スズメバチの巣を自分で駆除する方法と準備3点【業者料金相場比較表付】

スズメバチの巣の駆除は、準備さえ十分であれば自分でもできます。しかし、巣の駆除の準備をする費用と同額か、それ以下の費用で専門家が巣の駆除をしてくれます。プロにたのめば安全ですし、自分が刺されることもありません。

プロの中には害虫駆除業者であっても、蜂にくわしくない業者もいます。ゴキブリやムカデの退治方法と、蜂の退治方法は違いますので、あらかじめ基礎知識を頭に入れてから業者に依頼したほうが予算も多くかかりません。

今回は、スズメバチの巣の駆除方法について調べてみました。

家の敷地の中に蜂の巣ができると、それだけであわててしまいますが、全てのハチが獰猛なわけではありません。
民家に巣を作るハチとしては
・スズメバチ
・アシナガバチ
・ミツバチ
の3種類があげられます。

この中で一番危険なのは何と言ってもスズメバチです。刺されると「アナフィラキシーショック」と言って、短時間でアレルギー反応が出て、場合によっては意識が無くなってしまうこともあります。

4月から5月にかけては、新しい女王蜂が1匹で巣を作っています。
形は花瓶やトックリ、フラスコを逆さまにしたような形をしていて、下に細長い出入り口があるのが特長です。
大きさも作りはじめは10センチ程度で、大きくても25センチから30センチ程度と、比較的小さいのが特長です。

巣の中の幼虫が働き蜂になると、巣の形も変わって細長い出入り口がかじられて無くなります。巣はマーブル模様の大きな球形になって、平均で50センチ程度の大きさになります。条件によっては、1メートル近く大きくなる場合もあります。

スズメバチの巣は、大きければ大きいほど駆除も困難になります。
できれば梅雨前の嬢王蜂が一匹で巣を作っているうちに、駆除するようにしたいものです。

アシナガバチは胴体や手足が細長くて全体的に大きく見えますが、実はあまり攻撃的ではない種類の蜂です。もちろん、自分の巣が壊されそうだと感じたら、人間を襲ってきます。しかし、こちらが追い払ったりしない限り、アシナガバチのほうから向かってくることはほとんどありません。

スズメバチはトックリ型もしくは球形ですが、アシナガバチの巣はお椀のような形をしています。巣は閉じておらず、中身が丸見えになっていて、シャワーヘッドのようにも見えます。色は灰色なので、スズメバチの巣との違いはひと目でわかります。

ミツバチもこちらが巣を壊したりしない限りは、蜂の方からは襲ってきません。注意が必要なのは人間のほうは何もしていなくても、蜂の巣の横を偶然通りがかってしまったことが、蜂にとっては攻撃しているとみなされてしまった時です。ミツバチは襲う時は1匹だけでなく集団で攻撃します。一度蜂の巣を作られた場所は、また巣が作られる可能性もあるので注意してください。

ミツバチの巣の形は板状になっています。
最初は白い板になっていて、時間が経過して蜜がたまってくるとオレンジ色に変化します。ある程度板が大きくなったら、もう一枚板を増やします。そうやって、板を増設することで巣を拡張していくのです。

なるべく強力に噴霧するスプレーを選ぶと良いでしょう。威力が強ければ強いほど、自分は巣に近づかずに駆除できるからです。もし蜂用の殺虫剤が無い時は、他の虫の殺虫剤でも追い払う時にはかまいませんが、巣にスプレーする時は蜂専用スプレーをオススメします。

蜂の巣の駆除で一番大切なことは「安全第一」です。蜂は集団で攻撃してくるので、一度襲われると振り払うのが厄介です。普通の長袖長ズボンでは、裾の部分にスキマが開いてしまって蜂が身体の中に入ってきてしまう恐れがあります。首、手首、足首などは特に注意してください。

頭もヘルメットだけでは不十分です。蜂は黒いものが好きなので、髪の毛や目を攻撃してくる可能性があるからです。帽子にネットがついているものや、アクリルのシールドがついているものを選びましょう。

手も刺されないように保護する必要があります。軍手では、スズメバチの針が通ってしまう危険性がありますので、革手袋を使用しましょう。手袋も服と同じように、手首がかくれるよう裾が長めのものがオススメです。
革手袋は、スズメバチの巣の駆除が終わった後でも、ガーデニングなどに使用できます。

