。
<効果と実例>
アメリカでは20年以上前から実用化されていて、果樹園や畑、ゴルフ場などで使用されている実績があります。動物が天敵のニオイを嗅ぎ分けることは、脳の神経回路によって行われているため、ハクビシンがニオイに慣れてしまうこともありません。
ウルフピーには「シート」と「液体(尿そのものです)」の2タイプがあります。
<シートタイプの使い方>
シートタイプは吊るすだけで使用する事ができます。効果は約2ヶ月持続します。
<液体タイプの使い方>
液体タイプはボトルに入れて家の周辺に吊るして使用します。屋外での使用専用なので、家の中では使わないようにしましょう。オオカミの尿を、穴のあいたボトルに入れて、高さ30センチから60センチ程度の場所に吊るしておきます。ボトルとボトルの間は4メートルが理想的です。
ボトルの中のオオカミの尿が蒸発したら、また注ぎ足します。散布してしまうと、すぐに蒸発してしまって効果がなくなってしまうので、100ミリリットル以下の小さめの容器に入れて、直径1センチ程度の穴を側面にあけるようにします。雨が容器の中に入ってしまった場合には、中のものは捨てて、新しくオオカミの尿を入れ直しましょう。
小分けのボトルに入れて約一ヶ月間効果があります。オオカミの尿は強い酸性なので、かかると色が変色する場合があるので気をつけましょう。
箱ワナで捕獲するのは違法?
屋根裏や壁の中でバタバタとうるさいハクビシンを、ワナで捕まえてやりたいと思いますよね。しかし、残念ながらハクビシンを許可なく捕まえてはいけないのです。
ハクビシンは「鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律」といういわゆる鳥獣保護法の対象となっています。農作物に被害を及ぼしているのであれば、市や県に申請して許可されれば捕まえることができます。しかし、一般家庭に出たからといって、ワナを仕掛けて取ることはできないですし、殺すこともできません。そのため、ハクビシンの駆除は最終的にはプロに頼むことになります。
業者によってハクビシンに詳しい業者と、ネズミの駆除には詳しいけれどもハクビシンはあまり知らないといった業者もいます。
■自治体で箱わなを設置してくれる場合も
近年、都市部でもハクビシンによる被害が増え続けてきたため、自治体によっては箱わなを設置してくれる場合もあります。例えば東京都北区では、専門業者が現地調査をした上で、箱わなを設置してくれます。年度につき1回のみで、最長1ヶ月間箱わなを置くことができます。また、横浜市では費用は市の負担でハクビシンを捕獲してくれます。
自分が住んでいる自治体が無料でハクビシンの駆除をしてくれる場合もありますので、問い合わせてみましょう。
業者にハクビシンの駆除をたのんだ時の相場と内容
ハクビシンの駆除を業者に頼んだ場合、家の広さにもより差がありますが、全体で5万円から15万円程度かかります。何にどの位かかるか見ていきましょう。
■追い出し作業
基本的には、最初にハクビシンを家から追い出して可能であれば捕獲を行います。ハクビシンは巣を何箇所かに分けているので、留守だった場合は追い出し作業と捕獲は行なえません。追い出し作業は、場合によっては霧状になる薬品をたいたり、噴霧したりします。それでも出てこない場合には爆竹で驚かして出すこともあります。
値段は家が広くなると料金もアップしていきます。
・60平方メートルまで :18,000円〜30,000円
・120平方メートルまで:25,000円〜50,000円
・180平方メートルまで:30,000円〜100,000円
・240平方メートルまで:30,000円〜130,000円
・300平方メートルまで:40,000円〜160,000円
という具合です。
かなり業者によって値段の開きがありますので、あわてて最初に電話した業者に決めるのではなく、少なくとも3社からの見積もりをとったほうがコストダウンできます。
ハクビシンの巣は1カ所ではなく、近隣の数カ所にまたがっているため一回だけの処置では駆除しきれないのも現状です。親身になって一緒に考えてくれる業者を選ぶことをオススメします。
■出入口の遮断
次に、ハクビシンが出入りする場所を遮断します。床下の通気口や、台所の水道管と床の間などに強力な金網を設置して、ハクビシンが戻って来られないようにします。スキマの大きさによりますが、1カ所につき数千円程度になります。
■箱ワナの設置
ワナでハクビシンを捕獲するサービスもあり、ワナ1つにつき30,000円程度かかります。業者によっては定期的にワナにハクビシンがかかっていないか見に来てくれる場合もありますが、多くは家の中の音や鳴き声でワナにかかったかどうかがわかるので、捕獲できた時に業者に電話するシステムを採用しています。
■糞尿清掃と殺菌消毒作業
ハクビシンがしばらく住んでいた家には、フンがたまっているので、フンを清掃したり殺菌消毒して病原菌が広がらないようにします。フンの撤去は程度によりますが1箇所あたり数千円程度になります。フンを撤去した後の殺菌処理は1平方メートルあたり700円から900円程度かかります。
家全体を殺菌消毒するわけではないので、処理範囲は業者と相談して決めるようにしてください。
■殺虫処理
ハクビシンが出たことで、ノミやシラミといった害虫が増えることもあります。そういった場合の殺虫処理も業者が行っていて、1平方メートルあたり500円から700円程度でやってもらえます。業者によっては何年間かの長期保証も可能です。ハクビシンは忘れた頃に戻ってくることが多いので、もし長期保証がつけられれば、つけておいたほうが良いでしょう。
■おすすめハクビシン駆除業者|害獣駆除110番
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追い出しによるご近所トラブルについて
ハクビシン退治をプロに頼む場合、気になるのが近所の家とのトラブルです。自分の家からはハクビシンが出ていったけれども、隣の家にハクビシンが住み着いた場合「お宅の家のハクビシンが我が家に来た」と、近隣トラブルになりかねません。
業者によっては、そういったトラブルを避けるために、昼間ではなく夜に目立たないように来てくれたり、車の横に会社のロゴを入れていない車で来てくれたりします。業者にお願いする場合、リクエストすると良いでしょう。
まとめ
今回はハクビシンについて調査しましたが、アライグマやイタチの駆除も、ほぼ同じような手順になります。家の中に何かいると感じたら、子どもが生まれて増えてしまわないうちに、早めに出入り口をふさいで駆除するようにしましょう。