カーテンは壁紙と同じように、部屋の中のホコリや油汚れ、身体から出る汗やニオイを全て吸い取っています。洗濯しなくても良いと考える人も多いですが、洗える素材であれば汚れたカーテンを洗いましょう。
タバコを吸う人が家にいる場合だけではなく、料理のニオイや油汚れがカーテンに染み付いています。自宅に住んでいる自分たちの汗も、身体から蒸発してカーテンに付着するうえに、ペットを飼っている場合はニオイや被毛が付着しており、衛生的とはいえないでしょう。
また、カーテンはニオイや汚れだけでなく、カビが発生する場合があります。部屋のホコリがカーテンに付着し、結露するとカビ菌の温床となるのです。遠目からは白く見えるカーテンも、近くで見るとレースの隙間に黒いカビが発生している危険性もあります。
加えて、花粉症の時期はカーテンにも花粉がつきます。小さな子どもがいる場合は、子どもがカーテンに触れて手垢が蓄積していることもあるでしょう。部屋が臭いと感じた際、カーテンから滲み出ているニオイの可能性もあります。
雑菌が繁殖しやすい部屋にしていると、健康を害することもあるため注意が必要です。部屋を衛生的に保つためにも、カーテンを洗ってみましょう。カーテンの洗い方について、洗濯機を使う方法、手洗いの方法などを紹介します。
カーテンの汚れの原因
カーテンの汚れの原因は、ハウスダスト、カビ、雑菌、ペットの被毛、ヤニが挙げられます。自宅内を掃除機できれいにしても、カーテンまで掃除をする人は少ないでしょう。カーテンの繊維にはハウスダストが入り込んでおり、しっかり掃除をしなければハウスダストが蓄積して目立った汚れになります。
また、ベランダに面した窓につけているカーテンは結露の水分が付きやすく、黒カビが発生することが多いです。さらに、ペットを飼っている場合、静電気を起こしやすい化学繊維のカーテンには被毛が付着するため、小まめにカーテンの洗濯をする必要があるでしょう。
家庭内にタバコを吸う人が居るのであれば、カーテンにもヤニやタバコのニオイが付着します。タバコ、料理の油やニオイなど、家庭内で発生する様々なニオイや雑菌もカーテンに付着するため注意が必要です。特に湿度が高い部屋のカーテンは雑菌が繁殖しやすいため、汚れや不快なニオイの原因にもなるでしょう。
カーテンの洗濯表示の確認方法
衣服やタオルなどのほか、カーテンにも洗濯表示が付けられています。洗濯をしても問題がないカーテンだけでなく、洗濯できないカーテンにも洗濯表示が付いているので、洗濯前にしっかり確認することが大切です。カビを取るための洗浄力が高い専用洗剤を使えるのか、シミを取るための漂白剤を使えるのかを確認します。
なお、洗濯表示は2016年12月に変更され、従来のデザインとは異なる新型表示になりました。これまでの洗濯表示、新しくなった洗濯表示のいずれも、表示を見ただけでは洗濯できるのか否か、どのような洗濯方法なら問題がないのか分からない人も多いでしょう。
また、レースのカーテンのほか、装飾に他の生地を使っているカーテンは自宅での洗濯ができない場合もあります。素材に木材や紙が使用されているカーテンは、自宅で洗濯をすると変質、変形する可能性があるため、専門店やクリーニング店で相談しましょう。
一方、ユニットバスで使用されることが多いビニールのカーテンや撥水加工が施されているカーテンは、水に濡らしても問題はないため自宅で洗濯することが可能です。
カーテンの洗濯表示記号
洗濯できる記号
洗濯できない記号
カーテンの洗濯5ステップ・注意点【洗濯機】
カーテンを洗濯機で洗濯する場合に必要な道具と具体的な洗濯方法を紹介します。カーテンを洗濯した後の乾かし方、注意点もチェックして、カーテンが傷まないように洗濯しましょう。
■必要な道具
・おしゃれ着用洗剤
・洗濯ネット
カーテンを洗濯機で洗濯する場合、おしゃれ着用洗剤、洗濯ネットがあれば問題ありません。
■①カーテンが色落ちしないかを確認する
白い無地のカーテンであれば色落ちすることはありませんが、色が付いているカーテンは洗濯した際に色落ちする可能背があります。そのため、カーテンの隅の目立たない場所に水を付けてタオルでこすり、色落ちしないか確認しましょう。