蜂の巣の駆除は梅雨時前後や真夏に行うことが多いので、熱中症対策も忘れないようにしてください。防護服の下に、保冷剤を入れられるベストを着るのがオススメです。
事前に塩飴や水分をとることはもちろんですが、作業時間が長くなると、それだけでは途中でバテてしまう可能性があります。

普通の靴だと服と靴の間にスキマができてしまうので、蜂の巣の駆除作業には長靴がオススメです。蜂は黒い色が好きなので、巣の駆除をする時には黒長靴ではなく白長靴のほうが良いでしょう。

万全の準備をしていても、蜂に刺されてしまうこともあります。駆除する本人ではなく、見物していた家族が刺されてしまう可能性もあります。そんな時のために、毒吸引器を用意しておきましょう。ドラッグストアなどで、毒吸引器またはポイズンリムーバーと書かれている商品です。
蜂に刺された部分を口で吸い出すのは止めましょう。蜂の針が口の中に入ってしまったり、蜂の毒が歯茎や虫歯などに入ってしまうことがあるので大変に危険です。

駆除する時期は、巣が作られた時になるべく早く行うのが理想的です。梅雨前であれば、まだ女王蜂だけしか巣の中にいない可能性が高いからです。
また、ハチにとって条件の良い場所だと、一度壊しても再び巣を作り出す場合があります。何度も同じ場所に巣を作られてしまわないように、ハチ用のトラップを仕掛けておくと良いでしょう。

蜂の巣の駆除は夕方か早朝が一番良いタイミングです。昼間にスズメバチの巣を駆除しても、外の出ていたハチが夕方になると戻ってきてしまいます。ハチは昼間は外に出て仕事をしています。働き蜂が帰ってくるのが夕方なので、日が沈んだ時に行うのが一網打尽にするチャンスなのです。もしも仕事などの都合で夜に駆除作業を行うのが難しい場合は、ハチが行動する前の時間帯である早朝に行うと良いでしょう。業者に巣の駆除をたのむ時に、時間の要望を伝えられる場合は、夜か早朝にお願いしてみましょう。

スズメバチの駆除は、刺される危険性があるため大変危険です。何の準備もせずに、スズメバチの巣を棒やホウキなどで叩いたり壊したりすることは、くれぐれもしないようにしましょう。スズメバチは自分の巣が壊されるとなると、死にものぐるいで襲ってきます。しかも一匹だけでなく集団で束になって襲ってきます。刺されるのば1匹だけでも命の危険があるのに、何十匹、何百匹に刺されたのではひとたまりもありません。スズメバチの巣の撤去は蜂の巣の駆除の専門家に依頼しましょう。

また、業者が来るまでの間は、なるべく殺虫剤が勢い良く出るスプレーを購入して、刺されそうになったら噴霧しましょう。ハチ専門の殺虫剤が一番効果的ですが、手元にゴキブリ等の殺虫剤しか無くてもとりあえず役に立ちます。

やむをえず自分でスズメバチの巣を駆除しなくてはいけない場合、防護服や帽子、革の手袋、殺虫剤などは最低限でも用意してください。また、高い場所にある巣に殺虫剤をかける場合は、高所スプレー噴霧用器具もしくはエアゾール延長用器具を用意すると良いでしょう。
プロでない場合は、安全第一ですので、なるべくスズメバチから離れることが大切です。ハシゴにのぼって高い場所にある巣に手でスプレーするよりも、長い棒の先についたスプレーで噴霧するほうが刺される危険性も低くなります。

いきなり本番ではなく、別の場所で殺虫剤がどれくらいの距離であれば巣に届くのか練習しておきましょう。スズメバチが怖くて近づけないのは理解できますが、スプレーが巣にとどかないと駆除できません。スプレーのテストは必ず行うようにしてください。
また、市販のスプレーは10秒から20秒ほど押し続けると、中身が全て無くなるものが多いので、スプレーは多めに購入しておきましょう。

ハチは黒いものや暗い色に攻撃してくる習性があります。そのため、駆除する時の服装は白いほうが安全なのです。
蜂の巣に殺虫剤を撒くと、蜂が巣からでてきます。出てきた蜂を黒いものに攻撃させて、捕獲するために、粘着力のある黒い板を周辺にぶらさげておくと良いでしょう。ねずみ取り用の黒い粘着シートが効果的です。殺虫剤を撒いた後、数日間は吊るしておくことをオススメします。

スプレーする秒数ですが、5センチにつき3秒ふりかけるようにしましょう。
例えば10センチのスであれば6秒、15センチの巣であれば9秒といった具合です。
プロの蜂の巣駆除業者は、巣に殺虫剤をかける前に巣の出入り口になる部分にガムテープを貼ったり、布を丸めて入れたりします。中にいるハチが出てこないための工夫ですが、プロでないとかえって巣に手を近づけることになってしまい危険ですのでやらないほうが良いでしょう。

スプレーする時は、いきなり噴霧を止めてしまうとスズメバチが襲ってくる可能性があるので、スプレーしながら後ずさりをして巣から離れます。蜂はしつこく追ってきますので、途中でスプレー缶がなくなってしまわないように、手で取れる場所に殺虫剤を何本か用意しておきましょう。

殺虫剤で中のハチが全て退治できていれば、巣はそのままにしていても危険ではありません。ただし、スプレーした時に逃げでたハチが戻ってくる場合があります。戻ってきたハチに刺されないために、殺虫剤は数日間すぐに使える場所に置いておいたほうが良いでしょう。
蜂の巣や蜂の死骸は「可燃ごみ」に分類されます。ゴミ出しの日に、子どもが蜂の巣で遊んでしまわないように注意してください。

スズメバチの巣を見つけたら、まずは自治体に連絡してみましょう。市区町村によっては、無料でスズメバチの巣を駆除してくれます。スズメバチの巣を自治体の予算で駆除するかどうかは毎年の予算によって決まりますので、去年は市の予算で駆除してくれたけれども、今年は負担してもらえなくなったという場合もあります。また、駆除するスズメバチの巣は自宅がある敷地に限っている場合がほとんどです。

スズメバチの巣であれば、越谷市が全額負担して巣を撤去してくれます。
越谷市内に作られた巣であることや、人に危険をおよぼす可能性があるものに限って駆除しています。まずは越谷市保健所生活衛生課に電話して、どのような場所に作られた巣であるか説明してください。
屋根裏など、建物の一部を壊さないと巣が撤去できないものについては、取り壊し費用や修繕費は自己負担することになります。

市役所に電話すると、船橋市が契約している業者が対応してくれます。市が巣の撤去費用を全額出してくれるので、市役所環境保全課に電話して問い合わせてみましょう。

市役所の緑と公園課に電話すると、三鷹市が委託している業者がスズメバチの巣を撤去してくれます。撤去費用も三鷹市が負担してくれます。

品川区保健所では、害虫駆除業者の紹介はしていますが、スズメバチの巣の撤去費用の補助は行っていません。

スズメバチの撤去作業は、蜂の巣の大きさや作られた場所にもよりますが、1万円から2万円程度かります。まだ女王蜂だけで作ったトックリ型の巣の場合は、1万円以下の場合が多く、梅雨明け以降の大きくなってしまった巣は、50センチ以内であれば15,000円程度、50センチを超えると20,000円以上になるケースが多く見られます。

スズメバチの巣が高い場所に作られてしまった場合、高所作業料金がかかります。ハシゴなどを使用しないと対応できない作業になると、高さにもよりますが、プラス3,000円から15,000円がかかります。

料金には、巣を撤去する場所が汚れたり傷ついたりしないように養生をしたり、撤去した巣を処分したり、撤去した後の清掃をすることも料金に含まれています。
即日来てもらったり、営業時間外に対応してもらった場合も割増料金がかかることがあります。納得して支払いができるように、少なくとも3社からは見積もりをとったほうが良いでしょう。見積書をもらわなくても、電話で値段を聞くだけでも値段に差があるのがわかります。

また、家の一部を壊さないと巣が取り除けない場合は、別途料金がかかります。なるべく費用を安くおさえるためにも、庭の木の剪定はこまめに行いましょう。

蜂が巣を作り出す時期は、緑が綺麗なガーデニングが楽しい時期でもあります。ヤブガラシやレッドロビンという植物は、家の周辺や庭によく植えてある植物なのですが、スズメバチが非常に好きな植物なので、こまめに剪定をして巣を作られないようにしてください。
また、昔は蜂に刺された時に、オシッコをかけると治ると一時言われていました。アンモニアが蜂の毒に効くという民間対処法でしたが、蜂の毒はアンモニアでは対処できないことが判明しています。実際にオシッコをかけてしまうと、尿の中に入っている雑菌によって炎症する可能性があるので止めましょう。

スズメバチの巣は個人で撤去するのは大変に危険です。なるべくプロの業者に巣の駆除は依頼するようにしましょう。もし自分で撤去する場合は、家族やペット、植木や魚などは殺虫剤がかからない場所に避難させ、刺される危険性があるので防護服を着ている人以外は安全な家の中にいるようにしてください。