万が一色落ちするようであれば、自宅の洗濯機で洗濯するとムラができて見栄えが悪くなる可能性があるため注意が必要です。色落ちする可能性がある場合には自宅で洗濯気に入れず、クリーニング店で洗濯してもらいましょう。
■②カーテンレールからフックを外す
洗濯表示や色落ちを確認したら、洗濯をするためにカーテンレールからフックごと外します。フックはS字をしているケースが多いので、外す際にどちらを上にして付けるのか確認し、忘れないようにしましょう。写真を撮影しておくとスムーズに元に戻せます。
■③カーテンを屏風折りにして洗濯ネットに入れる
カーテンを折りたたんでネットに入れて洗濯機で洗います。洗濯ネットに入れずに折りたたんでカーテンを入れてしまうと、カーテンの素材が傷んだり毛玉ができたりするため注意しましょう。
洗濯ネットを使用しないと、レールにつけるフックを入れる部分が破けることもあります。そのため、カーテンのドレープに沿って屏風折りに畳んで洗濯ネットに入れることが大切です。
なお、カーテン用として販売されている洗濯ネットは入手しにくいため、布団用として販売されている大きなサイズの洗濯ネットを使用すると良いでしょう。
■④カーテンを普通コースで洗濯する
カーテンは、洗濯ネットに入れれば普通コースで洗濯できます。ただし、カーテンが繊細なデザインであったり、装飾があったりする場合はドライコースで洗いましょう。使用する洗剤については、カーテンの洗濯表示に特記がなければ普通の洗濯用洗剤で問題はありません。
カーテンの汚れが目立つようであれば、液体洗剤よりも粉末洗剤を使用する方法が有効です。同ブランドの洗剤でも、液体洗剤より粉末洗剤のほうが洗浄力が高いことが特徴です。
また、中性洗剤よりもアルカリ性洗剤のほうが汚れをしっかり落とす効果が期待できます。カーテンを傷めず丁寧に洗いたい場合は中性洗剤、しっかり洗いたい場合はアルカリ性洗剤を使用しましょう。
■⑤カーテンをレールに戻して乾かす
カーテンは大きいため、乾かす場所に悩む人も多いでしょう。しかし、元々カーテンを付けていたカーテンレールに戻して乾燥させる方法で問題ありません。フックを付けたらカーテンレールに掛けて窓を開けたり網戸にしたりと通気性を良くして乾かます。
梅雨の時期や湿度が高い日などで乾かしにくい場合には、扇風機や除湿機を使い、生乾きにならないよう注意しましょう。
カーテンを洗濯する時の注意点として、カーテンは1回の洗濯で1枚ずつ洗うことが挙げられます。カーテンを洗濯機で洗濯する場合、1度に数枚洗濯したいと考える人も多いのではないでしょうか。特に、年末の大掃除の時は全てのカーテンをまとめて洗濯したい場合もあるでしょう。
しかし、カーテンを綺麗に洗濯したい場合、1回の洗濯で1枚だけ洗濯機に入れ、乾燥させてから次のカーテンを洗濯することがポイントです。
同じ部屋のレースのカーテンとドレープカーテンを同時に洗濯すると、部屋の湿気が高くなります。カーテンに雑菌が繁殖することはもちろん、部屋にある家具やクローゼットの中にまでカビが発生する可能性があるのです。
そのため、同じ場部屋のカーテンを洗う場合、1枚ずつ洗濯して乾かす必要があります。
カーテンの洗濯4ステップ・注意点【手洗い】
カーテンを手洗いする場合に必要な道具、具体的な選択方法を4つのステップに分けて紹介します。
■必要な道具
・おしゃれ着用洗剤
・ビニール手袋
・洗濯ネット
カーテンは大きいため、通常の洗面器を使用して手洗いできません。シンクや浴槽を容器代わりにして手洗いをしましょう。
■①カーテンのフックを外す
レールに掛けてあるフックを全て外して、洗面器でしっかり手洗いします。
■②洗濯液にカーテンを浸ける
シンクや浴槽にカーテンが浸かる程度の水を入れたら、水の分量に適した洗剤を入れます。手荒れを予防するためにビニール手袋をしたらカーテンを入れて、両手で揉み洗いをしましょう。途中でカーテンを裏返し、全体を洗うことが大切です。
■③水を替えながらすすぐ
水が黒くなるまで揉み洗いをしたら、栓を抜いて水を替えて再度揉み洗いをします。泡が出なくなるまで数回水を替えて洗いましょう。
■④洗濯機で脱水する
洗濯ネットに入れたら、洗濯機で脱水をします。30秒程度脱水したら、カーテンレールに戻して乾かしましょう。
注意点として、カーテンの生地が厚くて脱水しきれなかった場合には、水が下に垂れる場合もあります。万が一水が垂れてきた時のために、床に乾いた雑巾を置いておくと良いでしょう。
カーテンの洗濯3ステップ・注意点【コインランドリー】
コインランドリーでカーテンを洗う方法は非常に簡単であり、必要な道具は洗濯ネットのみです。洗いたいカーテンの枚数分の洗濯ネットだけを用意しましょう。
■①カーテンを1枚ずつ洗濯ネットに入れる
フックを外したら、カーテンを洗濯ネットに入るように小さく折りたたみ、1枚ずつ洗濯ネットに入れます。洗濯槽に引っかかるうえに、他のカーテンと絡まるため、必ず1枚ずつ洗濯ネットに入れて洗濯しましょう。
■②コインランドリーで洗濯する
コインランドリーに持って行き、カーテンを洗濯槽に入れます。必要な料金をいれたら洗濯をするだけです。カーテンの洗濯に必要な料金は500円程度、30~40分程度で洗濯は完了するでしょう。
注意点は、洗濯が終わったらすぐに回収することです。すぐに回収しなければシワが付くため注意しましょう。また、濡れた状態で温かい場所に放置すると雑菌が繁殖して不快なニオイの原因になります。休日はコインランドリーが混むため、すぐに回収することが大切です。
■ ③カーテンレールに戻して乾かす
カーテンを持ち帰り、濡れた状態でフックをつけてカーテンレールに戻して乾かします。水の重さで生地が伸びるため、シワが付きにくくきれいに乾くでしょう。カーテンは乾燥機にかけると熱で傷むため、自然乾燥させることがポイントです。
カーテンの洗濯でカビ取りする方法
カーテンに発生したカビは、塩素系漂白剤やカビ取り専用洗剤を使って取り除きます。洗濯表示を確認し、塩素系漂白剤を使用して問題はないか、もしくは酸素系漂白剤を使うべきか、漂白剤は使用できないのかをチェックしましょう。
大きめの容器やシンク、浴槽などカーテンが入る場所を使用します。カーテンが浸かる程度の水を入れたら、水の量に適した分量の漂白剤を入れましょう。30分程度浸して様子を見て、汚れが浮いていたら取り出します。漂白剤は生地が傷むため2時間以上浸けておかないよう注意が必要です。
カーテンの干し方・乾かし方
レースカーテンの場合は、フックを付けてカーテンレールに戻して乾かします。厚みがあるカーテンの場合、物干し竿を使用するのも良いでしょう。2本の物干し竿を使って、カーテンがM字になるように干します。
物干し竿が1本しかない場合は、ハンガーを数個使い、上からカーテンを掛けてA字になるように干す方法がおすすめです。カーテンの素材や重さを確認して、適した方法を選びましょう。
カーテンの洗濯のおすすめ頻度
カーテンの洗濯の頻度は、年2~3回がおすすめです。厚手のカーテンの場合は、年1回でも問題はありません。カーテンを全く洗濯をしていないと不快なニオイの原因になるほか、大量のカビが発生すれば健康を害することにもつながります。
特に、小さな子どもやペットがいる家庭では、子どもやペットがカビで汚れたカーテンに触れてしまうことも少なくありません。
また、汚れの付着によって遮光性や遮熱性などの機能が低下します。そのため、カーテンの機能性を維持するためにも洗濯をすることが大切です。
カーテンを綺麗に保つ方法
カーテンを綺麗に保つためには、部屋の湿度を管理することが大切です。部屋の湿度の具体的な数値は確認できなくても、部屋の広さに適した除湿器を使用すればカビの発生を予防できます。
また、消毒用エタノールを使い、洗濯をしない期間に拭き掃除で手入れをすることもポイントです。カーテンの拭き掃除を習慣化すると良いでしょう。
まとめ
重く大きなカーテンを洗濯するのは面倒だと感じ、購入してから1回も洗濯をしたことがないという人も多いのではないでしょうか。
しかし、カーテンは結露の水が付着しやすく、カビが発生するため注意が必要です。カーテンは洗濯機や手洗い、コインランドリーで洗濯できます。洗濯表示を確認し、塩素系漂白剤や酸素系漂白剤も活用しながら綺麗しましょう。